有機農業「運動」という重い外套を脱ぎ捨ててみたら?

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むかーし産地交流とかで産地と消費者を結ぶイベントをよくやってたが、
夜の飲み会で受け入れ農家があーだこーだ消費者に愚痴を言いまくり、
結局なくなった的なこともありました。建前はステキでも、
どこかでひずみが生まれるとそういう事故も起きるです。



「有機農業運動」とは1970年代に始まった市民運動である。

既存の流通や小売のやり方を踏襲せずに、消費と生産の連携により
安全な食べものを生産し消費するだけではなく、環境にも配慮し
子どもたちの世代に持続可能な社会を残そうと生まれたものだ。

大地を守る会はこの中心的な役割を果たしており現在に至る。

しかし現在の社員に有機農業運動とか語っても「はあ?」ってな感じではなかろうか。
ましてやオイシックスの社員においてをや。なんて言っては失礼か。すんません(ペコリ

わたくしが大地を守る会に入社したのは1992年。有機農業運動はまだホットであった。
どころか、脱原発運動、学校給食運動、牛乳パックとか低温殺菌牛乳運動
(知ってる人いるかな)等々の運動が花盛りであった。

わたくしは体を動かす運動ではないさまざまな運動があることを
大地を守る会で初めて知った。

「運動って体育の運動じゃないんすか?」とか当時の上司に口走り、
困ったような顔をされたことを思い出してしまったよははははは。

農家のおじさま方と話したり商品情報誌や機関誌の記事を書いているうちに、
それらの「運動」は知らぬ間に背中にべったりへばりつきわたくしの一部になった。
ことに気づいたのは退社して数年経ってからである。

背中から「有機農業運動」という甲羅がぺりんと剥がれ落ちるのに5年ほどかかった。
現在でもそのかさぶたは残っていてときどき厚くなったり痛くなったりする。
いまだに治療中なのである。しかし、少しずつ傷は癒えているらしい。
なぜなら、有機農業「運動」にときおり違和感を感じるようになったからだ。

違和感はどのあたりにあるか。

おじさま方で群れて若いもんの話を聞かないこと? 「俺が俺が」言うこと?
有機農業推進と言いつつ自分の技術に固執して仲間割れしちゃうこと?
お互いの悪口を言ったりして分裂しちゃうこと?

なんてことはまあ、あなたたちどうなのよ大人気ないわねとは思うが、
そういうことではなく、どうも「有機農業運動」のおじさま方に
マネジメント能力が欠けているからではないかと気がついた。
「人や組織を育てていない」というか育てられない気がするのだ。

数年前、千葉の農家と話していて、ある生産者団体の話になった。

そこでは見学者を受け入れる際に時間単位で料金が発生する。
有料にすることでマナーの悪い人、意識の低い人を排除することができて、
見学を受け入れた農家に日当が出るというしくみである。

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有料イベントにすると質のいい人が来るというのは
今ではよく知られていますが、以前はそうではありませんでした。
無料イベントは建前的には美しいけど質の悪い人が来ることがあり、
イベント終了後のクレームもすげーのが来たりするのです。
「有料イベントには優良な人が来る」。おお、美しいキャッチフレーズ!



「畑を見せるだけでお金取るなんてダメだよねー」と彼は言ったが、
わたくしは「おお、それはスゴイな」と素直に思った。
なんでもそうだが、無償とかボランティアで人を受け入れていると
質が悪く意識の低い人が来ることがある。ということが比較的多い。

自分の作業を数時間取られた上に
失礼な訪問者が来たら誰だって頭にくるでしょう。
しかししかし! これが有料になると来なくなるんですよ!

支払った金額分、何かを獲得して帰らなくてはという意識が生まれるから、
きちんとした人が来るようになり、受け入れ側のストレスもたまらない。
作業を中断してもその分の日当が出れば受け入れがいもあるというものだ。

その話をしてくれた農家は別の生産者団体の一員だったが、
見学を有料にする等の検討はせず「あそこはひでーなー」と
ただ単に「有料」の部分のみを切り取って怒っているのだった。

わたくしはこの「有料」の罪悪感は、もしかしたら有機農業運動の
「運動」部分がそう思わせるのではないかと考えた。
生産者と消費者はいっしょに手を取り合って運動してるのだから同志である。
であれば、見学者に対しても無償でなくてはならないのだ。

「運動」ではなくビジネスの一環として受け止めれば有料はアリだし、
受け入れた農家も来た人も皆がハッピーになれる方法を考えることが
マネージャーの役割だと思うが、それはできないようなのだった。

もしかしたら「運動」はミョーな足枷になっているのではないか。

世界はものすごい早さで変わっていて、消費者の意識も昔とは違う。
「有機だから」「無農薬だから」虫食いOKなんて人はいない。
有機農産物は見ためも良く、さらにおいしくなくてはならない。

少し前までは消費者も生産者もお互いに手を取り合ってやっていこう的な
有機農業運動の残り香が通用する人たちがたくさんいて、
「お互い理解できているよね」「うんうん」的な前提でおつきあいができたが、
現在急速に「そういうのウザいですから!」的な人が増えているのだ。

