改正鳥獣法で変わるハンターの世界?

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知床の鹿撃ちに連れてってもらっていろいろ聞いた話では
内地と北海道の猟は全然違ってて内地の人大変そうって話。
上下関係とか鉄砲の種類とかいろいろなんかあるのかな。



2015年5月29日、鳥獣保護法が改正された。

それに合わせて開催されたシンポジウム
「野生動物管理のジャパンモデルを考える」に行ってきた。
主催は「野生動物管理全国協議会」である。

さて、改正鳥獣法の正式名称は
「鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律」である。
「保護を目的とした管理」が、より積極的な管理となったことから
本の法律に「管理」という文字が追加された。
https://www.env.go.jp/press/files/jp/24051.pdf
改正鳥獣保護法の概要

改正に伴い「鹿・猪の生息頭数を10年後までに半減」という目標値が設定され、
実現するために、集中的かつ広域的に管理を計る必要があるとして
指定管理鳥獣捕獲事業を実施し、認定鳥獣捕獲事業者制度が導入された。

わかりやすく言うと「駆除をお仕事にしましょう」というしくみが
法的に準備されたということである。
この認定鳥獣捕獲事業を行えるのは基本的には法人で、
その法人の下に認定鳥獣捕獲事業者(ハンター)が存在する。

ハンターの人々は法人に所属しないと事業者にはなれない。
そしてすでに認定事業者の研修会が行われたもよう。
どれぐらいの人が参加したのかな。

駆除(というかこの場合野生動物管理)を目的とした法律はもうひとつ、
平成19年12月に鳥獣被害防止特措法(農水省)が成立している。
http://www.maff.go.jp/j/seisan/tyozyu/higai/pdf/shin_gaiyou.pdf

特措法でも認定事業者的なものが定められておりすでに稼働している。
それが「鳥獣被害対策実施隊」。詳細は以下(上記PDFから抜粋)。

○ 鳥獣被害防止特措法に基づき、市町村は、被害防止計画に基づく捕獲、
防護柵の設置といった実践的活動を担う、「鳥獣被害対策実施隊」を
設置することができる。
○ 実施隊の設置に当たっては、
①隊員の報酬や公務災害補償措置を条例で定めること、
②市町村長が隊員を任命又は指名することの手続きが必要。

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駆除目的であれば国定公園で鹿を撃つことが可能になったり、
今までは禁止されてた夜間での発砲がOKになったりします。
今後の課題は駆除した鹿の資源化ってことでしょう。



平成27年4月には実施隊を設置している市町村の数は986におよび、
任命されたハンターには様々な優遇措置が講じられている。

任命されるとうれしいだろうなという優遇措置のなかには
散弾銃を持って10年以上経ってなくてもライフルを持てるとか、
狩猟税が非課税になるとか、技能講習免除とか、経費負担とかがある。

こんなに手厚く助成金が準備されていれば当然不正もあるわけで(伝聞情報)、
実際にはそのあたりがどうなのかは今んとこ不明だ。
今後精査していくと農水の人は言っていた。

特措法(農水省)の実施隊と、改正鳥獣法(環境省)の認定事業者は
前者は市町村、後者は都道府県が基本計画を作っているため、
何かいろいろなことでバッティングしそうだが、
そのあたりの整合性はまだついていない感じ。どうするのかな。

http://www.maff.go.jp/j/seisan/tyozyu/higai/pdf/h27_06_30_meguji_zentai.pdf
鳥獣被害対策の現状と課題(農水省)

この劇的な法改正でハンター熱が高まっているらしく
高齢化が懸念されていたハンターの世界に
若者が少しだけ戻ってきているらしい(とくに都市部)。

なにしろ狩猟がビジネスになるかもしれないのだ。
認定事業者になればハンティングで食べていける可能性もある。
またこれは、今まではボランティアに委ねられていた駆除の世界に
組織だったハンターが送り込まれるということでもある。

ボランティアではできなかった組織的な駆除が可能になると
むかーしからやってる頭の固いハンターはちょっとどうなの的な
あのー、あなた来なくていいです的なことになるかもしれない。

噂で聞く「ハンターの世界の上下関係」とかごちゃごちゃした部分が
スカッとなくなるとそれはそれでとても良さそうなのだった。

例えば伝統的な巻き狩りは鹿を仕留める手段としてはいいが、
警戒心の強い鹿を増やすことにつながるらしい。
駆除には目標数値があるわけだから、さっさと一網打尽できて
しかも次にもサクサクと駆除できるよう警戒心を起こさせないように
うまいこと撃たなければならない。

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食肉資源としては子鹿や若い牝鹿の方がいいと思うけど
若い牡鹿のほうが好きとかいうハンターもいて難しい。
実際には駆除の鹿の資源化は今のところ発展途上。



うまいこと撃つとは具体的に何をするかというと
餌付けする&そこにいるメスと子鹿を積極的に撃つことだ。

しかしわたくしの知っているハンターのおじさま方もそうなのだが、
やっぱり撃つのならトロフィー=角=立派なの=年取った牡鹿が好きだ。
本来はネズミのように繁殖するメスを撃たなければらない、
とわかっていても、角のあるオスがいればそちらを撃ってしまう。

オスは一頭いれば何頭ものメスを繁殖させることができるから
オスを撃っても効率が悪いが、本人はうれしい。

認定事業者になると、こういった撃ち方をされると困るわけで、
必要なのは専門的な知識を持った捕獲技術者である
と、岐阜大学の鈴木正嗣さんがおっしゃっていたが、
そういう技術者が今の日本にいるのだろうか。
これから育成するのかな?

しかし、いずれにしても、今がハンターになりどきなのは間違いない。

現在狩猟の世界に新しい風がびゅうびゅう吹き始めたところである。
新しいハンターの世界がやってくるのではないだろうか。

ちなみに昨今、大日本猟友会でも「狩りガール」とかで
女性のハンター育成を積極的に行なっており
女性ハンターの参入があるらしいが統計にはまだ出てこない。

女性人口が増えれば自動的に男性人口が増えるのは世の常なので、
ハンターの世界は今後ちょびっと明るいのかもしれない。

みなさま、どうでしょう。ハンターになってみるのはいかが?


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ジビエを食べて獣害について考えたみた

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猪の脂についでんまかった鹿肉の生ハム。
カットするだけで食べられるから気軽に購入できそうな感じ。
早く売りましょう、永野さん! (全日本ジビエ協会代表)

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肉を見て「脂しかないんですよ」と悲しげに言ってたシェフと
「脂がおいしいんだから!」と言い張ってた永野さんだが、
結局脂をごっそりとこそげ取られて猪肉が不足気味でした。
みんな鹿より「猪おかわり!」って言ってたし鹿かわいそ。



全日本ジビエ協会の第一回イベントが終了したです。
日本オオカミ協会理事、朝倉裕さんの話を聞いて
鹿と猪肉を食べていただくというステキな肉食イベントである。

わたくし的には鹿肉経験はけっこうあるが、猪経験は一度だけ。
兵庫県の山の中の温泉宿で食べた「ぼたん鍋」のみ(20歳のとき)で、
当時は肉類全般が好きじゃなかったためとくにおいしいとは思わなかった。

その記憶もあり、猪っておいしいのかなー、なんか臭くないかなー、
脂多そうだなーって感じで否定的だったのだが、
食べてみたら猪肉の方がうまかったのよね。びっくり。

猪がおいしいのはどんぐり食ってるかららしい。そうなのか。
脂だけ炒めて食ってもいいよなーとかいう原始的な本能を感じる
野生の魅力満タンなおいしさなのだった。

つーことで、淡白な鹿肉の魅力が一気に薄れた気がするのであった。

さて、その鹿肉を始め、最近ジビエが流行しているらしい。
というのをわたくしはこのイベントをするまで知らなかった。
そう言えば北海道のスーパーで鹿肉売ってるのをニュースで見たが、
流行ではなく売らないと猟師が大変だから売ってるんだろうと思っていた。

どのあたりの地域で流行しているか不明だが、
全日本ジビエ協会の代表・永野さんは「流行している」と言う。
そして新参の業者が「儲かるらしい」ってことで参入してきており、
肉の品質その他に不安があるものが流通している可能性があるらしい。

肉の品質に不安。その理由は容易に想像できるのだった。
野生動物の肉の処理ってけっこう大変なのである。
ジビエが一般流通しないのは既存の販売ルートに乗らない、というか
乗れないからである。それは処理の腕前にあれこれ差があるからだ。

オオカミ4
農業被害だけがクローズアップされがちな鹿だが、実はもっと
大きな問題をはらんでいる。それが鹿の食害による山林の消滅だ。
樹皮を食われた木々は生きていくことができず、山が丸坊主になるのだ。

奈良大台ケ原
台風被害のあとのようだが、実はこれ全部鹿のしわざである。
鹿が来ると下草が全部食われ森林の植物の生態系が崩れる。
鹿が食わない毒草のお花畑になってしまったりするらしい。
農業被害は人の目に触れるけど、森林破壊は気づかれない。
こっちの方がヤバイと思うわたくし。鹿! ゆるさん! ってことで食べましょう。



一般のお肉のルートはざっくり言うと畜場→仕入れ業者→小売で、
どの段階でも衛生管理はちゃんとしていて、
枝肉や部位ごとに品質管理もきっちりとされているのだ。
法律でちゃんと決まっているのだ。違反すると罰則なのだ。

しかしジビエの場合は、猟師→猟師がさばいて小分け→おすそ分けという
チョーローカルな感じで流通、というか肉が動いているのが大半で、
なにしろ野生動物だから毎日計画通りに屠畜できるわけじゃないし、
計画通りに仕入れられはしない。基本、おすそ分けだし。

品質も不安だ。

山の中で撃った後、すぐにさばいて内臓を抜かないと、
冬でも一時間もすれば内臓から腐ってくると猟師は言う。
内臓を抜いても常温だと肉は悪くなる。とくに暖かい季節は。
ってことで川に浸けたりするんだって。水が冷たいから冷蔵庫の代わりね。

