山形県のブランド米「つや姫」を食べてみた!

gazou 071
写真を撮影した後に「つや姫」と知り、ちょっとうれしくなった稲穂の写真。
粒がしっかりしていて美しい稲穂ですね。



山形県が総力あげて売り出している新品種「つや姫」。

何年か前の「はえぬき」「どまんなか」の失敗を糧に、
ものすごいブランド化が図られていたことを知りました。

よくJAがOKしたなあ…と思うその戦略とは、
①特別栽培米及びそれに準ずる栽培内容であること
②栽培期間中の圃場確認が何度か入る・栽培記録の提出
③できた米のたんぱく含有量7.5%以上のもの及び3等以下のものはつや姫の標記はできない

これは厳しいですね。驚きました。

種もみも「作りたい」と言った農家全てに渡したわけではなく、
3町以上の認定農家で上記条件を満たせる人のみ。

実は山形県の米栽培総面積の5%未満の面積でしか栽培されていないのです。

常日頃、初期の除草剤一回しか使わない私の知り合いの農家は
特別栽培でも何てことなかったのですが、慣行栽培の人から見ると
上記の条件はけっこうハード。誰にでもできるという話ではなかったようです。

gazou 059
一粒ひとつぶが大きいのがつや姫の特徴。ってことはひょっとして収量もいい?
だれも「うん」とは言わなかったけど、ちゃんとできれば収量はいいんじゃないのかなあ。



さて「特別栽培米」って何だっけ?という方も多いと思います。

「地域の防除暦の農薬数50%減、化学肥料(チッソ分)50%減で栽培された農産物」。
つまり肥料(化学肥料)も農薬も、慣行栽培の半分以下で栽培されたものについて
「特別栽培農産物」と称して販売することができます。

「特別栽培農産物」は、有機JAS認証はハードルがとっても高くてムリだけど
慣行栽培よりもがんばってるんだもんねという人が取ることが多いのですが、
米以外は差別化がうまくできておらず、さらに米でも「特栽?何それ?」とか言われて
あまり優位性があるとは言えません。

消費者が知らないことが原因だと思うんですが、そもそも慣行の作り方を知らなければ
優位性などわかろうはずもなし…何か情報の伝達が滞ってるのでしょうね。

さて、山形県の「つや姫」防除暦はチッソ分6.12kg、農薬成分回数20回。
この50%以下で栽培されているということですね。
(除草剤含め、農薬は10回も使えるのです。びっくりしました)

gaszou 090
今年、収穫間際に稲が倒れてしまっている田んぼをたくさん見ました。
雨降りが多かったこと、強風が何度か吹いたことなどが原因。稲刈りにも苦労してました。


さて、過去のブランド米「はえぬき」の失敗の理由は何だったのでしょう?

このお米、おいしく作ればとてもおいしい米でした。
ただ、チッソ分を多くしても稲が倒伏しないという特徴があっただけ。
これが失敗の原因でした。

チッソは収量を上げますが、コシヒカリやササニシキなどは
あまりたくさん入れると稲が大きく長くなり、倒伏してしまいます。
倒伏すると商品にならないため、チッソ量については皆がちゃんと配慮します。

チッソを入れても倒伏しない品種というのは、農家にとってはとてもありがたい品種。
収量が上がって倒伏しない…こんないい米はない!ってわけです。
しかししかし。一番大切な「食味」が悪くなってしまう、それがチッソ過多の問題点。

米の食味を大きく左右するのは「たんぱく含有量」。
たんぱく質の元はチッソなので、チッソが効きすぎている米はまずいのです。

おいしいというはえぬきの評価がじょじょに下がっていったのは、
農民皆がバンバン入れたチッソのせいだったのでした。

gazou 002
名前の通りつやつやと光るごはん粒。「つや姫」って名前もセンスいいですね。
まあ少なくとも「どまんなか~っ!」よりはオンナゴコロをつかみます。



実は「つや姫」も「はえぬき」同様倒伏しにくい品種。
だからチッソ量の制限をかけ食味の低下を厳しく制御したのです。

食味のばらつきがあれば「ブランド化」はできませんから、すごく正しい戦略で、
さらに、それを貫徹したのが「スゴイ!」と思うところでございます。
「つや姫」にかける山形県の並々ならぬ思いが伝わって来ます。

