おいしいすももの話と桃ツアーのご案内

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「さんたろう」という日本のすももがアメリカに渡って「サンタローザ」というすももになり、
日本に帰ってきたという変わり者「サンタローザ」。農家のおっちゃんは「さんたろう」と呼びます。
手前の色が売ってる色。左奥のすももの色がもうちょっと濃くなると芳香が漂ってきます。



山梨県の古郡正さんが、この時期すももを送ってくださいます。

そのすももの名は「サンタローザ」。
わたくしが世の中で一番好きなすももです。ひゃっほう!!

このすもも、すももと思えない洋梨っぽいフレーバー(※)を持っており、
すっぱいものが苦手なわたくしでも、香りに夢中になり、何個も食べちゃいます。
※鼻で感じる香りではなく、口中に入れて鼻に空気が抜ける際に感じる香り。
食べたときに香るので、ニオイを嗅いでも感じることはできません。

あんまりにも香りがいいので大好きになったのですが
ある日それほど熟していないものを食べたら、酸っぱ~いすももでした。

それもそのはず。
サンタの香りは、紫色になるほど熟して、初めて出るのでした。

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大石早生の写真を撮ろうと思ってたらあっという間に終了して撮れず。これはレッドビュート。
古郡さんのすももは無施肥なので玉が小さいけど、普通に肥料やってると大玉になります。
それほどおいしいと思わないけど、早生品種で大玉なのでいい値段がつくらしいです。



サンタローザの本当の味は、畑でまっくろになったヤツを食べるか、
すもも農家と仲良しになって送ってもらうしかないのです。
普通の人はほとんど食べたことないんだろうなあ…。もったいないのう。

このように意外と知られていないすももですが、すももも桃と同様、
ひとつの品種のピーク期間が約1週間。
店頭では品種が次々に切り替わっており、売れ筋のものしか置きませんから
消費者がすももの品種を知る機会自体、あまりないのです。

さて、すもものトップバッターは7月中旬に出る大石早生。
スーパーでも「大石早生」という名前で売られているメジャーな品種です。

大石早生よりも早い品種を作ろうといろいろ交配されてるらしいのですが、
どういう理由だか、いい品種ができないんですって。

大石が出たら「ああ、すももの季節」と思うほどですから、
大石早生は「キング・オブ・早生品種」。不動の地位を確立しているのでした。

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すっぱいすももレッドエース。売ってるの、あまり見かけませんね。
すももの色って写真に撮るのが難しいのです。もっと微妙なニュアンスのある赤なのですが…。



その大石早生の後、レッドビュート、レッドエースと続き、中生品種のメスレー、
紅りょうぜん、大石中生、サンタローザ等々、さらにメジャーなソルダムが出たら、
大玉で大変高価な「貴陽」さまの出荷が始まります。

貴陽さまは5年前位、一玉300円位で売ってたチョー高級品種でした。
すももとは思えない甘さと玉の大きさ。誰もがびっくりした品種です。

それまでは「完熟のソルダムに勝るものはない」と言う農家が多かったのですが、
今では皆「貴陽ってほんとにうまいじゃんね」と言う人がほとんど。
うまいけど受粉のタイミングが難しかったりして、リスクも高い品種のようです。

貴陽の後は太陽、秋姫などが出てきますが、その頃には皆もうなんとなく
気持ちが桃とか梨に移ってるので、晩生品種はよほどのすもも好きしか
食べてないような気がします。おいしいんですけどね…太陽…。

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7月上旬のすもも、紅りょうぜん。今年はすももが例年よりも1週間遅れの出荷でした。
ハート型のかわいらしい形のこのすもも。甘くておいしい品種です。
まだまだ熟してないわよ!っていう色合いですね。もっとしっかりした紅色になります。



さて、品種もさることながら、果物のおいしさは主に熟度によるもの。

どんな果物にも言えることですが、そのものの持つ味がピークになるのは、
おおむね劣化の二・三歩手前のところって気がします。

つまり樹からぼとっと落っこちるちょっと手前ですね。

そういうものを食べると原始的な喜びが体に満ち溢れます。
完熟の果物を食べていた狩猟採集民族の血が騒ぐというか。しかし、
現在の流通事情で、この味を楽しむのはかなり難しいと言っていいでしょう。

流通途中の運搬によるアタリや劣化、店頭に並ぶまでの時間による劣化等々
それらを加味して収穫するよう、JAが指導し農家は調整しますから、
ほんとうにおいしい果物を食べようと思ったら、畑に行くしかないのです。

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紅りょうぜんの後に出る菅野中生。菅野さんが作った品種。おいしいです。
この色だと、収穫はあと2週間後って感じですかね~。丸っこい形です。
すももって、それぞれの品種で形が違うので、すもも畑に通うとなんとなくわかるようになります。
やっぱ一番かわいい形なのは大石早生。ハート型で色も最初は黄色くて透明感があって。



なので「できるだけ樹に置いた樹熟の桃」とかいうキャッチコピーが
氾濫するのですね。それでも、農家と流通によって「樹熟」の考え方が違うので、
樹熟だからOK!ってなわけでもありません。

できるだけ樹においたと言っても、商品にできる程度ですから、
やっぱり早めに収穫していることには変わりがないのです。

消費者から「傷んでたわよ!」という激怒の電話がかかってくるのは、
誰だってイヤなもの。そのリスクをできるだけ避けたいのは誰もが同じです。
おいしい果物を食べるには、畑に行って自分の手でもぐのが一番なのでした。

ということで、今年も桃収穫体験ツアーを企画しましたです。

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自分の手でおいしい桃をもいで食べる…楽しいですよ~。
これは去年の桃狩りの品種「夏っ娘」。今年は黄色い桃の収穫を体験します。



8月27日(土)、山梨の大沢農園さんの畑で、
黄色い桃「黄貴妃」のもぎ取り体験を行います。
この桃、OISIXで毎年山形県の奥山博さんのものを扱っていますが、
別名「マンゴーピーチ」と名付けられているほど、おいしい桃。

40分食べ放題&作り手のお話を聞く会です。
おいしい桃と農家の話を堪能できますよ! ぜひご参加くださいませ。

昨年の収穫体験の様子は→「たのし、むずかし、桃収穫体験」
受け入れ先農家の詳細は→「低農薬栽培の桃を作る若い人たち」

【集合場所・時間】
8月27日(土) 10:10 山梨市駅

【参加費】
ほんもののたべものくらぶ会員 2,000円
一般 3,000円 3歳未満無料
家族参加の方は割引がございます。ご相談ください。
※現地集合現地解散。※昼食はお弁当をお持ちください。
希望者にはマクロビオティックカフェ「hakari」のカレー(700円)をご用意いたします。

【体験内容】
40分間桃のもぎ取りと食べ放題。昼食を食べながら桃農家との交流。
※お持ち帰り用の桃は実費となります。

【お申込み・お問合せは】
以下のメールにてお申し込み・お問い合わせください。詳細情報をお送りいたします。
info@hontabe.com

■申込締切 8月5日(金)
※ご注意 風や雨による桃の落果などの可能性があります。
その際には申し訳ありませんが中止とさせていただきます。


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No title

ほんたべさんこんばんは。

なるほど、店先に並んでる果物って、少しずつ品種が入れ替わってるんですねー。
目からウロコでした。
そういうこと知って食べれば楽しいし、
「今年はあの品種の出来はどうかな」なんていう楽しみも生まれるわけですね。
それに、品種間の味のちがいも。

果物のピークが時期が劣化の二・三歩手前っていうの、まさにそのとおりだと思います。
正直、酸味の苦手な自分はほとんど腐りかけでもいいと思うほどです
(冷蔵庫から取り出したばかりのは苦手)。

