国産の小麦の話

s麦イメージ
5月、田んぼに麦の穂がゆれるのを見て「なんで今頃稲が?」と聞かれることがあります。
そんな風に言われるほど、麦は日本の風景の中から失われているということなのですね。
大麦や小麦など、二毛作で作ってる地域はたくさんあるんですけど…。



小麦価格が上昇しております。

2007年から2008年、オーストラリアの旱魃が原因だったと記憶していますが、
小麦価格がじりじりと上がり、小麦製品の価格も上がったことがありました。

当時スーパーでインタビューされた奥様方が「小麦が上がると困っちゃうのよね」と
おっしゃっているのを見て「小麦がなかったら米を食べればいいじゃないか!」と
憤ったのは私だけではないでしょう。全国の米農家もそう思ったはず(違うか…)。

その際のメディアの方向性が「国産小麦の作付をもっと増やそう!」ではなく、
「余ってる米の米粉を使おう!」だったことがさらに不思議でたまらなかった私ですが、
その後米粉が定着したので、それはそれでいいことかもなあと思っております。

どこの米粉かわからないけど、きっと在庫(政府備蓄とか)の米を使ってるんでしょうから。
在庫が減るのはいいことですもんね。

むぎふみ
秋まきの麦の秋の風情。ちょびっと出てきたところです。
冬の間麦ふみを2回位するそうですが、実際には踏むのではなく管理機で中耕すると聞きました。
やっぱり踏まないといい麦ができないそうです。北海道は雪に埋もれるので、踏んでないらしいです。



さて先日、小麦と大豆を作っている北海道の農家と話をする機会がありました。
色々聞いてものすごく驚きました。小麦って、ほんとにほんとに安いんですね。

小麦のデータを見てみます。

2011年概算で、小麦自給率は11%。2010年が14%ですから、下がっております。
昨年は北海道が大変な年で、小麦も不作だったそうですからそのせいかもしれません。

日本の小麦はグルテン含有量が低いためパンなどには向かず、
国産小麦は主に麺類で使用されています。麺類における国産小麦の割合は60%。

埼玉や群馬県などではまだ二毛作を営んでいる地域もありますし、
四国では国産小麦のうどん作りを積極的に推進しているところもあります。
中力粉類についてはかなり自給できていると言ってもいいでしょう。

しかしパスタやパンなどの小麦はほぼ輸入です。

強力粉は、北海道でいろいろと新品種が出てはいますが、いかんせん高くつきます。
パン用粉における国産率はなんていうか、えっ、ほんとですかって感じの0.6%。
戦後安価なアメリカの余剰小麦を食べ続けた結果がこれ。
アメリカの戦略は間違ってなかったわけですね。さすがです。

ringo 011
国産小麦のパスタもあるんですが、なんというか、ゆでるとやっぱりうどんの味。
デュラムセモリナ粉とは全く違うものですね。フランスパンなんかは中力粉でもおいしいのですが、
パスタは別の世界の食べものと思った方がいいかもしれません。



さて、小麦を作り手側から見てみます。

小麦も大豆と同様、入札で価格が決まります。
この入札価格、農家との取引価格には全く影響がないのですって。知りませんでした。
大豆のことを書いた時、私は勘違いをしていました。申し訳ありません。

小麦を栽培した農家へ支払われる金額を聞くと、1俵1,800円程度という答え。
一反6俵くらい取れるそうなので1反約10,000円。べらぼうに安いです。

で、これに交付金が加算されます。今年からしくみが変わるので何とも言えませんが、
去年までだと1俵7,500円位出たそうなので、1俵9,000円程度の収入になります。
うーん、この数字、どうでしょう。安いと思うんだけど。

これは一般の価格なので、契約栽培の場合もう少し良くなるとは思うのですが、
まあ米や野菜を作った方が儲かりますね。それは確実です。
他に主力作物がある農家が、余った土地で小麦を作る…そんな感じでしょうか。

ライ麦
草生栽培の果樹の下草に使われることもあるライ麦。炭素分が多いので植えてたら、
いつの間にか勝手に芽が出るようになったとすもも農家が言ってました。
収穫するとちゃんとしたライ麦粉ができるので、パン屋さんが持ってたりしてるそうです。
麦って穂の形がいろいろですが、ライ麦って雑草みたいですね。



さらに、有機小麦の数字を見てみました。価格は契約栽培がほとんどだと思うので、不明です。

有機麦(小麦だけじゃないかも)の平成20年度の国内の格付実績は883トンでした。
海外で格付けされた麦は83,418トン(海外で有機JAS格付を行い輸入したもの)。
ということは、国内で流通している有機JAS認証取得麦の国産割合は1%。

少ないですね。なぜこんなに少ないのか。
小麦の有機・無農薬栽培が難しいのには理由があります。

小麦には、赤カビというカビがつきます。このカビ、発がん性物質です。
無農薬で栽培すると、収穫時の天候によっては赤カビがつくことがあります、
赤カビの小麦をはじくと、歩留まりが非常に悪くなります。

有機という付加価値商品のため、多少高めで取引をされているとしても、
正品率が低いのでは割が合わないでしょう。有機には経費がかかります。
何しろ除草剤が使えないのですから。大面積で除草剤が使えないってことは、
人を使うってことです。パートの人件費だけでどれだけかかるか…恐ろしいですね。

gazou 003
貴重な北海道産・無農薬栽培のハルユタカ。小麦って変な形だよなあ…。
麦には秋まきと春まきとありますが、ハルユタカなどの強力粉はほとんどが春まき。
秋まきは中力粉に向いている=二毛作の小麦はうどん粉って感じのようです。



小麦はそもそも乾燥地帯の作物のため、海外ではカビの心配はあまりありません。

日本では、ちょうど収穫時期が梅雨時になることもあり、カビの生える割合が高いのです。
梅雨前に収穫できる地域でしか二毛作をしないのは、そういうことも理由のひとつ。
農薬を散布すればカビは防げますから、有機・無農薬の小麦が少ないのはしょうがないのでした。

今や小麦は「国産ってだけでありがたいもの」になりつつあります。
それはどうなんでしょう。せめて、「有機がありがたい」程度になって欲しいです。
米も大切ですが、小麦栽培にもう少し税金を充てる必要があるような気がします。

gsazou 031
自家用の小麦を天日干ししているところ。私はこの小麦をいただいています。
中力粉なのでうどんに向いているのですが、どっしりと重いレンガのようなパンも作れます。
うどんを作ると灰色がかったうどんになるのですが、国産中力粉は色がつくというので、
オーストラリア産が好まれるってこともあるそうです。いいのになあ、灰色のうどんでも…。



2010年にはロシアが小麦を輸出禁止にしたこともあり、
昨年の旱魃の影響で、世界的に穀物の価格が上がっています。

大豆・小麦・トウモロコシが高騰すれば、卵・肉・牛乳・パン・パスタなどの価格が上がります。
価格が上がるだけならいいけど、もし、日本への輸出を止められたら?

時々身の回りの野生動物を見ては「あれは食べられるかしら」とか考えちゃったりする私。
ニッポンの食糧は、非常に脆弱な基盤の上に成り立っていることを忘れてはいけないのです。

さて、私の自衛策は、とりあえず区民農園です。野菜だけですが、自給を目指します。


★現在ブログランキング参加中です!
↓プキッとクリック、ご協力お願いいたします!



こちらもよろしくお願いいたします!
にほんブログ村 環境ブログ 有機・オーガニックへ
にほんブログ村

ほんものの真珠は長く輝く

gazou 008
若い頃はこの地味な美しさがよくわかんなかったですが、
年を取り、キラキラしたわかりやすい宝石類よりも、真珠がいいなと思うようになりました。



15年ほど前、愛媛県の明浜町に、真珠の取材に行ったことがありました。

1月、四国とはいえ凍てつくような寒さの海で、アコヤ貝を引き上げ、
パクっと割られた中から真珠が出てくるのを見て驚いたこと。
ほとんどが色がついていたり変形だったりで、丸く美しいものの数はほんの少しだけなのです。

日頃身につけている真珠が、実は何百・何千のうちのひとつであることを知り、
一つひとつを大切にしなくてはとしみじみと思ったです。

しかし15年も時は経ち、すっかりそんなことを忘れてしまっていたわたくしですが、
先日、明浜で真珠養殖を営んでいる佐藤真珠代表・佐藤宏二さんのお話を聞く機会があり
当時のことを走馬灯のように思い出した次第です。

生きものの体の中で作られる真珠…ひとつとして同じものはない、そんなお話を聞きながら
その不安定さ、頼りなさ、自然の美しさ等々について、色々と思いを馳せてしまいました。

gazou 006
色々な色合いがあるという見本。中に11mmという大玉がありました。
佐藤さん、20年真珠養殖をやってきて、11mmはまだ3つくらいしか見たことないという貴重品。
真珠の核は最大で7.5mm。通常の真珠層は2mmなので、9.5mmまでならできるらしいです。
高いんでしょうねえ…11mm。



真珠には色々な種類があります。

アコヤ貝の真珠、淡水性の貝が作る淡水真珠、
クロチョウガイが作る黒真珠、シロチョウガイが作る南洋真珠、マベパールなど。
希少価値の高い天然真珠もあるようですが、昨今の真珠は、基本的には養殖。
それぞれに大きさも色も違い、商品価格もグレード・種類によってさまざまです。

アコヤ貝の真珠養殖は歴史が浅く、20世紀に入ってから盛んになりました。
現在日本のアコヤ真珠養殖は、三重、愛媛、熊本、長崎の4県が中心だそうです。

真珠はアコヤ貝という生きものの体内で作られることから、
美しく丸く輝きの強い真珠のためには、アコヤ貝を健康に保つことが一番大切。
それには、海の環境が大きく影響することをご存じでしたか。

美しい海から美しい真珠ができる…当然なのですが、私は思い至りませんでした。
真珠とは、海の汚染に左右されるなんとも頼りない宝石なのでした。

gazou 010
養殖が可能になるまでは天然の真珠しかありませんでした。
アンティークパールなどは非常に価値が高いというのもうなずける話。
王侯貴族に好まれるのも当然、まさに富の象徴だったわけですね。
養殖という技術で庶民もその美しさを楽しめるようになったのですから、素晴らしいことだと思います。



佐藤さんにお話を聞きました。

「明浜は、石灰質を多く含む山を背にしたリアス式海岸の土地です。
日当たりのいい海に面した斜面には、みかんの段々畑が連なっています。
段々畑の石はメッカラ石という石灰岩で、それはそれは美しい風景ですよ。

その山が、真珠を作っていると言ってもいいんです。

山からのミネラルとカルシウムの供給、そのバランスで真珠の色合いは変わって来ます。
明浜の真珠は、ピンクのなかにブルーが入る独特の美しい色合いが特徴ですが、
これはみかん農家などの協力も得て、山と海の環境が守られていることも大きいんです。

海は山が作るんですよ。カキの養殖などで植林をしている人もいるでしょう。
だからこの土地のみかん農家は、農薬はできるだけ使いません。
また地域の住民全体で合成洗剤もできるだけ使わず、せっけんを使っているんですよ」

明浜町と言えば、カタログハウスなどでおなじみの無茶々園が有名ですが、
地域一体となり海の環境を守る活動をしています。
森つき魚という言葉もあるように、いい漁場には背に山があると言われますが、
真珠やカキの養殖も、同じようなところがいいのでした。

gazou 011
最近よくみかけるマルチカラーの真珠ネックレス。このブルーあたりは着色しているそうです。
アコヤ真珠で相当濃いブルーのものが売ってることがありますが、それはコバルト照射で作るとか…。
「自分が焼かれるみたいでコバルト照射なんて絶対イヤですね~」佐藤さん。真珠への愛を感じます。


さて、真珠には、ゴールドやブルー、ピンクなどのさまざまな色があります。
しかしこれ、実は脱色や着色をされているものがあるのをご存じでしたか?