これは若い人ほど顕著なようである。とくに農家に。

しかし不思議なことに消費者には産地訪問的なイベントは人気があり、
農家の話を聞いたり農業体験したりするのは大好きなのだった。

つまり「運動」とかそもそもよくわかんないしどうでもいいけど、
「農業楽しい!」「畑行くのうれしい!」というシンプルな
「土と親しむ」的なヨロコビは今も昔も変わらずあるということであろう。

そのような意識の変化について行けず、過去に固執し変化できないから
「ウザいんですけど」とか言われてしまうのではあるまいか。

重い外套を着込んでいては軽やかに動けないし、どうかするとカビ臭くて嫌われる。
昨今のパタゴニアのダウンジャケットだってぺらんぺらんですげー軽くて暖かく、
10年前のもこもこダウンなんか着てるとすげー恥ずかしいのだ。
しかも動きも鈍くなるのだ。

おじさま方、そんな感じで「運動」というヨロイというか外套を脱ぎ捨てて、
「俺が俺が」ではなく全体を俯瞰してみて後進を育ててみてはどうでしょうか。
いや、若いもんもいつかはわかってくれますって。



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ビオセボンの売り場を見て思った大きなお世話

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昨今さまざまなところでマルシェが開催されておりますが、
加工品はともかく単価の安い青果物で利益が出るのかしら、と
以前から疑問に思っております。交通費とか考えると、
やっぱ補助金が出てる人は強いよね。


なんかこうビオセボンのことばっか書いてて申し訳ないのですが、
ビオセボンの売り場を見てわたくしはひとつ思い出したことがありまして、
大きなお世話だと思うけどちょっと書いてみます。

それは、小田急OXに大地を守る会の野菜売り場ができたときのことであります。

「大地を守る会」元社員としては悲しい話なのだが、
大地を守る会という名前は一般の方々にほとんど知られていない。
有機関係者と話すと知っている人が多いので勘違いしがちだが、
一般人で知っている人は20人にひとりくらいって感じだ。

つーことで小田急OXで「大地を守る会の野菜」と称して売っても、
地元の人々はほとんど知らなかったのではないかと思う。
当時は社員だったのでそんなことは全く思いもせず、単純に
一般のスーパーに大地の野菜が売られるのはスゴイ! と思った。

しかし当時の「売り場のウリ」は大地を守る会ではなく「有機農産物」であった。

成城学園前店だけかもしれないが、当時は隣の売り場に
「ポラン広場の会」で仕入れた有機農産物が売られていた。
大地を守る会の野菜は有機だけじゃないからね。

なので、ポランと大地、共通の農家のものが別々のタグで売られてる
なんてこともあり、ほほえましいというか複雑な心境だったりしたが、
現在ではポランのものはなくなってるように思うがどうだろうか。
まあ、いいか。

売り場の面積がけっこう広かったのでわたくしはいつ縮小するかとビビったが、
とくに狭くもならず、いまではその売り場にまっすぐ進む人をよく見かける。
そこに行けば大地を守る会の野菜が買えるとみんなが知ってるということだ。

これは小田急OXの売り場で大地を守る会がブランドになったということだろう。

ほとんど知られていなかった大地を守る会ブランドが定着した理由は不明だ。
ただ、最初の1年ほど、大地を守る会の営業がよく売り場に立っていた。
自らが説明しながら販売するのに加え、時々は農家に来てもらい
農家が説明しながら、また試食もしてもらいながら店頭販売をするのだ。
※こういうの「マネキン販売」といいます

交通費などはいっさい支払わなかったので来てくれない人も多かったが、
わたくしの担当していたりんご農家の母ちゃんなどは喜んで来てくれた。

朴訥な農家のかあちゃんがわあわあにぎやかに販売してくれると
買う人もうれしくなるのだろうとわたくしは思う。
実際によく売れる。試食してもらうとさらに売れる。

マネキンは「にこやかに笑う農家のおじさまの写真」効果に似ているが、
写真よりも「生きて話す農家」のほうが信頼感の醸成につながる。
話をすれば「売り場の向こうにちゃんと農家がいる」ことが実感できる。

その積み重ねが「なんとなく良さそう」から「良い」に変わるのだろう。

マネキンとあわせて売り場には生産者写真や情報もふんだんに貼り、
わたくしが撮影した写真などもときどき見かけうひーと思ったりしたが
最近はそういうのはいっさいやっていないようだ。

しかし情報がなくても人々は大地の野菜を買っているから、
とくにもう必要がないのかもしれない。たぶん定着したのだ。
今考えると営業の努力のたまものである。

つーことで、ビオセボン。

売り場には特定の農家の名前が印刷してある袋がたくさんあった。
農家直送の仕入れなら、もしかしたら市販のものより鮮度がいい可能性がある、
のだが、その鮮度を落としてしまってどうするんだと思うがそれは置いといて。。

フツーのスーパーでは個人農家のものはほとんど見かけないのだから、
その取引農家を軸に「個人農家との取引」が強調できるし、
農家に来てもらって売れば前述のような信頼感の醸成も可能だ。

麻布のおばさま方も農家が来て直接売ると言えば必ず来るだろう。
明治屋やナショナル麻布マーケットではそんなのやってないし、
彼女たちは「いいもの」には敏感である。いいものであれば高くても買う。