桃、果物の中では例外的に(?)大好きなんです。
もぎ取り体験、今ぐらっときてます。参加しよっかな。
できればしたいな。

ではでは

Re: No title

Fuさん

こんにちは。

> なるほど、店先に並んでる果物って、少しずつ品種が入れ替わってるんですねー。

桃もすももは特に品種名が表示されて売られてなかったりするので、
意外と意識されていないのではないかと思います。

りんごやぶどうはそれほどでもないけど、やっぱりいろんな品種があったりして。
で、おいしいけど作りにくいとか、売りにくいとかで、作られなくなったりするものもあって、
知ってるといろいろと面白いです。


> それに、品種間の味のちがいも。

味は違いますよね。
食べ比べるとよくわかるのですが、食べ比べなんてのもなかなかできないですもんねえ。
桃は食感も違うので、意識して食べると「へー」って思いますよ。

> もぎ取り体験、今ぐらっときてます。参加しよっかな。
> できればしたいな。


おお!ぜひぜひ。

昨年思ったのですが、長年産地へ行ってて桃畑なんかもさんざん見て、
人より知識があると思ってた自分が、おいしい桃ひとつ選べなかったんですよ!
自分で「これっ!」と選んだものよりも、園主に選んでもらった方が絶対においしい!
って当然ですが、作ってる人の力を実感しました。

畑に行かないとわかんないことがまだまだあるんだと、かなり楽しかったです。

若い果樹農家の話を聞くのも楽しいですよ~。
ぜひご参加くださいませ。

あ、あとひとつ。
黄貴妃はまだそれほど出回っていない品種なので、もぎ取り体験できるところはあんまりないかも。
私も初めてです。

とにかくこの桃、おいしいですから、お勧めです! お楽しみに!

No title

ほんたべさん、こんばんわー。すももの時期って、本当に短いのですね。知らなかったです。お店で売っている物はどれも酸っぱいので、「すもも」=「酸っぱい」というイメージがあって、あまり買おうと思えません。トマトと同じように、日保ちする物として売られていたんですね。

やはり、本当においしいものは、完熟するまで待つのが一番なのでしょうね。ほんたべさんのお勧めする「サンタローザ」(面白い由来ですね)、食べてみたいですねー。

Re: No title

駆動さん

こんにちは。

>すももの時期って、本当に短いのですね。知らなかったです。

わりと次々に品種が入れ替わってるんですよね。
どこで売ってるんだろう?と思うぐらい入れ替わります。

東京では見ないから、やっぱ地元消費なのかなあ…。
しずく型の「月光」というすももとか(大玉でおいしくて作りにくいのでマボロシの品種)、
珍しいのもたくさんあるんですけどねえ。


> 日保ちする物として売られていたんですね。

日持ちっていってもちょびっとですが、だいたいすももの先の部分が色づいたら出荷。
ってな感じで目合わせされてるみたいです。

すごくそれがわかりやすい品種が、大石早生なんですけど、
今年は写真を撮りに行ったら終わってました。

> やはり、本当においしいものは、完熟するまで待つのが一番なのでしょうね。

まれに完熟にすると味がボケるものもありますが、
まあだいたいおいしいのはできるだけ樹においたものですよねえ。
桃もすももも、りんごも同じです。

ところでサンタローですが、マイナー品種っぽいのですが、時折スーパーで売ってます。
でもすっぱ~いですよ~。色は真っ赤っかで美しいのですが。

あのすももに香りがあることを知ってるのは、農家の人くらいじゃないだろうか。

No title

ほんたべさん、こんにちわ。

すもも大好きですが、このような品種や事情があることを知って驚きです!