川につけることで流水による血抜きの効果もありそうだ。
血抜きがまずいと血の味のする肉になって臭くて食べられないからね。

なんて処理をされてたとしても、さばいた後の肉の塊を見て
その肉がどう処理をされたかなんてのはわからなかったりする。
何がいるかも不安だ。わたくしは不安だ。

肉は個人(猟師)から個人(猟師の友だち)へ移動するため
品質にバラつきがあるのはもちろん冷凍保存してあったとしても、
状態がいいとは限らない。悪くすると冷凍焼けしてたりする。
こういう肉をもらってもうれしくないし、結果的に獣肉が嫌いになったりもする。

しかし、販売に値する肉を取り扱っている業者の場合はちゃんとしていて、
契約猟師→衛生管理されてるところで肉に加工(業者の場合もあり)
→レストラン等に納入→シェフが調理して粗利乗せて高値販売 って感じだ。

「儲かるから参入」した業者は肉の管理について素人だったりするため、
ちゃんとした衛生管理をされずに流通されている可能性があり、
そこで何か事故でも起きたらジビエブームは完璧にポシャるのだった。
それはまずいよね。せっかく獣肉について興味を持たれ始めたところなのに。

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オリーブオイルとローズマリー、タイムでマリネして一晩おいた肉。
これを焼いていただきました。ただ焼くだけ。でもめっちゃおいしかった。
マリネしないと肉の臭みが取れないらしいので、これ、ご家庭で食べるコツです。

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フィールド派シェフ、鈴木康太郎さん。
最近はシェフ業ではなくマネジメント業が主になっているため
久しぶりにお料理したとおっしゃってました。んまかったです。



ご家庭の主婦がジビエ肉を入手しようとしても、現時点では難しい。
ジビエで地域活性しようと考えている市町村はあるが、
肉の小売はしておらず、民宿でジビエ食べてねって感じのところが多い。

「お肉売ってもらえませんかね」なんて電話してみても
「もう行く先が決まってるから売れません」と冷たく断られたりするのだった。
(以前そういう悲しい経験をしたです。町役場の人すげー冷たかったです)

一般的に入手できないものがメジャーになれるわけはなく、
ジビエを都内のスーパーのお肉売り場で売るなんてことは
絶対にありえないとわたくしは確信しているのだった。

というような状況だが、全日本ジビエ協会では小売も始める予定だ。
チャレンジャーだな! 全日本ジビエ協会!

鉄分が多く低カロリーの鹿肉が女性にはオススメである。
しかし味的には脂が甘くて高カロリーの猪肉を一度食べてもらいたい。
人間って脂に弱いのよね。自分のなかに野生が目覚めるチョーうまい猪(脂)。
味的には万人受けするから、猪肉は一般に流通してもOKかもしれないね。

全日本ジビエ協会の鹿と猪肉をいつから販売するかは未定だが、
とりあえず、鹿ソーセージと鹿生ハムは加工品だから売りやすいので
早く売りましょうよ、永野さん! と代表に話しておきます。

会場をご提供いただいた遠忠食品の宮島さん、
鹿! 許さん! という講演をしてくださった朝倉さん、
ありがとうございました。

あまりにも好評だったので、今後、年4回を目標に開催する予定です。


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「ジビエを食べて獣害について考えてみよう」イベントやります

ジビエイベント
ご興味ある方、コメントあるいはメッセージをいただけますと幸いです。
ちなみに携帯のメルアドにはメッセージが送れないので、
Gmail等でお知らせくださいませ。



実はわたくし「全日本ジビエ協会」の理事なぞをやっております。
しかし「全日本ジビエ協会」とWEB検索しても出てきません。
なぜならまだサイトを開設していないからです。

サイトの原稿は現在わたくしのところで塩漬けされており、
現在原稿整理中なのです。すみませんすみません。ペコリ

「全日本ジビエ協会」が設立された理由はいろいろありますが、
以下のような感じです。たいへん志の高い立派な理由です。

「現在の野生鳥獣による農業被害を始めとするさまざまな摩擦は、
野生鳥獣の生息域の拡大・あるいは農漁村地域における過疎化・高齢化による
耕作放棄地の増加・手入れの行き届かない森林の増加など、
社会情勢の変化や自然環境の変化などにより
中山間地を中心に全国的な問題となっている。

昨今のジビエブームは上記の問題に対する一つの解決策として
非常に期待できるものではあるが、一過性のものになる可能性がある。
ジビエ肉についての食肉流通や衛生管理などについても
ブーム先行であまり議論されておらず、また規格も定まっていない。

そういう現状を鑑み、ジビエに対する理解とその促進も含め、
広く議論の場を持ちたいと考え、全日本ジビエ協会の設立に至った」

ということで、全日本ジビエ協会におけるわたくしの役割は
広報及びイベント企画、写真撮影、販売促進などであります。

エゾジカの狩猟に何度か同行し、鹿肉についてはちょっとうるさいわたくし、
全精力を投入して、今後ジビエの普及・販促にがんばっていく所存です。
だからWEBはも少し待ってください。なんちて。

