チッソ成分という名の「欲」

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レタスは外葉の大きさで玉の大きさが決まるので、初期育成がすごく大切な作物。
なので初期のチッソ肥料がとても大切。寒い地域で畑の微生物が初期に働けない地域では、
速効性のある化学肥料を初期のみ投入する人が多いです。高原産地などに顕著です。



植物の生育に必要な要素はチッソ、リン酸、カリと言われますが、
本当は9つの多量要素ってのが必要です。

チッソ、リン酸、カリ、カルシウム、マグネシウム、炭素、水素、酸素、イオウ。
この中で、収量に最も関係するのがチッソ。

じゃあ、作物をたくさん収穫したければチッソ分をバンバカ入れればいいってこと?
さにあらず。そんなことしたら、病気と虫が大量発生します。
それらを抑えるために、農薬を使う…近代農業の通ってきた道ですね。

チッソを入れ過ぎると全く何も生育しなくなる…なんてこともあります。

「種をまいても生育しないので、肥料が足りないせいだと思い堆肥を入れ続けてた」
その農家は、ある日土壌分析をして初めて「肥料入れ過ぎてた」と気づいたそうです。
土壌分析、やった方がいいってことがよくわかるエピソードですね。

それはともかく。

チッソ分は一反当たりだいたい15kgあれば、普通に作物が作れます。
ほんたべ農園でもこの数字で計算し、チッソ分を入れる予定です。
でも手間暇かけられる家庭菜園ですから、元肥一発にはしないで、
ちまちまと追肥をすることにいたしました。その方が継続的にチッソを効かせられるからです。

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埼玉県の瀬山明さんの畑のほうれん草。冬場の野菜は硝酸態チッソの残留が少なく、
糖度が高いのでおいしいですね。チッソ分は光合成をきちんと行えて分解されていれば
何の問題もありません。分解できる以上のチッソを吸ってしまうと害虫発生の原因になります。



ちなみに。

CEC(塩基置換容量)が高ければ、土が肥料分を保持する能力が高いので
チッソをたくさん投入できます。参考までに計算してみました。

CECが10の場合は → 10×0.2×14 = 28kg
20の場合は     → 20×0.2×14 = 56kg
30の場合は     →30×0.2×14 = 84kg

しかしこれはあくまで理論上の数値にしかすぎません。

一反84kgも入れちゃうと、お茶の栽培になっちゃいますね。
チッソの形によっては地下に流亡し、地下水を硝酸態チッソ汚染することになります。
「堆肥をバンバン入れてる人の野菜が危険だ!」とか言われる理由がこれです。

堆肥の成分分析をしないで「有機だから」という理由でやみくもに入れていると、
作物が吸収できず流亡した硝酸態チッソが土壌・地下水を汚染し、
作物の体内に残ってしまい、牛も食べない菜っ葉ができたりしちゃうのです。

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少しチッソが多いような色をしている小松菜。生で食べると苦くて、やっぱり多かったです。
葉物は成長途中のものを食べる作物。チッソが多いと虫も来るし味も悪くなっちゃいます。
アブラムシが大量についてる菜っ葉などは、施肥設計が間違ってるのでしょう。
「有機だからしょうがない」と言う人がいますが、あまり関係ないと思うなあ。



チッソ分が多いと作物の味が悪くなるという理屈も同じです。
有機なのにいまいちだよなあ…という人の畑には、大量にチッソが入ってたりします。
まあ、やっぱり、チッソというのはわかりやすく言うと「欲」なのですね。

その「欲」をうまく効かせて本当に安心でおいしいものを作るためには、
肥料にひと手間かけねばなりません。

さて、その前に。
植物の体内ではチッソはどのように変わっていくかを知らねばなりませんです。

硝酸態チッソで吸収→アンモニア態チッソ→アミド態チッソ→アミノ酸、
最終的にはこれがたんぱく質になって、植物は自分の体を作ります。

有機質を利用して堆肥を作る場合、チッソ分の分解は上記の逆になります。
たんぱく質→アミノ酸→アミド態チッソ→硝酸態チッソ→アンモニア態チッソ。

植物は硝酸態チッソの形でしかチッソ分を吸収しないので(※)、
化学肥料のチッソ分は、アンモニア態チッソという形をしていることが多いです。
高温発酵した完熟堆肥もだいたいアンモニア態チッソ。
(※)アンモニア態チッソ・アミノ酸も吸収することがわかっているが、ほとんどは硝酸態チッソ

有機質肥料も化学肥料も、チッソの形は同じなんですね~。
だから、鶏糞堆肥なんかを大量に投入すると、虫や病気が出るのは当たり前なのです。

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「雲地ファミリー農園」の自家製ボカシ。キトサン効果を狙ってカニガラ入れてます。
温度管理するのに大変だったと聞きましたが、無事50度以上にならず完成したそうです。
これで今年はトマトを作るとか。味がどうなるか楽しみですねえ~。がんばって雲地さん!