貝から出てくるものが、ナチュラルな美しい色合いのものばかりならいいのですが、
なにしろ生きものが作るもの。いろんな色や形の玉が出てきます。
それぞれ違う色合いを合わせるよりも、着色してしまう方がいいことなどから、
脱色・着色は業界の常識なのでした。

そんななか、できるだけナチュラルな色のものを大切にしたいと佐藤さんは言います。

「脱色したり色を付けたりしても美しさは変わらないんだけど、
言ってみれば、その真珠にとっては、それが美しさのピークなんですよ。
でも、ナチュラルな真珠の色や輝きは、そこからがスタートなんです。
年を経てくると色合いは少し変わったりもしますが、輝きは長い間変わらないんです。

私のところでも着色はするけれども、ナチュラルな色が好きなので、
できるだけしないようにできればいいなと思っている。
そういう色のものができるには、海がきれいじゃないとダメなんですよね」

gazou 013
佐藤真珠株式会社・代表 佐藤宏二さん。真珠の話を聞くと愛情いっぱいの答が返って来ます。
佐藤真珠では生産から販売までを一貫して手掛けています。まさに顔の見える真珠ってことですね。


そして、丸い真珠よりもバロック真珠が大好きと言う佐藤さん。

「真珠の素になる核を入れるとき、ショックで死んじゃう貝だっているんですから、
真珠を作るっていうのは、アコヤ貝にとっては大変なことなんですよ。

貝の体内では真丸のものよりも、いびつな形のものを抱え続けるのは辛いはず。
何かがうまくいかなかったから、バロック真珠になってしまうんだけど、
カルシウムを分泌させて核をまいていく途中、貝自身が痛いだろうなあって思うんです。
突起があって、ちくちくするかもしんない。でもすごくがんばってまく。

だから、バロックを見るたび、アコヤ貝の根性を感じるんです。

通常真珠の層は2ミリくらいなんだけど、バロックは部分的に3ミリとかになったりする。
がんばってますよねえ、ほんと。
丸い真珠の方が価値が高いんですが、私はバロックが好きなんです。
エネルギーが強いような気がするんですよね。きっと根性が相当入った真珠ですよ」

gazou 022
15年ほど前に佐藤さんのところで買ったバロック真珠のネックレス。
たしかにいびつであちこち変形していますが、これが何とも言えない風情と個性を醸し出しています。
改めて見ると美しいですねえ…。写真では黄色っぽく見えますが、本来はピンクがかった明浜色です。



テレビショッピングで、安価な真珠がよく販売されていますが、
着色・脱色は当然されているはず。悪いことではないのですが、程度の問題はありそうです。
せっかくアコヤ貝が一生懸命作った美しい宝石なので、ナチュラルなものが欲しい、
でも着色や脱色は素人にはわかりません。知ってしまうと気になります。

ダイヤモンドもルビーも地球が作った鉱物ですが、真珠は唯一、生きものが作る宝石。
その頼りなさも不安定さも、全てが真珠の魅力なのだと今回ひしひしと感じました。

来年はブルーのバロックのネックレスを買おうと思ってしまったわたくし。
根性が全く足りないので、真珠の根性をもらって立派な人間になれるといいなと思っています。


★現在ブログランキング参加中です!
↓プキッとクリック、ご協力お願いいたします!



こちらもよろしくお願いいたします!
にほんブログ村 環境ブログ 有機・オーガニックへ
にほんブログ村


味噌を仕込んで考えた大豆のこと

gazou 005
前日夜から水につけておいた大豆をゆで始めるこの瞬間。
「あああ…今年も味噌作れてよかったなあ」とぼんやりと思います。



かれこれ20年前から、毎年この時期に味噌を仕込んでいます。

大豆をつぶして塩・麹と混ぜるだけで、あとはほったらかしでもOKな味噌。
梅干しなんかよりもはるかに作るのが簡単で、後日のヨロコビが非常に大きいため、
ガサツなわたくしでも20年間継続して仕込めております。

基本的に、食べる方が作るのに追いつかないため、
毎年2年物を食べているのですが、だいたいいつも仕込んだらほったらかし。
味噌レシピを見ていると、梅雨明けに天地返しをしろだの、仕込む際に重石をしろだの
いろいろと面倒そうですが、そんなのしなくても平気です。

「さあ、食べるぞ!」とふたを開けると、表面にカビが繁殖しておりますが、
3センチもこそげれば全然OK。なにしろ、味噌は嫌気性発酵食品。
内部にカビが入りこむなんて経験は、20年間一度もありません。

塩の分量を間違えても、麹を余分に入れても、きちんとそれなりの味噌になるので、
「味噌を思いついた人ってスゴイなあ!」といつも感心しています。

gazou 006
ビタクラフトの圧力鍋と普通ビタクラフト鍋を2つ使って2kgの大豆をゆでます。
できあがりは約8kg。作りすぎかもな。大豆のゆで加減は、中指と親指で大豆を縦に持ち↓

gazou 007
ちょっと押さえてふにゃっとつぶれたらOK。硬くても別にいいです。フードプロセッサーがあれば。
gazou 008
手前味噌のいいところは、材料を自分で選べるところ。
大豆は北海道の無農薬のもの。塩は海の精。麹はヤマキ醸造の玄米麹です。
っていうか、全部大地を守る会の宅配で購入できます。でも、次回取扱は来年になると思います。