被害額 1

WEB検索してみたら、数年前にはほとんどヒットしなかったのに、
めっちゃデータが上がってるのを発見。農水省も環境省も
相当マジで対策打ってます! って焦る気持ちが伝わってきましたよ。
鳥獣被害防止特措法に基づく取組状況(農水省)より抜粋


被害額2 1

おお、なんということでしょう。被害総額も面積も
右肩上がりじゃありませんか。平成23年は2011年なので
震災もあって数値的に下がっているということでしょう。



さて、全日本ジビエ協会の第一回会合はなんと2年ほど前で、
できてはいるけど目に見える活動をしてこなかったというゆるさが魅力。
なんちて。うそうそ。

その全日本ジビエ協会主催で、今度イベントをすることになりました。
それが「ジビエを食べて獣害について考えてみよう」であります。

最初に獣害について日本オオカミ協会理事朝倉裕氏の講演を聞き、
その後鹿及び猪肉をその場で調理して食べるという楽しいイベント。
なんと参加費2,000円! お肉は鹿と猪。もしかして鴨。
あと鹿ソーセージとか鹿ハムとかも出るかも(未定)。

調理は銀座和光のレストラン部門「THE WAKO」の
総料理長だった鈴木康太郎さんである。
実は鈴木さんも全日本ジビエ協会の理事なのだった。

何作ってくださるのかな。鹿肉のブルーベリー煮込みはマストかな。
ほろほろとくずれる鹿肉がとてもおいしいステキなお料理。
あとは焼き肉かなー。じゅる(よだれ)。

ともあれ、鹿猪害の著しい昨今、鹿は積極的に食べたい食材である。
とは言っても日常的に購入する場は都市部にはほとんどない。
ハンターの友人に肉をもらったとしても状態の良い肉だとは限らない。
食べてみて口に合わなければ二度と食べないかもしれない。

ああ、もったいない。血抜きがちゃんとできてれば
問題なく食べられるおいしい肉だったかもしれないのに。

さらに、ハンターによって処理の方法が微妙に違うし、
人によって肉の臭さに対する好み・許容度はそれぞれ違う。

「俺がいいからあんたもいいだろ」なんてことはあり得ない。
それが獣肉である。ちなみにわたくしオス鹿は食べられません。
常にバンビちゃん限定であります。

年齢別狩猟免許所持者数の推移
ハンターデータ

農水省「鳥獣被害の現状と対策について」より抜粋。
高齢化が進み、若年層がほとんど免許を所持していない様子がわかりますね。
現在「鳥獣被害対策実施隊への優遇措置」とやらで税金の軽減や
ライフル銃の所持許可の特例措置などが取られているようです。
年寄りハンターじゃ駆除もおぼつかないから若者カモン!です。


駆除データ

昭和45年代とかでシカの狩猟数が少ないのは、シカが少なかったこと
及び保護されていたことが関係していると思います。
誤った保護政策でバカみたいに増えた&ニホンオオカミを意識的に絶滅させた
そもそも明治・昭和のご先祖様がやったツケを、現代の我々が
払っているのですなあ。いやはや、未来にツケを貯めてはいけませんね。



農水省では鳥獣被害対策を積極的に推し進めており、
その一環として「肉の有効利用」が行われているが、
通常の肉(牛豚鶏)流通から外れたところにあるジビエ肉の扱いは
上記にあるように、まだしっかりとは整備されていない。

数年前までクローズドな売り場で取引されていたジビエ肉だが、
ある時から「鹿って高値で売れるんだって」的な話が出てきて、
今までジビエを扱った経験のない業者がジビエ市場に参入してきたらしい。
(全日本ジビエ協会の代表談。彼はシビエ肉の卸業者である)

野生動物の肉は「自然をそのまま食べること」に意味があるがリスクも高い。
肝炎ウイルス、寄生虫、食中毒など心配事も多いから、
食べ方についてもある程度知識が必要になる。生食は厳禁だ。
生で食べたい人は食べてもいいけど何が起きても知りませんよという世界である。

そういう知識が一般に広まっているとは言いがたい。
せっかく「ジビエを食べよう」機運が高まっている昨今、
この微妙な熱が、何かあってポシャってしまってはもったいないのだ。

鹿猪肉が売れるってことは、猟師の稼ぎになるってことだからね。
食べることはすごく大事なの。
ということもあり、全日本ジビエ協会は
そういったことも含めて広く情報を提供していく予定です。

全日本ジビエ協会は今後「新鮮野菜net」でジビエ肉を販売し、
広く一般の方々にジビエが食べられるよう努力していく予定である。
しかしまだ「新鮮野菜net」に登録はあるけど商品が未掲載という、
相変わらずなんとなくゆるい感じで進んでおります。

3月21日(土)イベント以降はネジを巻きますから、
今後ともよろしくお願い致します。

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お肉を食べるということ

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黒豚のオスに黒豚の血が半分入ったメスをかけると黒豚75%になります。
そういう豚は黒豚と称して販売してはダメで、黒豚系と言ったりします。
どういうわけか三毛豚ができたりもします。
でもものすごくおいしいの。LWDなんて目じゃないくらい。