せっかくなんだから農家の写真や情報をふんだんに出せばいいと思うのだが、
全く出ていなかった。売り場の方針なのだろうか。

「あそこに行くといいものが売ってる」と定着するには努力が必要である。
「そもそも有機なんだからいい」だけでは麻布のおばさまは買ってくれない。
ビオセボンは売り場も広くていろんな売り方が可能なのに何もやってないのだ。

もー、すげーもったいない!! と思うわたくし(大きなお世話)。

「希少価値が伝わりにくい」大きな売り場の一部よりも
小さいから、個人の取引だからこそできることがたくさんある。
せっかくマルシェ風の売り場を演出しているのだから、
ほんとのマルシェにしてしまえばいいのに。日曜限定とかで。

なんて思いつつ、大地を守る会の営業ってエラかったのだなあと
いまさらながら彼の顔を思い出しているわたくしでありました。



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オーガニックはどれぐらいあたりまえなのか

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今年も区民農園があたりましたよわーいわーいうれしいな!!!
自分的には有機で環境保全型農業を営む予定です。さて、
統計上有機JAS認証取得以外の「有機農業」が0.2%くらいあるわけですが、
どういう枠で誰が判断しているのかよくわかりません。なんの数字なのだろう。



前回「オーガニックがあたりまえに売られている」ことに気づいたわたくし。
では栽培の場面ではオーガニックがどれくらいあたりまえなのかな?
っつーことで、久しぶりにデータを見てみました。

「オーガニック・エコ事業の拡大に向けて」(農水省)によると、
エコ農業(特別栽培農産物のこと)の取り組み面積は3%、
オーガニック農業(有機農業のこと)は0.4%だそうである。
http://www.maff.go.jp/j/supply/hozyo/seisan/pdf/06_sankou_160201_1_1.pdf

ひー、めっちゃ少ないじゃん!!!

特別栽培農産物(以後特栽)というのはあまりメジャーではないのだが、
地域の防除暦の化学肥料(チッソ量)及び農薬成分数の50%以下というもので、
承認は国ではなく都道府県単位である。

「地域の基準」というのがキモなので、県によって農薬成分数や
チッソ量が違うけどわかりにくくてめんどくさいからおおまかに
「フツー栽培の農薬とチッソ量が半分以下のもの」と考えてください。

優位性が伝わりづらいせいか野菜売り場で見かけることはほとんどないが、
コメ売り場には「特栽米」がよく売ってるので見つけやすいと思います。
ちなみに山形県のブランド米「つや姫」は特栽で栽培されている、というか、
特栽じゃないと「つや姫」と表示できないという決まりがあります。

有機農業は「有機JAS認証を取得したもの」及び、
「有機農業推進法で有機と呼ばれる農業を行っているもの」の合算で、
有機JAS認証取得だけだと0.22%である(平成27年4月・農水省)
※特栽も有機もこの数字はどちらも圃場面積であります。

わたくしの一番古い記憶の有機JAS取得の数字は0.17%だった(2007年)。
その後は一年に0.01%ずつ増えていたが平成25年からはずっと0.22%である。
母数である日本の耕作面積は減りつつあるのだから、
有機圃場が増えれば割合は上がるはずなのに増えないのはなぜだろう。

農水省【平成27年耕地面積 (7月15日現在)】によると、
耕地面積は449万6,000haで前年に比べ0.5%減少。減り続けております。
http://www.maff.go.jp/j/tokei/kouhyou/sakumotu/menseki/pdf/menseki_kouti_15.pdf

もしかしたら有機圃場は増えていないのかも。

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以前とある流通が「有機JAS認証を取得したものしか取り扱わない」とかで、
取引先農家がみんな有機JAS取得した的な話がありましたが、
どうなったのかな? 小田急OXの大地の売り場の隣で売ってたけど、
そういや最近とんと見かけなくなりました。やっぱムリだったのでは。



あまりにも少ないせいか、一昨年からは有機JASは取得していないけど
有機だもんねという数字もプラスした「0.4%」が使われ始めた。
まあどっちにしてもチョーマイノリティであることは確かであろう。つーことで。

農業の現場ではオーガニックは全然あたりまえではない。

これではオリパラの食材をオーガニックで、なんてのははとてもムリ、
というのも明白な事実であるのだが、どうするんだろう農水省。

しかしよく考えてみると、スーパーの売り場での有機農産物面積の割合も
感覚的には一割以下だ。実際の数字に即した割合ということだろう。

2007年ごろ、大地を守る会の青果物の有機JAS率を調べたことがあるが、
確か30%くらいだったように思う。「さすが大地を守る会!」と喜ぶべきか
「意外と少なくてがっかり」すべきかどうしようか悩んだが、
今になってみると「さすが」と思える。

これは、ビオセボンに有機農産物がたくさんあるのを見て
「スゴイ!」と思ってしまうのと同じだ。絶対数が少ないと知っていれば
並々ならぬ努力をして揃えました!! ってことがわかるからだ。

有機農産物はまさに天然うなぎのような「特別で希少(※)なもの」とも言える。
※希少・少なくて珍しいこと。きわめてまれなこと。

しかしこれがスーパーに並んだ瞬間「数あるなかのひとつ」になり、
「希少さ」が伝わりにくくなる、というのは前回書いた。
マスになるってのはそういうことなのよね。ううううう。

だからと言ってオーガニック専門店に集めればいいのかというと、
自然食品店やビオセボンの野菜の品質を見ればわかるように
かえって良くないこともあるから一概にそうとも言えないようだ。