さて、味噌は大豆で作るニッポンの伝統的な調味料です。

で、大豆の自給率を調べてみました。…おっとびっくり、6%(油用含・2010年度概算)。
食用のみに限ると25%…少ないですねえ。
大豆はほとんどを輸入に頼っている、自給できない作物の代表格なのでした。

その理由は、ただひとつ。輸入大豆価格が安すぎるため。
さらに、国産の大豆価格が安いため。

大豆を作っても手間の割にほとんど儲からないのでは、作る人はいません。
小麦・大豆類は、戦後アメリカから安価なものが大量に入ってきたため、
国産の大豆が駆逐されてしまったのでした。穀類を語る際のいつもの話です。

その状況は現在も続いています。

gazou 010
玄米麹と塩を最初から混ぜ合わせておきます。
今年思いついたポリ袋に入れて混ぜる方法。なぜ20年間思いつかなかったんだ自分!ってほど
良く混ざり、床・机等が全く汚れませんでした。

gazou 012
大豆はフードプロセッサでつぶします。これが来る前はポテトマッシャーでした。
味噌づくりの時間が大幅に短縮できるので、フードプロセッサーに感謝しています。

gazou 013
大豆は割合とゆるめにつぶしておきます。マッシャーでつぶす際には水分調整に注意です。
多少水分がないとうまく混ぜ合わすことができません。



高くつく国産大豆は、基本的に豆腐・納豆・お惣菜・煮豆用に利用されており、
味噌や醤油、お菓子類に使われているのは、輸入大豆がほとんど。
伝統食品が輸入大豆で作られているとは…日本人の心的には悲しい事実です。

さて、輸入大豆の75%弱はアメリカ産です。

世界の大豆の遺伝子組み換え率は77%です。ってことは、
輸入大豆はほとんどが遺伝子組み換え大豆(以後GM大豆)なんじゃないかと思います。

GM食品は日本の場合、味噌・醤油・油脂への表示義務はありませんから
「国産原料使用」と表記してないものについては、
基本的にGM原料が使われていると思った方がいいでしょう。

日本人は世界で一番GM食品を、それと知らずに食べている国民と言われています。
現在GM食品の壮大な人体実験を実施中ってことなのかもしれませんね。ははは、笑えない話です。
ちゃんと表示してくださいって言いたいですよね。選びたい人としては。

gazou 014
つぶした大豆から塩麹と混ぜ合わせます。途中でポリ袋が破れたら悲しいなあ…と思ってたら、
案の定破れました。二重ポリ袋がお勧めです。

gazou 015
今まで別容器であつ~い大豆と塩麹を上から下に混ぜてたことを思うと、
袋とドッタンバッタンと動かすだけで混ざるので、この方式は大変とても便利でございました。
よしよし、自分エライと思いましたです。



さて、栽培者にとっての大豆はどうなのでしょうか。

大豆には交付金が支給されますが、ここ何年かでしくみがいろいろと変わりました。
また、価格は入札によって決まります。わたくし、現在のところ勉強不足で詳しく知りません。
データを見ると、平成20年産は7,500円(1俵・60kg)くらいの価格のようです。

しかし大豆は米ほど収量の上がらない作物。
1反で200~250kg位収穫できればいい方…ってことは米よりもはるかに収入が少なく、
大豆を作りたいなんて気持ちにならない理由はよくわかります。
(当然ですが無農薬大豆だと収量はもっと落ちてしまいますですよ)

現在の交付金のしくみと金額がどうなっているのか知りませんが、
とりあえず、1俵10,000円以上にはなっていて欲しいなあと思ってしまいます。

gazou 016
空気が入らないようびっちり味噌の素を容器に詰めたところ。手前味噌がおいしい理由のひとつに、
自分の手の菌(表皮常在菌)が味噌に含まれるからじゃないかと推測しています。
各家庭の手前味噌の味が違うのも、そういうことなんじゃないでしょうか。

gazou 018
表面に35度の焼酎にひたした和紙をぴっちりと張ります。
カビはこの和紙の上に生えるため、和紙を取り除くとペラペラっと取り除けます。
ほんたべオリジナルのカビ対策。容器のふちについた大豆のクズ等を焼酎でぬぐうことも忘れずに。

gazou 021
嫌気性発酵のため、空気に触れないよう和紙の上にラップ。
さらに容器もラップでびっちりカバーし、回りをビニールひもでしばり、今年の味噌仕込みは終了。



一反作って30,000円にしかならない作物、大豆。(交付金がプラスされればもう少しいいと思うけど)
世に大豆加工品はあふれ返っているにもかかわらず、この価格はいったいなんなんだ。
もう少し危機感を持ってもいいんじゃないでしょうかしら。

味噌は無農薬大豆を購入して自分で仕込む、手作りできなくても国産原料のものを選ぶ、
豆腐・納豆は有機JASマークがついていても、原料表示を確認し、国産大豆を選択する等々、
一人ひとりがちょびっとずつ意識して、国産品を選んでいけば、
そのうち大豆の価格が上がり、自給率が増えていくのでは…っていうか、増えてほしいっす。

仕込んだ味噌を見ながら、そんなことを思ったです。


gazou 022
納戸にしまって次に会うのは二年後。どんな味になっているのやら。
味噌仕込みは「待つ楽しみ」も味わえる、チョー簡単な日本の伝統食でございます。



★現在ブログランキング参加中です!
↓プキッとクリック、ご協力お願いいたします!