わたくしが働いていた某D社の新人研修に、
屠畜場見学というコースがあった。

ほんの一時期やってただけでいつの間にかなくなったので
見学していない同僚も多い。わたくしはラッキーだった。
その後、豚の一生を追いかける取材をさせてもらい、
仙台の屠畜場を見学した。どっちにしても見る運命にあったらしい。

そこでは、電気ショックで気絶した豚がサクッと首を切られ、
血を抜かれて骨付きの肉の塊になっていた。
作業はよどみなく行われ、効率よく粛々と枝肉が出来上がっていく。

初めて見るものばかりでわくわくしたが、
こういう場所でわくわくしてはいけないと考えた。
神妙な顔して、ひたすら命が肉になる場面を見つめた。

そして思った。

スーパーでパックに詰められて売られているお肉は、
誰かが殺してきれいに処理をし、スライスしてくれているのだ。
わたくしたちはその現場を見ることなく、命のかけらを食べている。

それはしあわせなことなのか、不幸なことか。

翌日、養豚農家でちっこい子豚ちゃんをたくさん見た。
ハイヒール履いてるみたいなつま先、ピンク色の鼻、
人が来るとすみっこにかたまり、プギーとか泣くのだ。
かわいくてかわいくて、家に連れて帰りたいくらいだった。

でかい豚もそれなりにかわいかった。
人が入って来ると柵に足をかけて見物する。
豚は好奇心が旺盛で、人なつこいのだと初めて知った。

取材が終わった日、帰りの新幹線でおなかがすいたので、
黒豚焼き肉弁当を食べた。大変うまかった。

わたくしは取材の3日間で、生まれたばかりの豚、大きくなった豚、
屠畜される豚、肉になった豚と料理された豚を見た。
豚の一生とその後を目の当たりにした。

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世界中の人が平均的な日本人と同じ食生活をすると、
2050年には地球が1・64個必要となるって結果が先日公表されてたけど、
今の日本人、実はマリー・アントワネット様状態なのかもしれないね。
※ほんとはあのセリフ彼女が言ったんじゃないらしいんだけど。とりあえず。



どれも形は違うけど、全部豚だ。

かわいい子豚を見た後でも、豚肉を食べることに罪悪感はなかった。
子豚を見たからこそ、大切に食べなくっちゃと思った。
豚はわたくしの血肉になって、わたくしの命になる。
命は「奪う」のではなく「いただいている」のだった。

そう思うと気持ちが落ち着いた。だってヒトは食べなきゃ生きていけない。
そのために他の生物の命を奪ったとしても。だから感謝する。

でも、そういう風に考えない人もいる。

散弾銃所持許可をもらおうと真剣に考えてた時、友人と鹿の話になった。
猟師はその場で鹿をさばかないといけないが、
自分にはそれはできない。だから猟は無理かもと言うと、
彼女はきっぱりと言った。

「あたし、お肉は食べるだけでいいのよね。
だから、鹿を撃ったり解体したりするのは、あたしの仕事じゃない。
その工程は知らなくていいし見なくていい。誰かがやってくれればいい。
あたしはお肉をおいしく食べられればじゅうぶん。そうじゃない?」

う。

そうかなあ。自分はそうじゃない。でもそういう人もいるのだ。
某D社にも、豚肉を買いづらくなるから豚の写真を掲載しないでと言う人がいた。
パックに入ったスライスされたものはいいけど、
生きてる家畜を見ると食べられなくなるからイヤだと言う。

わたくしにはその感覚がわからない。
自分の食べるものがどんなものか、ちゃんと知っておきたい。
命を奪って生きている自分をきちんと見つめたい。

誰かが自分のかわりに家畜を育て食べものにしてくれている。
そのことをいつも忘れないでいたい。

なんて思ってても、自分で獲ってさばいて食べられるものって考えたら、
ヒヨドリやムクドリなんてすばやくてとっても無理そうだし、
せいぜいイワシ・アジがいいところだ。アジだって無理かもしれない。
ひょっとしたらサザエなんかの貝類しか獲れないかもしれない。

こういうの、人間として脆弱なんじゃないのかな。

いつの日か、鶏くらいビシッと絞めて、
平気な顔でカレーでも作りたいわたくしである。


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猟師というお仕事

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藻琴山展望台付近で撃った立派な角のオス鹿。オスは肉にならないけど、
猟師はオスが獲りたい。なので猟期の1月からはオスは一頭、
メスはいくらでも撃っていいと決まっている。メスを撃った方が効率いいからだ。
この写真で気分が悪くなった方は今回は読まない方がお勧めです。



知床に鹿撃ちの見学に行って来た。
見学ですよ、見学。だって銃を持ってないからね。

車で流して鹿を見つけて撃ち、回収で雪にはまって動けなくなり
寒さに凍え、夜は猟師さんと飲んだくれてゲラゲラ笑った3日間。
いろいろなことを考えた3日間であった。

さて、連れてってくださった猟師さんは夏は別の仕事をしている。
その仕事は冬にはお休みになる。
なにしろ道東だ。雪が降りまくり道路は凍り海も凍る。
畑も海も機能しなくなり、人々は夏の間の収入をパチンコに使う。