普段はほとんど考えたことすらありませんでしたが、本当に美味しいのを食べたいなら畑で食べるのが一番ですよね・・・
考えさせられました。

Re: No title

たい次郎さん

はじめまして。
ご訪問とコメント、ありがとうございます。

> すもも大好きですが、このような品種や事情があることを知って驚きです!
>
すもも、お好きなのですか!
いろんな品種があって面白いですよ~。

私も山梨県のすもも農家の担当をするまで、すももはすももだと思ってました。
品種名が頭に入るのに一年かかりましたです。

すっぱいもんだと思っていましたが、香りがあったり、ボケたり、甘かったり、
水のようにあっさりしてたり、ごってりした味がしたり。それぞれの品種でいろいろです。


> 本当に美味しいのを食べたいなら畑で食べるのが一番ですよね・・・

落葉果樹類は全般そうですよ~。
貯蔵するキウイフルーツと洋梨以外は、畑で樹のてっぺんについてるのを食べるのが一番です。

あと園主に採ってもらうことがとっても大事です。
園主様は、おいしい樹やおいしい枝をご存じですから(笑)

No title

すもももももももものうち
(「すもも」も「桃」も桃のうち)というのがありますが
大昔のワープロの広告に
「きしゃのきしゃがきしゃできしゃした」というのがあって
ビックリハウスという伝説の雑誌には
「ももんががもものももももんだからももももうもうれつにおこった」
というモモちゃんの絵日記が載っていたりしていたのを
何故か思い出しました。

いえ、単なるチャチャ入れでスミマセン。

Re: No title

癌ダムさん

> 「きしゃのきしゃがきしゃできしゃした」というのがあって

貴社の記者が汽車で帰社した…ですかね?

> 「ももんががもものももももんだからももももうもうれつにおこった」

これ、わかりましぇん。
モモンガが桃のモモ?もんだから、桃も猛烈に怒った?

> ビックリハウスという伝説の雑誌

ビックリハウス、読んでました。
でもちっとも思い出せません。
なんかアホなことでゲラゲラ笑ったような記憶があるのですが…。

1984年頃の大阪のテレビ番組で、西川のりおと竹中直人が出てたのがあり
題名すら思い出せませんが、それがすっごく好きで毎週見てました。

皆その当時、クネクネを見てたと思うのですが、私は見てなかったです。

てなことを思い出しましたです(笑)

No title

貴社の記者が汽車で帰社した・・・◎

モモンガがモモ(ちゃん)の腿(を)揉んだから
モモ(ちゃん)も、もうモーレツに怒った。…ですね。

ビックリハウス・・・
アートディレクター:石岡瑛子
イラストレーター:栗原はるみ
カメラマン:久留幸子といった
PARCO全盛期のクリエイティブワークが光輝いていた時代の、
企業PRおふざけ雑誌でしたね。

駆け出しコピーライターだった僕らは、ヒマな時いつも
その駄洒落の投稿に、誰のが採用されるか?
みんなで競い合ったいた、アホな時代でもありました。

今でも、東急ハンズで売ってる
365日ナンセンス日めくりカレンダーに、そのスタイルが残って居ます。

Re: No title

癌ダムさん

こんばんは。

> モモンガがモモ(ちゃん)の腿(を)揉んだから
> モモ(ちゃん)も、もうモーレツに怒った。…ですね。
>

むう。わからなかった。


> ビックリハウス・・・
> アートディレクター:石岡瑛子
> イラストレーター:栗原はるみ

懐かしいお名前ですね。
なんだか遠い昔のことのようです。

>
> 駆け出しコピーライターだった僕らは、ヒマな時いつも
> その駄洒落の投稿に、誰のが採用されるか?


私は学生でしたので、ただゲラゲラ笑ってただけでした。
上記の人々は雲の上の人たち。
ふわふわした夢の中で、一生懸命生きておりましたです。

今から考えると、毎日幸せだったよなあ…。
未来は明るいばかりで、目がくらむようでした。

> 365日ナンセンス日めくりカレンダーに、そのスタイルが残って居ます。

買いはしませんが、けっこう好きです(笑)

No title

とても魅力的な記事でした。
また遊びに来ます
プロフィール

ほんたべ

Author:ほんたべ
手島奈緒
おいしい食べものをつくる人を紹介したり応援したりしております。ブログをまとめた著書『いでんしくみかえさくもつのないせいかつ』(雷鳥社)『まだまだあった! 知らずに食べてる体を壊す食品』(アスコム)『儲かる「西出式」農法』(さくら舎)など。現在ハンター修行中。

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