小さな店舗で青果物を扱うのは鮮度保持だけでも相当むずかしい。
スーパーで鮮度のいいものを見慣れている消費者は、
鮮度が悪そうというだけで手に取らない。
その結果売れ残り野菜はさらに古くなり、ますます買ってもらえなくなる。
さらに悪い評判が立ったりするとますます売れなくなって(以下同文)。

であれば、現状の「スーパーにちょこっと売ってる」のは
意外とすんばらしいことなのではないだろうか。
鮮度保持も温度管理もちゃんとしているでかい売り場のなかのひとつで
劣化も黄変もせずおいしいまま売ってもらえれば野菜もうれしいだろう。

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レタスの旬は春と秋で夏ではありません。夏場高原産地で農薬使わずに
レタスをつくるのは大変だと思います。でも夏場の有機レタスを
わたくしは買いません。旬のレタスの方がおいしいからであります。
わたくしは11~12月、あとは3月中旬のレタスが好きです。



つーことで、「あたりまえ」に売られてはいるが
数字的には0.22%と大変とても「希少」な有機農産物。であれば、
スーパーでの売り方は「天然うなぎくらい希少な野菜」でいいのかもしれない。

今まで「店頭では有機の優位性が伝わりづらい!!」とか
「有機がどんなもんだかわかりにくい!!」とか思っていたが、
「希少性」はなによりもすんばらしい優位性ではあるまいか。

意外とこの「希少性」だけで売れるんじゃないかと思いますが、
どうでしょうか。ダメでしょうか。

ダメかな。

ちなみに、取得圃場割合ではなく「有機格付」の数字もあって、
それは以下の通りであります。

・総生産量の有機格付の割合
野菜    0.37%
果実    0.09%
コメ     0.12%
麦     0.08%
大豆    0.48%
緑茶(荒茶)  2.78%
その他   1.25%
合計    0.25%
(平成26年度 認定事業者に係る格付実績)
http://www.maff.go.jp/j/jas/jas_kikaku/pdf/jiseki_h26_280425.pdf

いずれにしても希少であることに変わりはありませんでした。
自分的にはコメよりも野菜のほうが多いっつーのがなんかちょっと驚きでした。



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ビオセボンに行って考えたオーガニック需要のこと 後編

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白金在住のマダム的に「こういうちょこっとずつ入ってるセットがほしいのよ!」
ってことでしたが、重いので買いませんでした。「荷物が重い」というのは
高齢になるとかなり大きなファクターだと思います。配達してくれるのかな?


もしかしたらあの日だけ野菜があんなことだったのかもと思ったので、
もう一度シロガネーゼのマダムといっしょに行きましたよ、ビオセボン。

野菜は変わらず水菜も小松菜もしおれ、里芋は干からびていて、
「すげーたくさんある!」と思った加工品もよーく見るとそうでもなく、
「ここにしかないよね!!!」ってものはオーガニックチョコレートとか、
ラベルが外国語のくだもののピュレとかでやっぱり欲しくありませんでした。

加工品は成城石井と明治屋と小田急OXをくるっと回ればゲットできるし
大地を守る会で注文すればお家まで持ってきてくれます。
わたくしは二度とビオセボンに来ないだろうとしみじみ思いました。

「初めて来たわー」とおっしゃるマダムは大地を守る会の会員で、
広尾の明治屋やナショナル麻布マーケットでも食材を購入しています。
明治屋のいいところは「商品に間違いがないところ」らしく、
それが明治屋というブランドであろう、と、わたくしは思いました。

野菜売り場でほうれんそうを手に取ったマダムは、
「ほうれんそうが安いじゃない、いいわねー」とおっしゃいましたが、
買いませんでした。「だって荷物になるじゃないの」

ビオセボンのあとナショナル麻布マーケットに行くのですから、
荷物は少ないほうがいいのです。当然です。

マダムはその後近所のブティックに立ち寄られ、ついでにわたくし
そのブティックのマダムにビオセボンについて聞いてみました。

「ビオセボンがオープンするって聞いて、このあたりの人たちは
みんな何ヶ月も前からそりゃあ楽しみにしてたのよー。
オープン当日はみんな行ったわよ。ものすごく賑わっててもう満員。
でもねえ。二日目に行ってみたらもうダメだったのよ。野菜が。
最近はもう誰も行ってないわねえ」ううううううう。やっぱり。

さらにマダムは非常に示唆に富むことをおっしゃいました。

「ばんごはんのお買いものするのにスーパーのハシゴなんてしないでしょう。
主婦は忙しいんだから一か所ですべての材料が揃わないと。
ビオセボンじゃ揃わないわよねえ」

ナショナル麻布マーケットと明治屋に行ったわたくしは、
ビオセボン、というかオーガニック専門スーパーの弱点に気づきました。
専門であるがゆえのいかんともしがたい弱点。それは2点ありました。

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トマトの売り場って色がキレイでウキっとしますよねえ。
バラ売りってのもいいのですが、でもまあ麻布十番でとくに
買わなくてもいいかもとかちらりと思ったらもうダメです。
近所の人ならいいかもしれませんが。



1.オーガニック=説明商品 であること

何が違うのか、何がいいのか、説明しないと理解しづらい。それがオーガニック。
一般の商品よりも割高なのですから消費者は納得する必要があります。

例えば有機牛肉。何がいいのかよくわかりません。
なのにフツーのお肉の2倍もします。有機牛乳も同じです。
2倍の対価を払って2倍健康になれるのかというとそうではなく、
自分に何が獲得できるのか考えてもピンと来ません。

野菜の場合はオーガニックの前にまず「鮮度」という価値があります。
しおしおにしおれた野菜を有機だからと喜んで買う人はいないでしょう。
そのほかに「おいしい」という価値もあるので野菜は大変です。
一度買ってダメだったら消費者は買ってくれませんよ。ううううう。

ただし、加工品はこの限りではありません。

加工品には一括表示という原材料の記載欄があり、
価値が客観的に理解しやすい、という特徴があります。

例えば、有機味噌の表示は「有機大豆、有機麹、食塩」です。
食品添加物も入っていないし原料も有機であることがひとめでわかります。
説明がなくても原材料表示が説明してくれているようなもので、
何がいいのかはっきりわからなくても「なんとなくいい」と思えます。

そう考えると、オーガニックだからと無条件で手に取ってもらえるのは
加工品のみ、とも言えます。その他の商品は実は説明が必要なのです。

わたくしはビオセボンで木次乳業の「山地酪農の牛乳」を見て
しみじみと感動しましたが「山地酪農」という言葉を知っている人が
日本中に何人いるでしょう。全く知らない人の方が圧倒的に多いでしょう。
一頭買いの短角牛も、グラスフェッドのタスマニアビーフも同じです。

説明商品を説明抜きで販売するなら無条件で「いい」と思えなくてはなりません。
それが明治屋のような「ブランド」ということでしょう。
ビオセボンはブランドになれているでしょうか? 今のところは厳しそうです。

2.「オーガニック=特別」ではなくなっていること

成城石井ではフツーの商品の隣にオーガニックの野菜や加工品が並んでいます。
小田急OXや、サミット、OKストアなどでも同じです。
仕入れる=売れているということですから、買う人がいるのでしょう。

一昔前はオーガニックをフツーのスーパーで見つけるのは大変でした。
だからこそ大地を守る会が必要だったのですが、今は違います。
オーガニックはたくさんある食材のなかの選択肢のひとつとして
都市部の消費者のみかもしれませんが、すでに認識されているのでしょう。

わたくしはビオセボンに行くまでそれに気づいていませんでした。
ちょこちょこオーガニックが売っていて買う人がいるのは知ってるけど、
それでは全然足りないと思い込んでいました。

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「山地酪農」とは平地が少ない日本で乳牛をフツーの山に放牧するという
日本に向いた酪農方法です。牛舎につながれて穀物食ってるのが一般的ですが、
山地酪農では牛舎に戻るのは夜だけ。日がな一日山で草食ってます。
穀物飼料が少ないので牛乳はあっさりしててとてもおいしいのです。
木次乳業が好きなので、ビオセボンの代理で説明しております。



もっともっとオーガニックがあたりまえにならなくては!!

ちょこちょこ売ってる=すでにあたりまえになっているのですが、
わたくしは有機農業運動で頭がいっぱいで気づいていなかったのです。
うううううう。なんてニブイんだ。
 
そういう人にとって「オーガニック専門スーパー」は快挙です。
なにしろ専門店です。フツーのスーパーと競合できるのです!!
ビオセボン訪問記的な記事ををいくつか読みましたが、まず
「よくオーガニック食品をこれだけ集めた」と評価されていました。

この賞賛の声にわたくしは違和感を感じました。だってさあ、
客から見れば「商売なんだから揃えるのはあたりまえ」でしょう。
そして、悲しいかなそれだけ揃えても、オーガニック食品だけでは
ばんごはんのおかずにならないと言われてしまっているのです。

この悲しい事実。

すき焼きに赤身のタスマニアのグラスフェッドビーフは使わないでしょうが
明治屋に行けば有機醤油や有機豆腐とあわせて和牛が買えます。
であればビオセボンに行く必要はありません。というか、
オーガニック専門スーパーにはいつ行けばいいのでしょうか?

ハレの日? スーパーとは日常的に行くものではありませんか? 

オーガニックはすでに食材購入の際の選択肢のひとつになっていて、
特別なものではなくなっていることに、もしかしたら
オーガニック業界全体が気づいていないのかも。

だからこそ「これだけ集めた」ことを評価してしまっているのでは、と、
わたくしはしみじみ思ってしまったのでした。

ビオセボンのオープンとともに、オーガニック=特別な商品という認識が
わたくしのなかで終焉を迎えたというのもなんとなく皮肉に感じますが、
オーガニックは知らない間に一般的なものになっていたという事実を寿ぎ、
そして、噛み締めたいと思います。

今後はスーパーにおける「ちょこちょこ」が「半分ぐらい」になれば
オーガニックは「よりあたりまえ」になるでしょう。
すでに売っているのですから、努力もちょびっとで済みそうです。

そういう意味で今年を「オーガニック元年」と呼びたいわたくしです。
やれ、めでたい。気づかせてくれてありがとう、ビオセボン。


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ビオセボンに行って考えたオーガニック需要のこと 前編

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冷蔵ケース内の野菜はパックに入ってますが、水菜が一株で売ってます。
ことさらにしおれがちな水菜をなぜパックに入れないのかが謎。
しかしこれを見て野菜をパックに入れる意味がしみじみとわかりました。
過剰包装と言われても軟弱野菜は基本的にパックに入れるべきでは。



わたくしは大地を守る会にいた18年の間、産地担当を約6年、
商品情報誌及び機関誌の取材・デザイン・編集を12年担当しておりました。
その間学習したいろいろなことを前提に自分自身が食材を選択する場合、
以下のような事柄を基準に考えております。

・野菜・くだものの場合
つくった人のことを知っている&その人を尊敬してる・好きなこと。
それ以外の場合、まず国産、次が有機か減農薬、その次が世田谷区のもの。
海外産の場合はオーガニックかフェアトレードのもの

・加工品の場合
まず国産。次がおいしいこと、というか自分の口に合うこと。というか
加工品は知ってるメーカーのものしか買わないと言ったほうがいいかも。
海外産の場合はオーガニックよりもフェアトレードが優先。

というような偏ったわたくしの感想であることをまずお知らせしておきます。
そんな感じでビオセボンに行ってきました。

ビオセボンはわたくしが一年に一度行くことがあるかどうかという
麻布十番という町にあります。

麻布十番の7番出口を出たら目の前に「塩や」という塩の専門店があり、
ソフト部のわたくしはそこで塩ソフトを食べてしまいましたが、
ビオセボンはその横の道を2分ほどまっすぐ歩いたところにありました。

平日の夕方という時間帯、ビオセボンには10名ほどのお客様がいましたが
塩しか売ってない塩やに7~8名のお客様がいらっさったことを考えると
うすらさみしい気がしましたがなぜこんなに客がいないのかは不明です。

お店に入ってまず目を引いたのは、
オーガニックドライフルーツ及びナッツの量り売りでした。
ドライフルーツ及びナッツが大好きなわたくしは少しウキウキし、
マンゴーにオーガニックがあるんだーとか感動してしまいました。

野菜はオサレな木の棚にオサレな感じでディスプレイされていて(常温)、
ここでもわたくしはウキっとしました。
「マルシェ」的なディスプレイがさらに期待をあおります。

なぜか野菜の袋に小さな水滴がついているのが目に止まりましたが、
その場ではスルーしました。期待が大きかったからかもしれません。

加工品の棚で一緒に行ったお友だちが「ダシ切らしてたから助かったー」と
わが町の自然食品店にもある創健社のだしパックを手に取りました。
加工品の充実度はハンパありませんでしたが、もともと買うものが
決まっているわたくしはスルーしてしまいましたすんません。

そして野菜の冷蔵ケース前で。
野菜をつくって出荷していた経験を持つ友人がしみじみと言いました。

「防曇袋使ってないんでしょーかねー」

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野菜は収穫後も生きております。なので野菜販売の際は
畑にあったときのままのカッコで売るという基本があります。
横にすると起き上がろうとしてエネルギーを使うから劣化が進むのです。
菜っ葉やネギが縦置きで売られてるのはそういう理由です。



冷蔵ケースの野菜のパックのほとんどのものが汗をかいていました。
野菜の袋は防曇袋と呼ばれるもので基本的に汗はかきません。
汗をかくのは物流途中の温度管理がまずかった証拠です。

ビオセボンはイオンの経営だと聞き及んでおりまして、
だからこそ皆がコーフンして喜んでいるのだと思っておりましたから、
野菜の売り場担当は何をしているんだ! とわたくしは驚きました。

何かの間違いかもとその他の商品(常温)を見てわたくしはさらに驚きました。
前回自然食品店のことをあーだこーだ言いましたが、それと同等、
あるいは以下、という品質のものがあるではありませんか。

マルシェ的なディスプレイを優先するあまり、また
過剰包装を避けるあまりの暴挙、というと言い過ぎでしょうか。

鮮度保持にチョー気を使う劣化の激しいいんげんが常温量り売りで(黄変済み)、
縦置きすべきネギが横置き、乾燥するとしおしおになる里芋が
裸のまま常温で置かれカピカピに干からびているなど、
元産地担当のわたくしと元農家の友人はふたりして卒倒しそうになりました。

大変とても残念なのは、有機里芋の産地が知り合いの有機産地だったことです。
その里芋は規格外の孫芋、いわゆる「きぬかつぎ」でしたが
孫芋のはずなのに芋のついたあとが残ってるような出荷してはダメダメ品もあり、
わたくしは以下のような想像をしてしまった次第です。

「安い有機里芋がほしいんだけど」「規格外の小芋ならありますけど」
「それでお願いします」的なやり取り→規格外で売ると思ってるから
とりあえず産地としては小さな里芋を出荷→売る側は「有機だし
安いからいいか」的な感じでそのまま販売→カピカピになった。

考えすぎかなー。でもありがちだなー。

この里芋のおかげでこの産地の評価は地に落ちるとわたくしは思いました。
もしかして里芋の鮮度がわからない人が客ということなのでしょうか。
つまりそれは有機JASならなんでもいいということなのでしょうか。
というか売る前に品質のチェックをしないのでしょうか。

ドライフルーツでウキウキした気持ちが野菜売り場でダダ下がり、
肉の売り場に行きましたら、スタッフの方が話しかけてくれました。

わたくし=元産地担当&ライター、友人=元畜産担当&元農家です。
肉の産地及び飼育方法・品種について知らなくてもいいことを知っています。
品種や飼育方法のPOPを見ただけでだいたいどういうものかわかるため、
わたくしたちにとっての話題性は「北海道に短角牛いたんだねー」でした。

スタッフの方は抗生物質不使用とか、子牛の時期に放牧で草を食べている、
というような説明をしてくださいましたが、なんと「グラスフェッドの牛」
とおっしゃるではありませんか。ありー。

最近「グラスフェッド」とやたらと言う人が多いのですが、
厳密に言うと日本には「グラスフェッドの肉牛」はいません。

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木次乳業の「山地酪農牛乳」という商品を初めて見ました。
「山地酪農」って何のことなのか、という説明無しで売られてるのが
スゴイなーと思うのですが、知ってる人が買うのでしょうか。
今度行ったら買おうっと。



子牛の時期=育成期間中に放牧されて草を食ってたとしても、
その後の肥育期間(一年ほど)で穀物を食わせて肉質を整えなくては、
売れる肉にはなりません。草ばっか食ってる牛の肉は硬いからです。

優位性を先走りすぎたのかなー。でも畜産の情報とはむずかしいものです。
生温かい目で見守ることにしました。
しかし言うのは良くてもPOPに書いたら優良誤認になるので要注意です。

あとで友人が「短角売り場の写真の牛、ホルスタインでしたねー」と
短角牛売り場のPOPについて言っていました。ううううう。
開店間もないための混乱なのでしょう。そう思いましょう。

しかしすんばらしいことがひとつありました。
ビオセボンはこの北海道の短角牛を一頭買いしているのです。

一般的にお肉の発注は部位ごとに欲しい部位だけを発注するものですが、
一頭買いするということは欲しくない部位含めすべて仕入れるということです。
部位調整の問題もありなかなかできることではありません。しかししかししかし。
この優位性及びすばらしさは一般の消費者には伝わりにくいでしょう。

一頭買いだからか、短角牛の肉はすべて真空パックで販売されておりまして、
空気に触れない肉は、深い紅色、というか悪くいうとドス黒く見えます。

牛肉は切り口が酸素に触れることで赤く発色しますから、真空パックされた肉は
真紅にはなりません。そのことを知らない人には劣化しているように見えます。
一般の赤く美しいスライス肉に慣れた消費者は購入しにくいかもしれません。

一頭買いだから一般的なスライス&パックができないのでしょうが、
その理由も一般の消費者には伝わりにくいでしょう。残念なことです。
それでも「欲しい」と思わせるためにはメリットが必要です。

それが(間違ってるけど)グラスフェッドとか抗生物質不使用なのでしょうが、
POPに書いてあるだけで訴求できるかどうか、はなはだ不安です。
短角牛産地のためにも、わたくしは息を呑んで見守りたいと思います。

ところで牛乳売り場には知っているメーカーのものが並んでいました。
というかそのメーカーをことさらに選んで置いたことに感銘を受けました。
わかってるじゃん!!! ビオセボン! 

その後オーガニックチョコレートを見て再びウキっとしましたが、
欲しいものは何もなかったので何も買いませんでしたすんません。

さて、このように楽しい経験をしてしまい、家に帰ってしみじみと
オーガニックの需要ってなんなんだとか考えてしまったわたくしです。

ってことで長くなったので後編に続きます。



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有機農業とオーガニックの狭間

0011.jpg
おせち料理をつくってみました。富澤商店の黒豆「飛切」を炊いたら、
あまりにもおいしくて、いつもは腐らせるのに完食したです。
黒豆ごときでこんなに味が違うのか!! としみじみ思いました。


麻布十番に日本最大級オーガニックスーパー・ビオセボン、オープン!!

最近Facebookでいろんな方々が投稿しているので行ってみたいが、
新年早々再度「良性発作性頭位めまい症」を起こしてしまい
頭がくらくらしていてお外に出られません。ううううう。

「2017年はオーガニック元年!」と喜ぶ人々もいらっしゃり、
どうも一部地域でオーガニック祭が始まっているようであります。

「大手流通がオーガニックを本格的に販売!」は喜ぶべきことだろうが、
なんとなく手放しで喜べないのは、
2011年ごろ自然食品店卸でアルバイトをしていたからだ。

「今年が元年ってさあ、数十年前からオーガニック食品を売っていた
自然食品店の立場は!」とか思ってしまうわたくし。

さて、自然食品店卸という業種は基本的にはそんなに儲からない。理由はカンタンで、
個人商店の小口発注に対して物流経費がかなりかかることにある。
また自然食品店自体も儲かっているのは一部のお店のみということもある。

2011年当時も、お店の名前は忘れたしすぐに閉店したようだが、
表参道あたりにオーガニックストアが華々しくオープンしたことがあった。
そこにはたくさんの若い男女が集まっているようだった。
自然食品店卸でバイトをしつつ、わたくしはしみじみ考えた。

「表参道のオーガニック」には若者たちが群れているのに、
「わが町の自然食品店」にはなぜ来ないのか。

その理由を見つけようと自然食品店を数店舗巡ってみて、
わたくしは自然食品店の悲しい問題点というか弱点をすぐに見つけた。
それが以下である。

※えーと、あのー、自然食品店全部がこうというわけではなく、
わたくしが行ってみた数店舗がこうだった、って話なので
自然食品店店主の方は怒らないでください。

1.青果物の鮮度が悪い

菜っ葉の袋に水滴がついている(物流の途中に温度変化があった証拠)、
袋から出た部分がしなびている(その結果劣化が進んだ)、
直射日光がガンガンあたっている(ますます劣化が進む)。