また栽培期間も気を抜かず、出穂前に新葉から二番目の葉の色を調査し、
濃すぎるものは「つや姫」として売れなくなったという話も聞きました。
栽培している田んぼを普及員が全部回り、葉色調査をしたってのもスゴイです。

つまりチッソを入れ過ぎてた農家は、ここで振るい落とされたということですね。
うーん、そこまでするとは! 徹底しています。

このような山形県と農家の努力によってブランド化されたつや姫は、
一定レベル以上の食味が確保できていて、なおかつ安全。

そんなお米が一般的に販売され、どのスーパーでも買えるってのがまたスゴイです。
売り上げ的にはかなりいいらしく、米不振の昨今「良かったなあ!」と思う次第です。

gazou 014
私が食べたのは、おきたま興農舎の除草剤一回使用、無化学肥料のつや姫。
いや~、おいしかったです。通常のつや姫よりも基準を厳しくした「たかはだブランド」のお米は、
銀座の山形プラザで購入できるそうです。ぜひ試食してみてください。ほんと、おいしいから。



さて、食べてみた感想は…ふひょ~んってな感じの、しあわせのおいしさ。
つや姫は粒が大きいのですが、柔らかめに炊いても一粒一粒をはっきり感じます。

なんと言ったらいいのか、もっちりとしたごはんつぶをぷちぷち食べてる感じなのですが、
それが不快ではなくて気持ち良く、さらに甘みがじんわりと口中に広がり、
「ああ、おかずなんていらないわ! 白飯だけでわしわし食べたい!!」という
猛烈な欲求がわきあがってくるようなおいしさでした。
(ボキャブラリーが貧困ですみません)

とにかく、さすが、つや姫! 当分私はつや姫に夢中です。次も買います。

きっと羽釜杜夫で炊けばさらにおいしくなるでしょう。
おいしく炊ける電気釜まで欲しくなった、つや姫の試食でございました。


★現在ブログランキング参加中です!
↓プキッとクリック、ご協力お願いいたします!



こちらもよろしくお願いいたします!
にほんブログ村 環境ブログ 有機・オーガニックへ
にほんブログ村
関連記事

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

No title

つや姫ブランドの背景、とっても勉強になりました。

ネーミングのセンスと、イメージ以上の味わい、私も東北人の一人としてファンになっていたところです。

おきたま興農社、知らなかったので、チェックしてみたいと思います。

Re: No title

MIKIさん

こんばんは。

つや姫、ニュース等で紹介されてたりしたのを少し見ましたが、
ここまで生産者を限定しているとは私も今回初めて知りました。
たんぱく含有量など普通は測って売ってないんですもんね。
おいしくて当たり前って気がします。

おきたま興農舎、頑固な農民の集団です。
ホームページもありますので、ぜひ見てみてくださいね!

No title

ほんたべさん、こんばんわー。実はまだ「つや姫」を食べていません!(←山形人なのに。)

でも、ほんたべさんの感想から、おいしいのだなぁとわかりました。
自分で作っているお米は食べるのですけれども、いざ買って食べるとなると・・・不思議な感じがします。

つや姫を作った人に、今年の出来を聞きましたが、暑かったのでとても苦労したそうです。そして、値段も普通より少ししか高くなかったので、苦労の方が大きかったようです。

Re: No title

駆動さん

こんばんは。
つや姫、まだ食べてらっしゃらないのですかあ…
でも自分ちでお米を作ってたら、買うの変ですもんね。

>値段も普通より少ししか

そう、いろいろ大変なことがあったらしいのに、価格はそれほどでもなかったと言ってました。
戸別所得補償があるので、米価が少し落ちてるらしいですよね。

でも新品種をきっかけに米の消費が伸びるといいですよね。
北海道のゆめぴりかも評判いいらしいし、がんばって欲しいです。

年末・クリスマス、まさにシーズンですね!
風邪ひかないようがんばってください。

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます
プロフィール

ほんたべ

Author:ほんたべ
手島奈緒
おいしい食べものをつくる人を紹介したり応援したりしております。ブログをまとめた著書『いでんしくみかえさくもつのないせいかつ』(雷鳥社)『まだまだあった! 知らずに食べてる体を壊す食品』(アスコム)『儲かる「西出式」農法』(さくら舎)など。現在ハンター修行中。

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
カレンダー
08 | 2017/09 | 10
- - - - - 1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
リンク
FC2ブログランキング
FC2ブログランキング参加中

FC2Blog Ranking

フリーエリア
検索フォーム
RSSリンクの表示
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR