1年間ありがとうございました。皆さま良いお年を!

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今年のベストショット。イナゴに細かい毛が生えてることを初めて知りました。


28歳のころ、20坪の家庭菜園でなんちゃって有機農業を営んでおりました。

落ち葉を拾い堆肥を作り、自家製ボカシを追肥にして作物を作る日々。
春先のキャベツとレタスには必ずナメクジが入ること、
よく見ずに菜っ葉を持って帰ると台所に虫が這うことなどを発見し、
虫がつくものは作らないという方針のなか、のらくらと畑を耕していました。

当時は有機JAS認証などない時代。
「私は有機農業やってます!」と言えば、有機農家であると言われた時代です。

優良誤認まみれの農産物があちこちで売ってたあの頃、
今から考えるとおおらかな時代だったなあ…と遠い目をしてしまいます。

そんな時、某老舗有機野菜の宅配会社の求人広告を見つけました。

有機農業界で有名なその会社に入社したのは、どこかの農家と仲良くなって
いつかは農業で食べていきたいと考えたのがきっかけでした。

しかし当時まだ100万くらいしたMacでデザインするのが大変とても面白く、
農業への意欲をうっかりどこかへ置き忘れてしまったです。
家庭菜園も粗放になり、大家さんに叱られて撤退してしまったです。

ミツバチトリミング
生まれて初めてミツバチがかわいく撮れた一枚。
つぶらな瞳、足カゴの花粉パンがうふふふって感じです。



そして、虫が大嫌いだった豚肉とシイタケが食べられない偏食の小娘は、
広報・編集デザインから仕入れ部署へ異動し、農家周りを経験していくなかで
何でも食べる大酒飲みの立派なオバサンになりました。

腹周りの脂肪とともに、農業とその界隈についての知識が大量に蓄積され、
この知識をもって人さまの役に立ちたいと思って退社したのが2年前。

退社して世間を冷静に見てみると、世の中は食べものについて無関心で、
とくに食べものの生産現場について、全く知らされていないことに驚愕しました。

私はそれまで小さな小さな世界で生きていたのだと気づいたのでした。
有機農業という閉じられた世界でぬくぬくと守られていたのだと。

そんなちっこい自分にとりあえずできること。

人さまの役に立つどころか、迷惑をかけて生きているような現在ですが、
WEBサイトを開設し、「ほんものの食べもの日記」を書き始めました。

最初は1000字程度だったのに、最近では2000字書いてしまってるです。
こんなに文字の多いブログを読んでくださってありがとうございます。

またブログを通じていろいろなつながりができました。
これは思ってもみなかったことですが、とても感謝しています。
今年出会えた方、読んでくださった方、全ての方に感謝です。

来年も、生産の現場と農家のことをお伝えしていきたいと思っています。
今後ともよろしくお願いいたします。


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農薬を使い続けてしまう理由

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見つけやすくわかりやすい天敵くん、カマキリ。
冬の間に卵を見つけて畑に移植すると、春にはちっこいのがたくさん孵って虫を食ってくれます。



以前働いていた会社で、生産者の自主基準集という冊子を作ったことがありました。

農家手書きの原稿をテキスト入力し、レイアウトしている最中、
原稿の中に、どう読んでも「リーサージェンヌ」と読める見慣れない言葉がありました。

「タ、タカラヅカ…?」 私の頭の中には金髪巻き毛のオスカルが
高らかに愛を歌う光景が…ついでにその原稿にその絵も書いてしまいました。
そして農家に質問した担当者から返事とお小言がやってきました。

「あれさあ、リサージェンスなんだって。それと、もう原稿に落書きすんのやめてね」

リサージェンス…普通に暮らしていたら一生耳にしない言葉。
ざっくり言うと、虫に農薬が効かなくなる現象のことを言います。

ひとくくりに「害虫」と呼ばれていますが、畑や田んぼの中にはたくさんの虫がいて、
それぞれの虫に天敵がいて、食べたり食べられたりを繰り返しています。

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アブラムシの天敵ヒメハナカメムシとその卵塊。でもこの虫、アブラムシと目が同じなので、
アブラムシを殺す農薬をまくと死んでしまいます。ヒメハナカメムシの登場は6月。
6月以降にアブラムシに効く農薬をまかないことが天敵温存につながるのです。
写真提供・市川泰仙


その中には、一年に一度卵を産んで死ぬものもいれば、
一年のうちに3代も4代も世代交代をするものがいます。

おおむね害虫と呼ばれ嫌われているものたちは世代交代が早く、
昨今の温暖化で一世代余分に世代交代するものまで現われているらしく、
虫の世界でも大きな変化が起きているようです。

さて害虫は農薬で殺す…これが近代農業の考え方なのですが、
毎回同じ農薬を使っていると、世代交代の早いものから抵抗性を獲得します。
最初に使った農薬で生き残ったものが、次世代を作るわけですから
同じ農薬を使っていると、生き残るものがどんどん増えていくというわけですね。

だいたい最初の農薬散布で天敵は姿を消しています。
ということで、害虫を食べるものがいなくなった状態の畑で、
農薬に抵抗性をもった害虫のみが増え続け、わしわしと作物を食べ続けるのです。

リサージェンス…恐ろしや。

病虫害3
なんの卵か同定不能…こんなちっこい卵からちっこい虫が孵るのですね。
よく観察しないと畑の虫は見つけることができません。(今回幼虫系の写真は自粛しております)



一度抵抗性を獲得した害虫はよその畑でも繁殖するため
地域全体で使える農薬がなくなって大変ってなことにもなります。

昨今では害虫に抵抗性をつけないよう、またついている害虫を増やさないよう
防除暦では同じ農薬を続けて使わないように指導されています。

しかし、古い考えの農家の方は「出た→まく→また出た→まく」を繰り返し、
ますます抵抗性をつけてしまう…なんてことになりがち。

今年、抗生物質の耐性菌が話題になっていましたが、
虫の世界でも以前から同じようなことが起こっているのでした。

さてこの天敵類、どれぐらいで戻ってくるのかというと、
絶滅系農薬を散布しなくなれば、半年ぐらいで戻ってくるそうです。
しかし散布し続けているとその都度死ぬわけなので、おそらく栽培期間中は、
天敵くんたちはほとんどいない状態が続いているってことのようです。

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果樹類の難防除害虫ワタムシ。ワタ状のものにくるまれているので強い農薬しか効きません。
通常の農薬散布をしていれば、あまりお目にかかることはないのですが、
低農薬栽培を始めると必ず現れ、皆が困る害虫です。農薬ってスゴイですね。



実は、土の中でも同じことが起きています。

健全な土には、土壌由来の病気を抑制する微生物が存在しているのですが、
昨今の指導は「土壌病害は土壌消毒剤で微生物を絶滅させることしかない!」なので、
こういった菌も病気を起こす菌も絶滅させてしまってから、作物を栽培しています。

無菌状態で作物が栽培できるので、殺菌剤が減らせられるかと言ったらさにあらず。

微生物の拮抗がなくなった畑では、特定の菌のみが繁殖することになりやすく、
結局、病気が発生するため、殺菌剤に頼らざるを得なくなるのです。

こういうのを「負の連鎖」って言うんでしょうか。

農業には虫も微生物も必要で、要はバランスなのだということを
もっと知ってもらいたいなあと思います。

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意外に大食漢のアマガエルくん。一日60匹のウンカを食べたという記録もあります。
大量の虫を食べてくれるのはいいんだけど、天敵も害虫も関係なく何でも食べちゃうのが難点。



耕作面積当たりの農薬散布量が世界でほぼ一番の日本。
いつまでこの不名誉な状態が続くのか…せめて3位位になって欲しいのですが。

それは有機農業に取り組んでいる方たちの双肩にかかっています。
天候不順の年が続きますが、みなさん、来年もがんばってくださいね!



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農民の心と思いを醸す蔵―山形県・東の麓酒造

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農民が農民のために造った酒「耕心」。
加水してない原酒なので、キレはいいのにがつんとくる力強さが自慢。
生ならではの華やかな香りも楽しめるお酒です。



山形県の農民たちの団体「おきたま興農舎」が、自分たちの米で造った純米吟醸酒があります。
農民の心をこめたその酒の名は「耕心」。

先日「耕心」を仕込んでいる南陽市の「東の麓酒造」に蔵見学に行ってきました。

おきたま興農舎では、山形県オリジナルの酒米「出羽燦々」が生まれた時、
酵母も米も、全て山形県産のもので酒を作ろうと、
オリジナル純米吟醸酒を、東の麓酒造に依頼しました。

東の麓酒造は規模としては500石と、小さめながら全国新酒鑑評会で何度も金賞を取った、
知る人ぞ知る、おいしいお酒を造っている蔵です。

地域とのつながりを大切にしていることから、
おきたま興農舎の試みを快く引き受け、現在に至ります。

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東の麓酒造社長・遠藤孝蔵さん。創業141年の小さな蔵、遠藤さんは8代目にあたります。
蔵人は冬季の間も基本的に地元採用。家庭的な雰囲気で酒造りがされています。



最近では「オリジナル酒づくり」が流行のようになっていますね。

しかし最低ロットとか酒米の手配などで、酒蔵側に負担がかかることが多く、
仕込んだ酒の売り先などで二の足を踏まれることも多いとか。

地酒ブームが過ぎ去った昨今では、通常の酒ですら販売に苦心するのですから、
知名度も取り扱ってくれる酒屋もない「耕心」は、古酒になることも多い酒。

古酒の価格が高額なのは冷蔵庫代や場所代など、
何年も「そこにあり続ける」ことが経費の上乗せになるからなのですが、
東の麓酒造では地元の農民の心意気を受け、冷蔵庫代・保管代もなんのその。
瓶詰めした後マイナス8度で、できるだけ空気に触れないよう大切に保管しています。

普通の酒蔵ではこんなことはしないもの。
長年地元で酒を造り続け、皆に愛されてきた蔵だからこそできることなのでしょう。

古酒になった「耕心」は、より味わいが増すことを発見したのが去年のこと。
どっしりとした中にもキレのある、おきたま興農舎自慢の酒に成長しました。

農民と酒蔵の思いがこもった耕心は、加水しない純米吟醸生原酒。
今年度産の残りはあと400本…来年中に売れるといいですね。本気で祈ってます。

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試飲させていただいた酒。手前からわたくし好みの順番に並べました。
東の麓大吟醸は、平成22年全国新酒鑑評会で栄えある金賞を受賞しました(写真のものとは違います)。
また、平成22年度全米日本酒鑑評会の金賞も受賞。スゴイですね! 海外の人にもわかる酒なのです。
国内での需要がいまひとつ伸びない日本酒業界、今後は海外への販売も視野に入れています。



お酒に関するもっとも古い文献をご存じですか?

それは私の出身地に近い土地で起きた出来事、
「日本書紀」にあるヤマタノオロチ退治の物語です。

八つの頭がある怪物(キングギドラじゃないよ)「ヤマタノオロチ」は、
たらふく酒を飲んで酔っ払い、簡単にスサノオノミコトに退治されてしまいます。
オロチの尻尾から草薙の剣が出てきたという有名なお話ですね。

オロチが飲んだこの酒は、口噛み酒か果実酒であろうと考えられています。

果実酒→果実の糖をアルコールに変えるだけの酒は私でも造ることができます。
しかし、日本酒はちょっと敷居が高い。なぜなら日本酒は、
世界でも珍しい方法―並行複発酵という方法で作られているからです。

糖化と発酵を断続的に行うその方法は、米の澱粉を麹が糖化し、
その糖を酵母がアルコールにするというもの。
米の澱粉を利用して酒を造る…まさに、ごはんの国、日本人のためのお酒です。

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米を蒸す釜とボイラー。以前は下に人がいて薪をくべて火を焚いていたそうです。
火加減がとっても難しかったとかどうとか。
昔ながらの設備を生かし、できるところは近代化した…東の麓酒造さんの蔵はそんな感じでした。

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蒸し上がったお米を釜から外に出すときに使う下駄と木のシャベル。
本当にむか~しからこの蔵で使われてきた、昔ながらの道具です。感動しました。
下駄は米をつぶさない・滑らないという利点があるそうですが、指は火傷しないのかな。



さて、平成4年に「特級」「一級」など日本酒の等級による表示は廃止になり、
現在では原料や製法が一定の基準を満たすもののことを「特定名称酒」と呼び、
それ以外を「普通酒」と読んでいます。

私たちが日頃よく目にする純米酒、吟醸酒、本醸造酒などは特定名称酒。
醸造アルコール、糖類、酸味料、うま味調味料などを加えてあるものなどが普通酒。

普通酒はあんまり飲まないと思うので、特定名称酒のことのみおおまかに言うと、
純米酒<吟醸酒<大吟醸酒ってな感じで、どっしり感が薄くなり、
スッキリとした味わいと華やかな香りが強くなっていきます(ように思います)。

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35%まで削ったお米は丸くてとっても小さく、これが酒になるなんて信じられない感じ。
科学技術の進んだ現代ならではの酒、吟醸酒。江戸時代のお殿様でもこんな酒は飲めなかったのです。
素直に「この時代に生まれてきて良かった!」と喜んでしまいますよね~。

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米の澱粉を糖化する麹を米につけて繁殖させ、麹米を作っているところ。
麹のお部屋は全部杉板張り。暖かく清潔で、麹のニオイが充満してました。

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その麹のもと。箱に「もやし」と書いてありました。
「これは愛知のもやし屋さんのもの」と社長。ほんとにもやしって言うんだなあ…。

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麹カビをつけた米、ちょっと白くなってますね。これが真っ白になると完成です。


こういう言い方をすると日本酒好きの人に怒られそうですが、
吟醸や大吟醸は、ワインのようにするすると飲める女性向きの酒。
(中にはサクサクとキレのいいおじさま好みの酒もありますけど…)

その理由は飲み口の良さと果物や花のような芳香にあります。

米の周りを60%以上削り、芯の部分を使う吟醸酒(大吟醸酒は50%以下)は、
外側のたんぱく質・脂肪分などがそぎ落とされた雑味のあまりないお酒。
普段使いのお酒ではないと言う人もいます。

