グラスフェッドビーフってなんなんだというギモンその2 肉牛

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『外食女子~』のためのリサーチでオージービーフ食べました。
メニューに「穀物牛」と書いてありました。グラスフェッドじゃないのでしょう。
しかしほとんど味がしないし硬い肉だったです。月齢が若いのかもなー。


スシやトーフとともに世界的に有名になりつつある和牛。
日本人でも日常的にはお高くて食べられない和牛。

和牛には4種類あって、みたいな話は長くなるからはしょりますが、
日本には「和牛」のほかに「国産牛」「輸入牛」が売られています。

国産牛はホルスタインのオス(去勢牛)や経産牛(ミンチとか)などですが、
最近ではホルと和牛の交雑(F1とも呼ばれる)などもあり、
F1は和牛の血統が入っているのでホルよりもちょっとおいしい、
しかも和牛と比較してお手頃価格、というようなメリットがあります。

輸入牛肉はアメリカとオーストラリア・ニュージーランドがほとんどで、
外食産業ではオーストラリア・ニュージーランドの牛がよく使われます。安いから。
そしてオーストラリア・ニュージーランドの牛が主にグラスフェッドと言われます。
(グレインフェッドのものもあります)

んじゃ肉の場合はオーストラリア・ニュージーランドの牛肉が
グラスフェッドなんじゃん? ってことでこの項終わり。
んではおもしろくないのでお肉屋さんにいろいろ聞いてみました。

さて、ひとことで肉牛と言いますが、実は飼育されている期間が違います。

例えば和牛(メス)は30~32か月※神戸・松坂牛などは36か月、
和牛(去勢オス)は28~30か月。オスは早くでかくなるのですね。
交雑牛25~28か月、ホルスタイン18~20か月※北海道などで16か月とかもあり。

アメリカ・オーストラリアの飼育期間は不明です。
しかし双方成長ホルモンを与えており増体率がかなり大きいはずなので
18~20か月くらいなのではないでしょうか。アメリカはも少し長いかもね。

つーことで、和牛は3年弱、国産牛は2年弱飼育されて肉になります。
和牛がお高いのは血統がいいのももちろんなのですが、
長生きしているぶんエサを食べているから、とも言えます。
そして月齢が高い方が肉の味は奥深くおいしくなる、とも言えます。

以前大地を守る会でホルスタインの未去勢のオスの肉、
「ヤングブルビーフ」という商品を扱ったことがありました。
これは飼育期間が16ヶ月弱で価格的には安いのに売れませんでした。
若い=おいしくないのです。これはいかんともしがたいのです。

日本人は「塩とこしょうだけで食べておいしい肉」が好きなので、
ソースをゴッテリとかチーズをまぶしたカツで、みたいなのは
性格、というか食習慣に合わないということでしょう。

nik2u.jpg
ふるさと納税で届いた「とっとり牛」。微妙な名前がついていますが、
和牛ではありませんからたぶんホルスタインでしょう。
サシの入り具合が微妙で味も和牛には及びませんが、
ふるさと・鳥取の牛肉ですから牛丼にしておいしくいただきました。


飼育期間もただ飼育してるわけではなく、おおまかに3つのステージがあります。
まず生まれてから市場に出るまでの「子牛」、次が肥育に入るまでの「育成」、
肉を霜降りにしたりおいしくしたりする「肥育」の3段階です。

子牛や育成期の牛は北海道では放牧されてたりしますが、
内地では運動場で草食ってたりします。なんとなく放牧されてる感があります。
またほんとに育成期までの子牛を放牧して優位性を持たせている産地もあります。

ですから牛によってはここだけ切り取って「グラスフェッドビーフ」とも言えます。
ビオセボンの販売の人が「育成期間中は放牧しています」とおっしゃって
「グラスフェッド」と言ったのはこの誤解によるものだと思います。

実は子牛も育成期の牛も穀物飼料を食べており、
草だけ食べているのは非常にまれなのだそうです。
つーことで修正しました(2月2日)。

肥育期には肉の味をのせるため飼料は穀物主体になります。
ここで筋肉に美しい脂肪を交雑させる技は日本ならではです。

肥育段階では穀物や牧草を食べているため脂肪の色が黄色くなりますが、
仕上げに干し草やワラを食べさせるとまっしろに変わります。
こうしてうっすらピンクの美しい霜降り肉ができるのですねー。

肉の仕上がりはすんばらしくても牛自体はビタミン欠乏寸前になってたりします。
ほんとうの欠乏症になると関節に膿が溜まったりして障害が起きるため
それはよくないのでギリギリを狙います。この技術も日本ならではでしょう。

この肥育方法がいいとか悪いとかかわいそうとかではなく、
おいしい肉はこのようにつくられていると知る必要はあるでしょう。

和牛と国産牛の作り方は違いますがざっくり言うとこんな感じです。
で、草だけ食わせた、つまりグラスフェッドビーフはどんな肉になるのでしょう。

前述しましたが、肥育期間中に草を食わせると脂肪の色が黄色くなります。
穀物を食わないのでサシが入らなくなり、肉の味も変わります。
また、通常の飼育期間では肉が硬くなるのではないかと思います。

このような肉を格付市場に出すとA2とかA1とかになりいい値段はつきませんから、
契約販売をする必要があるでしょう。つまり説明商品になる、ということです。
うーん、売るのがむずかしそう。でも草しか食ってないなら安くていいのか?

国産のグラスフェッドビーフをめったに見かけないのは
絶対数が少ない&一般で売っても評価されないからかもしれません。

これから広がっていくのかどうかもわたくしにはわかりませんが、
ビオセボンの短角肉がもっと売れれば広がるかもね。
※肥育期間中も草しか食ってないならポップにそう書きましょう。

DSC00854_20170201105325284.jpg
大地を守る会で取り扱っている日本短角種。赤身のお肉ですが、
ななななんと! すべて国産の穀物で肥育しております。
しかしこれが格付市場に出るとA2とかになってしまうのですようううう。
「全部国産飼料」という究極の説明商品。もっと売れて欲しいです。



ということで、そもそも放牧で草食ってるオージービーフが
グラスフェッドビーフとかでクローズアップされるわけです。
ただすんばらしくおいしいとは言えないというネックがあります。

その理由もお肉屋さんに聞きましたが、なんか長くなってしまったので
オージービーフとアメリカ産牛肉については次回に回します。


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Re: No title

矢田さん、コメントありがとうございます。

> 牛肉大好きなんで、次の記事も興味深々です。
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ありがとうございましたー。
プロフィール

ほんたべ

Author:ほんたべ
手島奈緒
おいしい食べものをつくる人を紹介したり応援したりしております。ブログをまとめた著書『いでんしくみかえさくもつのないせいかつ』(雷鳥社)『まだまだあった! 知らずに食べてる体を壊す食品』(アスコム)『儲かる「西出式」農法』(さくら舎)など。現在ハンター修行中。

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