パチンコばっかしてないで鹿を獲る人。それが猟師。
あれこれうるさい銃所持免許を継続して何十年も持っている、それが猟師。
彼らが冬の間に撃つものは、キツネでもウサギでもなく、鹿だ。
その知床の猟師にいろいろ話を聞いてきた。

んで、鹿。

現在北海道では増え続ける鹿を減らすため猟期を延長している。
以前来た時は11月から1月いっぱいだったが、
今は10月から3月までになったらしい。

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「あそこにいるなあ」「うん、3ついるね」。良く見つけるなあってくらい
遠いとこの鹿を見つけてどうするべかと考える猟師さんたち。
ちなみにわたくしには見えませんでしたよ。

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灌木の中にオス鹿がいたので撃ったけど、木に当たって鹿には当たらず。
外れることも多いんだよね。ゴルゴ13ってスゴイんだなあと感心しきり。
「すごいんだよ、ゴルゴは」と猟師さんも言ってました。いやいや。マジ?

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誰もあるいてないまっしろな雪の地面に、鹿の足跡。
新しいものがあると、このあたりにいるはずという見当をつけて鹿を探す。



鹿による農業関係の被害額は相当な額になる。
日本中で鹿が爆発的に増えており、
狩猟・駆除で減らそうとしているがうまくいっていない。

北海道では、莫大な経費をかけて畑に鹿を入れないよう
山をフェンスでぐるりと囲んでいる。
どんだけフェンス作ったんですか!ってほどそこら中にフェンスがある。
どんだけお金かかったんですか!と言い換えてもいい。

そして冬の間、雪が積もって鹿が柵を乗り越えて壊し、
それを修理したりしてまた経費がかかる。
ううう、それ、全部税金なのよ。悲しいわよね。

鹿の被害だけで頭がくらくらするほどの税金を使ってるのだった。

そこで北海道では猟期を延長した。
さらに、3~4年ほど前からは禁猟区だった知床半島に
計画的な駆除に入っている。当然だが今年も入る。

それでもちっとも鹿は減らない。なぜだろう?
猟師さんに話を聞いてみた。

「そりゃ、増える方が早いからだよね。
メス鹿は繁殖可能になったら必ず1年に1.2頭産むの。
毎年毎年1.2頭ずつ増えて行くわけ。

ハンターは斜里・清里で70人しかいなくて、
そのうちちゃんと猟してる人は10人位。
毎日一人一頭撃ったとしても全然減らないの。
猟師も年寄りが多くなってて若い人増えないし。
ハンターは減り、鹿は増え続けるってことさ」

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2007年に見学した時はドキドキした鹿の解体が、今回は全然平気で驚く自分。
5年の間に「鹿は食べもの」という認識が固まったらしい。
次は解体できるかもしれないなあ。なんちて。ムリムリ~。

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鹿回収を人力で行う同行した女子2名。おばさんは応援。
途中で雪にはまり大変楽しい思いをしたけど、回収した2名は息上がってました。

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スキーで移動して遠くに見えた鹿を撃つこともある。その場合は回収は車を使う。
ロープを鹿にくくりつけ、車で引き揚げるんだけどそれもさあ、大変なわけ。
灌木に角はひっかかるわ、重いわで。だから無線は必携だ。



冬の間、鹿は寒い午前中はどこかでじっとしていて
あったかくなると動いて餌を探し始める。
だいたい11時頃から日が暮れる3時過ぎまでが猟の時間だ。

その間、車であちこち移動して鹿を見つけたら撃つ。
ここにたくさんいるよね!ってとこで勢子を使って追い込んだりもする。

撃った鹿は回収が原則だ。1頭100kgほどもある鹿の回収作業は大変で、
人力ではできない。一人でもできない。だから斜面にいる鹿は狙わない。

大変な手間かけてよっこらしょっと鹿を回収し、内臓を抜いて、
一頭8,000円で業者に引き取ってもらう。8,000円はいい方だ。
モモやロースが傷つくと値段は下がりタダになったりもする。

一日山の中駆けずり回って0円~8,000円。
それでも2頭獲れば採算が合うと猟師は言う。
1頭も獲れないこともある。そういうときは赤字だ。

「狩猟では鹿は減らないなあ。絶対に。
でも一頭30,000円で引き取ってる町があるわけ。そこでは
猟師が真剣に鹿を獲ったから、鹿がいなくなったって聞いたよ。
30,000円なら俺も真剣に獲るよ。
ほんとに鹿を減らすつもりなら、それぐらいやんなきゃ」

お金持ちの趣味のハンターなら獲るだけで楽しいのかもしんないけど、
主な職業は年金暮らしという猟師も多いから、
冬の間の生業と考えると、一定額の報酬が絶対に必要だ。

ガソリン代だってバカにならないし、日当だって4,000円位は欲しい。
弾丸だってタダじゃない。一発500円位する。散弾銃だと600円くらいする。

IMG_7920.jpg
北海道では野性動物のために鉛の弾を禁止しており、弾頭は銅だ。
散弾はステンレスでなくてはならない。オジロワシなどが死体を食べて
鉛中毒になるためである。だから弾が高い。実際に見るとちょっとビビるライフルの弾。

IMG_8000.jpg
内臓を抜いてあるけど70kgはある鹿をトラックに乗せるのも大変。
内臓はカラス、キツネ、テンなどの冬の間のごちそうになります。
胃の中身はほとんど木の皮だった。山が丸坊主になっちゃうのも無理ない。

IMG_7780.jpg
12月16日の大豆イベントで食べた鹿は今回の猟師さんに送ってもらったです。
バンビちゃんだったので臭みが全くなく柔らかかったってことでした。部位はモモ。
猟師さんはもう少し獣臭があった方がうまいというけど、都会人にはたぶん向かない。
最初にどんな鹿を食べるかによって、鹿の印象って変わる気がするなあ。



買うと高いからちきちき手作りする人もいるが、
それでも250円くらいかかる(ライフルの場合)。
そして決められた数以上の弾が必要になったら
地元の警察に申請しなくてはならず、その申請にもお金がかかる。

猟師って仕事は、実は経費がかかる大変な仕事なのだ。
だから、全然増えないで減る一方である。

しかしこの人たちが獲って来た鹿が売れないと、
それはそれで猟師が困ってしまうから、鹿は食べる必要がある。
鹿を食べても鹿は減らないが、猟師を継続する役には立つ。

やっぱり都会人は鹿を食べる必要があるのだ。

これからはフレンチレストランでちょびっとの鹿肉ではなく、
がっつり焼き肉で食べましょう。
狩猟体験を通じていろいろ考えるのもおすすめです。

友人が狩猟体験塾始めました。
「肉食系女子集まれ! 鹿肉の美味しさを知ろう!
女子狩猟体験塾」

2013年2月2日(土)13:30~ 2月3日(日)10:30 1泊2日 
参加費15,000円 長野県佐久市春日温泉「十二館新館」

ご興味ある方はお問い合わせください。
主催・はぐはぐネイチャー 
※ほんたべ日記を見て申し込まれた方は参加費が1割引きになります。


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価格では計れない農業の多面的役割

040809キャベツ畑のアマガエル1
畑に行くとフツーに見かけるアマガエル。わたくしの住まう世田谷区近辺では
めったに見かけることがありません。オタマジャクシが育つには水場がないとダメ。
近くに田んぼがある地域には、地面からわくようにアマガエルが生まれています。
ところでこれ、アマガエルかなあ…? もしかしてシュレーゲルアオガエル?
写真提供・市川泰仙



「TPPに参加したらこうなるわよ」という農水省の試算に
「農業の多面的機能の喪失額3兆7千億円程度」とありましたよ。

あまりにもさらっと書いてあるので、見過ごすとこでした。

農業の多面的機能とはいったい何のことでしょう。
それは主に田んぼで稲が栽培されていることで機能するもの

田んぼが失われれば無くなってしまうもの。

現在当たり前のように私たちが享受している利益。
それが農業の多面的機能なのでございます。

日本の稲作は米を生産する以外に大切な役割があるのでした。

R0013017_20120323123419.jpg
たとえばこのハチ。アブラバチというアブラムシの天敵ですが、
日本には約200種ほどいて、天敵の研究者が同定するのに四苦八苦するほどだそうです。
よその国にはこんなにいない。日本という国は生物がとてもたくさんいる非常に稀な国。
この多様性を人知れず守っているのが「農業」という仕事なのです。写真提供・市川泰仙



瑞穂の国・日本と言われるほど、
私たちの国は、豊かな水に恵まれておりますね。

蛇口をひねればそのまま飲める水が出てくる。
よその国から見ると大変すばらしいことでございます。

わたくしの故郷、最近SBのCMで一躍メジャーになった(ってないか)
鳥取県東部地方では、浄水器などは全く必要なく、
それはそれはおいしい水道水が味わえます。

豊富でおいしい。それが日本の水。

田んぼはこの水資源の保全と重要な関わりがあるのです。

田んぼに水が張られるのは、早いところで4月。遅くて6月。
米の栽培期間中、水田は豊富な水を湛えています。
あぜはしっかりと水漏れを防ぎ、管理がきちんとなされます。

代掻き
来月には田植えが始まりますね。穀倉地帯では見渡す限り田んぼという
風景も珍しくありません。中山間地から平野まで、水があるところは日本では
ほとんどの土地が田んぼ。そこにどれだけの水が蓄えられるか。まさにダムです。



この間の田んぼ、実は日本全国で何億リットルもの水を貯め、
一種のダムのような役割を担っています。

上流に田んぼがある地域では、ない地域と比較して、
大雨の際の河川の増水量が少ないという研究結果があります。
一時的に水をため、水量の調整をしているのですね。

また、田んぼの水に有害な物質が多少含まれていても、
微生物や稲が分解・吸収し
最終的には浄化されて地下水となります。

田んぼは私たちが利用する水を保全・管理してくれているのです。

さらにもうひとつ。素晴らしい役割があります。
田んぼから生まれる生物の多さから、
水田は「生命のゆりかご」という誰にもできない役割を担っています。

たとえば「冬季湛水田」。

田んぼの蜘蛛 おきたま0607
農薬に弱いけど昆虫をよく食べてくれる天敵・クモ。嫌いな人が多いけど、
わたくしクモは大切にしております。巣を張るクモよりも徘徊するクモの方が
より昆虫を食べるという研究結果があります。無農薬の田んぼや畑にはたくさんいます。
写真提供・市川泰仙



冬の間は通常水を落とす田んぼに、稲刈り後再度水を張り
春先までその状態にしておく田んぼのことです。

水資源の豊かな土地でしかできないという条件付きの農法ですが、
ラムサール条約に認定された宮城県の蕪栗沼などで行われています。

主たる目的は雑草の抑制なのですが、
冬の間この田んぼは湿地のような機能を持ち、
微生物やイトミミズ、魚類などが生育可能となり、
さらにそれを捕食する水鳥が渡来するようにもなります。

冬季湛水でなくても、無農薬栽培の田んぼからは
さまざまな生きものたちが生まれています。

どこにでも見つけることができるアメンボをはじめ、
カブトエビやホウネンエビ、めったに見つからないタガメ。
ちっちゃなイトミミズや、見つけると「うへえ」と思うヒル、
夏の終わりを感じさせてくれるホタル。
そして凶悪な顔つきのヤゴ。

とんぼ
秋になるとどこからともなく「湧く」ように現れるトンボ。
田んぼから孵化した後は昆虫をとらえながら森や山に向かいます。
これらの昆虫はより大きな生きものの餌になり、生態系の下支えをしています。



このトンボの幼虫は旺盛な食欲で小さな生きものを食べ続け、
秋に羽化し、今度は鳥のエサになります。

田んぼを中心に、豊かな生きものの世界が広がり循環しています。

単に食糧の供給というだけでなく、
日本人の身の回りにたくさんいる小さな生きものを生み出し、
水資源の保全もしてくれる田んぼ。

私たちがごはんをお茶碗何杯か食べるたび、
田んぼの生きものが確実に育まれているのです。

さあ、TPPで外国産米が日本を席巻し稲作が打撃を受けた場合、
この機能が失われることになります。

何億トンと貯められていた水が全部下流に流れ、
梅雨時やゲリラ豪雨で、洪水が起きる可能性が高くなります。
植林ですでに山から貯水の機能が失われつつあるなか、
被害はますます大きくなるでしょう。

カエル
このカエルって、もしかして東京ダルマガエル? 手にツメがないので、
畦がコンクリで固められるといなくなるカエルなのですが、トノサマガエルかな?
トノサマガエル一匹を育てるには、お茶碗113杯のごはんが必要なのだそうです。
がんばってごはん食べなくちゃ!(計算方法は最後の注釈をご参照ください)



また、世界でもまれと言われるバリエーション豊かな
昆虫の世界も消滅します。虫マニアには大ショックです。

田植えが終わりキラキラと水面が輝いている田んぼ、
青々とした稲が風にゆれ、さらさらとなびいている、
稲が黄金色に実り、アキアカネが飛んでいる、そんな風景。

どこか懐かしい、日本人のDNAに組み込まれている風景も、
見ることができなくなるでしょう。景観も失われるのです。

収穫を占う、また、祝う、稲作を発祥とした地域のお祭も
田んぼが無くなれば、意味を失うかもしれません。

ホタル、トンボ、ちいさなカエルたち、水鳥、用水路の小魚、
小さな生きものたちが生まれ続けている世界。
今、あることが当たり前だと思っている豊かな世界。

それがなくなるとしたら。

画像 002
毎日なんとなく食べてるごはんですが、3日に一度一人一杯おかわりすると、
日本人の米の消費量が1割UPすると大潟村の米農家が言ってましたです。
お昼ごはんをパンからごはんにするだけで、日本の米を守ることにもなるのです。



農業を語る際、こういった機能が語られることはまずありません。
それはまだ、私たちの世界から農業が失われていないからです。
当たり前すぎて気付いていないのです。

食べものの価値を価格だけで計ると見えてこない農業の役割。

単に食料を供給するための産業と認識していると、
これをを見逃すことになります。

失ってから気づくのでは遅いのです。

国産米を食べることは、私たちが思ってる以上に大切なんですよ。
なにしろ、アマガエル一匹育てるには、
ごはんが67杯も必要なのですからね。(※)
(※)ごはん一杯=米粒3000~4000粒=稲3株=0.15㎡
NPO法人「食と自然の研究所」田んぼの生きもの下敷きより


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プロフィール

ほんたべ

Author:ほんたべ
手島奈緒
おいしい食べものをつくる人を紹介したり応援したりしております。ブログをまとめた著書『いでんしくみかえさくもつのないせいかつ』(雷鳥社)『まだまだあった! 知らずに食べてる体を壊す食品』(アスコム)『儲かる「西出式」農法』(さくら舎)など。現在ハンター修行中。

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