でもがっつりとした米糠のニオイのする酒を熱燗で…なんてのはおじさま方にまかせ、
口当たりのいいグラスで色合いも楽しみたい、女性にはやっぱり純米吟醸酒。

焼酎のような蒸留酒は、ごはんを食べながら飲むにはちょっと強すぎる。
さらに果物の香りが強すぎるワインでは、和食にはちょっと…って感じです。

ニッポンのごはんには、やっぱりお米のお酒ですね。

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まず最初に、麹と酵母、米を合わせてもろみを作ります。
味を一定化させるため、最初に小さなタンクで酵母を増やし、それを大きなタンクに移すんだそうです。
もうすでにお酒のあま~い香りが漂っておりました。

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これ全部日本酒のタンク…酒好きにはたまらん風景ですなあ!
写真は案内をしてくださった高橋啓さん。

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「わーいわーい」と酵母の小さな声が聞こえてくるような勢いで、バンバン発酵しています。
きっとこれ、お米サイダーみたいでおいしいんだろうなあ…。
自分で酒を作ると、この段階が一番おいしいんですよね(あとはなんか酸化していくだけって感じ)。

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仕込んだ酒が貯蔵されているタンク。今回初めて知りましたが、
吟醸などの特別な酒以外は、新酒と昨年の酒の味が変わるとお客様が気づいてしまうので、
新酒と前年の酒を少しずつブレンドしながら味を確認し、売って行くそうです。
そんな配慮がされているとは…なんだか少し感動しました。

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昔ながらの道具と便利な道具が混在している蔵の中。
お酒のあまい香りが漂う清潔な空間は、近代的な蔵しか知らない私には貴重な経験でした。



焼酎ブームと言われて久しい昨今、
日本酒の売り上げはいまひとつはかばかしくありません。

以前、大手酒造メーカーの「お米だけで造ったお酒」とかいうCMを見て
「じゃあ、今まで他に何を入れてたんですか? ねえねえ、ねえったら!」と
思わず突っ込んでしまった私ですが、
「米だけで造った酒」が付加価値商品になるってことは、日本酒ってどんなものなのか、
知ってる人しか知らないってことなのだろうなあと思います。

日本のおいしい水と米を使い、何百年もの発酵の歴史と文化を持つ酒。
もう少しがんばって欲しいですね。

私も飲みすぎない程度に、4合瓶くらいで応援したいと思います。

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きっと今はもう雪景色であろう東の麓酒造さん。蔵見学もさせてもらえます。
詳しくはホームページを↓

東の麓酒造URL↓販売店の紹介もされています。
http://www3.omn.ne.jp/~yamaei/
蔵人のブログ「蔵人日記」↓
http://blog.goo.ne.jp/kurabito/

「耕心」にご興味のある方↓おきたま興農舎のホームページ
http://y-umaiya.com/list/index.html


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山形県のブランド米「つや姫」を食べてみた!

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写真を撮影した後に「つや姫」と知り、ちょっとうれしくなった稲穂の写真。
粒がしっかりしていて美しい稲穂ですね。



山形県が総力あげて売り出している新品種「つや姫」。

何年か前の「はえぬき」「どまんなか」の失敗を糧に、
ものすごいブランド化が図られていたことを知りました。

よくJAがOKしたなあ…と思うその戦略とは、
①特別栽培米及びそれに準ずる栽培内容であること
②栽培期間中の圃場確認が何度か入る・栽培記録の提出
③できた米のたんぱく含有量7.5%以上のもの及び3等以下のものはつや姫の標記はできない

これは厳しいですね。驚きました。

種もみも「作りたい」と言った農家全てに渡したわけではなく、
3町以上の認定農家で上記条件を満たせる人のみ。

実は山形県の米栽培総面積の5%未満の面積でしか栽培されていないのです。

常日頃、初期の除草剤一回しか使わない私の知り合いの農家は
特別栽培でも何てことなかったのですが、慣行栽培の人から見ると
上記の条件はけっこうハード。誰にでもできるという話ではなかったようです。

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一粒ひとつぶが大きいのがつや姫の特徴。ってことはひょっとして収量もいい?
だれも「うん」とは言わなかったけど、ちゃんとできれば収量はいいんじゃないのかなあ。



さて「特別栽培米」って何だっけ?という方も多いと思います。

「地域の防除暦の農薬数50%減、化学肥料(チッソ分)50%減で栽培された農産物」。
つまり肥料(化学肥料)も農薬も、慣行栽培の半分以下で栽培されたものについて
「特別栽培農産物」と称して販売することができます。

「特別栽培農産物」は、有機JAS認証はハードルがとっても高くてムリだけど
慣行栽培よりもがんばってるんだもんねという人が取ることが多いのですが、
米以外は差別化がうまくできておらず、さらに米でも「特栽?何それ?」とか言われて
あまり優位性があるとは言えません。

消費者が知らないことが原因だと思うんですが、そもそも慣行の作り方を知らなければ
優位性などわかろうはずもなし…何か情報の伝達が滞ってるのでしょうね。

さて、山形県の「つや姫」防除暦はチッソ分6.12kg、農薬成分回数20回。
この50%以下で栽培されているということですね。
(除草剤含め、農薬は10回も使えるのです。びっくりしました)

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今年、収穫間際に稲が倒れてしまっている田んぼをたくさん見ました。
雨降りが多かったこと、強風が何度か吹いたことなどが原因。稲刈りにも苦労してました。


さて、過去のブランド米「はえぬき」の失敗の理由は何だったのでしょう?

