テロワールと地理的表示の可能性について考えてみた

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京都のブランドたけのこ「シロコ」とか登録されてないかなーと思ったけど、
されてませんでした。というか、高齢化で品質が一定しないので、
大量に販売するのむずかしいって記事を見つけました。悲しい(泣)


先日、日本農業新聞に「地理的表示制度」の登録数が
35品目になりましたよね、という記事が掲載されていた。

記事の主旨は「家族経営の農家が地理的表示登録品目を守ってきた。
小規模な家族経営の農業者を大切にしなくては」的なものだった。
でも地理的表示制度(以降GI制度)ってそもそもそういう性格よね。

さて、GI制度とは、EUをはじめとする世界100カ国以上で導入されており、
簡単に言うと「地域ブランドの保護」が目的である。

基本的には国内での保護が主だが、GI制度がすでにある国と条約を結べば、
その国でも日本の登録品目が保護されることになる。

商標登録によく似ているが、商標権は個人が申請する私権であり、
管理や侵害された場合の訴訟等も個人がしなくてはならない。が、
GI制度は国のお墨付きのため、そういった介入は国が行う。
介入どころか監視もしてくれるのだ。すげーなGI制度。

また、GI制度の登録は生産工程管理を含めて行うため
品質についても一定以上のレベルが担保される。
商標では品質のレベルや生産工程管理は保持は登録上とくに関係ない。
ブランドの質と中身が違うということだ。

大きく違うのは、GI制度は「地理的」表示というその名の通り
「地域との結びつきが強固なものに対して与えられる」のであり、
なんか最近あのへんでいちごつくってるし人気あるから
地名つけて売っちゃおう、みたいなものは登録できない。

登録品目35品を見てみればそれは一目瞭然なのだった。
ちなみに神戸ビーフ、但馬牛、黒崎茶豆、鳥取砂丘らっきょう、市田柿など、
「あら、ウチの名産が」的なものがたくさんあるので楽しいです。

GI制度は基本国内に適用なのだが条約を締結すれば海外でも保護される。
現在決まっているのは、タイとベトナムの2国のみだが、
進行中のEUとのFTA交渉では、EU側の関心事項として
テーブルに上がっているからそのうち締結されるだろう。

また、GI相互保護はTPPでも検討されていたが米国が乗り気でなかった。
TPPで締結されれば一気にGI制度に登録した商品が保護されるから、
日本の知的財産権の保護につながっただろう。

とっかの国の「偽物神戸ビーフ」「偽物さくらんぼ」などで
ブランドを傷つけられることもなくなるのだがしょうがないのだった。

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GI制度登録商品の写真で唯一持っていたもの「東根さくらんぼ」。
「山形さくらんぼ」ブランドは、生産量よりも多く出回ってるとか
よく言われますが、GIで保護されるとそういうのできなくなります。



んで、テロワールである。

テロワール(Terroir)

「土地」を意味するフランス語terreから派生した言葉である。
もともとはワイン、コーヒー、茶などの品種における、生育地の地理、
地勢、気候による特徴をさすフランス語である。
同じ地域の農地は土壌、気候、地形、農業技術が共通するため、
作物にその土地特有の性格を与える[1]。(Wikipedia)

これはワインに限った話ではなくその他のもの、たとえば
コーヒー(ブルーマウンテン)や紅茶(ダージリン)などにもあてはまる。
どちらもその地域の気候や土質、製造方法などが関連するからだ。

というか実はこれ、黒埼茶豆にも鳥取砂丘らっきょうにもあてはまるのだ。

日本にはその土地の気候や土質、地理上の特性を活かした農産物が多い。
登録はされていないがだだちゃ豆などがそうである。

よその地域で栽培しても同じ味にはならないし、
タネをもらって植えてみてもうまくつくれなかったりする。
これは土質や気候だけでなく、微生物やもしかしたら昆虫など
地域の環境全体が栽培や生産に必要ということだ。

ってことはこれもテロワールでしょう。

EUではGI登録商品は一般の商品よりも高値で取引されており、
日本では登録後後継者が増えた例(砂丘らっきょう)があるらしい。
(農水省の地理的表示法についての資料に書いてありました)
海外に広がるとさらにさらに可能性は広がる。

国内では、メジャーではなくても地域で連綿と消費されてきた、
地元ではあたりまえでも一般には全く知られていない特産品がまだある。
それらの知名度が上がると地域活性につながるかもしれないし、
経済的な効果が実際に上がるかもしれないのだった。

すげーおもしろい!!

消費者的には単に「おいしい」とか「めずらしい」だけでなく、
その「もの」が生まれるまでの物語を知ることが、地域の環境、
そして自分が住む日本という国の食や環境の多様性を感じる素材となる。
ついでにいうと、その作物が保護=環境も保護されるのではあるまいか。

つーことでわたくし的に現在「テロワール」に興味津々で、
そういうものつくる「場」を見に行きたいなーと思っております。


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対談で知った自分の偏りにビミョーにショックを受けた件

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対談当日は「黒・紺以外の服装で」と指定がありまして、基本的にわたくし
黒・グレー・紺というような色の服しか持っておらず、買いに行きました(泣)
これを機会に明るい色のお洋服を買おうと思いました。まる。



『クロワッサン』という雑誌が今年で刊行40周年なのらしい。

わたくしの母は創刊間もないころから愛読していて、
高校生のころ、わたくしもなんとなく読みはじめた。

大阪に4年間行って帰ってきてからも『クロワッサン』は家にあり
「男女別姓」とか「フェミニズム」とか「女性も自立すべき!」 
的な考え方はこの時期のクロワッサンで知った。

その後働くことになった大地を守る会のことも
実は『クロワッサン』の「安全な食材特集」で知ったのだった。
インタビューされていた戎谷徹也氏は入社後の上司である。

などという妙な縁。というか、『クロワッサンは』
ふわふわした、自我がまだ固まっていなかったわたくしに
良くも悪くも影響を与えた雑誌なのだった。

というようなことを今回しみじみと思い出したのは、
40周年の企画のひとつ「ふだん食べるものだからこそ
おいしさと安心を次の世代へ」という対談に参加させてもらったからだ。

対談ではふだん食べているものを紹介させていただいたが、
微妙に自らの偏りを明らかにしてしまっており、
話していくなかでわたくしはほかのお二人と自分の違いをしみじみ知った。

以前お友だちに「食材原理主義者」と呼ばれたことがあったが、
確かに「食べものは何でつくられてるかが一番大事」とか思っており、
(人さまには押し付けないが)自分はここんとこ絶対譲りませんから!!!
的なかたくなさがある。あとおいしくないものがキライだ。

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日々使っている調味料やお豆腐など3人分のリストが掲載されてます。
それぞれ味見してみていろいろ発見があって楽しかったです。
しかしエシレバターってなんであんなに高いんだ。



メディアで安くておいしいとか紹介されてても別に食べたくない。
食べものの価格を抑えるためには原料価格を抑えなくてはならず、
劣悪な原料からおいしいものなどできないと想像できるからである。
加工品をもれなくおいしくするたんぱく加水分解物の味もキライだ。

そもそも食品添加物とか入ってるのは全く眼中にない、というか
そういうことより、食品をつくってる人を知ってるのが大事! とか、
有機だからって輸入オーガニックどうなの? 
それは日本の農業のためになるわけ? みたいな
さらにかたくななものさしで食べものの価値をはかっており、
書いててあまりのかたくなさに現在身震いしているわたくしです。

でもさあ。そんな氏とか素性とかどうでもよくて、
単純に「おいしい」でいいんじゃないの? 
なんちてお二人を見ていてちらりと思ってしまったわけです。

反省。でもたぶんいまさら変われないううううう。

というような偏ったわたくしを選んでいただいてありがとう
と『クロワッサン』の編集の方にはお礼を言わなくてはならない。
ありがとうございました。

その偏ったわたくしが何をオススメしているか、
ぜひ誌面でご確認ください。あ、あとひとつだけ。
なかに3人とも絶賛した食品がひとつだけありました。
それが埼玉県本庄市のもぎ豆腐のつくる三ノ助豆腐でした。

さすがです、もぎ豆腐。やっぱ原料大豆が違うからでしょう。
あっ、また食材原理主義的発言が。まあいいか。

ということでメディアに露出しましたというご報告でした。
紹介した商品が売れるといいなー。



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60歳になったら半狩猟採集農耕半Xってのはどうだ

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農作業と言えば長袖長ズボン農家のオバチャン帽子に
顔手ぬぐいです。ワンピースとエプロンなんてあり得ません(偏見)。



半農半Xってしばらく前に話題になっていたでしょう。
わたくしこれについてかなり否定的な気持ちを抱いておりました。

当時わたくしは大地を守る会で働いておりまして、
有機農業の畑を増やすことを自分の使命だと考えておりました。

当時の仕事は情報制作でしたが、わたくしの発信する情報によって
消費者会員が増えて野菜が売れる→契約農家の作付けが増える
→取り引き農家も増える→有機農業の畑が増える
→環境負荷が減って虫や小動物喜ぶ→なんかわかんないけどみんなハッピー、
なんて思っていたわけです。

そういう勝手な使命に燃えまくって仕事をしていたせいか、
同僚や部下、さらに取り引き農家からも「コワイ」と言われ、
「夜叉」とかあだなされたのかもしれません。いやはや、反省しています。

わたくしが会社をやめてしばらくして会ったほとんどの人が
「なんか顔が穏やかになったね」と言いました。
オニのような形相で仕事していたのか自分、と今さら反省しています。

ともかく、そのような使命に燃えまくっていたせいか、
移住して半分農業やって自給自足生活ナチュラルでステキみたいなのが
自分はいいかもしれないけど日本の農業の役には全く立たない! 
なんていう、非常に狭量な考えで半農半Xを否定しておりました。

「なんかスローライフしたい」くらいの感じで移住して当初は喜ばれたけど、
畑を草ぼうぼうにして近所の人とうまくいかずに撤退してしまい
これが原因でまじめに農業しようとして来た移住者が入りづらくなったりとか、
孤立したままそこに居続けやっぱり移住者が入りづらくなったとか
そういうウワサを聞くにつけますます否定的な気持ちは募っていきました。

半農半Xの人とは、コットンリネンのほわっとしたワンピースを来て
なぜか頭にターバンを巻いて化粧っ気がないすっぴんの女の人で、
パンとか焼いてナチュラルライフわーステキみたいな感じ(想像)ですが、
そんなカッコで農作業したら泥だらけになるしそもそもその長靴機能的にどうなの、
ターバンよりも日焼け防止は顔手ぬぐいと農家のオバチャン帽子でしょう! 
とか非常に狭量な感じの毒を吐いていた記憶がありますのですが、
その偏見力に現在のわたくしが驚いております。

しかししかし。人は老いるものです。

老いてなお怒り続ける人もいらっしゃるでしょうが、わたくし的には
「多様性のひとつ」と考えれば好き嫌いはともかく、許せない的な事象は
このところバンバン減り続けておりまして、半農半X別にいいじゃん、
自給自足も別にいいじゃん、などという境地に達することができました。

さて、猪瀬直樹氏がまだ東京都知事になる前、何かのインタビューで
「能力のある人は50歳で独立。その後20年その仕事を継続する。
50でやめれば後進のジャマをすることもなくていい」と言っていました。

なにしろヒトの能力が衰えるのは75歳以降です。
70までは働きたいではありませんか。
しかし50歳で独立できる能力のある人は限られそうです。

そこで農業というお仕事について考えてみます。

現役を引退したおじいさまやおばあさましかできない作業が
農業には存在します。

ばあさまはゴマの選果とか豆の収穫、じいさまは草取りとか木の誘引など、
バリバリやってる人にはできないけどしなくてはならない小さな作業を
息子世代に言われるまでもなくみなさん粛々とやっています。
年を取ったらする作業というのが決まっているのかもしれません。

農業とはいくつになってもできる仕事がある職業であります。
働く=誰かの役に立っていると実感も得ることができます。
日々体を動かす必要がありますから健康維持にも役立ちます。

つーことは、定年で退職して農業に新規参入っていいんじゃないの?
なんちてしばらく前から考えているわけです。

もちろん儲かってる大規模産地に素人が入る農地なんてありませんし、
ベンツと同じ値段する機械が必要な米とかに参入するのはムリですが、
耕作放棄地が増え続けている中山間地などに入るのは可能かもしれません。

自分の食べる分だけ耕作すればヒトの迷惑にはならないかもしれないし、
作り過ぎて直売所で売るとか小さな欲が出ればさらに長生きしそうです。

ということで我が身の来し方を振り返ってみて、そう言えば24歳くらいのころ
いつか自分のお家の前に5畝くらいの畑を持って野菜を栽培し、
庭にはりんごやゆずなどの果樹を植え、鶏とヤギを飼って自給自足して
自分のつくった野菜とヤギ乳のチーズでカレー屋さんをする、
なんていう激甘な夢を見ていたことを思い出しました。

大人になったわたくしはヤギ乳は飲めないしヤギ肉もキライなので
とくにヤギはいなくてもいいかもしれません。その代わり、と言ってはアレですが
わたくしは現在狩猟免許を持っており散弾銃も持っております。
そして今年、全日本ジビエ協会では特許出願中に画期的な罠を売り出します。

つーことで、半狩猟(鳥)採集(野草・きのこ)耕作(野菜・果樹)で自給自足し、
半X(あと6年でベストセラー書くとかジビエ協会の罠の行商するとか)で
もしかして60過ぎたら半狩猟採集農耕半Xでイケるのではないか!
なんてゆー妄想がどんどんふくらんでいる昨今のわたくしであります。

そしてそうなった場合のわたくしの衣装は
コットンリネンのワンピースと白髪かくしのターバンにすべきか、
迷彩柄のつなぎに目が潰れるほど鮮やかなオレンジ色の猟友会ベストにすべきか
どちらがステキに見えるでしょうかみなさま。

やっぱ猟友会ベストかな。目立つし。

そんなことを妄想し始めるとウキウキして夜も眠れませんよ。
あと6年、なんか東京でなくても日銭を稼げる仕事を見つけよう。


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新年に思う、某D社とOisixの経営統合の件

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あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。

年末に某D社とOisixの経営統合というすごいニュースが入ってきましたが、
よく考えてみたら自分的にはスゴイけど、世の中の人の多数には
そうでもないかもしれないなと思ったりする今日このごろですが、
みなさま、新年はどのようにお過ごしでしょうか。

あ、ちなみに某D社とはわたくしが18年ほど勤めておりました
(株)大地を守る会のことで、今年の秋にはこの社名はなくなるらしいです。
聞き及んだところでは、Oisixの社員の方は社名がなくなると聞き、
涙を流した方もいたとか。ううううう、なんてステキなんだ。

大地を守る会の社員にはおそらくそういう人はいなかったでしょう。
なぜなら入社して少しすると「宗教か!」とかお友だちに言われたりして、
大地を守る会って名前、ヤダなーと思う人が多いからです。

Oisixの社員の方は自社の(社名の)ことを愛しているのだなと
しみじみ感じ入ってしまいましたよ。

さて、Oisixの社長・高島さんという方をわたくしはよく知らないが、
2009年に行われたグリーンエキスポで講演を聞いたことがある。

いくつか感銘を受けた内容は以下のようなものであった。

1.Oisixは消費者が楽しい食卓を演出するためにある
2.生産者を評価するしくみを持っている
3.WEBのTOP画面には個人ごとに出て来る商品を変えている

まず1でわたくしは長年Oisixを誤解していたことに気がついた。

大地を守る会は生産者と非常に緊密なやり取りをしていて、
週に一度は絶対に電話するし、何かあればすぐ行く(当時は)。
農家の親子関係とか知らなくてもいいことまで知っていたりして
他社にはできない生産者との関係性を持っている会社だ。

こういう関係性に裏打ちされた生産者情報は大地を守る会のキモだが、
情報媒体は当時主に紙しかなかったため、出せる情報には限りがあった。
紙媒体は原稿締め切り→印刷という流れを踏むため、
情報を出すのに最短で1週間かかる。また限られた紙面には文字制限もある。

わたくしが産地担当をしていた当時、担当産地の数カ所がOisixと取引していたが、
2002年頃、大雨だか台風の被害が出たとき、わたくしは紙とWEBの違いを痛感した。
産地の状況を聞いても消費者にリアルタイムで伝えるすべがないわたくしは
Oisixのサイトでその生産者の被害状況がUPされているのを発見した。

「やられたー」と思ったのと同時に非常にうらやましくなった。
ああ、WEBという媒体のメリットってこういうことなんだ、と思った。

紙媒体ではないから文字数に制限なく情報は出し放題である。
そして、その情報の内容は愛にあふれていた。
あとで産地担当が書くのだと聞き、さもありなんと思った。

大地を守る会の一番いいところであるはずの情報を
Oisixが自由自在に扱っているのをまざまざと見せつけられ
大地を守る会のいいところを全部持っていかれたような気がした。

しかし生産者情報をバンバン出すから生産者のことを考えている、わけではなく
複数の生産者から「Oisixって大地みたいな作付契約はないのよね」とか
「急に今年はいらないって言われたのよね」とか聞いていた。