「そうならないために、ボカシ肥料を作りなさい、それが有機栽培のメリット」
というのが、私の師匠、西出隆一さんの理論です。

温度を50度以上にしないで分解したボカシのチッソ分は、アミノ酸の形をしています。
アミノ酸のまま土中に投入されると、植物はアミノ酸を吸収し、たんぱく質を合成します。

上記のステップの中を2段階抜けることから、余分な体力を使わずにすみ、
余分な体力=糖分の蓄積 なので、食味が上がると言う理屈です。

さらに。

硝酸態チッソからアミノ酸へ移行する途中にできる物質が、虫を呼ぶニオイを放つため、
硝酸態チッソを吸わせると害虫被害が多くなるという弊害もあり、
チッソ分はアミノ酸の形で土中にあるのが理想なのですね~。でも難しい。

しかも、アミノ酸は土壌分析しても数値化できませんのです。
チッソ分がほとんどないのに、ちゃんと作物ができる自然農法の人の畑は、
アミノ酸がたくさんあるのでしょう。そんな畑になるまでには、何十年もかかるでしょうね。

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埼玉県・瀬山明さん。堆肥も併用していましたが、長年ボカシを入れ続けた畑には
微生物がいっぱい。生の資材を入れても、1週間で分解し終わってしまうと研究者が驚いていました。
今年は無施肥で栽培してみるとのこと。一朝一夕にはそういう畑は作れませんです。



ということで、手っ取り早く収量を上げたいけど自家製ボカシを作る場所もない
へなちょこほんたべ農園としては、購入ボカシ肥料を投入することにいたします。
その名は「モグラ堆肥A」

このボカシ、前回初めて使ったのですが、ものすご~く味が良くなるのですよ!
とくにピーマン。甘くて大きくておいしかったなあ…今年も作ろう、ピーマン。

ピーマンはチッソ分が大好きなので、トマトと同じ施肥では収量が上がりません。
チッソは追肥で多めに入れて、さらに今年は一本の木から200個採れる剪定を実践…
っていうか、去年成功した人から教えていただく予定です。

野菜室に入った大量のピーマンを毎晩眺めては「うひっ」と豊かな気持ちになるのが、
今年の夏の、ささやかな私の「欲」でございます。


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土壌分析診断やりました

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科学的な家庭菜園の収量目標は、一本の樹からナスを100個でございます。
なんつって。そんな剪定できるんか。前回は一回目の剪定でわけがわからなくなりました。
少ない面積で高収量ってのが、家庭菜園ならではの醍醐味でございましょう。



高品質多収の家庭菜園のためには、適正な施肥設計が必要でございます。
というので、土を分析に出しておりました。

ところが、もうじきGW。

自家育苗のできないへなちょこ家庭菜園家としては、
農協よりもいい苗を販売している近所のユニディさんで苗を購入するのですが、
早く施肥しないと間に合わないと焦りまくっていましたら、来ましたよ、分析結果が。

さて、その結果は。
思った通りカルシウム過剰のチョーバランスの悪い畑でございました。

まあ、いいけどね…そうなると思ってたよ。近所の農家、全く分析なんかしてないし、
年に一回やみくもに石灰入れてるし。

だいたいさあ、6月とか9月とか、毎年どっちかの号の「現代農業」に、
必ず「石灰で病害虫激減」とかわけわかんない記事が載ってるのはどういうわけ?
うっかりみんな、石灰入れちゃうじゃんか。

あれって、クレーム来たりしないのかな~。
毎年石灰入れてたら、過剰になって大変なことが起きると思うんだけどさ、
そういうこと、全く記事になってないし…ぶつくさぶつくさ。

てなことを置いといて、数字を転記してみます。

白い点はカルシウム
ハウス栽培のトマトで水管理を失敗すると、カルシウムを急激に吸って
トマトの表面にキラキラした白い粒みたいなパールのようなきらめきが出てきます。
急激な吸水が原因のため、こういうトマトは糖度が低いことが多いです。



まず、CEC → 32.8

CECってのは塩基置換容量と言いまして、
土が肥料をどれだけ保持できるかの目安の数字になります。
露地畑では20以上、ハウスでは30以上が目標です。
この数値を基にして、石灰・苦土・カリの適正値を計算します。

ほんたべ農園では、なぜか32.8もありました。
火山灰土の典型的な数字です。高すぎるので割り引いて考えます。

次に腐植 → 3.18

腐植は団粒構造を作る際に大変に必要なもので、適正値は5でございます。
3.18しかありません。今後モミガラ・残さ等々をバカバカ入れる必要があります。

あとはそれぞれの塩基類の適正値を計算します。

石灰 → 549.90 →ひえ~! 見た瞬間に腰がくだけました(泣)
苦土 → 82.60
カリ → 59.20

何度も言いますが、それぞれの適正値はCECの数字から導き出されます。

普及所や農協で分析してもらうと、CECが出てこないことがあり、
それで適正値とか書いてあるのでびっくりします。

IMG_1053.jpg
尻腐れ病とか言われるけど、この症状はカルシウム欠乏が原因。そもそも畑に足りないのか、
じゅうぶんにあるけど水管理のせいでカルシウムが吸えなかったか…。
土壌分析をしていなければ、原因も追究できないのですよ。分析って大切なんですよ。