こちらもよろしくお願いいたします!
にほんブログ村 環境ブログ 有機・オーガニックへ
にほんブログ村

農薬と農家、流通と消費者の話

ミツバチトリミング
殺虫剤は害虫も殺しますが、ミツバチやクモなども殺します。そういう意味では「悪」。
しかし、特定の農薬を規制するよりは、全体の毒性で議論した方がいいと思うんだけどなあ…。



以前勤務していた会社(大地を守る会)で、私は産地担当という仕事を5年間していました。

産地担当とは、農家との作付契約・出荷物・出荷状況・作柄の確認などが主たる役割で、
農家のおじさま方と毎日ああでもないこうでもないと話をするのがお仕事。
時には飲んだくれ、時にはガミガミと言いたいことをストレートに言ってきた結果か
5年間で気遣いの全くできないガサツな女になってしまったのでありました。

それはさておき。

たまたま私の担当は落葉果樹類全般(りんご・なし・桃・ぶどう等々)だったことから
農薬の名前について、またその危険性についてやたらと詳しくなりました。

大地を守る会では大地を守る会基準で、使ってはいけない農薬が決まっています。

使用禁止になる農薬は、催奇形性・魚毒性等々総合的に判断して決定するのですが、
基本的にはコワイ農薬。しかしそういう農薬は、果樹類の場合は特効薬が多く、
産地担当が農薬に詳しくないと農家が困ってしまうので、自然と覚えたのです。

また、使用禁止にする過程では農家への聞き取りが必須。

「それじゃあちょっと栽培が難しいね」と言われるものを、禁止にはできません。
なぜ難しいのか、代替農薬はないのか等々の話をしているうちに
役割などもなんとなくですが、覚えていきました。

門前の小僧なんとか…ってヤツですね。

momo 036
桃やすももに入るシンクイムシという蛾の幼虫がいます。
食べて出てくるとびっくりする虫のナンバーワンじゃないでしょうかしら。
私は古郡さんの無農薬すももを食べてるので、シンクイを何匹か食べてるはずなのですが、
アオムシみたいに苦くないので平気です。シンクイムシは食べてる果実の味がするのだと思っています。



働いてたからほめているのではないのですが、大地を守る会のいいところは、
使ってはいけない農薬を定めて作物の安全性を担保するとともに、
特効薬が使えないゆえに起こる様々な病虫害についてきちんと消費者に伝え、
多少見た目が悪くても、時々すももや桃に虫が入っていても、
ネクタリンにカイガラムシがくっついていても「多少ならOK」とすること。
(最近はそんなでもないらしいですが…)

農薬を少なくするというリスクを農家に一方的に負わせるのではなく、
消費者も流通も按分しますという姿勢と、その理念を理解してくれる消費者がいるというのは
普通の流通には真似できないところ。さすが老舗です(ほめすぎか…)。

そういう大地イズムが身についてしまっているためか「食べる人」の立場のみで
物事を見るのが難しくなっており、時々変なことでびっくりしたりします。

最近びっくりしたのは「ネオニコチノイド規制」の運動。

gazou 030
「合ピレって効くんだなあ~って思ったよ」とクモの話を教えてくれた山梨家の果樹農家、丹澤修さん。
少ない農薬で作ってたら出荷できるものが減っちゃったので、今年は一剤増やそうと思ってるそうです。
仮にひとつ増えたとしても、農薬を減らす努力を評価することはとても大切なのです。



もともとは、ミツバチの大量死(CCDなのか薬害なのかは微妙なところ)が
ネオニコチノイド系農薬が原因ではないのかと話題になったことが発端です。

ミツバチの大量死の記事は過去ログから↓
六本足の家畜「ミツバチ」と農薬について思うこと
http://hontabe.blog6.fc2.com/blog-entry-19.html
ミツバチの大量死から見える農業の問題
http://hontabe.blog6.fc2.com/blog-entry-25.html


2006年に出版された「悪魔の農薬」というネオニコについての本を読んだ際、
単純に「ネオニコを規制されたら農家は何を使うのかな?」と疑問に思ったわたくし。
これこそが大地イズム。習慣とは恐ろしいものですね

農薬の危険性はそれぞれですが、果樹栽培の現場を行き来していると、
何が本当にキケンなのかを肌で感じることができます。

まず筆頭に挙げられるコワイものは「有機リン系」(サリンの仲間であります)。
この農薬は、その場にいる虫を全滅させ、さらに残効性も高いので、
その後もしばらくよく効いて虫を殺します。つまり残留性も高いのです。

当然ですが人間にも効果があり、有機リンをまいた後の畑を歩くと頭痛がします。
吐き気がして泣きそうになったこともありました。

P7196261.jpg
「6月、無風の晴天日のりんご畑はダーズバンのニオイ」…たぶんダーズバンをまいてるところ。
んで、その後何時間か独特のニオイがします…ってことは畑へ行くと被爆しているってことですね。
アメリカでは農薬をまいた後何時間か畑に入ってはいけないという規制があるらしいのですが、
日本では残留農薬基準値はあれど、使う人のための規制は全くなし。うーん、それでいいんか。



「合成ピレスロイド系農薬」のエピソードも事欠きません。

まいた後、小さなクモが大量に地面に落ちてくると言ってる農家がいました。
「もののけ姫の木霊みたいにさあ、ぴゅ~って糸はきながらたくさん落ちてくるの。
かわいそうだなあって思うけどさ。合ピレは一回入れときたい(※)からしょうがないんだよね」

ちなみに、合ピレは家庭用の殺虫剤の成分。電気蚊取り器の液体にも使われています。
これは低濃度の合ピレを常時室内に放出するという恐ろしい器具なんですよ~、
私は怖くて絶対に使いませんですよ。

※)いろいろな系統の農薬を使用することで抵抗性をつけないようにするのは
防除体系を考える際の基本。
合ピレばっか使ってるとカイガラムシが大量に発生したりすることもありますから、
農薬の選択性の広さってのは、とくに果樹類では大切。

