加工食品の全原料原産地表示というちょびっとうれしい話

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梅干しを始めとする野菜の漬物については
原料原産地表示が義務付けられています。梅干しの表示を
見てみましょう。梅(国産)とか書いてあると思います。

 

加工品を購入する際、食品の裏側にある一括表示を見ていますか?

日本人の半分以上が「見てない」と答えているらしいが、
見ている人でも、加工品の原料原産地は一部の食品に限られている、
というのはご存知でしょうか?

原産地表示ってちょこちょこされてるの見かけるよね、
というイメージだがその通りで、ちょびっとしか表示されていない。

表示が義務付けられているのは、農産物漬物、野菜冷凍食品、うなぎ加工品、
かつお削りぶしの4品目のほか以下の22食品群である。
※全部見るのがかったるい人はすっ飛ばしてください。

1. 乾燥きのこ類、乾燥野菜及び乾燥果実(フレーク状又は
粉末状にしたものを除く。)
2. 塩蔵したきのこ類、塩蔵野菜及び塩蔵果実(農産物漬物品質表示基準
(平成12年12月28日農林水産省告示第1747号)第2条に規定する農産物漬物を除く。)
3. ゆで、又は蒸したきのこ類、野菜及び豆類並びにあん(缶詰、瓶詰及び
レトルトパウチ食品に該当するものを除く。)
4. 異種混合したカット野菜、異種混合したカット果実その他野菜、果実
及びきのこ類を異種混合したもの
(切断せずに詰め合わせたものを除く。)
5. 緑茶及び緑茶飲料
6. もち
7. いりさや落花生、いり落花生、あげ落花生及びいり豆類
8. 黒糖及び黒糖加工品
9. こんにゃく
10. 調理した食肉
(加熱調理したもの及び調理冷凍食品に該当するものを除く。)
11. ゆで、又は蒸した食肉及び食用鳥卵(缶詰、瓶詰及び
レトルトパウチ食品に該当するものを除く。)
12. 表面をあぶった食肉
13. フライ種として衣をつけた食肉(加熱処理したもの
 及び調理冷凍食品に該当するものを除く。)
14. 合挽肉その他異種混合した食肉(肉塊又は挽肉を容器に詰め、
 成形したものを含む。)
15. 素干魚介類、塩干魚介類、煮干魚介類及びこんぶ、干のり、焼きのり
 その他干した海藻類
(細切もしくは細刻したもの又は粉末状にしたものを除く。)
16. 塩蔵魚介類及び塩蔵海藻類
17. 調味した魚介類及び海藻類(加熱調理したもの及び調理冷凍食品に
該当するもの並びに缶詰、瓶詰及びレトルトパウチ食品に該当するものを除く)
18. こんぶ巻
19. ゆで、又は蒸した魚介類及び海藻類
(缶詰、瓶詰及び
 レトルトパウチ食品に該当するものを除く。)
20. 表面をあぶった魚介類
21. フライ種として衣をつけた魚介類
(加熱調理したもの及び
 調理冷凍食品に該当するものを除く。)
22. 4または14に掲げるもののほか、生鮮食品を異種混合したもの
 (切断せずに詰め合わせたものを除く。)


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おもちにも原産地表示が義務付けられておりますが、これが以下の
「原産地に由来する原料の品質の差異が、加工食品として品質に大きく反映」
ということでしょう。日本人の心、おもち。



上記の条件として「① 原産地に由来する原料の品質の差異が、加工食品として
品質に大きく反映されると一般的に認識されている品目のうち、
② 製品の原材料のうち、単一の農畜水産物の重量の割合が
50%以上である商品に表示を義務付け
  とされております。

なんのことだか大変とてもわかりにくいです。
おおまかに言うと、22品群の原料中の単一の農水産物の重量割合が
半分以上あるものは表示してね、ということのようである。

消費者庁のQ&Aなどの個別事例を見るとさらにもっとわかりにくくて、
例えば「12.表面をあぶった食肉」は鶏や牛肉のたたきのことを指すが、
中まで火が通っている焼豚に表示義務はない。えーと。なぜですか?

そしてローストビーフには表示義務はあるが、
これにタレをかけると表示義務はなくなる。
えーとえーと。どうしてですか?

何か理由があるのでしょうが、素人にはわかりません。

この原産地表示が拡大されるかもしれないというニュースが
先日新聞その他で報道された。自分的には「うおお!」と思ったのだが、
冷静に細かく見ていくと、んー、どうなのかと思うところも多い。

さて、加工品の裏側に記載されている一括表示にはルールが決まっていて、
一番最初に書いてあるものが、その加工品の原材料のなかで
一番重いもの、である。原材料は重い順に並んでいる。これがミソです。

あとひとつのミソは、重量順に食品が並んだあとに、
食品添加物がさらに重量順に並んでいるということだ。
食品添加物の一番最初に書いてあるものは、もしかしたら食品の
一番最後に書いてあるものよりも重いかもしれないが、そこんとこは不明だ。

今回の新ルール案(案ですから決定ではありません)は、
この一番最初に書いてある食品の原料原産地を
すべての加工品を対象に義務化するというものである。

おお、すごいじゃないか!!!

基本全部原料原産地表示ということなので、ローストビーフや焼豚、
レトルトパウチ食品も全部表示だ。消費者にとって非常にわかりやすい。

しかし問題点はすでに指摘されている。
例えば、肉を輸入する際に相場を見ながら輸入国を変えている場合、
国別に重量の割合の 高いものから順に国名を表示するのが原則だが、
以下のような例外が認められている。

今後の加工食品の原料原産地表示制度(案)_ページ_6
【今後の加工食品の原料原産地表示制度(案)について】消費者庁・農林水産省
加工食品の原産地にはこのような事例が多いということですね。
その他加工されたものが原料の場合(ベルギーでつくったチョコレートとか)
カカオの原産地は表示できないので製造国を表示とか、
難題が山積しているようであります。



可能性表示
使用可能性のある複数国を、使用が見込まれる重量割合の高いものから順に
「又は」でつないで表示。
例) 豚肉(アメリカ又はカナダ)

国別重量順標記が困難な場合「その他」も認められる。
例)豚肉(アメリカ又はカナダ又はその他)

とにかく外国の肉が原料なのね、とわかる場合はいいが、
国産の豚肉も使われている場合は以下のようになる。

例)豚肉(国産又はアメリカ又はその他)

んー。なんだかなって感じだ。さらにさらに。
3つ以上の外国を「輸入」と括って表示できる大括り表記という案もある。

例)豚肉(国産、輸入)→重量が国産のものが多い場合
例)豚肉(輸入、国産)→海外のものが多い場合。

こうなると何がなんだかって感じで「これでいいのか!」的な指摘が
消費者団体からも業界からもなされているようだ。

http://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/other/pdf/161005_shiryou1.pdf
今後の加工食品の原料原産地表示制度(案)について 消費者庁・農林水産省
おもしろいので一度見るといいと思います。

今回の案には現行の原産地表示の条件「重量の半分等々」が設けられておらず、
「国内で製造し、又は加工した全ての加工食品を義務 表示の対象とする。」のだ。

食品の裏側の一括表示をチェックする40数%の消費者にとっては
非常にうれしいことに違いない。問題はあるがメリットもある。
これからはこれらの問題についてどこかで議論されていくのかなって感じだ。

というように、ますます表示から目が離せませんよ。
この「案」が立ち消えにならないように注目していきましょう!


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機能性食品表示で何が変わるんだろうという疑問

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以前やってみた遺伝子検査の会社からいろいろ情報提供があり、
「認知症予防には」「がんには」的な海外の研究論文が大量に配信されるが、
例えばコーヒーでも研究者によって予防になったり促進になったりするわけで、
そういうテキトーな感じでも機能性表示のエビデンスになるのかしら。



食品表示法が新しくなり4月に施行されたです。
新聞やニュースで一部分がけっこう報じられております。

その「一部分」とは「機能性表示」のことだが、
これはかなりでかい話で食品メーカー大喜び案件のせいか、
その他の変更部分はあまり話題にされていない。

今回の食品表示基準の変更部分は以下のようなものだ。

1.加工食品と生鮮食品の区分の統一
2.製造者固有記号の使用に係わるルールの改善
3.アレルギー表示に係わるルールの改善
4.栄養表示の義務化
5.栄養強調表示に係わるルールの改善
6.原材料名表示等に係わるルールの改善
7.販売の用に供する添加物の表示に係わるルールの改善
8.現行の表示基準に係わる通知等を一部基準に規定する
9.表示レイアウトの改善