このお米、おいしく作ればとてもおいしい米でした。
ただ、チッソ分を多くしても稲が倒伏しないという特徴があっただけ。
これが失敗の原因でした。

チッソは収量を上げますが、コシヒカリやササニシキなどは
あまりたくさん入れると稲が大きく長くなり、倒伏してしまいます。
倒伏すると商品にならないため、チッソ量については皆がちゃんと配慮します。

チッソを入れても倒伏しない品種というのは、農家にとってはとてもありがたい品種。
収量が上がって倒伏しない…こんないい米はない!ってわけです。
しかししかし。一番大切な「食味」が悪くなってしまう、それがチッソ過多の問題点。

米の食味を大きく左右するのは「たんぱく含有量」。
たんぱく質の元はチッソなので、チッソが効きすぎている米はまずいのです。

おいしいというはえぬきの評価がじょじょに下がっていったのは、
農民皆がバンバン入れたチッソのせいだったのでした。

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名前の通りつやつやと光るごはん粒。「つや姫」って名前もセンスいいですね。
まあ少なくとも「どまんなか~っ!」よりはオンナゴコロをつかみます。



実は「つや姫」も「はえぬき」同様倒伏しにくい品種。
だからチッソ量の制限をかけ食味の低下を厳しく制御したのです。

食味のばらつきがあれば「ブランド化」はできませんから、すごく正しい戦略で、
さらに、それを貫徹したのが「スゴイ!」と思うところでございます。
「つや姫」にかける山形県の並々ならぬ思いが伝わって来ます。

また栽培期間も気を抜かず、出穂前に新葉から二番目の葉の色を調査し、
濃すぎるものは「つや姫」として売れなくなったという話も聞きました。
栽培している田んぼを普及員が全部回り、葉色調査をしたってのもスゴイです。

つまりチッソを入れ過ぎてた農家は、ここで振るい落とされたということですね。
うーん、そこまでするとは! 徹底しています。

このような山形県と農家の努力によってブランド化されたつや姫は、
一定レベル以上の食味が確保できていて、なおかつ安全。

そんなお米が一般的に販売され、どのスーパーでも買えるってのがまたスゴイです。
売り上げ的にはかなりいいらしく、米不振の昨今「良かったなあ!」と思う次第です。

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私が食べたのは、おきたま興農舎の除草剤一回使用、無化学肥料のつや姫。
いや~、おいしかったです。通常のつや姫よりも基準を厳しくした「たかはだブランド」のお米は、
銀座の山形プラザで購入できるそうです。ぜひ試食してみてください。ほんと、おいしいから。



さて、食べてみた感想は…ふひょ~んってな感じの、しあわせのおいしさ。
つや姫は粒が大きいのですが、柔らかめに炊いても一粒一粒をはっきり感じます。

なんと言ったらいいのか、もっちりとしたごはんつぶをぷちぷち食べてる感じなのですが、
それが不快ではなくて気持ち良く、さらに甘みがじんわりと口中に広がり、
「ああ、おかずなんていらないわ! 白飯だけでわしわし食べたい!!」という
猛烈な欲求がわきあがってくるようなおいしさでした。
(ボキャブラリーが貧困ですみません)

とにかく、さすが、つや姫! 当分私はつや姫に夢中です。次も買います。

きっと羽釜杜夫で炊けばさらにおいしくなるでしょう。
おいしく炊ける電気釜まで欲しくなった、つや姫の試食でございました。


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有機野菜がおいしい理由

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家庭菜園2年目にできたかぶ。虫害もほとんどなく、とろけるようなおいしさでした!
しかし初年度にできたかぶはいまいち…土のバランスが悪かったのか、微生物のせいか。
自分ちで作った有機野菜だからと言って、手放しでおいしいわけではないのでした…。



「化学肥料や農薬を使った野菜よりも、有機栽培の野菜の方がおいしい」
なんとなくそうなんだろうなと思ってる人が多いんじゃないでしょうか。

実際に食べてみると、確かにおいしいと感じるものが多いです。
しかし有機栽培だからと言って、おいしい野菜ばかりではありません。

その差はどこにあるかというと、土づくり、そして肥料。
土づくりの話は長くなるので、とりあえず肥料の話をざっくりとしたいと思います。

作物を作るにはN・P・Kの3要素が必要と言われます。
この中で収量をUPさせる肥料はというと「チッソ」です。Nですね!

さて、化学肥料のチッソ成分は、どんな形をしているのでしょう。

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水耕栽培のサラダ野菜を食べてみました。フツーの味でした。
液肥のみで野菜は栽培できるし、栄養価もそれなりにあり、無農薬で安全と人は言います。
でも土で育った野菜とは似て非なるものだと思うのは、なぜ?
微生物の役割など、まだ解明されていないことを無いことにして栽培されているからかな?



肥料として販売される際のチッソ分は、おおむねアンモニア態チッソという形をしています。

堆肥のチッソ分も発酵時にアンモニア発酵をしていることが多いため、
ほぼアンモニア態チッソの形をしています。

さてこのアンモニア態チッソ、土中で硝酸化成菌という微生物に分解され、
硝酸態チッソになります。

硝酸態チッソ…作物に大量に含まれると毒になり、牛も死ぬとか言われ、
「有機農業は危険だ!」という週刊誌の主張にもなる物質です。

実は植物は、チッソ分を硝酸態チッソでしか吸収することができません。

有機質肥料も化学肥料も、チッソ分が植物に吸収される際には同じ物質なのですね。
えっ!びっくり! 初めて知った時、私は驚きました。

だから、有機質でもチッソ分の多い肥料は、きちんと土づくりができていないと、
虫や病気が多発してしまい、硝酸態チッソの残留値も高くなってしまうのです。

有機栽培が危険だとか、無施肥栽培がおいしいとか言われている理由です。

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ちょっとチッソが多い感じの小松菜。最近の小松菜は色が濃い品種とかあるので、
色合いだけで硝酸態チッソの残留を想像するのはちょっと難しい…でも生で食べるとわかります。
チッソが適量かどうかを見るには、生長点が黄緑色をしていること。
ここが濃い緑だと、チッソを吸い過ぎています。自分で確認できるチッソの効き具合です。
(アブラムシがついてたらそれはチッソ吸いすぎ。光合成を促すために酢をまくとかしましょう)



収量を増やすにはチッソ分が多ければ多いほどいいため、施肥設計の基本はチッソ分。
(一般的にはチッソの供給はほとんどが化学肥料です)

しかし、チッソが多いと基本的に植物は軟弱に育ってしまうため、
病気や虫の被害を受けやすくなります。これを農薬で抑えて野菜を大量生産…
近代農業の理屈はこういうことなのでした。

さて昨今の研究で、植物はアミノ酸を吸収するということがわかってきました。

植物は硝酸態チッソを吸収した後、光合成により体内でアミド態チッソ→アミノ酸→
たんぱく質と変化させていき、自分の体を作っています。

硝酸態チッソよりも2段階後のアミノ酸を吸収すれば、あとはたんぱく質を作るだけ。
工程が少ない=体内の糖分を使用しないため、余分な糖分が作物の中に残ります。
糖分が残れば糖度が上がりますから、おいしくなります。

ものすご~くざっくりとした説明ですが、
これが有機栽培の野菜がおいしい理由と有機栽培のメリットなのです。

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冬場のほうれんそうはおいしいですよね~。トンネルをはがしてお日様にあて、風を通しているところ。
夏場など、虫害が怖いため虫よけの資材を利用することが多いのですが
日光を遮り光合成を抑制するため、チッソ残留が少し高くなることが知られています。
チッソが多くても光合成をきちんとしていればOK。でも雨続きだったりすると難しいですよね。



ちなみに、葉物の硝酸態チッソの値と糖度の相関関係を調べると、
硝酸態チッソの残留が多いものほど糖度が低いという結果が出ます。
数値的にも証明されているのですね。

だったら肥料分をアミノ酸で与えればいいじゃないか…そう思いますよね。
しかし、チッソをアミノ酸の形にしておくには、化学肥料でも堆肥でも難しいのです。

そこで、ボカシの出番です。

有機質肥料というと、必ず高温の発酵させた堆肥のことを皆思い浮かべます。
病原菌や雑草の種を殺すことから、堆肥は80度以上に発酵させろとか本にも書いてあります。
しかしこの高温時にチッソ分は、アミノ酸→アンモニア態チッソと変化しています。

また、堆肥は肥料と言うよりは土壌改良剤のようなもの。落ち葉などの炭素分を供給し、
腐植を増やすのが目的のため、肥料としては効率が悪い場合もあります。

肥料として効率よく、アミノ酸を供給できる有機質肥料がボカシ肥なのです。

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手作りボカシで正しく生育しているキャベツ。写真なので色がちょっと微妙ですが、
外葉は緑で少し内側の葉は黄緑、玉が薄黄緑色。こういった生育状態だとチッソがうまく効いています。
キャベツなどは外葉の大きさで玉の大きさが決まるため、初期のチッソが大切な作物。
しかし初期に大量にチッソ分があると大きな玉にはなるけど、虫も病気も出てしまいます。
生育期間が長いため結局農薬もたくさん使う、意外と難しい作物です。



高温にせず、低温でじっくり時間をかけて作ったボカシは、
アミノ酸の他、微生物が生成した植物ホルモンなども含まれています。

植物ホルモンは植物自身も作っているものですが、
土中から余分なホルモンを得ることができれば、生育がよくなります。

有機質肥料でしか作れないアミノ酸、そして植物ホルモンを得られること。
有機栽培には、安全・安心以外にこういったメリットがあるのです。

確かに長年ボカシ肥を入れている人の野菜は本当においしいもの。
その他、腐植・微生物の働き、団粒構造…さまざまな事柄も必要なのですが、
肥料分として優れているのは、やはり、ボカシなんじゃないかなあと思います。

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手作りボカシ。毎日ちきちきと混ぜ合わせ、高温にならないように手入れします。
冬の間のこの手間が、翌年一年間のおいしい野菜の原材料になるのですね~。
必要なのは屋根のある倉庫。家庭菜園組には手作りはちょっと難しい…。



ちなみに家庭菜園でもボカシを使うと味が格段に上がります。
ちょっとお高いですが、またそこいらに売っていないのですが、以下の商品はお勧めです。

わたくし今年、区民農園が当たったらボカシを入れて、
2年目から最高においしい野菜を作りたいと思ってます。


購入ボカシ肥でオススメなもの

★「錦654」 半生ボカシ 加藤工業所 
http://www.kato-industry.com/ferti/products01.html

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儲からない農業なんておもしろくない!―千葉県・桜井誠さん

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桜井誠さん。趣味・サーフィン。農業関係の本を読み漁るすごい勉強家です。
「サーファー農民って紹介してくださいね!」ってことでしたので、そう書きましたです。



「農業って、9時から5時までの仕事じゃないんですよね。
忙しいときは朝早くから働いて、夜も遅くなる。それが当たり前の仕事。
だから、農業参入する企業がうまくいかないのは当たり前なんです」

もともと実家が農業を営んでいたという桜井さん、昔から「いつかは農業を」と思っていました。
サーフィンが好きなので千葉に引っ越し、某居酒屋チェーンの自社農場でアルバイトをし、
その縁で現在、「株式会社雲地ファミリー農園」で働いています。

自力で農場を立ち上げたわけではないけど、新規就農者。
わざわざ法人化された組織に入ったのには理由があります。


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この日はブロッコリーやかぶの出荷でとっても忙しい日。
このブロッコリーをいただいて帰ったのですが、本当おいしかったです!
おいしいものには説得力がありますよね~。



「僕の実家はクワイと米、れんこんを栽培してました。
父がもう農業を辞めちゃってたので、僕は後継者にはならなかった。
でもなんとなく農業という仕事から離れたくなくて、
居酒屋チェーンの農場でアルバイトしてたりした。

そこで学んだことは、サラリーマン感覚では農業はできないってことでした。

自分たちの作ったものが即報酬になるんじゃなくて、
毎月同じ額のお給料をもらえて食べものを作るでしょう。
そうすると、食べものの生産を自分のこととして捉えられないんです。

だって、うまくできなくてもお金をもらえるんだから。それで一生懸命になれますか?
だから、ちょっとここは違うなって思ったんです。

そんなとき、雲地さんに会って、後継者のいない雲地さんの話を聞き、
農家を継ぐのじゃなくて、農業を継ぐって考え方もありだと思ったんです」

雲地康夫さんは、現在の農業の在り方について疑問を持ったことなどから、
昨年、株式会社雲地ファミリー農園を立ち上げました。
家族経営という昔からの農業の形を、なんとか変えたいと考えています。

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親子というか兄弟というか、なんだかとっても仲の良い雲地さんと桜井さん。
面白い勉強会や興味深い農家があると聞くと、フットワーク軽くぴゅっと行ってしまうとか。
同じものを見て感じて話し合い、お互いに得たものを共有する…そんなプロセスを大切にしています。
これから一緒にいろんなものを作って行こう!という情熱・熱意・男気…とっても熱かったです。



「農業って家族経営でしょう。どうしても視野が狭くなってしまう。
だから会社にすることで、いろんな経験をしてきた人が入れるしくみを作った。
その人たちの経験や知識を合わせて農業の可能性を探っていきたいんです。

家族経営だと【誰かがいなくなったらできなくなってしまう農業】なんですよね。
会社組織にすれば、【誰かが継続してくれる持続可能な農業】になる。
農家という枠にしばられずに農業ができるでしょう。
株式会社になっていれば、社員が農業を継続していくことができるんです。

それに、家族経営の農業には経営的にも限界がある。

家族皆ががむしゃらにがんばればお金は儲かるかもしれないけど、
時間給換算するととてもサラリーマンには勝てない。農業ってそういうもの。

だけど、法人化することで、経費や売り上げがはっきり見えるようになる。
そうしたら、どこが弱いのかわかるようになる。
費用対効果を見ながら、効率よく面白く、強い農業を考えていきたいんです」

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この日、成田で西出さんの勉強会がありました。雲地さんも西出会の会員です。
除草剤を使わない雲地さん、西出さんに効率のいい除草の方法を質問したところ、
「草を見て草を取らないのは駄農」と言われ、ちょっとショック。でもこの畑を見たら、
確かに草が生えすぎかも…生えてる草はハコベなので、土がいいってことではあるんですけどねえ。



何軒かの農家と話をすると、割合とすぐに気づくことですが、
技術を通じた農家同士の横のつながりって、意外にないもの。

高い技術を持っていても、それを誰かに教えるなんてことをする人は、
そんなにたくさんいないものです。

農家は個人事業主ですから、自分が一番。そのせいか人の話を聞かない人も多く、
有機農業などの技術の継承がなかなかうまくいかないのは、こういう背景も影響しています。

だから、自分の技術を惜しげもなく人に与え、同じだけの高収入を得られるまで
指導する私の師匠、西出隆一さんはスゴイなあ…と思うのです。

そういった閉じられた考え方にも、風穴を開けたい…
桜井さんはそんな風にも思っています。


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11月にもなると朝は凍ってたりするブロッコリー。溶けるのを待って収穫。
冷たい風が吹く中、延々とブロッコリーを切る作業は、確かに楽しくなさそうです。
でも自分が栽培したものが収穫できる喜びはあるわけで…
それを食べた人が「おいしい!」って言ってくれれば、それも喜び。
でも現在の流通では、消費者の声が農民に届くことはありません。
そこもなんとかしたいと思っている桜井さんと雲地さんです。



「よく研修生と一緒に作業するんですけど、農業って楽しいって言うんですよ。
僕は絶対楽しくないと思う。大根を延々と抜き続ける作業のどこが楽しいのかなって思う。
同じことばっかやるのは、誰だって楽しくないですよ。

楽しいって一過性のものでしょ。
「あっ!楽しい」って思っても、それは継続されないじゃないですか。
楽しい=好きでは絶対にない。

僕は農業が好きなんです。楽しくなくても続けられるのは、農業が好きだからなんです。
そこんとこを勘違いしてる人って、絶対にいると思う。

だから農的生活って考え方が、僕にはよくわからない。
農業やるならちゃんと経営的に成り立つ、利益がきちんと出る農業をやりたい。
ちゃんとした技術も学びたい。

そのために今、社長といろいろ試行錯誤しているとこなんですよ」


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雲地さんの畑は3町(ha)。うち1町が有機JAS認証を取得した圃場です。
新規就農で有機JAS認証を取得するなど、なかなか難しいこと。
すでに技術も基盤もあるところに就職するというのは、かなりのメリットがあります。



雲地さんと桜井さんは社長と使用人というより、農業を軸にした同志のようなもの。
同じ立場でものを考え、いいなと思うことをとりあえず試してみる。
そうしているうちに、自分たちの目指す農業の形が見えてくるに違いない…
雲地さんはそう考えています。

「今ね、新規就農者が何組かこの地域にも入って来てるの。
その子たちは一生懸命農業に取り組んでて、それはそれでいいと思うんだけど、
それでは変わらないなと思うんだよね。

新規就農者が入ってきた分、高齢化の農家がやめていく。
細胞は入れ替わってるけど、担い手はできるけど、農業自体は変わらない。
そうじゃなくって、もっと地域が元気になるようなしくみがないかと思ってるんだよね」


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ハウスがあれば雨降りの日に作業ができ、出荷時期のコントロールもできるため、
この地域では、どの農家もハウスをいくつも持っています。
惜しむらくは、ハウスが露地畑の補完的な役割しか持っていないこと。
この施設の有効活用なんかも、今後考えられるかもなあ…と雲地さん。
ハウスがあるっていうのは、単価の高いトマトなどの果菜類が作れるってことなんですから。



食べものだけ見てると見えない、その背景にある大切なことを、
今は食べる人も作る人も、忘れてるんじゃないか、
だからそういったことも伝えていきたいと雲地さん。

自分たちは食べるもの、いのちを作るものを作ってる、
安心・安全は、食べものなんだから当たり前。
そのうえでおいしいものを作っていきたいと桜井さん。

「3年後にどうなってるか、もう一回見に来てよ。形になってると思うから」

まるで親子のように、兄弟のように、何でも語り合っているお二人を見て、
これから雲地ファミリー農園が新しい農業の形を作ってくれるに違いない…
そんなふうに感じましたです。

3年後が楽しみです。

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プロフィール

ほんたべ

Author:ほんたべ
手島奈緒
おいしい食べものをつくる人を紹介したり応援したりしております。ブログをまとめた著書『いでんしくみかえさくもつのないせいかつ』(雷鳥社)『まだまだあった! 知らずに食べてる体を壊す食品』(アスコム)『儲かる「西出式」農法』(さくら舎)など。現在ハンター修行中。

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