また、ネオニコチノイド系農薬にも問題があるものがあり、現在フランスで規制されている
イミダクロプリドなどは、使わない方がいいと言う研究者もいます。
(ヨーロッパでのネオニコ規制は現在ではフランスのみ)

gazou 020
ちっこい虫食いの穴が開いてますが、これぐらいはOKですよね。
でもこの中にアオムシがいたり、アブラムシが一匹でも入っていると、市場では売れません。
大量の虫害は施肥設計の間違いだとも思うのですが、ちょびっと位許容して欲しいです。
と思うのは、農家サイドから物事を見ているからかな。



農薬の毒性は総合的に判断し、規制後に何が起こるかの議論が絶対に必要でしょう。

アメリカでは有機リン・カーバメート系の安全評価をし直していると聞きました。
以前製造中止になったダーズバンのように(日本ではまだ)、
そのうち有機リン・カーバメート系が作られなくなる可能性はあります。

ならば何を使うのか。
ネオニコ以外に、カメムシやアブラムシに効き安全性の高い農薬はあるのか。

規制されて困るのは農家であるという視点が全くないのはなぜなのかなあ。
アブラムシが一匹でもついていると許さない、カメムシ米は絶対に食べたくない
そんな消費者に、誰が説明し、理解を求めるのかなあ。

ネオニコ規制の話を聞くと、いつもこういった疑問が頭に浮かび、
ひょっとしてやりっぱなし・規制しっぱなしなのかしら…と怖くなったりします。

gazou 006
無農薬の畑に行くと良く見かけるアブラバチのマミー。
これが宅配で来た小松菜なんかについてると「おっ、アブラバチが来た!」と思います。
栽培期間の短い菜っ葉でも、慣行栽培では農薬を10回(成分数)も使うので驚いちゃいます。
虫が一匹ついてて無農薬の方がいいと思うんだけどな。価値観は人それぞれだから何とも言えないけど。



農薬は使わないのが一番です。

しかし使わないと何が起こるのかを、皆がきちんと知る必要がありますよね。
多少虫が食ってても作物がきちんと売れ、喜んで食べる消費者がたくさんいないと、
作り手側が農薬を減らすことなどできないのです。売れないと困るのですから。

農薬の話を考えるといつも感じるのですが、消費者という出口が詰まっているせいなのか、
パイプである流通がうまく流れていないのか、単純に入口の農家が狭いからか、
それぞれの段階で問題があり、スムーズにはなかなか流れないように感じます。

全てがきちんと流れるようになれば、日本の農業も流通も変われるのに。
それまでは、大地を守る会にがんばってもらうしかないか。がんばれ、大地。


★現在ブログランキング参加中です!
↓プキッとクリック、ご協力お願いいたします!



こちらもよろしくお願いいたします!
にほんブログ村 環境ブログ 有機・オーガニックへ
にほんブログ村


ほんものの食べものくらぶ 再び青空市に出店!

gazou 004
前日まで死ぬほど寒かったけど、少し寒さが和らいで過ごしやすかった2月1日。
しかし12月に比べると、お客様の入りはいまひとつ…やっぱ寒さには弱いっすよね。



2月1日(火)、ちよだ青空市に出店しました。

前回12月の経験を踏まえて、今回は
・軽いもの
・単価の高いもの
このふたつの条件を満たす商品を準備いたしました。

そのふたつとは「小口の米」「豆」の2種類。


gazou 014
つや姫のちっちゃいパック。かわいいし重くないし、いいですよね~。
でもかわいすぎてお米に見えなかったみたいで「なあに?これ?」と何人にも聞かれました。



豆は水で戻さずにそのまま味噌汁に入れて食べられる、山形県の郷土食「打ち豆」。
水で戻した青大豆をトンカチでつぶして干した打ち豆は山形プラザにも売ってます。
しかし当日準備した打ち豆は、フツーの青大豆ではない「秘伝」というおいし~い豆をつぶしたもの。
ものすご~くおいしい、自分的には付加価値商品でございます。

そして米は、山形県ブランドの「つや姫」。とくにおいしい農家のものを発注しました。
つや姫は2合をパック詰めして、軽くて安くて試食するのにばっちり!という大きさ。
かわいらしくてころんとしたその大きさを産地で見たときに
「次の青空市はこれだ!」と思ったのでございました。

お隣では雲地ファミリー農園の雲地さんと桜井さんが、大量の野菜を持ってきています。
野菜と米、ここで買えば本日の晩ごはんはバッチリ!でございます。

さて、千代田区のOLとおばさま方の米と豆の需要はどうだったでしょうか。


gazou 003
雲地ファミリー農園の野菜セット。お野菜が高い昨今、大変お得な価格で販売しております。
重いけどお得な野菜セットは、5セットくらい売れてました。



結論→ 赤字 でした(泣 

理由はいくつか考えられますが、一番の理由は
「米は売れない」 ということでございます。

キャリーバッグを引きずって買う気満々のおばさまは、米を見て一言。
「あ、つや姫ね。家に10kg袋があるのよね」

お昼ごはんを買いに来て、ついでに青空市に立ち寄ったOLの方々は
「私、お米炊かないんです~」(…そ、そんな人いるんだあ!)

余った米の重さに呻吟しながら持ち帰る途中に気づいたこと。
「米は常時自宅にあるものなので、単発のイベントでわざわざ買わない」

そして最近米の販売について立てていた仮説が、ますます実感できたのでした。
「人は自分が食べてる米が一番おいしいと思っているから新しく買わない」

つまり、ふだん食べてる米よりもおいしいもの(まずいもの)を食べて初めて、
米のランク(実はすげえうまかった・実はまずかった)に気づくんじゃないかってことです。

気づけばアクションが起こせるけど、そこに気づかなければそのまま。
米は、新規開拓が難しい商品なのでございます。

gazou 007
開始後一時間、打ち豆が1袋売れただけで全く米が売れなくって、
心がポキポキと音を立てているのが聞こえましたです。おひさまは照ってましたが地面が寒く、
気持ちは沈み、お家に帰りたくなってしまったわたくし。お昼前から売れ始めて本当に良かったです。