土がどれだけ肥料をつかんでおけるかわからない状態で、適正値もへったくれもありません。
CECの大きさによって、塩基類の必要量が変わってくるのです。
CECが高ければ高いほど、入れられる塩基類もチッソも多くなるんですから、
年に一回はきちんと分析した方がいいと思いますですよ。

ということで計算いたします(CECが32.8ってのは高すぎるので25で行います)

カルシウムの適正値 CEC×0.6(ハウスの場合は0.8)×5/8×28→ 262.5
分析数値・549.9-262.5=287kg過剰

マグネシウムの適正値 CEC×0.6(ハウスの場合は0.8)×2/8×20 → 75
分析数値・82.6-75=7.6kg過剰

カリウムの適正値 CEC×0.6(ハウスの場合は0.8)×1/8×47  → 88.2 
分析数値・59.2-88.2=29kg不足

それぞれ一反(10アール)当たりの数字なので、15平方メートルに換算します。
石灰・苦土は過剰。カリが435g必要ってことになりました。

カリ欠乏症
カリの欠乏症。特徴は下葉の葉先が枯れこむこと。カリは植物体内を移動するため、
新芽に足りなくなると下の葉っぱから足りない分を移動させるので、下葉に症状が出るのです。
日々植物を見て、何が足りないか、何が多いか見極める観察力も大切ってことですね。



次にチッソ分 → アンモニア態チッソ・4.09、硝酸態チッソ・1.67。

ほんたべ農園にはチッソの残留が約5.6kgあります。
チッソの適正値は、CEC×0.2×14 ですから、理論上一反あたり70kgまでOKです。

でもそんなに入れませんよ。団粒構造ができていないので、流亡する可能性が高いから、
ちまちまと追肥で対応いたします。

夏場の果菜類に必要なリン酸 → 17.73

リン酸の適正値50~100。む~、思い切り足りませんね~。
さらにリン酸吸収係数が2230とべらぼうに高い数字です。
ほんたべ農園は、火山灰土にありがちなリン酸が吸われにくい土壌なのでした。

少し多めに1.5kg入れちゃおう。果菜類を作るし、これぐらい大丈夫でしょう。

グリーンマーク
このようにグリーンマークの出たおいしそうなトマトは、基本的には5段目までなら素人でも作れます。
勝負は5段目以降。前回は隣のオヤジと何段採れるか賭けをしてあっさり負けましたが、
今年は目標8段ってことで鋭意努力したいと存じます(いいオトナですからもう賭けませんよ)。



結論→カリ435g、リン酸1.5kgを投入

石灰過剰なので、石灰の好きなトマトや豆類がよくできるでしょう(希望的観測)。
さあ、飛び散る放射能に気をつけて、肥料投入だ!

そして詳細は次回だ!


■営業のお知らせ
・土壌分析をしてみたけど、診断方法がわかんないという方
・分析をしてみたいという方、ご相談承ります。以下にご連絡くださいませ。
 料金等、詳細はメールで  info@hontabe.com

※上記、土壌についての詳細はほんたべのWEBサイト「ほんものの食べものくらぶ」
土づくりは有機農業の基本「土の化学性」をご参照ください。


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「桃の精」との思い出―山梨県・久津間範彦さん

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日川から始まり、白鳳→長沢→一宮→浅間→浅間2号→川中島→晩生の桃いろいろ。
桃という果物はいろんな品種が約1週間ずつ出荷され、7月上旬から9月上旬まで店頭に並びます。
山梨の果樹農家は、すもも・桃・ぶどうを組み合わせて栽培していることが多いのですが
桃の品種を早生品種から晩生品種まで作っている人はほとんどいないのでした。



出荷時期が読めない、それぞれの品種のピークが一週間、採り始めると待ったなし。
在庫もできないから、絶対に売り切らなければならない作物「桃」。
シーズン開始時には「そろそろ桃が始まるぞ~」と皆が気合いを入れる商品「桃」。

見た目の色合いのかわいらしさや、うっとりする香りに似合わず
触るとそこが茶色く傷み、落っことしたりするとたちまち商品にならなくなり、
低農薬栽培の場合、とくに流通途中に病気が発生してカビだらけになることもあり、
消費者からチョー怒りの電話がかかってくる商品「桃」。

2000年、私が落葉果樹担当になって初めて担当した作物が、桃でした。
そして桃の生産者、山梨県の久津間さんの担当になりました。

「女に産地担当なんかできるわけない」と言われ、最初は会ってももらえなかった私。

しかし、鈍くてガサツな性格が幸いし、そういうことに気づかず、さらに気にせず、
山梨弁の勘違いもあって、否定されていることも全く知らず、
(「しちょし」を「しろ」と翻訳したです。実は「するな」という意味でありました)
粛々と仕事をし、言いたいことが言えるようになった3年目。

なんだか知らないうちに評価が上がり、かわいがられていることに気づきました。
そして、退社してからも遊びに行っては、いろんな話を聞くようになりました。
山梨県にお父さんがもう一人できたような感じでした。

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除袋の頃、忙しくなって少しスマートになってる久津間範彦さん。
「ちゃんと予定通り出荷できるよう、桃の樹によ~く言い聞かせといたから」
出荷予定が組めず毎年全く予定が立たないので「なんとかして」と言うと、いつもこう言われました。
もちろん予定通りは絶対出てこないのですが、久津間さんが言うと出るような気がしちゃって。
会議でこんな報告すると「何言ってんだ」って言われるんですけどね~。



桃が大好きで、桃以外の作物を作っていない久津間さんは、
大地を守る会の産地担当の中で「桃の精」とあだ名されていました。

久津間さんの桃畑に行くと、木と木の間がとても広く取られていて、
枝はお日様を存分に浴びられるように広がり、風通しよく作られています。

適度についた桃の実は、お日様をいっぱいに浴びた葉で光合成された養分が蓄積され、
樹のてっぺんも、下枝の先も同じようにおいしい…久津間さんの桃はそんな桃でした。

桃農家は皆知っていて、食べる人はあまり知らないことですが、
桃は一本の樹の中でできる果実の味の個体差が、非常に大きな果物です。

木のてっぺんのものはおいしいけど、日陰のものは糖度が乗らずおいしくない。
そもそもがそういった作物なのを、いかにしてバランスよく全てをおいしく作るか、
それが、桃農家の腕の見せ所であり、彼にしかできないことでもありました。

さらに、一般栽培の約3分の1の農薬で桃を作る技術力。そのうえで、
「おいしいものを作るのが百姓の仕事なんだから、おいしくないものを作ってちゃダメ。
百姓は、いいものを作ってこそ百姓」と言い切る自信。

まさに「桃の精」でないと出来ない仕事でした。

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草生栽培の桃畑は、風が通るととても気持ちのよい畑。桃の樹もきっと同じでしょう。
桃に対する愛情が畑や樹の形から感じられ、言葉のはしばしからも伝わって来ました。
やっぱ「桃の精」の言うことは違うな!と、何度も何度も思ったです。



久津間さんのお父さんは、一宮町でもかなり最初に桃を導入した農家でした。
養蚕がメインだった当時、桃に切り替えるとは、かなり先見の明があったのでしょう。

その血を引いた久津間さんご本人は、低農薬栽培への切り替えがかなり早く、
「安心・安全」と言われる前に、すでに低農薬栽培の技術を身につけていた人でした。
やはり先見の明があったのでしょう。地域での低農薬栽培の牽引役でもありました。

農薬取締法が改正された後、一般農家が、決められた農薬をきちんとまいたり、
履歴を農協に報告することができないと騒いでいたとき、
「今頃何を言ってるだ」と笑っていました。「そんなのは普通に出来なきゃダメだ」と。

私は久津間さんに、桃のことだけではなく、いろんなことを教わりました。

結果、桃の農家と桃の話を普通にできる知識(桃農家にとってはイヤ~な知識)を、
久津間さんとの雑談の中で身につけ、流通にウソをつく農家を論破する、
大変嫌がられる産地担当になれたのでした。

桃の花10
お亡くなりになった日は桃の花がちょうど満開。花粉採りを終えての、不慮の事故でした。
桃の花が咲き誇るなか、「桃の精」は逝ってしまったのでした。



4月16日、久津間範彦さんはお亡くなりになりました。

もう桃の樹の下で桃の話を聞くことはできません。
お花見で飲んだくれることも、こたつに入って話しながらうひゃうひゃ笑うことも、
おっきなあったかい手で握手されることも、ないのでした。

約10年間、短い期間でしたが、久津間さんという人の人生に関われたこと。
幸せだったと思います。
本当にありがとうございました。

「安心して食べられるもの」がますます難しくなるかもしれないこれからだけど、
久津間さんに教えていただいたことを忘れないよう、
私もそれを誰かにつなげられるよう、生きて行きます。

御冥福をお祈りいたします。



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ほんものの食べものが無くなる日が来ても

トップページイメージ写真①
ほんたべのイメージフォト「ミツバチちゃんとコスモス」。
撮ろうと思って撮った写真じゃなくて、ぐーぜん撮れました。昆虫写真は基本いつも「偶然」です。



ブログを書き始めて一年経ちました。

履歴を見てみると去年の4月は上旬に3回ほど更新しています。
で、5月中旬まで間があいております。
当初は一週間に一回更新とか考えていたのでしょうが、継続しておりません。

理由は原因不明の熱でありました。

4月19日の朝から37.8℃くらいの熱が出て、前日まで飲んだくれていたため
「二日酔いかな~」とのほほんとしていたら、その後じりじりと上がり、翌週には38.5℃。
全く下がらないまま1週間。とうとう39℃になり、さすがにビビって病院に行きました。

「原因不明の発熱って症状で、それの名前は不明熱って言うんだよね~」
ミョーに朗らかなお医者さんが、かる~くおっしゃいました。
「一カ月ぐらい熱が下がんないと思うよ~。リウマチが心配だから血液検査しとこうか」

何度か採血されてレントゲンとって、リウマチの抗体とか調べてるうちに一カ月。
37.5℃で体温が落ち着きはじめ、ようやくブログの更新ができました。
(ちなみに現在の平熱も37℃位。わたくしは微熱オバハンなのですね)

というような思い出のある昨年の4月。
不明熱の理由はいまもって不明です。(だからこそ不明熱)

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おいしいお料理の紹介なんかできたら楽しいなあ…と思いつつ。一度もしませんでした。
自分の料理はガッサリした男の手料理風料理だし、食べに行くと写真撮る前に食べちゃうし。
そういうことに向いてないんですなあ。



当初週1の更新予定でしたが、書きたいこともいろいろあって、今は中3日更新。
去年写真がなくて書けなかったこともあるので、今年度は動物の写真撮影が目標。
「安心=ほんもの=おいしい」を軸にして、未来永劫このテーマが継続できると思ってました。

そうしたら。

誰も起こるとは思っていなかったとんでもない事故が起きたです。
その後の経緯は皆さんご存じのとおり。
で、わたくし的にかなりショックなことが続いています。

茨城県の牛乳が出荷停止になった際に聞いた話ですが(伝聞情報ですみません)、
この牧場は青草を食べさせてる放牧の牧場だったとか。
通常乳牛は牛舎で乾燥した草と穀物飼料を食べてるもんですが、
乳牛には大変珍しい、放牧している牛だった…ってことは、おいしい牛乳だったんでしょう。

私はふだん全く牛乳は飲みません。
時々飲みたくなると、放牧しているメーカーの低温殺菌牛乳を選びます。
だって、全然味が違うんだもん。フツーの牛乳、おいしくないんだもん。

で、出荷停止。ガチョーンって感じです。

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原木シイタケにも山の中にホダ木を置いておくもの、ハウスの中で発生を待つもの、
いろいろあります。たぶん山の中に置いてあるものが出荷停止になったのでしょう。
だから、わざわざ「露地」と言ってるのだと思います。



昨日は福島県の一部で、露地の原木シイタケが出荷停止になりました。

原木シイタケは、菌床栽培のものと比べて、手間と暇と労働力が必要だけど、
味は100倍ほども違うもの。まさに「ほんもの」のシイタケで、味も香りも素晴らしく、
ふんにゃりした菌床シイタケが嫌いな私は、原木シイタケしか食べられないのです。

で、出荷停止。

あああ、このままどんどん「おいしいもの」がなくなっちゃうんでは…。

食べもののおいしさは、そのものが自然に近い作り方をされているとか、
伝統的な製法で作られているとか、そういったことがとても影響するものです。

今もまだちびちびと放射性物質が出続けている状態で、
この後はどうなるんだろう。いつ自然が修復してくれるんだろう。

そういった状況の中でのほほんと「ほんもの」とか紹介し続けられるんだろうか。
実際に出荷停止になりつつある作物があるのに?
「なにぽよよんとしたこと言ってんだ!」とか指導が入ったりするんだろうかしら。

なんてことを考えると、何を書いていいのかかなりわからなくなっているわたくし。
事故の後、書いてることが戯言っぽく見えちゃって仕方がありませんのです。

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種をまけば芽が出るし、成長すれば花が咲いて実がなって、また種になる。
粛々と自分の仕事を続けるのが、きっと今できる唯一のことなのだと思ったりします。




しかしまあ、農家は種をまいてるし、生きものは生き続けています。
ものを作る人たちは、ものづくりを辞めることはないんだろうと思います。
だって、それが生業なんだもの。種をまくことが。



ブログを書いてるだけで実はわたくし、職業としては何も生み出しておりませんが、
やっぱりできることをやるしかないのかなと思ったりもしています。

事故が将来的にどう影響するのか等々わかんないことは置いといて、
これからもほんものを作る人たちを紹介して行きたい…その思いは変わりません。

さらに、ほんものだからこそおいしい! そんな食べものの情報や、
一般的に知らされていないこと、知らないこと、まだまだきっとたくさんあります。

誰かが「知る」ことで何かが「変わる」かもしれない。そこに意味があるかもしれない。
あるってことにしておこう。


ということで、本日また、決意を新たにした次第です。


ほんものの食べものが無くなる日が来ても、ちまっと書き続けます。
これからも食べものまわりの情報をお伝えしていきますので、よろしくお願いいたします。


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オーガニック(安全)なら何でもいいのかという疑問

桃の花10
桃の花がそろそろ満開ですよ~。日本での果樹類の有機JAS取得割合はとても低く、
そもそも気候が果樹栽培に向いていないんだろうなあ…としみじみ思います。
四季がある美しい国、日本。しかし、梅雨で病気が感染し、春~秋にかけて害虫も発生し、
害虫が越冬できるあったかい冬の日本。でも世界一果物のおいしい国でもあります。


有機JAS認証について書いたその日、夜半になって急に脳内のシナプスがつながり、
サビついた記憶がよみがえりました。

「そう言えば反対の理由って、もっと他にもあったよなあ…」

表示を規制すること以外に、海外からの輸入オーガニックに対しての懸念を、
各団体が表明していたことを、ぽこっと思い出しました。

有機JAS認証海外格付けの数字を提示しながらちっとも思い出せなかったのは、
ビールを飲み過ぎているせい? っていうか、老化現象?

まあ、ともかく以下のようなことだったです。

「有機農業を推進するのなら、日本の農業を守らねばならない。
そういった理念なしに表示の規制のみ決めてしまうと、
安全なら(オーガニックなら)、海外から輸入し国内生産でなくてもいい、
そんな考えを持つ人(流通・企業)が増え、日本の農業を守ることにつながらない」

有機農業=農業を含め環境を守る と言う理念ですから、当然の指摘でした。

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まっすぐな一本葱は中国からの輸入のものがとても多く、居酒屋なんかで食べる
ごわごわした葱は「輸入かな~」と背中のへんがいつも寒くなります。おいしくなくて。
これは有機JAS認証を取得した自家採種のものすんごくおいしい葱。こういう葱を居酒屋で食べたいなあ。



輸入野菜の方が規格が統一でき(規格以外のものは買いあげない)、
日本で作るよりも安く、欲しいだけ発注できる…輸入野菜にはそういったメリットがあります。

例えば、冬の葱が不作で、葱の市場価格がじりじりと上がり始めると、
中国から葱が大量にやってきて、葱の市況が下がります。

当時働いていた会社では、契約価格で市況に価格が左右されないため、
基本的に野菜はいつも割高なのですが、市況が上がるとそれよりも市場が高くなるため、
野菜が飛ぶように売れ始めます。年に1・2回、そういうことが起こります。

しかし。市況が上がり始め「うおっ!いいぞ!」と思うと、急に価格が下がるのです。
「ああ~また輸入されちゃった…」と、よくがっかりしたもんです。

輸入できる野菜は決して価格が上がらないことを体験すると、
農業とはなんと不安定な仕事なのだとよくわかります。

海外のものではなく国産の野菜を消費者が求めない限り、この流れは変わらない。
オーガニックという表示がされていても、海外産が安ければ皆それを買ってしまい、
日本の農業はますます衰退してしまう…当然の懸念でした。

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2月で閉店してしまいましたが、銀座和光のレストラン「THE WAKO」では私の知り合いの
有機野菜を一部使っていました。水曜日に入荷するので、金曜日くらいまでメニューに入ってたかな。
こういうお店がもっと増えるといいんですけど、まあ、経営不振で閉店したのですが…。



そしてそれは今、すでに現実のものになっていたのでした。
国内格付けよりも、海外格付けが多いものがたくさんあるんですよ、びっくりです。

おそらくそれらは外食産業や加工品に利用されているのでしょう。
原産地表示をしげしげと見ないもの、原産地表示をする必要がないものなどに、
とても使いやすそうです。しかも優位性があり価格も安く提供できます。

そしてそして。「有機」と大きく表示できるのです。

少し数字を調べてみました。

        国内格付        海外格付け
野菜     35,928トン    173,819トン
果樹      2,050トン     90,857トン
米       11,278トン     13,835トン
麦          883トン     83,418トン
大豆      1,318トン     94,250トン
コーヒー生豆     0トン      7,630トン
ナッツ類        0トン       8,236トン
さとうきび       25トン   1,366,243トン

※農水省「平成20年度 認定事業者に係る格付実績」より抜粋
http://www.komenet.jp/_member/documents/2010/03-100106.pdf

日本で栽培できない作物は当然ですが、それ以外のものも海外格付けが多いです。

それはどういうことなのかしら? 一番考えやすいのが大豆です。
自給率が低いにもかかわらず、有機の納豆やお豆腐、豆乳がたくさんあります。
これは原料が輸入オーガニックってことなのですね。

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「中東に畑があったら無農薬でぶどう作れるのになあ…」と昔ぶどう農家に言われました。
梅雨と台風がなければ無農薬栽培は容易だと果樹農家はよく言います。
誰にでもできるわけじゃない、日本で低農薬栽培するのがいいんじゃないですか! 