そういうのってどうなのか、それでいいのか!!! 
有機農業運動にどっぷり首まで浸かっていたわたくしは
Oisix許せん! と思った。

そして、大地を守る会を辞め高島さんの講演を聞いた2009年に、
その理由及び妥当性がわかった。わたくしはOisixを誤解していただけであった。

WEBに生産者情報を出すのは生産者のためではなく消費者のためである。
生産者情報がふんだんに出る=生産者のことを考えている、と
大地イズムでわたくしは勝手に勘違いしていたのだった。

何もかも「消費者の楽しい食卓のため」と考えると
すべてのことに筋が通っていた(2009年時点。その後はよく知らないの)。
それは2の「生産者評価のしくみ」にも通ずる。

「オレのトマトは世界一おいしくてよう!!」と自慢するトマト農家に
「他の人のトマトを食べたことあるか?」と聞くとだいたい「ない」と言う。
世界一おいしい(自称)トマトは基本的においしくないことが多いが、
そう指摘しても「おまえにわかるか」とかで聞く耳を持たない生産者は多い。

食味の評価は数値化がむずかしく客観的な評価がしづらいものだが、
Oisixでは「消費者の投票」という非常にわかりやすい評価軸を設定し、
さらに上位の人々を年に一度表彰するというイベントも行っていた。

上位生産者には翌年の作付が優先されるし、皆の前で表彰されれば
生産者のモチベーションは上がる。「おまえにわかるか」的な文句も出にくい。
「消費者」というツールを使って生産者を客観的に評価するしくみをつくるとは!

すげーなー!!! とわたくしは素直に感動した。

食味も品質も悪い大地を守る会の数名の農家の顔が頭に浮かび、
大地でなぜ思いつかなかったのか!!! と自分の頭のかたさを悔やんだ。
こういうのって簡単そうに見えてなかなかできない。
何もかも新しい考え方のようにわたくしには思えた。

大地を守る会は老舗であるぶん生産者とのつきあいが長く、
生産者に寄り添っているからこそできないことが多い。
しかし今は「有機農業」ではなく「オーガニック」な世の中である。

老舗の流通や生産者はまだ「オーガニック」に乗り切れておらず
有機農業運動的な頭でものごとを考えがちである。
生産者を評価するという一点だけでもじゅうぶんにやりきれてはいない。

それは「生産者に寄り添う流通が評価などもってのほか」的な
深層心理によるものだろう。消費者のメリットには全くならないのだが、
産地に寄り添いすぎてそのような判断ができなくなっているとも言える。

今回の経営統合は、消費者のためだけを考えているOisixと
生産者ありきの大地を守る会という真逆の方向を向いているふたつの流通が
一緒になるという、客観的に見てもどうなっちゃうわけ? 的な
不安をめちゃくちゃかきたてるものでもある。

しかし、設立以来40年有機農業界に君臨してきたのはいいが、
いろいろなところでサビつき、ほころびも見え少し加齢臭がする大地に、
新しく、非常にイキのいいOisixの風がびゅんびゅん吹きこめば、
考え方やしくみが柔らかくなり、刷新されるのではないか。

どちらにもそれぞれにないものがあり、いいところがある。
うまく合体できれば良いものになるはずだ。

さらに、大地を守る会にはOisixが持っていない素晴らしいものがある。
今までじゅうぶんに評価できず活用もできていないが、
「ほんとうにおいしいものをつくる個人農家」である。

消費者会員数の多い大地を守る会ではできなかった、この宝石のような
「おいしいものを作る人たち」限定の野菜やくだもの販売など、
WEBだからこそできるさまざまなことがあるはずだ。
もちろん情報の出し方も同じだ。

わたくしはふたつの真逆の成り立ちを持つ流通が合体して起こる化学反応を
今からとても楽しみにしているのだ。ワクワク。

そして大地を守る会はいいところをきちんと主張してOisixに飲み込まれないよう
社員の人々に今少しがんばってもらいたい気もしております。

あと今までおいしいものを作ってこなかった生産者の人たちは
少し危機感を持ったほうがいいかもしれません。
食味及び品質を、よりシビアに評価されることは間違いないと思う次第です。


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誰も知らないソフトクリームの秘密

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閉店してしまったけど森林ノ牧場ソフトの次においしかったのが
中洞牧場のソフトクリーム。山地酪農のジャージー牛のミルクをつかった
ふんわりやさしい味でした。もう一度食べたいなあ。


某D社時代、わたくしの主な担当産地は関越&中央道沿いにあった。

産地訪問時には中央道は松川ICまで、関越は本庄児玉までの
すべてのPA、SAのソフトクリームを食べ、
ソフトの味にはちょっとうるさいわたくし。

現在はFacebookのソフト部という公開グループの副部長である。

わたくしが生涯で一番おいしいと思ったソフトクリームは
那須にあった森林ノ牧場の森林ノ牧場ソフトである。
震災後、放射能の関係で閉じてしまったが今はどうなってるのかな。

2009年、わたくしは森林ノ牧場に取材に行き、
開発したばかりのソフトクリームを試食させてもらった。

ソフトクリームの主原料は牛乳、生クリーム、脱脂粉乳、砂糖、
増粘多糖類(安定剤)である。

増粘多糖類を入れると粘度が出てソフトクリームになりやすいが、
できるだけ増粘多糖類を少なくしてミルクの風味を殺さないように
しかもふわふわにしたい、と担当者は言っていた。

試作品は、ミルクをふんわりクリームにしたようなやさしい味で、
牛乳と砂糖でつくるとソフトはこんなにおいしいのか!! としみじみ思った。
ではフツーのソフトはどのように作られているのかな?

ということで、ソフトクリームについて調べてみました。

震源ソフトn
2012年に食べた八ヶ岳PAの信玄ソフト。コーヒーフレッシュの味がした。
日世の植物脂肪しか入ってないミックスを使ってたんだろうなと想像。
信玄餅入れちゃうぶん原価が高いからミックスのレベルを下げたのかも。



日本では、アイスクリームの表示は「アイスクリーム類及び
氷菓の表示に関する公正競争規約と公正競争規約施行規則」により
以下のように定められている。

アイスクリーム 乳固形分15.0%以上 うち乳脂肪分8.0%以上のもの
アイスミルク 乳固形分10.0%以上、うち乳脂肪分3.0%以上のもの
ラクトアイス 乳固形分3.0%以上のもの
氷菓 それ以外

コンビニのアイスクリーム売り場で表示を見るとわかりやすいが、
ラクトアイスは安価で、アイスクリームはお高め(ハーゲンダッツとか)
アイスミルクはその間と考えればいいかもしれない。

ソフトクリームはこのうちのどれに分類されるのか。
それには日本のソフトクリーム事情を知る必要がある。

ソフトクリームをつくってくれるソフトクリームメーカー
(フリーザーと呼ばれる)を販売しているメーカーは
日本に数社ある。代表的な会社が日世(NISSEI)である。

日世はフリーザーとともにソフトクリームミックスも販売している。
というか抱き合わせ販売と言ったほうがいいだろう。

ソフトクリーム売りたい! と思ったら日世がすべて準備してくれる。
と言ってもいい。用途に合わせたソフトクリームミックスが準備されていて、
チョコレート、バニラなどのほか巨峰、桃、メロンはもちろん、
河内晩柑、ラ・フランス、佐藤錦、とちおとめなどのご当地ソフトもある。

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ソフト自体はミックスでもトッピングでご当地感を出すのっていいね。
抹茶が山ほどかかっててむせる熊本のご当地ソフト。

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最近あちこちで見かける日世のクレミア。
乳脂肪分12.5%だから相当リッチ。でもエネルギー量は
ラングドシャのコーンを合わせても293kcalだって。
ソフトクリームって意外とカロリー低いのよね。



観光地に行ってご当地ソフトだと思って食べているのは
日世のミックス、ということがほとんどのようだ。

ガガーン。

そういうことを知るとソフトの価値が下がるような気がするが、
別にいいのだ。と思い込もう。雰囲気が大事だからね。

一般的なバニラというか白いソフトクリームミックスにも
価格に応じていろいろな種類が準備されている。

プレミアム商品はアイスクリームだが、なかには乳脂肪分が0%で
植物性脂肪のみのラクトアイスもある。
つまりコーヒーフレッシュの濃いのってことね。

販売者はこのなかから売上を考えミックスを選ぶのだ。

例えばファミリーレストランで食べ放題のソフトはラクトアイスに分類される
おそらく乳脂肪分0で植物性脂肪のみのミックスが使われているのだろう。

プレミアム商品はそれなりの価格で売られているだろうが、
上限でも400円くらいかな。チョープレミアのクレミアは500円だが、
ミックスの原価はどれぐらいなのだろう。30円くらいかなーわからん。

さて、今回ソフトについてあれこれ知ることができたのは、
わたくしのお友だちが現在ソフトの開発を行っているからだ。

このお友だちから根掘り葉掘り聞いたところによると、
日世のフリーザーを使って自家製のオリジナルソフトを作る場合には
オリジナル用の50%ミックスを使わなければならないそうである。

とうふ
谷中で見つけた和栗ソフト。これも日世のミックス使ってるのかしら。
栗の味がほとんどわかんなかったのは香料使ってないってことかも。
ってことはほんとにオリジナルだったのかも。

daisenn.jpg
わたくしの故郷とっとりの大山みるくの里のソフト。
50%その牧場のミルクが入ってるオリジナルなのではと想像。
酪農地帯のソフトにはそういうのが多そうです。



つまりオリジナル分は半分。これに半分ミックスを合わせるのだが、
それでオリジナルソフトと胸を張っていいのかどうかと彼は悩んでいた。
だよねー。オリジナルにしたいよねー。いい材料使ってさ。

たまにコーンも機械も日世だけど他と味が違うソフトを食べることがあるが、
それはこの半分オリジナルで作られているのだろうと想像するわたくし。

しかし、全てオリジナルでつくることができるフリーザーもある。
カルピジャーニ社ではミックスは販売していなくてレシピを教えてくれる。
しかしその機械は高いため、ほとんどの人が便利な日世を選択するらしい。

カルピジャーニのフリーザーは新丸ビルのゴディバが使っているそうだ。
ソフト部副部長としては食べに行ってみなくてはならない。
ゴディバオリジナルのソフトクリーム。調べてみたら440円である。

つーことで、ソフト部副部長としては、おいしいとかいまいちとか
あれこれ感想をUPしていたが、実はほぼ日世のミックスであり、
とくにオリジナルソフトがあるわけではなかったという事実に
なんというか愕然としてしまっているのだった。

今後のソフト部の活動は「これは日世の生乳エクセレント」とかいう
日世の商品名を当てるものになりそうだが、それはつまらないなあ。
全国オリジナルソフトを探す旅にでも出ようかしら。

なんてことをいろいろ考えてしまう雨の金曜日でした。


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世の中には3種類の人間がいる。捨てる人、捨てられない人、集める人

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わたくしが今まで「ナニカ」に使おうと購入した缶で稼働中なのは
この3つだけです。数限りなく買ったのに3つだけ。あと全部ゴミ(泣)。
ちなみにクッキーの缶=イベントのお金入れ、ミルキー=筆箱、
ビスコ=移動中の地震の際の保存食入れ(ビスコが入っております)。



箱を捨てられない人がいる。

わたくしの元同僚は出張土産の箱を後生大事に大量に保管しており
「書類を分類するのに重宝するんだよねー」と言っていた。

そのうち箱を保管していたキャビネットに箱が溢れかえり、
書類を片付けるはずの箱が書類整理の邪魔になった。これを本末転倒という。
ある日彼女は癇癪を起こしてほとんどの箱を捨ててしまった。

しかし全部は捨てなかった。使えるものがあるかもしれないからだ。
そして数ヶ月後、再び箱がキャビネットに(以下同文)。

わたくしの母は買いもの時にもらえる紙袋を捨てずに保管していた。
押し入れをあけると横に積み上げた袋がドッサーーーーッと落ちてくる。
毎回毎回落ちてくるから保存方法を工夫するなり何なりできないのか!
と思っていたが、やはりある日癇癪を起こしてほとんど捨ててしまった。

これも全部ではない。いつか使う(つもりだ)からである。
使うか使わないかわからないけど捨てられないのだ。
わたくしの場合は缶を捨てられない。

捨てられないだけでなく、かわいい缶を見つけると買ってしまう。
缶は便利なものでイベント時のお金や文房具を入れたりできる。
携帯用の裁縫道具なんか入れてもかわいいなとか思ってしまう。
ふだん裁縫道具などは絶対に持ち歩かないにも関わらず、である。

一度成城石井で象の形の缶に入っている紅茶を見つけて、
「これはステキな何かに使えるはずだ!!!」と思って購入したが、
実際には入るものは何もなかった。

よく考えてみるとほとんどの缶にぴったりあう「いつか入れる何か」は
常にないのだった。そして気がついた。
わたくしはせっせと「いつか使うはず」のゴミをためていることに。