斜め向かいの出店者も小口のお米を販売していましたが、
「まあまあかな~」とあまりはかばかしくないお返事。
しかし農産加工品を売っていたため、そちらで経費は回収できているようでした。

「ま、でも人件費はでないよね。それ入れたら赤字。PRのために来てるから」
いずこも同じです。厳しい寒さは体よりも心にこたえたのでした。

そして今回出た結論は
「米は青空市では新米シーズンしか売れない」でした。
…当然じゃん、なぜ気づかなかったんだ、自分。

gazou 005
野菜販売が順調な雲地ファミリー農園のみなさん。野菜の説明のポップも完璧。
桜井さんのパートナー、あゆみさんの売り口上がとってもうまく、おばさま方に人気でした。



米が付加価値をもつのは新米のシーズンのみ(それはそれで悲しい現実)。

この時期であれば、全ての日本人が「米を食べたい!」と強く思っています。
そして「新しい銘柄を試しに食べてみたい!」とも思っています。
年が明けてすでに自分のお気に入りの米に戻っている2月では、米は売れなかったのでした。

さらに打ち豆にも悲しい現実が待っていました。

「あっ!打ち豆!おいしいわよね~」と言って買った方は山形県出身の方々。
「食べたことないから食べてみようかな~」と購入してくださった方はわずか4人でした。

郷土食はどんなにおいしくても知らない人にとっては、なんだかわからないもの。
メジャーなものならまだしも、打ち豆などはチョー説明商品であることを失念しておりました。

gsazou 006
無農薬栽培で格安なので飛ぶように売れてる雲地ファミリー農園の野菜。
しかし売り上げはというと、単価が低いのでそうでもないのです。
野菜販売って、手間のわりに利益が少ないのだなあとますます実感。
お隣の野菜農家も無農薬野菜を販売されてましたが、大型野菜が多くけっこう残っていました。
青空市に大型野菜はむきませんね。



打ち豆のおいしさは言葉でどんなに伝えても、食べてみないとわからないもの。
試食をしていただくことが必要だったのでした。
それを言うなら、つや姫も、食べればとってもおいしいことがわかったのですから、
電気釜を持ってくるべきだったのでした。

で、今回の総括
①米の販売は時期を選ぶ必要がある
②説明商品には試食が必要である
③米も試食は必要である … でございます。

しかし、しかし。

電気釜を持ってきて試食販売をした場合、私一人では店が回りません。
二人分の人件費が出るほど売り上げが上がらないのは、2回の経験でよくわかっています。

仮に、青空市出店の目的をPRと限定し利益度外視とした場合は、
毎回出店する必要があり、顧客と顔なじみにならなくては意味がありません。
週一回など定期的に開催されている地方部の青空市ならまだしも、
月一回ではなかなか顔なじみになるのは難しい。

地元の「都市農村交流」等々の補助金をもらって交通費とか人件費とかをカバーし、
出てこられる人じゃないと継続はムリなような気がします。

gazou 011
売り上げ金額を計算する雲地さんと桜井さん。
ちよだ青空市の出店料は、売上に対しての割合ですから、一般的なマルシェに比べると良心的。
それでもほとんどのお店が赤字なのです。出店料が10,000円とかのマルシェはどうなのかな~。


巷に青空市はたくさんあれど、出店者が儲かったという話をあまり聞かないのは、
上記のような理由からかもしれません。

あ、でも、そう言えば。

すっごく売りあげてる(ように見えた)お店がありました。
それはケーキやクッキーなどのスイーツ屋さん。
丸の内のOLも、ご近所のおばさまも、おしなべて購入されておりました。
まさに「甘いものは別腹」なのだなあ…としみじみ思ったのでございます。

今回の経験を踏まえて次回どうするか…ちょっと心が折れたのでなんとも言えませんが、
新米シーズンにやってみるかあ!的な消極的な考えが、頭を駆け巡っています。


★現在ブログランキング参加中です!
↓プキッとクリック、ご協力お願いいたします!



こちらもよろしくお願いいたします!
にほんブログ村 環境ブログ 有機・オーガニックへ
にほんブログ村

一生ものの伝統工芸品―山ぶどうのかばん

gsazou 02044
上野松坂屋で出店中の戸田寒風さん。後ろにいろんなかばんがありますよ。
持ってらっしゃるのは編み方の難しい変わり編みのもの。いや、お高いです。確かに。



『七緒』という雑誌をご存じでしょうか。

ターゲットはおそらく20~30代のリサイクル着物を楽しんでる着物女子。
すでに品とか格とかが求められる年になってしまったわたくしのようなオバハンには
少し若めの雑誌です。

年がいもなくこの雑誌を購読していた頃、知ってしまったどうしても欲しい一品。
それが山ぶどうのかばんでした。

生まれ故郷の西日本の中山間地、鳥取にはこのような伝統工芸品はなく、
40過ぎてから出会ったものですが、かわいらしくて美しくて、
いっぺんに好きになってしまったです。

で、この山ぶどうのかばん、2年前に入手しました。
さてそのお値段はいくらだったでしょう?

skaban1.jpg
ころんとした丸い口もと、幅、高さのバランス。一目ぼれしてしまった山ぶどうのかばんです。
たくさんある中から「私を買って!」と声をかけてきた、世界にひとつしかない私だけのかばん。
自己満足の世界ですなあ…。



答→65,000円

ぐわっ! なんでそんなに高いわけ? 聞くと皆そう言います。
高い理由がきちんとあるのですよ~。

東急東横店の催事場で購入したこのかばんの作り手、
山形県米沢市にある、戸田寒風さんの工房へ行って来ました。

寒風さんは、畠・米沢あたりの人は皆知っている地元のチョー有名人。
もともとは笹野一刀彫という上杉鷹山が推奨した郷土品の作り手です。
冬の間は、山ぶどうのかばん作成で、全国のデパートの催事場を飛び回ってらっしゃいます。

