実は有機栽培より減農薬栽培に向いている土着天敵活用法

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アザミウマ類の強力な天敵「ヒメハナカメムシ」はシロツメクサで増えます。
夏に定着させるならオクラがGOOD。見つけるのむずかしいけど
有機の露地のナス畑によくいます。アザミウマだけでなく
いろんな害虫を食べてるらしいです。写真撮影・市川泰仙氏



株式会社マルタの冬期全国生産者会議に参加してきたです。

お目当ては一日目の懇親会と(えへ)、二日目の
宮崎大学農学部植物生産環境科学科・大野和朗さんの講演
「地域に生息する土着天敵を活用した害虫管理」である。

大野先生の講演は大地を守る会でも何度かお聞きしたが、
聞くたびに新たな発見があって、興味深い内容でとてもおもしろい。
今までわかってなかったことが次々に明らかになっているようだ。

しかし研究の現場でいろいろわかってきていても、天敵の活用は
施設栽培の農家を除くと実践されてはいないように思える。

とくに露地栽培での天敵の活用などはあまり聞いたことがないが、
実は露地でも有効な土着天敵を利用した害虫管理が可能だということが
今回の講演で具体的によくわかった。明日からすぐにできる対策である。

それが「天敵温存作物」を植えること、である。

農業とは自然にやさしいというようなイメージというか妄想があるが、
実はとくに自然にやさしくもなくけっこうな勢いで環境を破壊している。

たとえば、生態系の破壊(農薬による昆虫類・微生物類の殺戮)、
単一作物栽培(モノカルチャー)による植生及び生態系の破壊、
多肥(チッソ肥料)による地下水等の汚染など、枚挙にいとまがない。

そういう意味で放出する化学物質量が少ない有機農業に意味はある、と
わたくしは常日頃考えているがとりあえずそれは置いといて。

生態系の機能のひとつに天敵によって他の生物の発生が抑えられる
「自然制御」があるが、実は農業現場ではあまり機能していない。
天敵の活躍を制限してしまう要因があるからだ。

この要因が有機リンや合成ピレスロイド系農薬のような絶滅系農薬や、
単一作物栽培による「モノカルチャー」であると大野先生は言う。

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日本にはアブラバチがたくさん生息しているそうなのですが、
天敵農薬として売られてます。土着のアブラバチを利用すれば
お金かからんと思います。アブラバチはアブラムシの天敵です。
写真撮影・市川泰仙氏



単一作物の大規模栽培=害虫天国であることは農家なら誰でも知っているだろう。

その作物が好きな害虫が発生し、卵を産み孵化しまた産卵して、
数世代にわたって同じ害虫が同じ畑で繁殖する。
対策は農薬だがそのうち効かなくなりリサージェンスが起きたりする。
※リサージェンス 抵抗性がつき農薬が効かない害虫が大量発生する恐怖の状態

少量多品目栽培などのポリカルチャー(多植栽培)や
自然栽培の畑でよく見るミックスカルチャー(混植栽培)だと
さまざまな植物があることで特定の害虫が大発生しづらい環境ができ、
その多様性が天敵も呼び寄せることから、自然制御はある程度可能である。

とは言っても近隣の畑で絶滅系農薬を散布されれば天敵は死ぬ。

ちなみに慣行農家が「有機の畑から害虫が飛んでくるから迷惑」とよく言うが、
実は「有機の畑で増やした天敵を慣行の畑で全部殺されてて迷惑」なので、
慣行栽培の人にそう言われたら有機の人はちょっと怒っていいと思います。

んじゃ日本の畑全体をポリカルチャーにすればいいんじゃん? と思うが、
そのようなことをするのは効率・手間その他もろもろでむずかしい。
高原レタス産地の人に「レタスの間にセロリを一列ずつ植えて」とか言ったら
張り倒されるだろう。現在の日本の農業はそういう方向を目指してはいない。

とりあえず大野先生はポリカルチャーを目指すのではなく、
圃場周りに天敵温存作物を植えることを勧めている。

天敵温存作物とは、小さな花を長い間にわたってつけるハーブや、
花粉をたくさん出してくれる作物、分泌物を出すオクラなどである。

これまでのIPM(総合的病害虫管理)では、天敵vs天敵という考え方が主で、
研究発表でもアブラムシと天敵の数のグラフなどがよく表示され
「問題はアブラムシが減ってきたら天敵が死んでしまうことです」
なんて話をよく聞いた。当時は天敵は害虫しか食べないと考えられていたからだ。

現在では、天敵は害虫がいないときには花粉や蜜を食べていて
花粉や蜜があれば畑で生きていけることがわかっている。
花蜜は天敵のエネルギー源、花粉は繁殖のための栄養源であり、
花粉が足りないと卵を産まないなどのこともわかってきた。

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移動距離が長いと考えられてきたヒラタアブですが、最近
エサがあれば長いことその場にとどまることがわかってきたらしい。
幼虫を常時供給するためには花粉が多い花を植えてメスを呼ぶこと。
雌は複眼の間に白いラインが入ってるのでよく見るとわかります。



大野先生の研究でわかった「天敵の強化」を目的とした
天敵温存作物(大野先生オススメ)は以下のとおりです。(講演資料より)

ノースポール
スイートアリッサム
ハゼリソウ(緑肥として使えて種が安い)
ソバ(いろんな種類の天敵が観察されているオールマイティな花)
クレオメ(すげー花粉を出すらしい。作物と言うより庭木?)
三尺ソルゴー(畑に植えるときには周囲にぐるりと植えないと逆効果)
スイートバジル(シソ科植物はながーいこと花をつけるのでオススメ)
ホーリーバジル(同じ)
シナモンバジル(同じ)
コリアンダー(パクチーは春先に花が咲くのでオススメ。人参もオススメ)

つーことで、プランターのトマトにアブラムシがわいてたまらん! と言う人は、
パクチーを植えれば開花期にヒラタアブが来て卵を産んでくれるでしょう。

また、せっかくの畑に金にならないものを植えるなんて許せん!
という農家には、大野先生はオクラを勧めている。
オクラから出る樹液(真珠体)が食べものになるため、アザミウマ類の天敵の
ヒメハナカメムシやカブリダニが安定的にいついてくれるらしい。

大野先生は、実は有機の畑よりも「これから農薬を減らしたい」と
考えている農家にこそ天敵の活用が向いていると考えている。
減農薬だと効果も見えやすいと言う。対策は簡単である。

1.今使っている絶滅系農薬を減らし天敵を殺さない選択制農薬を使うこと。
2.畑の周りに上記のような花が咲く草や作物を植えること。
これだけで天敵が増え害虫が目に見えて減ってくるそうだ。

大野先生が実験を行っている宮崎のナス農家では、農薬散布数が激減し、
コスト&労働力の点で非常に効率化できて感謝されているそうである。

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4月になると越冬していたテントウムシ類が活動を始めます。
カラスノエンドウにつくアブラムシは作物に被害を与えないので、
そこにテントウムシを誘引し、畑で卵を産んでもらいます。
孵化した幼虫は畑のアブラムシを食ってくれます。←理想の形。



わたくしは最近、有機の畑が増えるのも大切だが、
慣行栽培の人が農薬を減らすことも同じくらい大切だと思うようになった。

日本の畑は小規模な面積のものが多いから、畑は単一作物でも、
俯瞰してみれば一反ごとに違う作物が植わっていたりして、
結果的にポリカルチャーになっていると言えなくもない。

だから地域で減農薬をしていけば擬似ポリカルチャーがつくれる。
大野先生は今それを目指しているのだそうだ。そうすれば、
天敵が地域全体で増え、害虫管理の一助を担うことができるようになる。
そして地域全体の減農薬がますます進む可能性もある。

そのような時代が来ればいいとわたくしは思う。
だからJAの人は天敵農薬買ったハウス農家に絶滅系農薬売るとかの、
変なことするのはやめた方がいいと思います。

オーガニック・エコとか言う以前に減農薬栽培を増やしましょうよ、
ねえ、みなさん。


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ニッポンのミツバチのためにできること

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気に入らないことがあるとすぐに出て行き、とても飼いにくいけど
昨今流行のニホンミツバチ。実はヒトとの関係は「大家と店子」で、
人間の管理はニホンミツバチにとっては「大きなお世話」だと中村さんは言う。
ヒトは飼ってるつもりだが「巣に住んでいただいている」と言う方が正しいのかも。



10月30日、j-laboセミナー
「ミツバチはホントに減っている?不幸なミツバチを減らそう!」に行ってきた。
講師は玉川大学ミツバチ科学研究センター、中村純さんである。

ミツバチが好きでいろいろ知ってるつもりでいたが、
全然知らないのだなと今さら感じた一時間半であった。

さて、ミツバチとは人間が使えない資源を有用な物質に変えてくれる昆虫である。
花の蜜を濃縮し保存性を高め、花粉をミツロウに変えてくれる。
ついでにプロポリスやローヤルゼリーも作ってくれる。

他にこういう昆虫がいるかな? おお、蚕もそうだった。
ミツバチは蚕と同じく生産物あるいは労働を搾取される「産業動物」である。

養蚕地帯や養蜂家が近隣にいる地域では、農薬散布の際に
蚕やミツバチに配慮するようにと指導されている。
薬害とかで死んじゃうと訴訟騒ぎになるからね。

鱗翅目(蝶や蛾)用の農薬、たとえばBT剤が桑の葉に付いたら
大切なお蚕がおなかを壊して死んじゃうから、農薬の袋の裏には
「養蚕地帯での使用は厳重注意」的なことが書いてあるし、
ネオニコ系農薬には「ミツバチに注意」とちゃんと書いてあるのだ。

その他の有益な昆虫、たとえばクモなどの天敵類についても
農産物の防除という点でヒトへの貢献度は非常に高いと思うが、
農薬の袋にはそれほど書いてなくてバンバカ死んでいる。

産業動物と「知らない間にわく名もない虫」との大きな違いであろう。

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もともとはスイスの一地域にいたセイヨウミツバチイタリア種は、
飼いやすく生産性が高いことから今や世界中で飼われている。
ある意味ヒトの手を借りて世界征服を果たしたとも言える。
ミツバチにとってヒトは「役に立つ家畜」らしい。



この「有用な昆虫ミツバチ」が日本人にどれくらい貢献しているかというと、
「平成26年養蜂をめぐる情勢」によると、はちみつ、ローヤルゼリー、ミツロウなどと、
花粉交配用ミツバチも合わせた生産額は84億円強である。

農産物の花粉交配(受粉)の貢献を金額にするとなんと1,619億円にもなる。
1999年には3,925億円で、ブロイラーの生産高よりも高かったらしい。
(日本養蜂協会 ポリネーター利用実態等調査事業報告書より)

わたくしたちはミツバチと言えばはちみつと瞬間的に思い浮かべるが、
ミツバチは生産物よりもその労働で多大な貢献をしているのだった。

そのはちみつの平成25年の自給率は6.8%と非常に少ない。
消費量は伸びているが、消費者は安価な輸入品を食べているようだ。

輸入国の代表は中国だ。中国産はちみつは加工用に使われるのはもちろんだが、
国産はちみつに混ぜて「国産」と称して売っている業者も多く、
景品表示法違反でよく指導されているから調べてみるとビックリする。
チョー有名な養蜂場とかけっこう出てるのでうひいって感じだ。

国産はちみつ、高いからなあ。中国産の3倍はするのだ。

新聞や雑誌にバンバカ広告を出している某養蜂場のはちみつはミャンマー産らしい。
世界的にはちみつの産地は発展途上国に移行しつつある。

さて、昨今ミツバチが減っていると騒がれているが、数字を見てみよう。
おや? ミツバチだけではなく養蜂家も減っているよね。

これは、みかん、養豚、肉牛等々の農家が減ったのと同じ現象で、
輸入はちみつとの競争力がなくはちみつで食えない
→養蜂家減少→蜂群減少という図式だ。

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農水省「養蜂を巡る情勢」平成25年9月より。ミツバチの数は微増、
しかし蜜源作物が軒並み減少しているのにご注目ください。
蜜源となる作物が減るとミツバチが蜜を集めるのが厳しくなる。
養蜂業は衰退すべくしてしてるのかもしれないとか思っちゃったなー。


youhou_meguji_2014_ページ_09
いちご農家が増えてると勝手に思ってたけど減ってるし、
畑作で利用する農家も減っててちょっとびっくり。ひえー。
交配用ミツバチというよりも、それを利用する農家が減ってるのだった。
がんばれー! 日本の農業!



日本では、ミツバチの減少に農薬は関係ないのでは? と思うわたくし。
っつか、なんか最近は増えてるし。個人の養蜂家が増えたせい?
でも、海外ではミツバチは減っているよね?
これについては中村さんが興味深いことを言っていた。

「BeesとHoney beesをなぜか日本では混同していて、bees、つまり
ミツバチを含むハナバチが減少しているという海外のデータを
日本ではミツバチと訳し、ミツバチが減っていると言っている」んだって。
Bees=ミツバチを含むハナバチのこと

おお、そうなのか。データが全てミツバチだけのことではないとわかると、
受粉昆虫(ポリネーター)の減少で大騒ぎと言う話が少し変わってくる。

また、国によってそれぞれの事情があるから、
よその国の話を日本に当てはめるのも違うと中村さんは言う。

例えば、アーモンド産業が非常に重要な米国や、果樹類の受粉を人間がやらない国、
日本人にはなじみのない作物の受粉をハチに頼る国などの事情は、
現在のところ花粉を媒介するミツバチが足りている日本には当てはまらない。

また日本でミツバチが薬害で死んでいると報告のある作物は主にコメで、
海外のようにひまわりだのその他の野菜だのはあまり関係ない。
産出額2兆286億円のコメという基幹作物に使う農薬を、84億円強の産業の
ある一部分のために規制するって話は考えにくいだろうなあと思うわたくし。

栽培作物も環境も、海外と日本では大きく違うのだから
それぞれの国の事情で考えるべきなのだった。

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トマトの受粉のみに使われその後捨てられるセイヨウオオマルハナバチ。
日本にも土着のマルハナバチはいるらしいけど見たこと無いのよね。
トマトやナスなどの果菜類は蜜を出さないためミツバチは使われないらしく、
まさに受粉のためだけの産業動物、セイヨウマルハナバチ。



では日本のハナバチは減っているのかな?

日本のミツバチは上記データの通りで微増しているが、
ハナバチについては、データがないからわからない。
そもそも日本では、野生の草や花が生い茂る土地がどんどん減っており、
ハチだけではなく昆虫が生きていくのにいい環境ではなくなりつつある。

これは天敵を研究している人によく聞く話だ。

天敵の住処は草花が生い茂る植生の豊かな土地だが、
昨今では、草花のあるべき場所が除草剤でスッキリきれいになっており、
さらに里山の植生も単調なため、昆虫が生きづらくなっている。

作物の栽培に利用される絶滅系殺虫剤の合成ピレスロイド系農薬、
有機リン・カーバメイト系農薬で、天敵を始めとする昆虫は
ミツバチも含め、ネオニコチノイド系農薬以上にバンバン死ぬ。

産業動物ではないただの昆虫が死んでも誰にも気づいてもらえない。
果樹農家が「なんか最近虫が少なくなったよねー」とつぶやくくらいである。

日本の豊かな虫たちの世界は、徐々に死に絶えつつあるのかもしれない。

さて、ではその「知らない間にわく虫」のために
わたくしたちにできることはあるかな?

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ほんたべ農園で花が咲くとよく飛んでるのを見かけるヒラタアブ。
小さな花でも抜け目なく見つけて飛んでくるからかわいいよね。
幼虫はアブラムシを食ってくれる天敵である。



いつ実現するかわからない農薬の規制に一票を投じるのもいいが
本日、今、この瞬間からできることがひとつだけある。
上記のような農薬を使わずに栽培された作物を選択して食べることだ。

そうすればそのうち減農薬や無農薬の畑が増え、死んでいく昆虫が減るだろう。

また、ベランダや庭の隅っこで草花を育てることもできる。
長い間花を咲かせるハーブを植えれば、ハナアブやハナバチ、天敵類
そしてミツバチもどこからか飛んでくるだろう。

わたくしたちはそのとき、確実に虫たちの役に立っている。
ミツバチの羽音がやむことのない世界を小さな草花でつくることができるのだ。


ミツバチが好きな草花を植えたい人は以下のサイトをご参考に。
みつばち百花http://bee-happy.jp/


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ヒトスジシマカとデング熱について調べてみた

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ヒトスジシマカのオスは花蜜などを食べて暮らしている。
メスは産卵の前に人(動物)の血を吸い、それをエネルギーに産卵する。
どうでもいいが、畑のオクラの木の側に行くと必ず蚊に食われる。
ヒトスジシマカはオクラが好きなんだろうなーと思ってるわたくし。



幼いころ、夏になると日本脳炎の予防注射をされた。
幼いながらに「ニホンノーエン」という音が大変恐ろしく、
「ニホンノーエン」とはどのようなものかと百科事典を調べてみた。

わたくしはどういうわけか疫病恐怖症で、ペストとか天然痘とか
なぜそのような疫病の名前を知ったのか全然思い出せないのだが、
とにかくそれらを百科事典で調べまくる変な子どもだった。

疫病マニアと言ってもいいかもしれない。

百科事典には「日本脳炎はコガタアカイエカが媒介する
ウイルス性の感染症であり、豚からヒトに伝染する」と書いてあった。
よく覚えてるなー、子どもの頃の記憶ってすげーなーと感心。

しかし、コガタアカイエカは主に西日本に生息しているため
東日本では日本脳炎の流行はないと記憶していたが、
今調べてみたらコガタアカイエカは日本全国にいるらしい。

あれー。そうでもなかったか。ううう。

その後わたくしは疫病マニアのまま大人になったが、
日本脳炎のことはすっかり忘れていた。
今、どれぐらい感染者がいるのかな? 

「日本では、1966 年の2,017人をピークに減少し、
1992年以降発生数は毎年10人以下であり、そのほとんどが高齢者であった」
国立感染症研究所HPより
http://www.nih.go.jp/niid/ja/kansennohanashi/449-je-intro.html)

予防接種している人は抗体を持っているため罹患することはないから、
年に数人という感染者で収まっているようだ。良かったね。

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日本脳炎を媒介するコガタアカイエカは水田や湖など
水がたーくさんあるところで繁殖するらしい。アカイエカはヒトスジシマカと同じ。
夜行性でちっこくで赤い蚊だが、最近ほとんど見かけなくなった。
人間の生息域で繁殖するヒトスジシマカに駆逐されたのかもしれない。



さて、感染症と蚊といえば、昨今話題のデング熱である。
デング熱について調べてみた。

この病気は日本脳炎と同じく「四類感染症」に分類される。
感染症には五類まであり、一類にはペストとかエボラとかマールブルグとか
名前を聞くだけで熱が出そうな剣呑な伝染病の名前が並んでいる。

四類には野口英世先生と関わりの深い「黄熱」とか「西ナイル熱」とか、
「炭疽」とかが分類されている。ええー、デング熱これと同じなの?
四類の定義は「動物又はその死体、飲食物、衣類、寝具その他の物件を介して
人に感染し、国民の健康に影響を与えるおそれのある感染症」である。へー。

医師は、これらの四類感染症の患者が発生した場合、
最寄りの保健所に届け出ることが義務付けられている。
だから患者数が日々のニュースにちゃんと出てくるのだね。

デング熱の初期症状は風邪に似ていて、高熱・吐き気・食欲不振
その後身体に発疹ができる。軽い症状のまま気づかない人もいる。
感染しても発症しない人もいる。

しかし、二度目にかかるとデング出血熱に移行することがあり、
こうなると致死率10%という、割合と重篤な伝染病になる。
ちなみに致死率10%ってどれぐらいかというと、黄熱病と同じだ。ひいー。

戦後は南方から帰ってきた人が多かったため、
散発的に国内で流行があったが、ここ数十年国内での発生はなかった。

デング熱は海外、とくに熱帯アジアでは頻繁に流行しており、
何十万人という患者が出ている感染症である。
主な媒介者はネッタイシマカだ。

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俗に「ヤブ蚊」と呼ばれるヒトスジシマカは、空き缶や古タイヤにたまった
ちょびっとの水で繁殖する。最近では、ご家庭の雨水マスで繁殖してるらしい。
だからうちの庭に大量にいるのだね。くそう。どうやって駆除すればいいのか!



デング熱、黄熱を媒介するネッタイシマカは現在、
撲滅を目的に遺伝子組み換えネッタイシマカが開発されている。
すでに一部地域では放飼もされているらしい。
今後ブラジルにするとか言ってたけどもう放飼したのかな。

なぜ遺伝子組み換えまでしてネッタイシマカを絶滅させたいのかというと、
蚊は殺虫剤では根絶させることができないからである。
殺虫剤DDTと蚊との戦いは、蚊の「抵抗性獲得」によりDDTの惨敗に終わった。

現在も、世界で一番ヒトを殺しているのは蚊である。

しかし、わたくしも含め日本人は蚊に食われることをそれほど気にしない。
「痒くないなら食われてもいいけどね」とか言っちゃったりする。
認識を改める必要があるんじゃないのかな?

さて、今回日本でデング熱を媒介しているのはヒトスジシマカである。

生息適温が高いため宮城県以北には分布してないと言われていたが、
昨今の温暖化で青森県や盛岡市でコロニーが確認されたらしい。
本州では11月には休眠に入り、卵で越冬する。

ネッタイシマカでは血を吸わないオスの体内で
デング熱ウイルスが確認された例があるが、
ヒトスジシマカでそういう事例は報告されていない、
だから来年までウイルスを持ち越すことはないと言われている。

さて、しかし。ヒトスジシマカが通年生息している地域はないのかな?
南の島とか? 平均気温の高い地域とか?

調べてみたけどわからなかった。ヒトスジシマカは
日の長さを認識して休眠期に入るらしいから、
日本では通年で活動しないのかもしれない。

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春先にはいないのに収穫間際になるとなぜ果樹園に蚊がいるのか。
とくにぶどう畑でよく蚊に食われるのはなぜなのか。いまだに謎。
落っこちたぶどうにたかるオス目当てでメスが来てるのかなー。



デング熱の拡大を防止しようと蚊の密度を減らすために殺虫剤をまき、
生息場所を閉鎖したが、すでに千葉や北海道、その他の地域で
渡航歴のない患者が発生している。

このあと蚊の休眠に伴って流行は収束して行くのだろうが、
また来年、国内感染者が出ないとは言い切れない。

さらに、デング熱をもっと流行させる能力のあるネッタイシマカが
南の国から飛行機に乗ってやって来る可能性がある。
実際に熊本ではネッタイシマカの生息がしばらく確認されていた。

なんてことを考えると、蚊には食われないほうがいいのだ。
軽いから大丈夫と言われているデング熱だが、高熱が出ればしんどい。
疫病にはかからないほうがいいに決まってるのだ。

世界はとても狭くなり、地球の裏側にも簡単に行けるようになった。
しかしそれは逆に言うと、浮かれた観光客とともに、
入国許可証を持たないもの言わぬ殺人者たちもやって来るということだ。

なんてことをデング熱騒動でしみじみ考えたわたくし。
とりあえずスキンガード買いました。ふっふっふっふっふ。

追記・一部WEBで「今の患者数は去年より少ない」と言われているが、
渡航歴のある人の罹患数は115件(8月31日まで)、
渡航歴のない国内感染者は114件(昨日まで)、合計229件で、
このまま行けば過去最大のデング熱患者発生数となると予測されております。

参考資料
侵入生物データベースhttp://www.nies.go.jp/biodiversity/invasive/DB/toc6_insects.html
茨城感染症情報センター
http://www.pref.ibaraki.jp/bukyoku/hoken/yobo/kansen/idwr/index.html
厚生労働省WEBサイト
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou11/01.html
吉田製薬 8 感染症法の類別における微生物
http://www.yoshida-pharm.com/2012/text04_08_05/


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『More than honey』邦題・みつばちの大地 を見てきた

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みつばちの大地のパンフレット。買っちゃったです。
玉川大学の中村純さんの寄稿とか、みつばち百花のコラムがおもしろいです。
みつばちのことを知ってるようで全然知らないのだな、
ってことがよくわかります。



みつばちのすんばらしい映画『みつばちの大地』を見てきた。
http://www.cine.co.jp/mitsubachi_daichi/
原題は「More than honey」である。

おおお? この題名、シオドア・スタージョンの古典SF名作
『人間以上』にかけてるんじゃありませんか? 
『人間以上』の原題は「More than human」だ。もしかして意図的なもの?

『人間以上』は、ヒトとしては半人前の登場人物たちそれぞれに超能力があり、
その超能力が集まり集団になることで完全に機能するという
ヒトの一段階上の進化をとげた(という設定の)ミュータントの話だ。

これに赤ん坊が出てくる。「目・頭脳」である彼は永遠に成長しない。
「手・足」は別にいて、んーと、その他全部で5人くらいいたんじゃなかったかな。
30年前に読んだのでうろ覚えだが、なんか悲しい話だった。
(どうでもいいけどサイボーグ001はこの赤ん坊のパクリだと思ってるわたくし)

みつばちもある意味このミュータントたちのようである。

一個体で見ると小さく弱く3週間しか生きられないただの昆虫だが、
コロニー全体をひとつの生きものとして見ると、永遠に生き続ける
非常に高度なしくみを持ったヒトとは別の進化を遂げた生きものである。

みつばちのような生きものの設定はSF小説や映画によく出てくる。

ダニエル・クレイグでリメイクされた『インベージョン』とか。
ちょっと違うけどグレッグ・ベアの『ブラッド・ミュージック』とか。
「個」ではなく「全体」で機能するシステムってのは、人間の憧れなのかもしれない。

監督にそのような意図があったかどうかは不明だ。
ともあれ、みつばちは蜂蜜以上の存在であることは間違いない。

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映画の中に中国のりんごの受粉風景が出てくるんだけど、
すごく雑で効率が悪そうで、あれでいいのかなーとか思っちゃったです。
木も変な形だしさあ。まあ本筋とは全然関係ないけど、やっぱり
日本人のりんご栽培ってすごいよな、とか思っちゃいました。



さて、『みつばちの大地』は、養蜂家を祖父に持つ監督が、
みつばちの大量死をきっかけに作った映画である。
昨今メディアで騒がれている農薬の問題にはほとんど触れられていない。
ネオニコチノイド系農薬の話を期待して行くとがっかりするだろう。

この映画では、もっと大きな視点でみつばちの大量死が語られている。

大量死の理由と示唆される言葉が、映画の前半と後半に2回出てくる。
最初は大規模養蜂を営んでいるアメリカ人が、次は監督自身のモノローグとして、
言葉は違うが言っていることは同じである。

養蜂家はこう言う。
「人生に動機はふたつ、“欲”と“恐れ”だ。
生活レベルを下げれば幸せに暮らせない。
それは自分のDNAにはない。我々は資本主義者だ
世界を制覇したいのだ」

監督はこう言う。
「鏡の国のアリスで、アリスは赤の女王とともに全速力で走る。
これ以上走れなくなって倒れて周りを見ると、
実は走り始めたところから一歩も前進していなかった。

“わたしは全然前に進んでいなかったのね”アリスは言った。
すると赤の女王は言う。“わたしたちは今いるところにい続けるために
全速力で走らなくてはならないのだよ”」

わたしたちの社会も、アリスのように全速力で走り続けているのかもしれない。
便利な暮らしを維持するために。後退させないために。

その結果、あちこちにいろいろなひずみが生じている。
異常気象を始めとする猛威をふるう自然災害、感染症などの災厄、そして
みつばちほど脚光を浴びることのない小さな生きものの絶滅等々。

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勘違いしてる人が多そうだけど、日本でみつばちに受粉を依存しているのは
メロンといちごなどの施設栽培で、桃、すもも、さくらんぼ、なし、りんごについては、
みつばちを当てにしていません。りんご・さくらんぼで使われるのはマメコバチ。
GW以前に花が咲くものは、みつばちが寒くて飛べないから役に立たないの。



映画のなかで、みつばちは産業動物として徹底的に利用される存在、
人間社会を快適に維持するための歯車のひとつになっていることが
淡々と示されていく。

直接食べられる産業動物である牛豚鶏のようにわかりやすくはないが、
みつばちは蜂蜜生産者以外に花粉媒介者としても搾取されており、
人工的に増産された女王の下で苦役につかされている。

そのようすも淡々と描かれていく。
昆虫をここまで家畜化し搾取する人間の傲慢さや欲、なんてのは
とくに言及されない。登場人物は自分の仕事を粛々としているだけだ。
自分と家族のために。よりよい明日のために。

そのなかで明確にされるのは、ダニ、病気、農薬など、
みつばちが死んでいく理由はさまざまであり
大量死の原因は突き止められていないということだ。

淡々と進むこの物語の後半、ふと気づく。
もしかしたらわたしたちの社会そのものが大量死の原因なのでは?

「みつばちが絶滅したら人間はその4年後に絶滅するだろう」
映画の冒頭で引用されるアインシュタインの言葉を否応なく思い出す。

もしかしたらみつばちの原因不明の死は、人間への警告なのでは?

わたしたちは、自分たちの暮らしの来し方行く末について
それぞれが考えたほうがいいのかもしれない。
メディアと消費者が農家と政府の責任のように騒いでいる「ネオニコ規制」についても
その結果生産される作物で、みなが恩恵を受けているのだから。

わたしたちひとりひとりが、この社会の構成員なのだから
ひとりひとりそれぞれに、今起きていることの責任があるのだ。

自分にできることはまだ何かあるだろうか。
みつばちのために花を育てること以外に?


『みつばちの大地』は9月19日(金)まで渋谷UPLINKで上映しています。
普段の生活では絶対に見ることができない、
みつばちの生態を見るだけでも価値があります。
http://www.uplink.co.jp/movie/2014/30319


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ミツバチのお話

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セイヨウミツバチのイタリア種ってのが正しいんです。ほんとは。
アメリカでは、アフリカから来た性質の荒いヤツを導入したらなぜだか増えちゃって、
人を刺すとかで大変そうなのですよ。ニホンミツバチは性質が穏やかで良かった。



2006年から話題になってる「蜂類崩壊症候群」(CCD)。
原因はネオニコチノイド系農薬であると市民団体の人々と消費者、
そして一部メディアが騒いでいるのは周知の通り。

んで、それほんとなの? って疑問をずっと持っているわたくし。
だって、ネオニコチノイド系農薬ったって「系」ってあるぐらいだから、
いろんな種類のものがあるのに、この話になると十把一絡げである。

ミツバチについて知らないことが多すぎるのも
こういった話がまかりとおる原因のひとつなのかもと考えた。
蜂蜜だって実は謎だらけなんだってことも、あまり知られていない。

以下はWEBと伝聞に由来する素人(わたくし)の調べたミツバチの話である。

ミツバチは日本においては「家畜」とみなされている。
そのため管轄は農水省の畜産部門だ。
6本足の家畜って言われるゆえんだね。

日本で飼われているミツバチは西洋ミツバチがほとんどである。

西洋ミツバチは世界中で飼育されているおとなしい「イタリア種」で、
よく働き飼育しやすく増えやすいが、気温が15度以下になったり
雨が降ったりすると働かない。また、早朝や夕方にも働かない。
スズメバチが来ると全滅し、ダニに弱く病気にもよくかかる。

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春先にそのへん飛んでるのを見ると、どきどき暗い色のが飛んでます。
それがニホンミツバチ。どこか森や林の木の洞に巣を作っているのでしょう。
採蜜量も少ないので生産性が低いと今まで利用されていませんでした。



最近急速に増えている日本ミツバチは、西洋ミツバチと比較して、
巣が気に入らないと家出する、飼いにくいなどのデメリットが多いが、
刺さない、西洋ミツバチよりも長時間働く、寒さにもちょっと強い、
スズメバチに対する対抗手段をもっており、ダニに強いというメリットがある。

在来のものが強いってことですね。
ということで、昨今大変注目されているのだ。

さて、ヒトがミツバチを飼育する理由は
「蜂蜜」という素晴らしい天然の甘味料が手に入るからだ。

ヒトが15000年前から蜂蜜を採取していたことはわかっているが、
巣箱を作り、巣を壊すことなく蜂から蜜を搾取し始めたのは1853年以降。
アメリカ人が近代用法の幕を開けたのだった。その技術を取り入れ、
日本で現在のような養蜂が始まったのは明治時代である。

ミツバチは蜂蜜だけでなく蜜ろうを供給する有用な昆虫だったため、
戦時中は養蜂が推奨されていた。戦後は砂糖の統制もあったことから、
蜂蜜価格は高騰した。そして、昭和38年に蜂蜜の輸入が解禁された。

これにともない中国産の安価な蜂蜜が大量に輸入され、
国内の養蜂業は大打撃を受ける。
このあたり、絹やみかん、牛肉と同じ道だね。
なぜいつも同じことをするのか。学習能力がないのがすんごく不思議だ。

ミツバチ
花粉や蜜を集めてる外勤バチは、もうすぐ寿命を迎えるハチ。
ある日巣から飛び立って二度と帰ってこない彼女たちは、一生を巣の繁栄に捧げます。
ミツバチは個々を単体で見るのではなく、そのグループを生きものとしてとらえるべしと
学術書に書いてありました。中にはサボってるやつもいるらしいです。



しかし養蜂業はそこでは廃れなかった。蜂蜜採取にとどまらず
「送粉業」という新しい販売チャンネルを見つけたからだ。

送粉業とは、メロンやいちごの受粉に蜂を貸し出すというものである。

ミツバチの問題を話す時、人は蜂蜜を頭に思い受かべているが、
アメリカで起きたCCDはアーモンド・ブルーベリーの授粉用の蜂の話だ。
日本でも同じだ。送粉業に利用する蜂が足りなくなったから、
農水省が「花粉交配用ミツバチについて」調査等を始めたのだった。

授粉用の蜂がいなくなるのや高騰するのは農家にとって大打撃だ。
だから大騒ぎしているのである。

じゃあ、蜂蜜はどうなってんの?

蜂蜜の生産量は平成17年から平成21年まで
2,800トン前後を推移している。
輸入量は4万トン強で80%は中国産である。

蜂蜜業者の方に聞くと、蜂蜜の生産量は現在でも減っていないと言う。
蜂がいなくなったと騒いでいるのは、主に授粉用の蜂のことなのだった。
そして蜂が死んだと騒がれている原因は誰にもわかっていない。

ミツバチ2 煙
伝聞情報なんですけどね。ハチのダニ剤って巣の中につるすんだって。
当然蜜に移染するわけです。中国産蜂蜜からかなりの残留農薬が出たって言うので、
最近中国産は厳しく調査されてるらしいけど、国内のもけっこうどうなのって話です。
日本で使ってはいけないダニ剤を輸入して使ってる人もいるらしいから。



蜂群に影響あると言われている農薬を直接かけたり、
間接的にかけたりする実験が行われているが、
原因と特定できるような結果は得られていない。

養蜂業者から農薬で死んだと思われるようなデータは
ほとんど上がってきておらず、行政も対応のしようが無い。

また、日本で蜂がいなくなってるのはCCDではないという話もある。
本当のところ、日本で何が起こっているのか
いまだに誰にも明確にはわかっていないということだ。

病気・ダニの蔓延と、薬剤に抵抗性のついたものの繫殖と、
西洋ミツバチの弱体化なども原因の一部。
もちろん農薬で死ぬものもいる。しかしそれが全てではない。

蜜を採取している養蜂業者が廃業するのは、
蜂が死ぬからではなく、高い国産蜂蜜が売れないからだ。

送粉業による搾取と蜂の死、一方向から見た伝聞話、そして農薬。
それらをなにもかもごっちゃにして話していると
「かわいいミツバチが農薬のせいで死んじゃうなんて許せない」って話になる。

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蜂蜜は「はちみつ公正取引協議会」というところが表示の指導をしています。
また日本養蜂はちみつ協会ってところも会員向けに基準を定めています。でもね。
ここの登録会員になっていなければある意味フリー。蜂蜜業界は、中国産混ぜてたり、
シロップ混ぜてたりのまがいものがわりとまかり通ってる業界なのでした。



実際には人間が長年劣悪な環境で搾取し続けていたりとか、
冬季は砂糖水を与えて生かしてるけどほんとにそれでいいのかとか、
中国から輸入した使用禁止のダニ剤を使ってたりとか、
抗生物質の与えすぎとか、蜂類の疾病を把握できていないとか、
農薬以外の人為的な原因はたくさんあるのだ。

そういうことを知り、ネオニコ規制という騒ぎを見ると
何が目的なんだろうと考えてしまう。ネオニコだけじゃなくて、
有機リンだって蜂を殺しまくってるのだ。

素人のわたくしですら、妙だなあって印象を受けるこの話。
自分で調べてみればみるほど違和感を感じるのだった。


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わたしたちの知らない畑のなかの虫の世界

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オクラの葉についていたケムシを見つけ、うれしそうな根本先生。
お持ち帰りで同定されるとのことでした。虫を見つけると子どものように喜ぶ
根本先生は、偉い人とはとても思えないチャーミングな方でございます。



茨城県のさちこさんの畑で、天敵観察会を開催した。
講師は保全生物的防除研究会代表。根本久さん。

根本先生は埼玉県農林総合研究センター水田農業研究所の
元研究所長で、天敵についての著書も多数ある、
いわば「害虫と天敵博士」なのでございます。

根本先生の目を通して畑を見ると、
なんてことない普通に生育している畑の風景が
全く違うものに見えてくるから、大変驚く。

畑の、小さな虫たちの世界。

人間があずかり知らぬところで
食ったり食われたりの攻防を繰り返しているのだった。

農薬をまいていない畑には、虫がたくさんいる。
人間の都合で「害虫」「益虫」に分類されているが、
どんな虫にも天敵がいて、ある虫が増えてくると
天敵もやってきてそれを食べるということが必ず起きる。

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なすの新葉にぎっしりついている葉ダニ。オレンジ色のぽつぽつは、
ほこりにしか見えないけど、実は全部ダニ。ちっこい手足が生えてます(泣)。
葉の葉緑素を吸い取り同化できなくするので、通常は農薬で退治します。



これを邪魔するのが農薬。

だから、畑作の場合はまかない方がいいのよね。
せっかくの土着天敵が活躍できなくなっちゃうから。

さて、さちこさんのなす畑にいたのは、まずダニであった。

乾燥するとどこからともなく飛んできて、繁殖する。
乾燥しない環境づくりをしてやると、ダニはあまり繁殖しない。

なすの株元にワラのマルチなどがおいてあると、
そこで天敵が繁殖したり、隠れたりできるのでダニが減る。

黒マルチで乾燥が助長されるとダニが増えて行くので、
通路にワラや除草した草などを置くといいらしい。

ダニはまず下葉につき、だんだん上に上がって来る。
下葉で樹液を吸いつくすと、新葉に展開する。
新葉がダニ天国になると、ほそ~い糸をはいて隣に移動する。

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カメムシの卵からちびカメムシが大量に孵化したところ。見つけ次第捕殺!です。
肉眼で見てもちゃんと見えなかったんだけど、画像にはバッチリ写ってました。
これが大きくなるとちびきゅうりの樹液を吸い、変形果・スの原因になるのでした。


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これがカメムシの卵、あちこちにけっこう産みつけられてます。
見つけたら全部つぶしましょう。何しろカメムシと言ったら難防除害虫。
被害がどんどん大きくなりますからね。



ダニは水分に弱いので、弱い水流で水をまいてやるといい。
ダニの幼虫は水に流されて全部下に落っこちる。
落っこちたダニは地面近くにいるさまざまな虫に食われてしまう。

うまく循環しているのだね。

姿は見えなかったが、ナスの葉にマメコガネの糞があった。
この糞を葉につけたままにしておくと、新しいマメコガネを呼ぶ。
糞を見つけたら取り除くことが大切と根本先生は言う。
糞のにおいに釣られてさらにマメコガネが飛来するからだ。

さちこさんの畑にはいなかったが、なすの葉を食害する
ニジュウヤホシテントウ(テントウムシダマシ)は、
成虫で越冬し、まずじゃがいもの葉を食べにくるらしい。

じゃがいもが終わったらなすに移動して葉を食害する。
その生態を知っていれば、じゃがいもとなすの圃場を離すことで
なすへの食害を防ぐことができる。

また、ニジュウヤホシテントウはイヌホオズキの葉が大好きなので、
イヌホオズキが畑にあるとそれを食べに飛んでくる。
そこからなすに移動されて被害が大きくなる可能性がある。

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益虫の代表格「ナミテントウ」の幼虫。さなぎになるまでそこにいて
アブラムシをがっつり食べてくれます。見つけたら大切にしましょ~。

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これがナミテントウのさなぎ。つぶしてはいけません。
通常7月ごろにはナナホシテントウ・ナミテントウは暑くなるのでどこかにいなくなり、
ヒメテントウが登場するらしいです。ヒメテントウは2mmくらいの小さなテントウムシ。
甲虫だと思ってつぶしてはいけません。

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ナミテントウ成虫。よく見かけます。さちこさんの畑には
いろんな状態のテントウムシがいるのでした。畑で繁殖してるんでしょうねえ。



であれば、イヌホオズキはさっさと抜いてしまうのが賢明だ。

このようなほんの少しの知識で、虫害を防ぐことができる。
しかしその知識を持っている人はあまりいない。

天敵の研究者が畑に来てくれればいいけど、
そんな機会はめったにないし、本を読んでもあまり書いてない。

根本先生は以前、埼玉県の瀬山明さんの畑で
有機圃場における天敵の研究をしたことがあった。

その際、お隣の慣行栽培のなす農家にいろいろとアドバイスをし、
70回(成分散布)ほどまく農薬の数を10回くらいに減らしたらしい。

農家はとても喜んでた。経費と手間がかからず、肉体的にも楽で
収量が変わらなかったから。

発生している害虫に対する的確に指示による理想的な減農薬。
誰にでもできるわけじゃないけど、することは可能だ。

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「雑草」としか認識してなかったけどこれがイヌホオズキ。
けっこうあちこちで見かけるよね。ニジュウヤホシテントウの被害はよく聞くので
この草を取るだけで少しでも減らせるならと思ってしまいましたです。



こんな風に研究者と農家の間をとりもつ立場の人っていないのかな。
小さなことだけど、知ればとても大きな力になるのにな。

なんてことを、再度考えた天敵観察会でありました。


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プロフィール

ほんたべ

Author:ほんたべ
手島奈緒
おいしい食べものをつくる人を紹介したり応援したりしております。ブログをまとめた著書『いでんしくみかえさくもつのないせいかつ』(雷鳥社)『まだまだあった! 知らずに食べてる体を壊す食品』(アスコム)『儲かる「西出式」農法』(さくら舎)など。現在ハンター修行中。

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