経過措置期間は加工食品及び添加物の全ての表示について5年、
生鮮食品の表示については1年6ヶ月である。
また従業員20名以下の中小企業、消費税を納める義務が免除される事業者
については、当面の間は表示の省略が認められるようだ。

わたくしたちに大いに関係あるのは、2から4まで。
製造者固有記号の変更や栄養表示の義務化って
食品製造業者にとってはけっこう大きな変更で「わあたいへん!」だけど
消費者にとっては単純にかなりのメリットだよね、とくに栄養表示。

その他の変更はとくになく現行の表示からの後退はなかった。
なんてこともあり話題性がないらしく、表示の変更部分については
メディアではチラッと伝えられた程度であった。

だってもっとすごい新しい制度がデビューしたんだもん。
なんと食べもの(生鮮品含む)に「機能性」を表示することができるのだ!
すごいじゃないか!

しかも審査無し・届け出制という見方によればザル的な制度で、
メディアで話題になってるのはこっちだ。なるだろう、そりゃ。

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生鮮品に表示可能ってことは、赤身の肉なんかにも
エビデンスさえあれば表示できると言うことである。
Lカルニチンが豊富で体脂肪にどうとか! みたいな表示が
短角牛にできるといいのになーっつか研究論文がないか。



今までこういう機能的なものを表示できるしくみは
めんどうな特定保健食品(トクホ)と栄養機能食品の2種類しかなかったのに
届け出るだけ的なザルな制度ができたらメーカーさん大喜びである。

トクホは国にがっつり審査され認可されるまでに時間もかかり、
さらに金も大変かかるという(だからこそバリューがあるんだが)、
非常に取りにくい(だからこそ。。以下同文)ものである。

栄養機能食品は12種類のビタミンと5種類のミネラルについて
栄養表示基準に基づいて機能性を表示することができる。
具体的には以下のようなものだ。

特定保健用食品(トクホ)
健康の維持増進に役立つことが科学的根拠に基づいて認められ、
「コレステロールの吸収を抑える」などの表示が許可されている食品です。
表示されている効果や安全性については国が審査を行い、
食品ごとに消費者庁長官が許可しています。

栄養機能食品
一日に必要な栄養成分(ビタミン、ミネラルなど)が不足しがちな場合、
その補給・補完のために利用できる食品です。すでに科学的根拠が
確認された栄養成分を一定の基準量含む食品であれば、
特に届出などをしなくても、国が定めた表現によって
機能性を表示することができます。』
(以上消費者庁のWEBサイトより抜粋
http://www.caa.go.jp/foods/pdf/150402_1.pdf

このふたつに今回の「機能性表示」が加わることになった。
ちなみにこの場合の機能とは体調調節機能(3次機能)のことを指す。

機能性表示食品
事業者の責任において、科学的根拠に基づいた機能性を表示した食品です。
販売前に安全性及び機能性の根拠に関する情報などが
消費者庁長官へ届け出られたものです。ただし、特定保健用食品とは異なり、
消費者庁長官の個別の許可を受けたものではありません。』
(以上消費者庁のWEBサイトより抜粋)

国じゃなくてメーカーの責任だからねとしつこく言ってるのが
なんとなく「責任とらんもんね」という姿勢を感じてほほえましい。

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チョコレートにも「ポリフェノールがどうとか!」的な
機能が表示できるんじゃないのかなー。研究論文があるかどうか
不明だけど、きっとあるに違いない。あ、機能性表示は
アルコールは対象になっていないようです。だからワインはダメ。



機能性が表示できるとは言っても「糖尿病が治ります」なんてのはダメで
「肝臓の機能を保つ」とか「骨の健康を保つ」とか大変あいまいで
うれしくもないし、そんなにアピール力はないのではと思うがどうだろう。

この制度は、規制緩和・市場の活性化の一環としてできた新しいもので
サプリ天国・米国のDS制度に似ており、問題を指摘されている。
消費者庁ではそのDS制度の問題点を踏まえ、
科学的根拠のレベル設定や消費者に対する情報公開を義務づけている。

審査はないと言いながら「事後審査はしますよ」的な雰囲気もあり、
事後審査で「これダメだよね」という商品は市場から回収なんてことも
可能性としては否定しませんと消費者庁の人が言っていた。

ひえー。回収おおごと。ダメージでかすぎるー。

表示された食品が販売されるのは来月くらいかららしい。
すでに届け出されたものは複数あり、消費者庁のサイトにUPされていた。
http://www.caa.go.jp/foods/todoke_1-100.html

上からふたつめの「食事の生茶」の内容を見てみたら、
「難消化性デキストリン」を添加した(だけの)お茶で
「おなかの調子を整える」とかの機能が表示されている。

えーと。そんだけ?

難消化性デキストリンっていろいろなものに添加されてるから、
それらの商品は全て「おなかの調子を整える」んじゃないのかという
素朴な疑問が頭の中をぐるぐる回るわたくし。

こういうのってネット民から科学的根拠となる論文へのツッコミ等が大量に発生し
ツイートされまくって企業大変みたいな事件が起きそうだがどうだろうか。

メディアでは「機能性表示に惑わされずに正しい判断を」とか言っているが、
猫も杓子も機能性を表示し始めたらメリットはなくなると思うし、
生鮮品に機能を表示するとニュースに出てた三ヶ日のみかんとか、
「んじゃみかん全部そうなんじゃん?」と思われたらどうするのか。

ということで、機能性の表示は果たして購入を促進するのか、
市場を活性化するのか、生鮮品に表示されるのは何か、
それはどんな機能が表示されるのか、エビデンスはどんなものか。

これからすげー楽しみなわたくしである。


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わたしが食べるものは誰がどうやって作ったもの?

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農水省の平成26年産水稲の作付面積及び予想収穫量(10月15日現在)
によると水稲の10a当たり予想収量は536㎏(作況指数101)なんだって。
一反あたり約9俵。なんとなく「へー」って感じだ。



今自分が食べているものがどこから来たのか、
どのように作られているのか、原料は何か。
某D社出身のわたくしはめっちゃ気になる。
某D社はそういうことを、人と手間を投入してめっちゃ調べているからだ。

しかし一般の消費者はそういうことを意外と気にしていないらしい。
消費者庁が行った「食品表示に関する消費者の意識等調査」で、
一括表示を見る人の割合は43.5%。二人に一人もいないんだって。

この数字は加工品の数字なので、野菜やくだものなんてのは
もっと低いのかもなー。っていうか原産地しか表示されてないし。
知りたいのは原産地だけで、その他は気にならないのかもしれない。

さてしかし。

食品業界ではトレーサビリティというのはとても大切なことと思われており、
誰がどこでどのように作ったのかが追えるシステム構築を行い、
確からしさを担保する取り組みが行われていた。2002年頃の話だ。

今はどうかな? 
「履歴が追えること」は優位性になっているのかな?
実は今、履歴が追えるたべものがふたつある。「コメ」と「牛肉」だ。

牛については「牛の個体識別のための情報の管理及び伝達に関する特別措置法」で、
国産牛・和牛ともに、どこの農場で生まれ誰が肥育して
どこで屠畜されたかという生産から販売までの情報が、
きちんと追いかけられるしくみができている。
http://www.maff.go.jp/j/syouan/tikusui/trace/(農水省WEBサイト)

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耳についてるのはイヤリングじゃなくて個体識別のための耳票。
写真撮った時は気が付かなかったけど、この牛除角されてないのだね。



これはBSEのときに法律で作られたしくみだ。

スライス肉のパックに付いている10桁の個体識別番号で
子牛が生まれた農場の名前が出てくるんだからスゴイよね。ほんと。
ちなみに海外産の牛についてわかるのは原産国のみである。

コメには「米トレーサビリティ法」という法律が平成23年7月1日に施行された。
http://www.maff.go.jp/j/syouan/keikaku/kome_toresa/
「お米、米加工品に問題が発生した際に流通ルートを速やかに特定するため、
生産から販売・提供までの各段階を通じ、取引等の記録を作成・保存します」
という法律である(農水省WEBサイトより)

コメだけでなくコメの加工品についても義務付けられており、
流通業者(おコメを取り扱う事業を行っている人たち)は
「品名」「産地」「数量」「年月日」「取引先名」
「搬出入した場所」「用途を限定する場合にはその用途 等」
について記録を保存することが義務付けられている。

また、消費者に対しては産地表示をきちんとしなくてはならない。

これは外食産業にも義務付けられており、レストランの入り口やメニューに
「当店のおコメは◯◯県産を使用しています」という張り紙を
時折見かけることがある。見つけるほうが困難だったりする外食店もあるから
指導とかどうなってるのかなと思うけど、とりあえず義務は義務である。

この法律は、産地偽装や加工米の横流しなどの事件が相次いだことから
新しくできた法律だ。なんとなく、無登録農薬事件後に
「農薬取締法」「食品衛生法」をあわてて整備したときに似ているね。
もしかしたら減反による加工米・飼料米の増加も影響しているかもしれない。

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おコメ問屋さんに行った時「魚沼コシヒカリ」の袋を見つけて
うれしくなって撮ってみた。新潟産コシヒカリはコシヒカリBLが推奨されてて、
DNA鑑定すればBLかどうかすぐわかるので、産地偽装できなくなってる
って話だったけど今も変わらないんだろうか。



消費者には「表示」という点のメリットしかないんだけど
そもそも表示を信頼していない人が多いからちょっと残念な感じ。
なのにコメ問屋にとっては「ものすごーく手間暇がかかって大変」らしいのだ。

農水からしょっちゅう査察が入り、あーでもないこーでもないと言われ、
精米機に残ってた別の産地のコメがいくらか混じってたとかいう
コンタミレベルでもきびしーく指導され、始末書を書かなくてはならない。

また米粉用のコメは「上新粉」市場を圧迫しないよう
「上新粉」と確実に区別しなくてはならず、
書類提出等が非常に煩雑な制度になっており、
米粉を作って売るのがイヤになるほどめんどくさいらしい。
そんな苦労をしてるのにたいして売れない米粉。かわいそうな米粉。

しかしそれでもまだ産地偽装や加工米横流しが発覚することがあるのだから、
しくみとして不完全なのだろうか。書類を死ぬほど保存しないといけないのに。
こないだのチキンナゲットの中国工場のHACCPのように、
運用する側が悪意を持ってやればダメということなのかもしれない。

さて、これに「栽培方法」「使った資材」などもくっついて
「誰がどこでどのような資材や農薬を使って作ったか」が
トレースできるのが有機JAS認定である。

有機JAS認定はトレーサビリティ法ではなくJAS規格のひとつで、
「有機農産物」という表示ができる規格(基準)を定めたものだ。
有機JAS認定は圃場に対して与えられるが、
前年度の栽培履歴を調べようと思えば調べられる。

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有機JASは圃場にも看板でてるし、倉庫も区分けされてるし、
トラクターは非有機圃場から乗り入れる際に洗わないといけないし、
毎日日記つけて伝票全部取っといてシールをちゃんと管理して、
次の年に認定機関が雇った検査員に監査されます。大変だよう。



「有機JAS認定圃場でわたしはめっちゃ厳しくてめんどくさい
いろんな決まり事をちゃんと守って作りましたよ」ということを担保する法律だから、
当年度の栽培履歴は不明だ。でもそれでいいのだ。規格だから。

その他に「特別栽培農産物」というガイドラインがあるけど、
これもまあ「特栽」と言って売っていいですよというガイドラインなので、
しくみとしては有機JAS認定と少し似ているけどちょっと違う。

有機JAS認定のような「めっちゃ厳しくてめんどくさいいろんな決まり事」はなくて
「地域の慣行栽培の化学肥料(チッソ分)及び農薬の50%減」であれば
「特別栽培農産物」と表示して販売してもいい、というものである。

ということで、お店で売られているもので、法律によって
「どこで誰がどう作ったか」がわかるものは、今のところこれ以外にはない。
だからスーパーの野菜やくだものの栽培履歴を追うことは非常に難しい。

しかし、そもそもそこが気になる人はスーパーマーケットを利用しないで、
某D社などの流通を利用するか、個人の農家から直接買っており、
気にならない人がスーパーで買ってるから別にいいのかもしれない。

というか、気にしている人っているのかな?
こんなの書いてなんかちょっと不安になってきた月曜日の午後。


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おコメの表示をあれこれ調べてみた

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収穫したばかりのおコメ。これ、ほんとは白芒餅っていうもち米なんだけど、
雰囲気を味わってください。この後、農家で籾摺りをして玄米にします。
玄米じゃなくてモミで貯蔵したりするところもあるけど、
とりあえずだいたい玄米でJAや相対取引の業者に出荷されるです。