さて、山ぶどうとはいったいどんなものなのでしょう?

gazou 002
むいてきた皮を干したもの。かばんの原料です。けっこう硬いんですよねえ、力がいりそう。
gazou 02042
山ぶどうの樹から皮をはいでるところ(写真を撮影しました)。
けっこう太い、フツーのぶどうの樹って感じです。



よく東北の物産展などに出かけると山ぶどうのジュースを見かけますよね。

普通のぶどうよりも味が濃く粒は小さく、言ってみれば貴重品。
山ぶどうで作ったワインは国産ワインとは思えない力強さがあったりします。
最近は山の中に探しにいくよりも栽培をということで、栽培もされています。

山ぶどうのかばんは、この山ぶどうの樹の皮をはいで作ったもの。
そもそもは農民の日常的な道具(しょいかご)として、使われていたそうです。

編んでしまうと丈夫で長持ち、ちょっと壊れても修理が効くので
雑な使い方をしてもOKな、まさに日常的な道具だったのでしょう。

それが都会の着物女子の憧れの的になるとは…それもそのはず、
軽くて表情豊かなこのかばん、一度持ったら便利で手放せなくなるのです。

そのかばんの制作工程は、山ぶどうの皮を取ることから始まります。

gazou 009
いろんな編み方があるのですね。米沢の寒風さんの工房で並べてもらいました。
網目の小さなものや変わり編みものものは時間がかかるため、かなり高価になります。

gazou 008
通常は、私の持ってる基本的な網目のものが最初のひとつで、
次に買う時に表情豊かな変わり編みのものを選択する人が多いらしいです。



山ぶどうの皮は、梅雨時の一カ月位しか取ることができません。
この時期は水分を大量に吸っているため皮がするりとむけますが、
時期を逃すと全くむけなくなるのだそうです。時期とは言え、湿った山に入ってくのは大変そうです。

この皮を干してしばらく置いてから、水につけて小さく裂いて編み始めます。
コブがあったり最初から裂けてる部分は使えないので、
一本では財布一個くらいしか作れない…ってことは大量に皮が必要なのですね。

基本の編み方のかばんが、65,000円するのもうなづける話です。

梅雨時の山に入り、やぶ蚊に食われまくってどこにあるかわからない山ぶどうを探し、
皮をむいてくる手間、それを干して実際にちまちまと美しく編む手間
…気が遠くなるような手仕事です。

sgazou 010
変わり編み3種。目が小さい・花模様ってことで、全部15万以上してました。
色の調整がうまくできず、ヘンテコな色になっててすみません。

sgazou 011
力がいるので男の人しか編めないお花のような模様。
不思議なニュアンスのあるかわいい模様ですが、どうやって編んでんのかな~。



山に入るには山の持ち主の許可が必要なため、誰にでも取れるわけではありません。

また、大量に生えているものではないので、資源が枯渇し始めているそうです。
一度切った山ぶどうが再生するのには何十年もかかるため、
今後は価格が上がっていくだけという話も聞きました。

昨今では安価な中国産の山ぶどうのかばんも売っているのを見かけます。

これは修理が難しく、中国産の山ぶどうは強度がいまひとつってことで、
安くて入手しやすくても、後のことを考えると国産品をお勧めいたします。
(2万位安いんですけどね~買っちゃいそうになりますけどね~)

gazou s005
修理に来た人が新しいのを買っちゃったので置いてったという15年物。
色が変わってます。これは持ち主の手の脂とかその他もろもろで、それぞれに色合いが違うのだとか。
わたくしのかばんはどんな色になるのか…今から楽しみでございます。



編み手はどんどん高齢化していて、後継者はあまり育っていません。
手が痛くなるほど力のいる作業なので、編み手は意外と男性が多いそうです。
あくまでも副業的なこの仕事。主な職業にはならないでしょうから、
後継者は難しいんじゃないかなあ…そんな気がします。

まだまだ新しいものを買っては捨ててる現在のニッポンでは、
修理ができて、さらに年とともに自分と一緒に成長していく道具なんて
なかなか見つかりません。

年を経ていくごとに自分の手の脂が回り、色合い風情が変わっていく…
世界にひとつだけしかない、自分だけの山ぶどうのかばんができあがるのですから
高かったけど買っといて良かったなあ!と最近よく思います。

gsazou 02045
栃の実と山ぶどうの皮で作ったちっこい飾り。
寒風さんのところでかばんを買うと、サービスでつけてくださいます。
栃の実ってかわいい形してますよね。私のかばんにもくっついてます。


着物なんかもそうなのですが、伝統的な手仕事のものを大切にしていきたいなあ…
年を取ったせいか、ますますそんな風に思っています。


戸田寒風さんに会えますよ!
2月8日まで上野松坂屋本館催事場で山ぶどうのかばんを出店されています。
楽しいお話も聞けるので、ぜひ行ってみてくださいね。


★現在ブログランキング参加中です!
↓プキッとクリック、ご協力お願いいたします!



こちらもよろしくお願いいたします!
にほんブログ村 環境ブログ 有機・オーガニックへ
にほんブログ村
プロフィール

ほんたべ

Author:ほんたべ
手島奈緒
おいしい食べものをつくる人を紹介したり応援したりしております。ブログをまとめた著書『いでんしくみかえさくもつのないせいかつ』(雷鳥社)『まだまだあった! 知らずに食べてる体を壊す食品』(アスコム)『儲かる「西出式」農法』(さくら舎)など。現在ハンター修行中。

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
カレンダー
01 | 2011/02 | 03
- - 1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 - - - - -
リンク
FC2ブログランキング
FC2ブログランキング参加中

FC2Blog Ranking

フリーエリア
検索フォーム
RSSリンクの表示
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR