五十嵐晴夫さんに聞いた「稲の直播栽培」根掘り葉掘り

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バラマキ中の五十嵐晴夫さん。定年後の直播栽培にチャレンジしています。


5月に稲の直播きを見学したあと、根掘り葉掘り聞いたことを
書こうと思ってすっかり失念していたことに昨日気付きました。

あらー。

ってことで、メモを頼りに書いてみます。

五十嵐晴夫さんは、前回ご紹介した60歳から始めるぶどう栽培とともに
60歳から始めるコメ栽培として直播栽培に取り組んでいる。
詳細はこちらから→http://hontabe.blog6.fc2.com/blog-entry-465.html
60歳からの省力化米栽培「直播き」に挑戦-五十嵐晴夫さん

先日田んぼを見に行ってみたら、直播栽培の田んぼの稲は
田植えをしたのと変わらない感じでフツーに育っていた。
「これ、直播き」と言われないと全然気づかないが、
よーく見てみると稲の生育も生え方もきちんと揃っていない。

なるほどー。これかーって感じ。

五十嵐さんの直播きは直播き機を使わないバラマキなので、
密植と疎植部分ができてしまう。密植部分のぶんけつ数は少なくなるが
疎植部分のぶんけつ数は増えるから全体で見ると収量は変わらないらしい。

五十嵐さんの田んぼがあるあたりでは、食味はそんなに良くはないが
収量はいいらしく慣行栽培で10俵から11俵とれる。
昨年の直播の田んぼでは10俵収穫できたので、今年は11俵が目標だ。

稲は順調に育っているように見える。

「田植えをしなくていいし収量は変わらないしで
いいことばかりなのになんでみんなやらないのかな」と五十嵐さんは言う。
「60歳で定年退職してぶらぶらしてるくらいだったら、農地はあるんだから
コメを作ればいいのに。パチンコ行くより健康にいいよねえ」

しかし地域の人々は直播栽培はうまくいかないと思っているらしい。
それは直播栽培で盛大に失敗している人がこの地域にいるから、
ってことらしくて、わたくしは申し訳ないが笑ってしまった。

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あんまり凹凸はないように見えるけど、凹んでるところがあるよね。
でも田植えしてもこういう田んぼになってる人いるし
よくわからないわー、田んぼ。



昨年近所中の評判になったその直播きの田んぼは
草ぼうぼうでとても田んぼに見えなかったらしい。
理由は技術ではなく、持ち主の手が回らないという単なる管理不足なのだが、
皆の脳裏にはなぜか「直播き=やっぱりダメ」が強烈に焼き付いてしまった。

当面はチャレンジする人はいなさそうである。
五十嵐さんの成功が評判になれば始める人がいるかもしれない。

つーことで、根掘り葉掘り聞いた結果は以下の様なものである。

まず田んぼの代かきをしたあと、3日間水を抜かなくてはならない。
種モミをまいた後、モミが泥のなかに深く入ってしまわないよう
表面をある程度固める必要があるためらしい。

3日間というのは五十嵐さんの田んぼの場合で、土質によっては
適正な日数がそれぞれにあるだろうということだ。

この後再び水を入れ、溝切りをしたらすぐに種モミをまく。
種モミはJAで購入後、業者に鉄コーティングを依頼しておく。
散布量は一反あたり3kgである。3,000円くらいでできるらしい。

機械でバラマキするのでは種にかかる時間は一反分で10分程度だ。
田植えをすることを考えるとあまりにも短い。
え? もう終わったの? って感じだ。

この地域では5月20日ごろまでにまかないと収量に差がでる。
地域によって違うのだろうと思うが、田植えをしたものよりも
直播きでは出穂が10日間ほど遅れる。

五十嵐さんは早生・中生品種のハエヌキを選択している。
あと、つや姫の後継品種(品種名公募中)とか良さそうだとのこと。

バラマキ後は田んぼをそのままにしておけばいいかというとそんなことはなく、
約1週間後にもう一度水を落とし、1週間干したままにする。
ここで稲は発芽する。芽が出たら再び水を張り、除草剤を散布する。

その後の管理は田植えをしたものと同じだ。

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お隣の田植えをした田んぼの風景。きっちりまっすぐそろっております。
せいれーつ!!! って感じ。

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五十嵐さんの直播きの田んぼ。バラバラっとしておりますね。
分けつ数も多かったり少なかったりでバラついてそう。



稲の生育は当然だがバラツキがありきちんと揃わない。ということは、
稲刈り時期に熟度にもバラツキがあるということで食味に影響する。
しかし付加価値商品ではないからOKなのだった。

「食味が」とか「無農薬で」「有機で」みたいな付加価値商品は、
除草機が入らないバラマキでの直播きは不可能なのらしい。

そこでふと思うわたくし。

直播き機を遣えば有機でもできるかもしれないな。
でも直播き機ってお値段どれぐらいするんだろ。
60歳過ぎてから新しい機械買うの大変かもな、なんて思うと
バラマキのほうが良さそうだが、どうだろうか。わからん。

また、直播栽培は田んぼが平坦じゃないと生育に差がつきやすい。
さらに、水管理の自由度が高くないところでするのはむずかしい。

なぜなら、直播き前と後に水を抜く必要があるからだ。
これが、田植えをする他の農家と水のタイミングが合わないらしい。
冬期湛水と似たような感じだね。
どこでもかしこでもできるやり方ではないということだ。

ともあれ、苗はきちんと生育している。

ハエヌキは草丈が低く倒伏しにくいという特徴があるが、
稲の丈が非常に高くなっているのは直播栽培の特徴らしい。
去年の食味は「こんなもんかもね」だった。今年はどうかな? 

今後の課題は肥培管理と田んぼを平坦にすることだと五十嵐さんは言う。

そして「カンタンなのになぜ誰もしないのかなー」とカンタンそうに言っていたが、
初期の水管理などは上記のようにけっこうめんどくさいしむずかしいのだ。
そこんとこがうまくできなくて失敗する人もいるのだが、
五十嵐さんは失敗しないでうまくやれているということだろう。

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重そうに頭を垂れてる穂もあれば、上むいて突っ立ってるのもあり、
これが生育のバラツキってやつらしいです。
なんかイナゴがたくさんいてキーって感じでした。



ぶどうも米も、五十嵐さんのテーマは60歳からの省力化栽培である。
地域の人が元気で85歳までできる農業をどのように省力化すればいいか、
いろいろ考え一番いい方法を模索し実践しているのが
ほんとうにすんばらしいとわたくしは思う。

大規模化を目指している若いもんにとっては邪魔! と言いたくなるだろう
高齢者の小規模・省力化栽培だが、地域に若いもんがいないところだってある。
大規模化できるところは農地が足りない状態になっているとよく聞くが、
中山間地や大規模栽培が不可能な地域の農地は荒れるばかりである。

じいさまたちがあと5年、10年続けられる農業、
定年退職後パチンコで預金を食い潰すことなく楽しくできる農業。
そんなやり方があるとすばらしい。

五十嵐さんのチャレンジにはそのヒントがあるような気がするのだった。


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強者のみが生き残る? コメの未来は明るいか暗いか

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田んぼには食料を生産する以外の役割があって、それがけっこう
大切なんだけど、意外と意識されていない。これを金額に換算すると
3兆7千億円程度になる。治水・生物多様性・景観などが含まれている。



東西南北に長く、土地によって気候も全く違う日本で唯一、
時期は違えどほぼ同じ栽培過程をたどる作物がある。
その作物を栽培している農家は、全国のどこでも、
同じ言葉を使ってその作物の栽培の話をすることができる。

その作物とは、コメのことである。

日本の気候風土にぴったりと合っているコメは、江戸時代には
お給料の支払に使われ、大名の資産の目安ともなっていた。
また、各地で秋に行われる祭は、稲作と密接に結びついている。
コメはそれほどまでに、古来から日本人に寄り添っている作物なのだった。

というようなことを知ると、朝ごはんにコメを食べたくならないかな?

おいしいおコメは他のどんな炭水化物にも勝ると思うが、
昨今のコメ消費量の激減を見ると、皆がそう思ってるわけではないらしい。
もしかしたら皆、おいしいコメを食べていないのかも。

さて、コメは他の作物と違い食味を計ることができる。
糖度などと違ってほぼ数字通りに判断できるところが素晴らしい。

食味値はタンパク含有量、水分、アミロース値などから数値化されるが、
「タンパク含有量」だけを目安にしてもいい。
タンパク含有量が、7以下であれば誰が食べてもおいしいおコメである。

7以下とさらりと言うが、その数値にするのはけっこう難しい。

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平地がない中山間地では山を切り開いて棚田を作った。小さな田んぼが
延々と続く棚田は景観的には素晴らしくても、大型機械は入らないし、
作業性が悪くて経費がかさむから耕作放棄地になりやすい。
そしてそこでイノシシが繁殖しているという研究結果もあるのだった。



最近話題でおいしいと評判の北海道のブランド米、ゆめぴりかは
2009年にタンパク含有量6.8以下という基準を作り、
それ以上のものは「ゆめぴりか」として販売させなかった。

結果、ゆめぴりかを栽培した農家の6%しか出荷できなかったそうである。

クリアできたコメがあまりにも少なかったせいか、翌年は7.9%以下にして、
2011年からは7.4%以下にした。うーん、混乱したんだろうなあ。

その他、山形県のつや姫にも7.5%以下という基準値があり、
7.5%以上のものには「つや姫」という名前をつけて売ることが出来ない。

つや姫、ゆめぴりか以外にも、基準値を設けているおコメはいくつかある。
地域ブランド米は「数値化された食味」で勝負しているということだろう。
おいしさが保証されているという点で大変な強みだが、
一般ピープルは知っているのかな? もう少し広報したらどうだろうか。

このタンパク含有量を左右するのは肥料だ。
タンパク質=チッソ分だからね。

そして、ここで悩ましい問題が発生する。収量を左右するのもチッソ分である。
収量を上げたい人はチッソ(つまり肥料)をたくさん入れたい。
多い方がたくさん採れる。でも入れれば入れるほどおいしくならない。

おいしいのと多収とどっちを選ぶ? なんていう選択肢はあるだろうか。
慣行栽培であれば迷うこと無く多収を選ぶんじゃないかと思うわたくし。
なぜなら、米価はほんとに鼻血が出そうなくらい安いのである。

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コメの等級は整粒歩合、胴割れ、未熟、被害、死米などの割合で決まる。
等級が下がるとイヤだから、出荷前に自分ちで色彩選別機にかける農家が多い。
外いたコメは加工用なんかにはならなくて、鶏のエサとか肥料になる。
だから斑点米作るカメムシ対策にネオニコがまきたいのだった。



魚沼産コシヒカリ以外の慣行栽培のコメは、だいたい
60kg(1俵)11,000円から13,000円である(仮渡金)。これ、農家の売上ね。
コメの平均収量を調べてみたら10aあたり530kgで、えーと、約9俵である。
10俵取れないのかあ、なんかびっくり。高度化成とか使ってるんだろうに。

そして、コメ1俵あたりの経費は平均して約10,000円だ。
も、もしかして、利益は1俵あたりたった1,000円~3,000円? ひいー。

コメは面積が大きくなればなるほど利益が上がるため、
大規模化が推奨されている。栽培面積が50a以下の小規模農家は、
コメだけでは全然儲からないと言われている(慣行栽培の場合)。

わたくしの生まれ故郷鳥取を代表する中山間地の田んぼは、
高齢化も相まって絶滅の危機にある。耕作放棄地への道まっしぐらだ。
コメは平たい土地で大規模に、というのが世の趨勢、政府の戦略なのだった。

では有機米はどうだろう?

有機米は一般のルートを通じて販売されていない場合が多く、
その分、良い価格で取引されているため、末端価格も高い。
しかし収量が良くないので、儲かるかどうかは「うーん」って感じだ。
慣行栽培と同様、大規模化が必要だろう。

収量は、よくて8俵、普通は7俵、肥料少なめの人は6俵、
中には5俵とかいう人もいる。

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毎日おいしいおコメを食べることができて大変しあわせなわたくし。
コメ不足にでもならないとコメの価値ってわかりづらいけど、
保存性があり携帯も簡単で腹持ち良く力も出るしで、優れた食品だよね。
輸入に頼ってる小麦より、コメを食べたほうがいいのになあ。



チッソ分が多いとイモチ病が出やすく、有機だと効果のある農薬がまけないから、
チッソは総じて少なめである。ということは、タンパク含有量も少なめである。
だから有機のコメはおいしいことが多いのだった。

コメの世界ではずいぶん前から、高くて(安心で)おいしいものか、
安いがそれなりの味のものという二極化が進んでいる。
すんごく高いものかすんごく安いものが生き残るということだろう。

ってことは、有機米やブランド米作ってる人と、
大規模農家しか生き残れないってこと?

日本人が一日に食べるコメの量は1人150g、約一合。
一年間食べても一俵に満たない。そうしてコメはますます余り続ける。

付加価値のついたコメには競争力があるから、
国内でも海外でも勝負できるかもしれない。しかし、
それ以外のコメはどうなるかな? 減反と補助金がなくなったら?

これからコメ農家の淘汰が始まるのかもしれないなあ。
中山間地の棚田はイノシシの巣になるしかないのかしらん。

しかし今の自分にはごはんをおかわりすることしかできないのだった。

そしてよく考えてみたらわたくしは慣行栽培のコメは食べないから、
淘汰される人たちの役には立たないのだった。ううううう。ごめんなさい。


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新米の季節のカメムシの話

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高畠町のおきたま興農舎の新米「つや姫」ぴかぴかです!
まだ稲刈りが終了していないのは、雨が多いせい。7・8月は大かんばつ。
ここに来てなぜか毎日雨。米農家はどこも困ってるらしいです。



新米が出始めましたね。

わたくしごはんが大好きで、白いごはんも玄米も、
炊き込みごはんも混ぜごはんも、
おいなりさんだろうがおかゆだろうが、おじやだろうが、
とにかく「ごはん」が大好き。

ごはんさえあれば幸せなので、毎日目玉焼き丼でも平気だ。

その話を母にしたら、鳥取から大量に食材を送って来たことがあった。
母よ、貧乏だから目玉焼き丼食べてるわけじゃないのです。
なんて言っても母には通じないのだった。

某D社の産地担当時にも、
会社の台所で毎日目玉焼き丼を作っていそいそと食べてたら
「その雑な昼飯を何とかしろ」と同僚に言われたことがあった。

「雑じゃないもん、好きなんだもん」と言いたかったが、
ちょびっと横着してるみたいで恥ずかしくて言えなかったわたくし。
ごはんさえあればしあわせって人は、
世の中にそれほどいないのであろうか。謎である。

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黄金色に頭を垂れる稲穂。秋の風景の中でもとても美しいものです。
もちろんその後、まっしろでぴかぴかの新米って欲がついてくるんすけど…。



ってことで、新米の季節はとくにしあわせである。
おにぎりにしてばくばく食べるだけで、
至上の幸福を感じてしまうというお手軽な体質。
しあわせの器が小さいのだね。

炊きあがったぴかぴかのまっしろなごはんをお茶碗によそう時。
一口食べて、口の中に広がる甘さと香りを感じる時。
「生きてて良かった!」「日本人で良かった!」と思う瞬間でございます。

さてその「まっしろでぴかぴかのごはん」になるためには
虫に食われてないことや、ワレのないこと、
乳白米のないことなどが必要だ。

ってことで収穫された米は1等から3等・規格外に等級がわけられている。

昨今の塩麹ブームで規格外の米(中米と呼ばれる)の在庫がなくなり
塩麹で一発当てたメーカーは6月ごろに大慌てしていたので、
中米だからと言って売り先がないわけではないらしい。

しかし米の価格は等級が下がるたびにずいぶん下がるから、
できたら一等米を作りたいってのは農家なら当然である。

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白米の状態で乳白米とかワレの米を見てみます。けっこうワレが混じってました。
でも透明感がある美しい白ですねえ~。うっとり。

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稲刈りした後のモミ。この中に手を突っ込んだりしていると
モミの表面のちくちくするものが手にくっつき、それがあちこちに散らばって、
大変かゆくなるので要注意です(経験談)。



高温障害で出てしまう乳白米や、
刈り遅れなどで出る胴ワレなどは防ぐのが難しいが、
とりあえず、虫害はヒトの手で防ぐことができる。
虫害とはおおむねカメムシ被害のことである。

カメムシの発生時期は7月~8月。
なのでこのあたりで2~3回防除を行う。

カメムシ対策でまく殺虫剤はネオニコチノイド系農薬だ。
ダントツ水和剤・粉剤が使われることが多く、成分はクロチアニジンである。
イミダクロプリド同様ミツバチに影響があると言われている。

この時期ミツバチが田んぼに何しに来るかと言うと、
稲の花粉採取(人の手により植生が変わり夏の花粉が稲しかないから)と、
水分補給が目的らしい。そこで農薬の影響を受けてしまう。

しかし米農家としては、カメムシ米が入ると等級が下がるので、
このあたりで一度まいておきたい農薬だし、
防除暦にもまけって書いてあるしで、慣行農家はみんなまいちゃうわけ。

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色選機かけた後のカメムシ米とか青い米。きれいなお米も混じってます。
これがロス分になるんですって。何になるかと言えば鶏の餌。

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色選機通した後のカメムシ他の米をはじいたお米。きれいです。
すごいなあ色選機って。昨今のものはずいぶん性能が上がってるらしくて、
ロス分も少なくなってるとか。いいっすね、日本の技術、すばらしい。



ネオニコを散布しない場合は有機リンとかの選択肢はあるが、
毒性はそっちの方が必ず高かったりするので、
それはそれでどうなのかな。何とも言えないわたくし。

農薬をまいてもカメムシ害は出る。
その際には色彩選別機にかけて斑点米をはじくという作業を行う。
色選機にかけるといい米も合わせてはじかれてしまうので、
ロス分がちょびっともったいない。その辺は農家の判断だ。

日本人にとって米は大切な主食である。
玄米よりも白米。とくにまっしろでぴかぴかのごはんを好む。
わたくしのように器の小さい人間のしあわせの素だったりする。

「おかゆにねえ、斑点米が一個でも入ってると食べない人がいるんです。
小さな黒い点がひとつあるだけでもダメなんですよ。
だから外食関係に出す場合は、まっしろじゃないとダメなんですよ」

以前お米屋さんに聞いた話だが、さもありなん。
食べることが唯一の楽しみだったりする病院などでは、
絶対に斑点米混入はダメなのだそうだ。

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稲刈り風景を見せてもらいたくて雨降り後なのにコンバイン動かしてもらいました。
ありがとうございます。しかしコンバインってすごいよね。
あっという間に刈り取れちゃう。手刈りなら一日がかりだよね。



当たり前のように白いごはんを食べているわたくしたち。
しかし、それを作るためにいろいろな苦労(っていうか農薬散布)がある。

カメムシに食われた米がお茶碗に3粒くらい混じっててもいい?
お米の値段が少し上がってもいい?
そんなことと、農薬の散布は必ずセットなのだった。

無農薬の有機米の新米、ぴかぴかのまっしろなごはんを見て
やっぱり斑点米が入ってたらヤだなと思いながら
作ってくださった農家に感謝してわしわしといただいたわたくし。

ともあれ、今年も新米はうまかったのであった。


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白飯がこんなにうまくていいかしら?―つや姫の話

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つや姫さま。ごはんの一粒ひとつぶが大きくて、噛みしめると甘みがふんわり、
コシヒカリにも似たもっちりとした食感、そのつや、冷めてもおいしく味が落ちない、
塩むすびでも次々食べちゃう、そんなお米。とにかく一度食べてみて!!って感じ。



わたくし、ごはんが大好きです。

白いごはんも玄米も、おかゆもおじやもドリアも好き。
おにぎりがあればおかずはいらないってほどごはんが好き。

あっ、でもね。おいしくないとダメなのね。

渋谷で働いてた頃、渋谷界隈のレストラン・カフェで出るごはんが
ほんとに、ほんっとうにおいしくないので、まずいごはんを食べるよりはと
10カ月間毎日スパゲッティを食べ続けたほど、まずいごはんはダメ。

「おいしいごはんを出せない店においしい料理などあり得ない」
多少偏っておりますが、わたくしはそう信じております。

まあ、原価率考えると、外食店の出す米なんて3等とか古米とか、
誰が作ったともしれないお米なんだから、おいしくなくて当たり前。

おいしいごはんは家で食べるのが一番。
おにぎりも自分で作るのが一番おいしいのです。

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昨年ちよだ青空市で販売した2合パックのつや姫。2月の開催でした。
いや~売れませんでした。この経験から、2合だろうが5kg袋だろうが米を売るなら
絶対に新米時!そうでなければ試食販売!という学習をいたしました。



さて、某D社時代に米の販売に四苦八苦した経験から、
米の売りづらさを身にしみて実感しているわたくし。
日本人の米に対する感覚は以下のようなものだと信じるに至りました。

「人は皆、自分の食ってる米が一番おいしいと思っている」

私たちは、毎日食べてる米が一番おいしいと信じているので、
米の銘柄・産地・販売店を変更する等の冒険はあんまりしません。
我々が唯一米に対して冒険するタイミングは「新米」時のみ。
(新米ってどんな米でも一応おいしいからね)

だって新しいの買っておいしくなかったらさあ、
その後一カ月ほどその米を食べ続けなくちゃいけないじゃん。
リスク回避のためには、同じ米を食べ続けることが一番なのです。

でも時折は変わったお米を食べてみたい。
年末年始においしいお米が食べたいわ!なんて方のために
今回ほんたべイチオシ、すんばらしいお米のご紹介をいたします。

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山形県高畠町小林亮さんのつや姫。収量が悪くて県の目標には足りませんが、
味は抜群。今年は全体的に収量があまり良くなかったのでつや姫も少し足りな目。
山形県全体でもつや姫は少なめで推移しているようです。人気なのね~。



米のうまい・まずいは、ある程度数値でわかるようになっています。
「たんぱく含有量」「食味値」。お米屋さんは測ってると思います。
ブレンドしてそれなりの味を作んなくちゃいけないからですね。

たんぱく質が多い米はおいしくない。これがお米の世界の常識です、

たんぱくが多い=チッソがちゃんと切れない=チッソが多いですから、
「量を取ろうとしてチッソ分を入れ過ぎる人の米はダメ」とも言えます。
(実際には上手にチッソを切る人もいるからちょっと暴論ですが)

その他、田んぼの微生物とか肥料の質とか、
その地域の土質・天候等々でお米の味は変わります。
人の技術によっても味は変わります。

通常、地域での栽培指針はあれど、基本的に栽培は
農家の主体性に任されているため、味にばらつきがあるのは当然。
味はどうでも量を取りたい人、味が一番って人、そりゃもういろいろです。

だからこそ、知らない米を買うのは冒険なのです。

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おきたま興農舎代表・小林亮さん。信頼できる人からお米を買うのも、
おいしいお米を食べるための方法のひとつ。わたくしを構成している原材料のひとつが
おきたま興農舎のお米でございます。



そんななか、栽培マニュアルをバッチリ作り、
「この通りに作んないとブランド名出して売っちゃダメだからね」ってな
すんごいことをしている銘柄米があります。

それが「つや姫」。昨年デビューした山形県の新品種。
(具体的な栽培指針は過去ログをご参照ください)

つや姫は一定程度の条件を満たさないと
「山形産つや姫」と称して売ってはいけないというブランド米。
ですから大きなハズレはありません。
どれを食べてもそれなりの味ってことです。

しかしそのつや姫の中でも、おいしく作ることができる人と、
そうじゃない人がいます。そこで上記の数値の出番なのです。

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「除草剤一回のみ散布」という防除暦があります。これは田植え後に一回だけ、
除草剤を散布したという防除履歴。でも国のガイドラインだと「特栽」に分類されます。
「特栽」は殺虫殺菌剤使ってるし除草剤も2回位まいてるし、同じじゃないのよね。
しかし有機JASだと除草は手取り除草。こういう雑草がバンバン生えてきて大変なの。
一回まけるのでも大違いと農家は言います。除1位いいじゃん!と私も思います。



つや姫基準のたんぱくの量が7.5%以下…どころか7%~6%の間。
つや姫基準では定められていない食味値が80以上。
(一般的にはたんぱくが7%台、食味値は80以上であれば
おいしい米と言われます。85位だと相当おいしいお米です)

このお米は、山形県のおきたま興農舎の皆さんが栽培しています。

おきたま興農舎のお米は総じていつも数値が高く、
某D社でも味が良い産地として知られています。

同じ山形県でも、平均して食味値80前後の産地が多いのに、
(80前後でも「うまい」とか自慢してたから、いい数字なのでしょう)
80以上の数字をキープしているというツワモノぞろい。

しかも有機JAS認証か、無農薬、使っても除草剤一回という栽培歴。
おいしいばかりか安心して食べられるお米でもあります。

カブトエビ おきたま0607
たんぼの生きもの調査が流行ってます。有機の田んぼにいるというカブトエビ。
興農舎の農家の田んぼにもいます。これ、よそから持ってきても繁殖しない生きもので、
有機でも定着しない田んぼもあるらしいから不思議ですね~。全然かわいくないと思う私。



一番驚いたのは、昨年わたくしがマルシェ販売で売り余した
おきたま興農舎のつや姫を今年10月に食べたときのこと。
ほとんど劣化していない、新米時に近い味わいがキープされていました。

通常は常温で一年そのへんに置いといた米など、
酸化して味が変わっちゃうもんなんですよ。なのにおいしい。
モミ貯蔵でおいしいと自慢の産地の米よりもおいしいので、
驚愕してしまったわたくし。で、今回この記事を書いているわけです。

ふだんづかいのお米としては少しお高いかもしれませんが、
年末年始にふさわしい、ごちそうごはん「つや姫」。
ご興味のある方、以下からご注文してみてはいかがでしょう。
メールフォームからお問い合わせいただいてもOKです。

おいしいごはんを食べられるしあわせ。
皆さまにも味わっていただきたいわたくしです。

■おきたま興農舎のつや姫

有機JAS認証取得つや姫は、銀座の山形プラザでも購入できます。
おきたま興農舎HPからもご注文できます。

■価格
有機JAS認証(4.5kg) 3,800円(税・送料別)
除草剤一回使用(4.5kg) 2,800円(税・送料別)

■たんぱく6.4以下、食味値84以上というKING OF つや姫
「高畠ブランド」 有機JAS 4,000円(税・送料別)
「高畠ブランド」 除草剤一回使用 3,000円(税・送料別)

送料は600~800円。地域によって異なります。
ブログ左のメールフォームからお問い合わせください。

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山形県のブランド米「つや姫」を食べてみた!

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写真を撮影した後に「つや姫」と知り、ちょっとうれしくなった稲穂の写真。
粒がしっかりしていて美しい稲穂ですね。



山形県が総力あげて売り出している新品種「つや姫」。

何年か前の「はえぬき」「どまんなか」の失敗を糧に、
ものすごいブランド化が図られていたことを知りました。

よくJAがOKしたなあ…と思うその戦略とは、
①特別栽培米及びそれに準ずる栽培内容であること
②栽培期間中の圃場確認が何度か入る・栽培記録の提出
③できた米のたんぱく含有量7.5%以上のもの及び3等以下のものはつや姫の標記はできない

これは厳しいですね。驚きました。

種もみも「作りたい」と言った農家全てに渡したわけではなく、
3町以上の認定農家で上記条件を満たせる人のみ。

実は山形県の米栽培総面積の5%未満の面積でしか栽培されていないのです。

常日頃、初期の除草剤一回しか使わない私の知り合いの農家は
特別栽培でも何てことなかったのですが、慣行栽培の人から見ると
上記の条件はけっこうハード。誰にでもできるという話ではなかったようです。

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一粒ひとつぶが大きいのがつや姫の特徴。ってことはひょっとして収量もいい?
だれも「うん」とは言わなかったけど、ちゃんとできれば収量はいいんじゃないのかなあ。



さて「特別栽培米」って何だっけ?という方も多いと思います。

「地域の防除暦の農薬数50%減、化学肥料(チッソ分)50%減で栽培された農産物」。
つまり肥料(化学肥料)も農薬も、慣行栽培の半分以下で栽培されたものについて
「特別栽培農産物」と称して販売することができます。

「特別栽培農産物」は、有機JAS認証はハードルがとっても高くてムリだけど
慣行栽培よりもがんばってるんだもんねという人が取ることが多いのですが、
米以外は差別化がうまくできておらず、さらに米でも「特栽?何それ?」とか言われて
あまり優位性があるとは言えません。

消費者が知らないことが原因だと思うんですが、そもそも慣行の作り方を知らなければ
優位性などわかろうはずもなし…何か情報の伝達が滞ってるのでしょうね。

さて、山形県の「つや姫」防除暦はチッソ分6.12kg、農薬成分回数20回。
この50%以下で栽培されているということですね。
(除草剤含め、農薬は10回も使えるのです。びっくりしました)

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今年、収穫間際に稲が倒れてしまっている田んぼをたくさん見ました。
雨降りが多かったこと、強風が何度か吹いたことなどが原因。稲刈りにも苦労してました。


さて、過去のブランド米「はえぬき」の失敗の理由は何だったのでしょう?

このお米、おいしく作ればとてもおいしい米でした。
ただ、チッソ分を多くしても稲が倒伏しないという特徴があっただけ。
これが失敗の原因でした。

チッソは収量を上げますが、コシヒカリやササニシキなどは
あまりたくさん入れると稲が大きく長くなり、倒伏してしまいます。
倒伏すると商品にならないため、チッソ量については皆がちゃんと配慮します。

チッソを入れても倒伏しない品種というのは、農家にとってはとてもありがたい品種。
収量が上がって倒伏しない…こんないい米はない!ってわけです。
しかししかし。一番大切な「食味」が悪くなってしまう、それがチッソ過多の問題点。

米の食味を大きく左右するのは「たんぱく含有量」。
たんぱく質の元はチッソなので、チッソが効きすぎている米はまずいのです。

おいしいというはえぬきの評価がじょじょに下がっていったのは、
農民皆がバンバン入れたチッソのせいだったのでした。

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名前の通りつやつやと光るごはん粒。「つや姫」って名前もセンスいいですね。
まあ少なくとも「どまんなか~っ!」よりはオンナゴコロをつかみます。



実は「つや姫」も「はえぬき」同様倒伏しにくい品種。
だからチッソ量の制限をかけ食味の低下を厳しく制御したのです。

食味のばらつきがあれば「ブランド化」はできませんから、すごく正しい戦略で、
さらに、それを貫徹したのが「スゴイ!」と思うところでございます。
「つや姫」にかける山形県の並々ならぬ思いが伝わって来ます。

また栽培期間も気を抜かず、出穂前に新葉から二番目の葉の色を調査し、
濃すぎるものは「つや姫」として売れなくなったという話も聞きました。
栽培している田んぼを普及員が全部回り、葉色調査をしたってのもスゴイです。

つまりチッソを入れ過ぎてた農家は、ここで振るい落とされたということですね。
うーん、そこまでするとは! 徹底しています。

このような山形県と農家の努力によってブランド化されたつや姫は、
一定レベル以上の食味が確保できていて、なおかつ安全。

そんなお米が一般的に販売され、どのスーパーでも買えるってのがまたスゴイです。
売り上げ的にはかなりいいらしく、米不振の昨今「良かったなあ!」と思う次第です。

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私が食べたのは、おきたま興農舎の除草剤一回使用、無化学肥料のつや姫。
いや~、おいしかったです。通常のつや姫よりも基準を厳しくした「たかはだブランド」のお米は、
銀座の山形プラザで購入できるそうです。ぜひ試食してみてください。ほんと、おいしいから。



さて、食べてみた感想は…ふひょ~んってな感じの、しあわせのおいしさ。
つや姫は粒が大きいのですが、柔らかめに炊いても一粒一粒をはっきり感じます。

なんと言ったらいいのか、もっちりとしたごはんつぶをぷちぷち食べてる感じなのですが、
それが不快ではなくて気持ち良く、さらに甘みがじんわりと口中に広がり、
「ああ、おかずなんていらないわ! 白飯だけでわしわし食べたい!!」という
猛烈な欲求がわきあがってくるようなおいしさでした。
(ボキャブラリーが貧困ですみません)

とにかく、さすが、つや姫! 当分私はつや姫に夢中です。次も買います。

きっと羽釜杜夫で炊けばさらにおいしくなるでしょう。
おいしく炊ける電気釜まで欲しくなった、つや姫の試食でございました。


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稲刈りを見て気づいたこと

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黄金色の稲穂の風景は本当に美しいですよね。日本人で良かった!とか思っちゃいます。


先月から山形、広島、鳥取、和歌山、愛知と長期間移動しておりました。

ちょうど今、西日本も東日本も稲刈りの最中。
風になびいている稲穂、はざがけされた稲穂など、豊かな実りの風景が
あちこちで見かけられました。

これらの昔ながらの風情ある景色とともに、
一気に刈り取りモミにしてしまうコンバインの便利さなども目の当たりにし、
稲作について少し考えてしまいました。

昨年は一俵あたりの金額が12,000円だったと聞きましたが、今年はどうなのでしょう。
今年度産魚沼コシヒカリの価格が古米よりも安いと嘆いている農家が
ニュースに出ていましたが、また今年も安いのでしょうか。

米作はもう儲からない、そんな言葉が定着してしまったようです。


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地域によるはざがけの形の違いレポート。これは西日本の山間地のはざがけ。
3段~5段の高さが必要な理由は、山間地で日照が短いためなのかしらと思っています。


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よく見るフツーの一段のはざがけ。この田んぼの持ち主はかけた上にさらにかけているみたいです。

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山形から宮城県でよくみられる形。「くいがけ」と言うそうです。なぜこの形なのかは不明。
どなたかご存じの方教えてください。日照時間とかじゃないみたいなんですよね。


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稲刈りシーズンになるとあちこちで咲く彼岸花。実は毒を持っています。
根茎に毒があるため、この花を植えておくとネズミやモグラの被害が無くなるそうです。
毒を抜いて食べられなくはないため、非常食としても使われていたと聞いたことがあります。
どこにでも生えているのには意味があるのですねえ。




さて、米の価格は、収穫が終わった11月~12月にかけて、
JAに出荷している米農家に支払われる「仮渡金」と、翌年、前年の米が売り切れたあたりで
最終価格の調整が行われて支払われる「追加分」の合計で決まります。

昨今あまり追加分が出ないというウワサを聞きますが、それはともかく。

平成21年度産のアキタコマチ仮渡金を聞いたところ、
一俵(玄米60kg)が12,300円(税込)だったそうです。

特別栽培農産物でも有機農産物でもない、一般的な栽培(慣行栽培)での価格です。

ニッポンの稲作はほかの作物と比較して省力化・機械化が非常に進んでいます。
限りなく効率化された結果、一戸あたりの面積もかなりの広さまで可能になりました。

そのため、一俵あたりの金額が多少安価でも、面積が広い農家であれば採算が合うようです。

しかし、中山間地の条件の悪い傾斜地などで栽培された場合、手間と経費がかかるため
18,000円~20,000円(1俵)くらいにならないと、かなり厳しいといわれます。

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コンバインから出てきたらもうこの形になっているお米。文明の利器の力ってスゴイなあ。
あと日本人の効率化への情熱も。ちなみにこのお米、山形の期待の新品種「つやひめ」。
おいしいって評判のお米です。早く新米が食べたいなあ。



そこで、12,300円を検証してみました。

米の収穫量は10aあたり約10俵とします。
10俵採れたので、123,000円が10aあたりの売上になります。

このうち、利益はどれぐらいになるでしょう。

減価償却費、燃料、土地改良費、種苗代、農器具、修繕費等々が生産費になります。
この話をしてくれた農家の生産費は、1俵あたり約10,000円ということでした。

10俵あたりの生産費は…100,000円です。

10俵=10aだから…10aあたりの利益は…たった23,000円

うひ~、この価格で稲作を続けていけるの!? だれしもが思うはず。私もそう思います。

そして、今回山形でコンバインによる稲刈り風景を初めて見て、気づいたことがありました。

「あの機械、いくらぐらいするのかな~」
「ベンツとおんなじくらい」 一緒にいた農家がさらりと言いました。

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この機械600万。お隣で作業してた人のはもっと大きくて1,000万ぐらい。
中古で買う人もいるそうですが、高い割によく壊れるとかいう噂も…とにかくスゴイ機械ですよねえ。


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コンバインのお掃除をしているところを見せてもらいました。
人間の手が行っていた作業を機械ができるようにしただけ…と言われますが、誰が考えたのやら。
これは稲からモミを外すところらしいんですけど、誰がこの形にしようと思ったのやら。




コンバインは規模にもよりますが、だいたい600万から1,000万くらいするそうです。
1,000万の車を買うのは、サラリーマンだって躊躇します。びっくり!

さらにこの機械、一年のうち、稲刈りの1週間位しか使わないのです。もっとびっくり!
しかし買わなくては作業ができないのです。これが経費を押し上げているのですね。

大規模化をしなくては立ち行かない米価の低迷…でも、
大規模化するには、高額な機械の購入をしなくてはならない。

仮渡し金が急激に下がった何年か前、借金が返せないと嘆いていた農家の話が
初めて実感できました。

gazou 066
バッタだと思ったらイナゴでした。もっと凶悪な顔してると思ってました。まるっきり仮面ライダーでした。
しかしコンバインで刈り取ったらこいつらも一緒に刈り取られるのでは…?
「たぶん混じってると思うけど、この後の工程で粉々になって…」いやいやいや、もう聞くのやめときます。



付加価値商品である有機米や、ブランド産地ではもう少しいい価格だと思います。

しかししかし。
海外との競争力をつけるため、もっと安くと言われている米、
今のところ自給率100%を誇っている米ですが、
こんな儲からないんじゃ、作る人いなくなっちゃうんじゃないでしょうか。

だからこそ、個別所得補償制度があるのだと言われるかもしれません。
しかし根本的な改善には絶対にならないことは、誰もが気づいているはず。

そうは言っても大規模化は国の政策ですから、
今後この方向がブレることはないでしょう。

今まで小規模農家が大変だとばかり思っていましたが、
大規模な人たちだってすっごく大変なんじゃないかとふと思いました。

画像 002
ピカピカの新米は日本人の喜び。つい食べすぎてしまいます。
最初は塩むすびでわしわし食べて、炊き込みごはんはもったいないから、やっぱりサンマか…。
夢がふくらむ新米の季節。



わたしたちは、作っている現場のことを知らなすぎるんじゃないでしょうか。

お米がどんな風に作られていて、どう値決めされているのか
もう少し、知っておく必要があるんじゃないのかなあ。

まだ新米を食べていませんが、今年の新米はおいしいばかりじゃないような
そんな気がします。


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プロフィール

ほんたべ

Author:ほんたべ
手島奈緒
おいしい食べものをつくる人を紹介したり応援したりしております。ブログをまとめた著書『いでんしくみかえさくもつのないせいかつ』(雷鳥社)『まだまだあった! 知らずに食べてる体を壊す食品』(アスコム)『儲かる「西出式」農法』(さくら舎)など。現在ハンター修行中。

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