箱や袋や缶を捨てられないのは「いつか使う気がするから」である。
しかし「いつか使うこと」や「いつか使う日」が来ることはそんなに多くない。
つまり、ほとんどのものが「ゴミ」になるのだった。

つーことで、フツーの人は「捨てる人」と「捨てられない人」を行き来しながら
収納スペースを広げたり狭めたりとゆらぎながら暮らしている。

しかし最初から全くゆらがない人たちがいる。
それが「集める人」だ。

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わたくしの家にも「集める人」が一人生息しております。
ウルトラマン・怪獣・ゴジラ・鉄人28号などが家のそこここにいます。
そして彼の部屋の壁、というか床その他は一面CD・DVDでいっぱいで、
地震が来たらCDに埋もれて死ぬよね状態ですが、
それはある意味「集める人」にとっては本望かもしれません。



「集める人」は意識して特定の何かを収集しているため、
基本的に捨てるという概念がない。捨てるなんて考えられない。
自分が集めたものはすべてステキな宝物である。誰がなんと言おうと。

わたくしの周辺にいた「集める人」は(主に某D社界隈)、
フィギュア、カメラ、LP・CD(特定のアーティストのみ)、本などを
ひたすら集めていた。集めたものを見て楽しむとかではなく
部屋に突っ込んでおいて全然見ないし触りもしない、という強者もいた。

こういう人は「持っていることがうれしい」タイプで
「集める人」のなかに一定の割合いるが常人にその感覚は全く理解できない。

結婚していて夫婦二人とも「集める人」ならいいのだが、
だいたいは夫婦のうちのどちらかは「集めない人」のことが多い。
集めない人にとって、家の中に価値のわからないものがどんどん増えていき、
ただでさえ狭い家がさらに狭くなる恐怖は計り知れない。

いいかげんにしないと全部捨てるぞ!!!! と心の底から思っているが
ふだんは笑ってることを「集める人」は知っておいたほうがいいだろう。

ということで、あなたはどのタイプですか?
以下のご質問に◯か×でお答えください。

・コンビニでもらう割り箸を捨てられない
・納豆や豆腐についている小さなタレや醤油のパックも捨てられない
・スプーンやフォークをもらったら自分の家にあるものを使って保管する
・紙袋はとりあえず押し入れにしまいこむ
・っつーか包装紙も箱も後生大事に取っている
・スーパーで「お箸いりますか?」と言われると必要なくても一応もらう
・ここ1週間、上記のもろもろの「保管しているもの」を一度も使わなかった
・ことがわかっていても整理できない
・でもきっといつか何かに使えるはずだ、と自分に言い訳している
・そういう自分がイヤになって数ヶ月に一度全部捨てようと思うが、
 なんとなく少しだけ残してしまう

◯がひとつでもあればあなたは捨てられない人です。
そして以下のご質問はどうでしょうか。◯か×でお答えください。

・海洋堂がどんな会社で何をしているか知っている
・グリコの食玩を大人買いしたことがある
・好きなものにはどんなにお金使っても平気だ
・自分の部屋に自分のコレクションを全部飾るのが夢だ
・CDやDVDはものすごーく丁寧に取り扱いラベルも汚さないよう気をつけている
・幼いころソフビの人形、ミニカー、仮面ライダーカードを集めていた
・[ペプシスターウォーズボトルキャップ]を集めようと一瞬思ったことがある
・何かを集め始めるとすべて収集しないと気が済まない
・コンプリートしたコレクションをヤフオクに出して大儲け!!
 とか思っているがもったいなくて一度も出したことがない
・自分が死んだらコレクションをお墓に全部入れて欲しいとちらっと思うことがある

◯がひとつでもあったらあなたは「集める人」です。

ふたつとも数が多ければ多いほど重症です。
ご家族と仲良くお過ごしください。


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プロフィール

ほんたべ

Author:ほんたべ
手島奈緒
おいしい食べものをつくる人を紹介したり応援したりしております。ブログをまとめた著書『いでんしくみかえさくもつのないせいかつ』(雷鳥社)『まだまだあった! 知らずに食べてる体を壊す食品』(アスコム)『儲かる「西出式」農法』(さくら舎)など。現在ハンター修行中。

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