私は、何が何でも国産品を!と思ってるわけではないのですが、
日本で栽培できるものは国産のものを食べたいと思っています。
食べること=農業を支えることにつながると、実感として知っているからです。

しかしまあ、この流れはもう止めようがないんじゃないかなあ…
諦念にも似た気持ちが今、心の中にあふれております。
「安全なら何でもいい」という人が多いのが今の世の中。
オーガニックであれば何でもいいという人、知らずに選択している人、多そうです。

でも、みんなが忘れていることをひとつしっかりと覚えていました。

2002年頃だったか…中国産の有機ほうれん草から、大量の残留農薬が検出され、
全て回収されたという事件があったです。

その農薬の名前は「ダーズバン」。あの~、この農薬、日本では主に果樹に使うですよ。
しかも残留するから収穫時からできるだけ外して、初夏に使うことが多いですよ。

栽培期間の短い菜っ葉に、なぜこんなに強い殺虫剤を使うのか、
またなぜそんな濃度で残っているのか…見当もつきませんでした。

毒入りぎょうざほど話題にならず、知らない間に収束したこの事件。
ほうれん草を輸入した業者に知り合いがいて、卸先(主に生協)を訪問しては、
平謝りしてるという話を聞き「やっぱ輸入食品って…」とつくづく思ったのでございました。

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冬は病害虫がいないので、基本的に菜っ葉は無農薬栽培が可能です。
春・秋は害虫が出始めるけど、栽培期間が50日程度と短いので無農薬栽培は可能です。
菜っ葉に農薬をまく人はとても多く驚くのですが、さすがにダーズバンはまかないでしょう。



一番安心できるのは、自分で作ること。
それができなければ知り合いから買うこと。
そうでなければ、きちんと履歴を取ってる流通から買うこと。
これが今までの常識だったです。

しかし、福島第一原発の事故以降、日本での食べものの安全性は、
放射能の数値でしか考えられなくなっているかのようです。
誰も今農薬のことは気にしておらず、原産地表示を今までになく気にしています。

農家にとっては、自分の栽培したものに責任を負えなくなる可能性がある、
(空から降ってくるもので安全性が失われる可能性がある)
それが今の状態。考えただけで精神が蝕まれるような状態です。

もう少ししたら「輸入した野菜の方が安全」と誰かが言い出すかもしれません。
でもちょっと考えてみて欲しいのです。

宮城県の水田が今後約1万ヘクタール塩害で使用できないと報道されていましたが、
今回の震災で被害を受けた東北地方は、県ごとの食料自給率が100%以上の
他県の食料を生産している食料生産地帯です。

ここを守らねば日本の未来はありません。

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おいしい日本のお米…今年も絶対に私は食べたいです!食べ続けます!


こんな時だからこそ、食べ支えることがとても大切なんじゃないでしょうか。

とりあえず、お店に売ってるものは農薬も放射能も基準値以内なのだから、
安心して食べましょうよ、と言いたい私です。


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有機JAS認証と有機農業推進法と有機農業

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ほんたべ農園で栽培したカブ。有機JAS認証で使っていいと定められている資材を使って、
無農薬栽培なんだけど、有機JAS認証を取得していないので有機と表示して売ってはいけません。
つまり有機JAS認証は、販売の際の表示の規制を定めた法律なのですね。



先日あるところでオーガニック食品についての講演をさせていただきました。

有機JAS認証・有機農産物・有機農業…有機と名のつくものは様々あるのですが、
「何が何だかよくわかんな~い」と言われることが多いもの。
有機農産物についてメディアで紹介される際でも、「おや?」という説明が多く、
きちんと理解されていないのかなあ…と思ったりしています。

有機JAS認証含め、有機農産物についてきちんと理解している人は、
全国民の約5%しかいないのだそうです。びっくり! 
これでは有機JAS認証取得の数字が上がらないのもうなずけますねえ。

有機JAS法は新しい法律で、施行されたのは2000年です。

食の安心に関心が高まるなか、有機農産物・無農薬野菜の優良誤認が問題になり
法制化されたのですが、有機農業団体はこの法律に大反対していました。

反対していた団体のひとつ・大地を守る会。当時私は広報室で勤務しておりました。
今ほど有機農業がメジャーではない時代です。
有機農業は「有機農業運動」という名の市民運動でもありました。

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有機JAS認証は作物ではなく圃場に対して認定されます。認定圃場には看板がかかってます。
有機JAS認証を受けた圃場で栽培されたものを「有機」と称して売っていいのですね。
検査は前年度の栽培においてなされるので、その年有機JASで定められたもの以外のものを使用しても
表示して売ることは可能です。そうなった場合、翌年から有機が取り消されるんですけど…
まあリアルタイムじゃないってことですね。


有機農業を理解するには、まずはここからの説明が必要だと思います。

1975年。朝日新聞に有吉佐和子さんが「複合汚染」を連載中でした。
この本をきっかけに、農薬や化学肥料などを多投する農業の問題が表面化し、
「安全なものを作りたい農家」と「安全な野菜を食べたい消費者」がつながり始めました。

農協や市場を介さず、消費者と農家が直接取引する「産直」があちこちで始まり、
都市の消費者が有機農家の栽培する野菜を買い支え、無農薬の畑へ援農に行く。

ただ食べものの安全性のみを考えるのではなく、食べものを切り口として
環境を守り、子どもたちの未来を守ろうという人たちが増え、
有機農業運動は、都市の消費者にじわじわと広がっていきました。