この三重苦に元産地担当だったわたくしは店先で卒倒しそうになった。

店内の冷蔵棚は豆腐や牛乳などの日配品や肉が独占していて
野菜が入る余裕がない、ということはすぐにわかった。
小規模なお店では冷蔵庫に入れられる商品の優先順位は決まっているから
しょうがないと言えばしょうがない。どうしようもないのだが、しかし。

2.ディスプレイが残念な感じ

そもそも自然派的な加工品のパッケージには残念な感じのものが多いが、
それらが雑然と陳列棚に並べてあるため全体的に残念さは加速度を増し、
商品が全部古そうに見えるという特殊効果を与えていた。

さらにPOPの古臭さ、ラベルの変色などがより古さを醸し出しており
見えないホコリが商品のうえに降り積もっているようで、
棚の商品全部が賞味期限切れではないかという気がしてきて全くウキウキしない。
本来楽しいはずのお買いものが全然楽しくなくかえって気分がふさいだ。

これでは売れないよね、と素直に思いました。

0013.jpg
年末年始の暴飲暴食で2kgは太ったはずなのですが、
その後の「めまい症」で食欲がなくなって、いつもの体重に戻りました。
わたくし最近「太ると体調を大きく崩して痩せる」ということを繰り返しており、
体がBMI21を維持するよう自動設定されているのかもしれません。


当時は震災の三ヶ月後くらいだったため、わたくしは若いお母さんや若い女性が
自然食品店に押し寄せてバブル状態になっているのでは! と想像していたが、
一部の店を除いては、別に押し寄せてはいないようだった。

「食料品店を開くことはその地域の住民に食を供給する責任を負うこと」と、
バイトしていた自然食品店卸の社長がよく言っていたが、
自然食品店の場合はその責任に「安全&安心」がプラスされる。

そのせいか、安全&安心な食材であればディスプレイなどはどうでもいい、
いい食材だから売れるのがあたりまえ、というある種の傲慢さがあるように感じた。
その「ある種の傲慢さ」は1970年代の有機農業運動の人たちにも共通していて、
大地を守る会でも昔は「いい食材だから売れて当然」とか考えていた(ようだ)。

この意識は農家にもあったはずだ。安全なら見た目は関係ない、とかね。
加えて「消費者を啓蒙する」的な意識もあって(ひー穴があったら入りたい!!)
わたくしもその末端にいて情報などをつくっていたわけです。

現在では「運動臭」とも呼ばれるその傲慢さやニオイは鼻につくし敬遠されるが、
正しいと思っている間はなかなか気づかない。わたくしがそうだった。
若者が来ない自然食品店は、これに気づくことができなかったのかもしれない。

そこに明るく楽しいキラキラした言葉「オーガニック」が登場した。
「有機農業」=ウザい&ピンとこない人々に対して訴求する魔法の言葉だ。

オーガニックに集まる人たちはおそらく「有機JAS認証は2年間農薬と資材云々」
なんてことはあんまり知らないのだろうと思うが、別にそれでいいのだ。
「オーガニックはなんとなく良さそう」でいいのだ。

有機JAS、無農薬、自然農法、どれが一番安全で、みたいな話もどうでもよくて、
とりあえず商品が古臭くなくておしゃれで鮮度がよくておいしくて、
ディスプレイが美しくお買いものして楽しい、ということがまず先だ。

それがマス(&若者)に訴求するということだろう。

昨今では、小田急沿線の成城石井や小田急OXを始め、サミットですら、
オーガニック食品をフツーに販売している。価格は割高だが手に取る人は多い。
ビオセボンに行かなくてもオーガニック食品は入手できる。

わたくしの元上司が「スーパーでオーガニックが販売されるようになったら、
大地を守る会の役割は終わる」と言っていたが、わたくしの家の近所では
実際にそうなっている。そこでは自然食品店は生き残れなかった。
成城学園前のナチュラルハウスが閉店したのは数年前のことだ。

有機農業運動からスタートした流通や自然食品店は一時代を作り上げ、
社会に貢献し、後継者もつくり、それなりの実績を上げてきた。

しかしここ数年、時代が有機農業を置いてきぼりにしつつあるように思える。
そのまっただなかである現在、時代に即した「オーガニック」に移行できず
狭間に落っこちそうになっている人や業態、流通があるのではなかろうか。

大地を守る会はOisixと統合してそこから抜け出せるかもしれないが、
その他はどうだろう。あそことか、そことか、こことか。

はからずも今年は「オーガニック元年」である。
みながうまく乗り切れるといいなと思っているわたくしです。


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プロフィール

ほんたべ

Author:ほんたべ
手島奈緒
おいしい食べものをつくる人を紹介したり応援したりしております。ブログをまとめた著書『いでんしくみかえさくもつのないせいかつ』(雷鳥社)『まだまだあった! 知らずに食べてる体を壊す食品』(アスコム)『儲かる「西出式」農法』(さくら舎)など。現在ハンター修行中。

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