おコメ屋さんに取材に行ってきた。

毎日食べてるものなのに、意外と知られていないのがコメ。
どのように流通してるのか、どう栽培されてるのか、また、
コメについてどんな法律があるのか等々、知らないことばっかである。

わたくし的に一番びっくりしたのは、産地偽装や加工米横流し等々の事件後、
「米トレーサビリティ法」という法律ができていたことだ。
知らなかったー。知らなかった事自体どうなのよって感じだ。

この法律、めっちゃ縛りがきつく流通業者は大変そうである。

農家から小売まで出荷・集荷時の伝票管理や記録、表示方法など
あれこれあれこれルールが細かく決まっていて見てるだけで大変そう。

・米トレーサビリティ法
1.お米、米加工品に問題が発生した際に流通ルートを速やかに特定するため、
生産から販売・提供までの各段階を通じ、取引等の記録を作成・保存します。
2.お米の産地情報を取引先や消費者に伝達します。
http://www.maff.go.jp/j/syouan/keikaku/kome_toresa/index.html

平成22年10月1日から事業者による伝票管理が義務付けられ、
平成23年7月1日から米の産地情報の伝達をしなくてはならなくなった。

表示の法律で外食に原産地表示義務があるものはなかなか無いが、
この法律は米の原産地について「従業員に聞けば答えられる」「店内へ表示」
「メニューに書く」などの中から表示方法を選択することを義務付けている。
外食でも産地をきちんと伝達しなくてはならないことになっているのだ。

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玄米になったところ。Facebook友達の検査員の方が「二等」って言いました(笑)。
検査員は資格を持ってれば誰でもやれます。親のコメの検査を娘がする、てな
ところもあるようです。「全部二等」とかにすると親子ゲンカの元になります。



おお、すごいじゃないか。でも表示してあったっけな? 
今度お店の人に聞いてみようっと。
しかしまあ、国産かそうでないかぐらいの表示のようである。

どっちかというと、米粉用の米や加工米の横流しを防止するために
ガッチリした枠組みを作りましたよ的な法律なのだろう。
米粉用や加工用米って安いからね。偽装が後をたたないのだ。

そうは言っても小売や卸には農水省の査察や検査がしょっちゅう入り、
滅多なことはできなくなっているのだった。
米の偽装や横流しは相当やりにくくなったと言ってもいい。

最近イオンで中国・米国産米、加工用米などが混入されていた
「過去最大のコメ産地偽装」事件があったが、、
「どうやったのかなー? できないと思うんだよねー。不思議だなー」と
おコメ屋さんがしみじみ言っていた。いい人だなあ。

ちなみに玄米・白米等のお米の表示はJAS法で定められており、
原料原産地検査証明を受けた年度(何年産とか)などについて
きちんと表示しなくてはならない。

大変わかり易いJAS法の表示
http://www.maff.go.jp/tokai/shohi/hyoji/seido/pdf/komepaneru.pdf

ブレンド米でもブレンドした産地と品種をきちんと表示しなくてはならない。
ブレンド米って食べたこと無いけど、パールライスとかのことだろうか?

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二等になると米価が下がるので自分ちで色彩選別機にかける人が多いです。
かけた後。きれいな玄米になりました。はじいたコメは鶏のエサか肥料になり、
大量にある場合は産業廃棄物。加工用なんかには回らないのですよ。
加工用米や飼料米はほかにちゃんと作られてるからね。



さて、米の産地偽装といえば「魚沼産コシヒカリ」である。

「新潟産コシヒカリ」もけっこう良い価格で取引されるため、
この偽装もありそうだが、新潟産のコシヒカリはDNA鑑定で特定できるため、
昨今ではなかなか偽装しづらくなっているらしい。

新潟県で栽培されているコシヒカリは、コシヒカリBLという品種が多く、
他地域のコシヒカリとはDNAが違う。
BLってのは「イモチ病耐性」遺伝子を持っているということで、
新潟県で栽培されるコシヒカリはDNA検査でわかるという理屈である。

新潟県では独自調査を行っており、都内や他県で売られていたもので
悪質なものがいくつか見つかっている。

がんばれ、新潟県!