大地を守る会の設立も1975年。市民運動華やかなりし時代です。

さて、消費者と農家が直接取引をしている間は、安全に対する疑念は起きにくいものです。
お互いの顔と顔が見えていれば、ウソはつきにくいもの。
信頼関係は、生産現場に援農に行くことで培われていました。

有機農産物と消費者
作ってる人が「私は有機だ!」と言うのは一者認証。作り手と流通が「有機だ!」というのは二者認証。
いずれも客観性はありません。私が「私は有機だ!」と言うのと同じです。
有機JAS認証は第三者(認定機関)が農家を検査し「有機である」と認定することで取得できます。
有機JASでなくても第三者機関の客観性を得る方法(GAPとか)もあります。



しかし、この美しい関係が続いたのは、有機野菜がブームになる1990年代まで。

「有機って儲かるんだって」「無農薬野菜は高く売れるんだって」
有機農産物がマーケットとして成り立つようになると、事情が大きく変わってきます。

農薬を時々まいてるけど、堆肥を入れてれば有機農業。だから、作ってるのは有機野菜。
一回ぐらい農薬使っても、いつもは使わないからほとんど無農薬…という感じで、
流通も農家も、有機・無農薬という優位性のある魔法の言葉をバンバン使うようになりました。

当然ですが、儲かるんだったらウソをつく人も出てきます。
「有機農業」という言葉を規制する必要性が出てきたのは、当然の流れでした。

当時有機農業団体がこぞってこの法制化に反対したのは、
有機農業の推進という理念なしに、単なる表示の規制のみを行うことについてでした。

有機JAS法は、簡単に言うと「有機農産物」と表示して売るためのルールを定めたもの。
そこに理念は存在しません。
有機農業は、スタートが市民運動。理念は当然必須だったのですが、反対もむなしく
有機農産物ガイドラインという段階を経て、有機JAS法は2000年に施行されました。

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平成20年度の野菜の有機格付けは35,928トン。海外での格付けは173,819トンでした。
海外で有機JASを取得して輸入されているものが多いのですね。
米は11,278トン。米も海外格付けのものがあるのですが、加工品に利用されているのでしょう。
こういった数字を全部合わせると「日本の有機農産物は0.19%」という悲しい数字になります。



有機農業推進法が施行されたのは、その6年後、2006年の話です。

有機農業の存在すら認めなかった国が、有機農業を推進すると方針を明確にしたのです。
理念や、販売方法・消費者への啓蒙、技術の構築の必要性などもきちんと明記され、
ようやく自分たちの実績を認められたと有機農業界の人々は喜びました。

ただ、有機JAS法との整合性を整理するまでには至らず、現在もそのままです。

上記のような流れを知らない人にとっては、
「有機JAS認証」と「有機JAS認証ではない有機農業」がなぜ混在するのか
いまいち理解できないというのがわかるような気がします(確かにわかりにくいです)。

さらに何十年も有機農業を実践してきた農家には、筋金入りの思想がそれぞれにあり、
ひとつとして同じものなく、農家ごとに「有機とはこういうもの」ってのがあったりして
さらに、さらにわかりにくくなっています。

有機農業推進法の施行後、県や自治体単位で方針をそれぞれに策定し、
委員会などが作られ、モデルタウン事業などの助成金も交付されました。
(民主党政権になってから、有機農業関連の事業が仕分されたようですけど)

画像1
モデルタウン事業では有機農業関連の講演を行ったり、新規就農者受け入れを行ったり、
様々な取り組みがされています。金子美登さんのいらっしゃる小川町などがいい例ですね。
金子さんを中心に「有機の町づくり」を推進しています。ただ誰にでもできることじゃない。
戦略を考えられるプロデューサー等々ある程度「栽培者」じゃない人の力が必要なんですよね~。



牽引力のある有機農家がいる町では、その人を中心に有機農業の輪が広がりますが、
そういう人のいない地域では、有機農家はいまだにアウトサイダー的な存在ってのも現状。

「販売促進」「消費者への啓蒙」「技術の構築」も、いまいち効果が目に見えにくい。
その理由はやはりわかりにくさに起因するのかなあと思っています。

ともあれ、有機農業推進は6年前から日本という国の方針でもあります。

「大規模集約化で海外との競争力のある農業を」とか言ってる政治家と農水の方々、
有機農業は推進しなくちゃいけないんですよ~。


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プロフィール

ほんたべ

Author:ほんたべ
手島奈緒
おいしい食べものをつくる人を紹介したり応援したりしております。ブログをまとめた著書『いでんしくみかえさくもつのないせいかつ』(雷鳥社)『まだまだあった! 知らずに食べてる体を壊す食品』(アスコム)『儲かる「西出式」農法』(さくら舎)など。現在ハンター修行中。

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