ところで、全然知らなかったのだが、
コシヒカリBLには節間を短くするために倒伏軽減剤という
植物ホルモン剤を使うことがあるらしい。

ほう。そんなもので予防できるのか、倒伏が。
チッソ分を少なくすればいいじゃないかと思うが収量の問題だろうか。

新潟県の特別栽培農産物基準を見てみたが、
倒伏軽減剤についての記入はなかった。防除暦は18剤である。
このうちに含まれてるのかなー? 今度コメ農家に聞いてみよう。

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精米しました。ちょっと乳白米とかワレがありますが、きれいなおコメです。
以前ローソンが魚沼産の乳白米を格安で仕入れておにぎりにし、
「魚沼産コシ」と表示して売って大儲けしたって話があるらしいですが、
乳白米は炊いちゃえばわからないのですね。機を見るに敏だなあ、ローソン。



コシヒカリBLは「コシヒカリ」と表示されており、とくにBLという表示はない。
食味が違うと言う人もいるが変わらないと言う人もいる。

先日「BLはBLと表示すべきだ」と泉田知事がおっしゃったらしいが、
現時点では表示はされていない。いつかされるのかな? 

ともあれ、コメの表示については相当厳しくなっているのだ。

しかし、偽装しようとすればできるよねという余韻はまだまだ残っている。
そういうコメを選ばないためには、産地、個人が特定できるコメを
食べることが必要であろう。

つまり「有機米」「個人名が表示されて売られているコメ」
(これ、某D社等の流通で売ってるコメのことなのね)である。
一番確かなのは「農家が直接売ってるコメ」を選択することだ。

なんちて。そうすると送料が別途かかるし割高になるんだよね。
安心はお金で買わなくてはならないということなのかもしれない。


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何かと話題の「バナメイエビ」について調べてみた

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手前にいるエビがモサエビくんでございます。緑の卵がステキです。
ぷりんとしておいしいけど、2つ食べればいいかなーって感じ。
若い頃は大量に食べたけど、オトナになると食べられなくなるのかも。



日本海の海の幸がたんまり食べられる鳥取県人であるわたくしは、
幼い頃からエビといえば「モサエビ」であった。
くすんだ緑色の卵を持ってて初めて見るとビビるがおいしいエビである。
頭のなかのミソをちゅっとすするのがコツだ。焼いてもおいしい。

お寿司屋さんに行く年頃になったら脳に「甘エビ」が追加登録された。

モサエビが鳥取以外で流通してないと知ったのは東京に来てからだ。
その後北陸で同じエビがガスエビと呼ばれていることを知った。

このエビが東京で食べられない理由は、劣化が早く流通が難しいからである。
「早く傷むんでね。持っていけないの」と金沢のお寿司屋さんが言っていた。

その他幼いころに日本一大きな池である湖山池でテナガエビを釣ったりして、
唐揚げにしてもらったこともあった。おいしかったな、しゃくしゃくして。

わたくしにとってのエビはその3種類である。
そもそも加熱すると独特のニオイがするし、むくのが面倒なので、
エビはそれほど心躍る食材ではなく、とくに好きでもない。

ロブスターとか伊勢海老になると、さらに食べたくなくなる。
繊細さが欠けてる気がするし、むくのがめんどくさいしエイリアンみたいだ。
車海老にいたってはカラから寄生虫が出てきたのを見て以来
ちくわぶやうなぎ同様心のなかの「食べなくていい食材箱」に分類された。

田舎に帰ると甘エビとモサエビは食べるが、それ以外で食べるのは
フェアトレードのブラックタイガー「エコシュリンプ」である。

20代前半の頃、日本は東南アジアのマングローブ林を
エビの養殖のために破壊しまくり労働力を搾取していると知ってから、
一般のブラックタイガーは絶対に絶対に買わない。
食べることでその破壊に間接的に加担することになるからである。

ということでわたくし、基本的に「エビに興味のない女」である。

ringo 011
エビのことを書くので写真の在庫からエビの写真を探したら、
ほんとに写真を撮っていないわたくし。いかにエビを食べていないか、
恐ろしいばかりでございます。これは代官山で食べたパスタランチ。
エビの記録というよりはパスタの記録。おいしかったけど。



てなわけで、今回、ホテル・レストラン関係での一連の偽装を
「エビだからなー」程度で特に興味もなく見ていた。

そもそもレストラン原料の偽装で騒ぐこと自体、何を今さらって感じだ。
外食の表示を縛る法律はない。景品表示法だけである。
優良誤認表示などそのへんのレストランでも当たり前に行われており、
気付かれなければ全然平気だ。

「当店は自然栽培の野菜を使っています」とかメニューに書いてあっても
実際に使ってるのはほんの一部、みたいなレストラン、山ほどあると思うけど
これを機会にちゃんと表示を変えたほうがいいよなあと思ったりするわたくし。

同じことを考えた人たちが今自己申告してメディアで謝っている。
するなら今だ。大量発生しているから紛れて個別には目立たない。

しかし、そんなわたくし的に気になったことがひとつあった。
車海老や芝海老の代わりに使われていたっていうバナメイエビってどんなエビ?
エビに疎いわたくしはその名前を初めて聞いたのだった。

そうしたら。意外や意外。
バナメイエビはスタンダード品だったではありませんか。

まず、日本のエビの自給率を調べてみた。なんと10%しかない。
ほとんどがベトナム、インドネシア、インド、タイから輸入されている。
ほぼ全てのエビが養殖である。どれぐらいの勢いで他国の環境を破壊しているかは不明だ。

輸入エビの種類を調べてみたが、品種ごとの数字は見つけられなかった。
ブラックタイガーとバナメイエビは、どちらも車海老科である。
おお、そうだったのか。淡水で養殖されてるから別の種類かと思ってたぜ。

バナメイエビもブラックタイガー同様そもそもは海水域に棲息するエビだが、
汽水域でも淡水域でも養殖できるエビなのだった。

ブラックタイガーよりも養殖密度を上げることができるバナメイエビは
生育も早いため、ブラックタイガーの価格高騰にともなって
2000年ごろから輸入量が増えてきた。

gazou 005
今ふと気づいたが、エビはお祝いごとに必ず使う
ハレの食材なのではあるまいか。紅白でめでたいし。まさに日本人好み。
ところでこれは天然車海老なんだろか。久慈のお寿司屋さんで食べたんだが、
熊本の養殖車海老だったらすごいなあ。エビが日本縦断である。



しかし養殖とは環境負荷の高いものである。
最近になって原因がわからないとされる病気の発生でエビがどんどん死に、
バナメイエビの価格は昨年から高騰しており、困っている人が多い。

外食チェーンではエビ天や寿司のネタに使っていたバナメイエビを、
産地を変えたり種類を変えたりして対応しているらしい。

そのせいか、バナメイエビで検索するとブログがいくつかヒットして、
ほぼ皆さんが「冷凍エビが高くって困る」と言っている。
ええええー。そうだったのかー。

わたくしエビはスーパーでは買わないし外でも食べない。
なので、エビが高いとかどうとか、全く知らなかった。
わたくしはエビを食べない希少な日本人なのであろうか。
たまには冷凍食品コーナー見なくっちゃ、世の中に置いて行かれちゃう。

さて、農水省の「こどもそうだん」によると、
日本人は車海老の仲間のエビを40種類も利用しているらしい。
突出してるのがブラックタイガーとバナメイエビ、車海老である。

そして日本では年間約30万トンのエビを消費しており、
ほとんどがよその国から来ている養殖エビである。
うーん。そんなにエビを食べているのか、日本人。新鮮な驚き。

これだけのエビを安くおいしく食べられるわたしたちって幸せ。
なんて思う前に、よその国の森林や水資源、環境が破壊されていることを
消費者はもう少し知ったほうがいいかもしれない。

最近ちっとも話題になってないから、ほとんど知られていないのだ。

テレビで謝るホテルの偉い人やそのミョーな言い訳を見ていて
つくづく思った今日この頃である。


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プロフィール

ほんたべ

Author:ほんたべ
手島奈緒
おいしい食べものをつくる人を紹介したり応援したりしております。ブログをまとめた著書『いでんしくみかえさくもつのないせいかつ』(雷鳥社)『まだまだあった! 知らずに食べてる体を壊す食品』(アスコム)『儲かる「西出式」農法』(さくら舎)など。現在ハンター修行中。

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