有機農業の技術体系構築はほんとうにできるのか

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★お知らせ★ブロとも「気道戦士 喉頭癌ダム」さんのブログでご紹介いただきました、
規格外りんごの販売をしております。5kg箱2,800円、10kg箱4,500円にて。
慣行栽培の半分以下の農薬散布で、見てくれが多少悪いのですが味は抜群。
絶対お勧め。記事は後日掲載いたします。お申し込みはお問合せフォームからどうぞ。



10月25日、山梨県で開催された
「有機農業試験研究交流会」(日本有機農業学会主催)に参加しました。

タイトルの通り、有機農業関連の研究結果発表が主たる内容で、
わたくしの目的は、宮崎大の大野和朗さんの基調講演
「地域天敵資源を活用した環境と人にやさしい農業」。
大地を守る会でも何度か講演をしていただいた天敵の研究者でございます。

大野さんの発表は、「土着天敵の活用」がテーマでございました。
植生管理、天敵が好む植物、天敵の餌になる植物などが報告され、
大変有意義な、興味深い内容でしたよ。

その他の研究成果も、いずれも興味深く面白かったのですが、
全体的に「農業の現場に反映されていない」という印象を受けたのでございます。

例えば、土着天敵の活用ひとつとってみても。

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ヒラタアブ♀ 幼虫はアブラムシの天敵ですが、成虫を呼びこまないと幼虫は増えません。
で、この成虫は花粉を食べるので、圃場周りにハーブを植えるといいようです。
ヒラタアブは成虫がやってきてから17日で幼虫がアブラムシを食べ始めるので、
早く呼び込んでやると被害が少なくて済むというお話でした。好き、ヒラタアブ。



慣行栽培では、作物に害虫被害が見えると、もう商品になりません。

天敵昆虫は必ず、害虫が一定程度の数になるまで増えないため、
その間は作物が食われ放題に食われるわけでございます。

実際には、その初期の被害で規格外になってしまうため、
天敵の活用は現実的ではないと慣行農家に判断されてしまいます。

土着天敵という資源があり、活用方法もある程度わかっていながら、
農薬会社が販売している施設園芸向けの天敵製剤以外、
例えば慣行栽培の露地農家で天敵活用がされない理由は、
上記のようなものなのでした。

であれば、初期の被害が発生しない土づくりがあって
その後土着天敵を活用するために植生管理などを行うとか、
そういったアプローチができそうなのですが、
天敵研究と土壌学とは分野が違うので、
「双方を俯瞰してみて技術を構築する」ということはできないのですね。

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アザミウマ類の天敵、ヒメハナカメムシ。こういった天敵類は、有機の畑で増え、
慣行栽培の畑で殺されています。慣行栽培の人たちが
「有機圃場から害虫が飛んでくる」というのは実は逆。
「慣行圃場で天敵が死んでいる」が正しいのです。そう言うとケンカになっちゃうけど。



分野ごとの横のつながりがあれば、あるいは農業普及員などが
総合的な知識を持ち、農家に指導できれば違うのかもしれませんが、
そういうことは全くないようです。

っていうか、そもそも普及員に有機の知識がある人いないみたいだし。
そんな人ばっかじゃないとは思うけど。

また、それぞれの分野ではオーソリティがいるけど、
全体を俯瞰して見る人がいないというこの構造では、
結局科学的で再現性のある有機農業技術を作るなんてことは
かなり難しいのではないかと暗澹たる気持ちになったのでございました。

さても悲しい現実。わたくしの夢見る世界はまだまだ遠いのでございます。

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アブラムシの天敵アブラバチ類。日本にはこのアブラバチ類がたくさんいて、
同定できないものがほとんどだそうなのです。まさに天敵天国日本。なのに活躍の機会ナシ。
自然植生が豊かな畑であればあるほど天敵はいるのですが、農家的に言うとそれは下農。



さて、2010年農業センサスが発表されました。
http://www.maff.go.jp/j/tokei/census/afc/index.html

細かい数字があれこれ出ております。非常に興味深いです。
とりいそぎ、以下のデータを調べてみましたです。

          平成22年    平成17年
総農家戸数(戸) 2,527,948  2,848,166   -32万戸
耕作放棄地(ha)  395,981   385,791     +1万ha

平成17年と比較すると農家がずいぶん減っていますね。
平成17年と言えば2005年。農業ブームが始まる少し前。

2008年頃から農業がやたらとメディアに取り上げられてました。
新規就農者が増え、農業人口が増えるような錯覚を、おそらく
テレビを見ている人たちは皆、持っていたのではないでしょうか。

全く増えてません。これが現実。

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今回大野先生に聞いたなかで一番興味深かったのが、このオクラの話。
オクラって先端部から透明な分泌物を出すのですが、これが天敵の餌なのですって。
食べもの(害虫)がいない時期、ヒメハナカメムシがこれを食べて命をつないでいる。
オクラは花も咲くし、天敵温存植物にもなるのですね。いいじゃない、オクラ。



有機農業関連の調査報告では、新規就農者の有機農業志向率が高く、
有機農業の未来は明るい的な話でした。うーん、どうなのかな。
この減り続けている農家戸数の中で、新規就農者が増えているのかどうか。
その数字は見つかりませんでした。

農業センサスの中に「農家面積による後継者の数」という数字もあります。

大規模農家に後継者が多いという結果は、当然の結果でしょう。
食っていけなければ後継者などいないはずですから。
大規模農家は儲かっているのか、後継者がいるから大規模化したのか。
どちらが先かわかりませんが、そういうことなのだと推測します。

耕作面積についての数値を見ると、小規模農家は減っており、
100ヘクタール以上の面積を保持している経営体が増えているようです。

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その他天敵温存植物として圃場から天敵を逃がさないために有用な人参の花。
ヒメハナカメムシがこれで大量に増殖したという結果があります。
スイートコーンの花粉もOK。オクラと同じく天敵温存にもなり換金作物にもなります。
お金にならない作物は植えたがらないのが農家なので、こういうデータは役立ちます。



この結果からは、政府の政策通りの農業の大規模化という現実が見えてきます。
なので、農家戸数が減ったようでも大規模化によりそう見えるだけかもしれません。
うんにゃ、そんなことないか。

まあ、全体的には減ってることは事実でしょう。

とくに有機農業などを営む農家は、大規模経営はムリですから、
有機農業やってる農家は、そんなに増えてないってことなのでしょうね。

さて、そこで、有機農業推進法以後、有機農業の技術体系が
構築されてるかどうかって話になります。
何しろ国が有機農業を推進するって法律で定めているのですから、
早急に技術体系を作り上げ、有機農家の比率を高めねばなりません。

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この程度の虫食いは某D社などの低農薬野菜を扱う流通ならOKですが、
JAに出してたら論外なわけで。そんな規格が運用されている限りは、有機農業など
広まるはずもなし…。技術以前に体制や意識の転換がないとムリなのかな~。



で、なんとなく上記の研修会の結果を見ていると
できないんだろうなあ…と、ひしひしと感じるわけでございます。

タテ割りの弊害か、有機農業という思想含みの難しい業種のせいか。

「有機の人って難しいんだよね~」と言っていた、ある農家の顔が思い浮かんだ、
秋の山梨での悲しい1日でございました。

※2011年農業センサスの数字は先日出たばっかりなので、
今後よりわかりやすいグラフや分析等での発表がされると思います。
今回のはとりあえずの数字ってことでご了承ください。


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無肥料栽培の秘密は植物ホルモン ― 道法正徳さん

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道法正徳さん。切り上げ剪定の講習中。果実連勤務時代に土壌分析などは
何十回もやってみたけど、どうしても解決できないことがあったという道法さん。
で、ある日無肥料栽培のヒントを自分のみかん畑で見つけました。
土壌分析をやったけど解決できなかったってあたりに説得力があります。



西出式微生物農法…っていうか、西出式科学的農業を
常日頃実践しているわたくし。ま、草を取らない下農ですけどね。
それはそれとして、師匠は西出先生お一人と心に決めております。

あれこれ浮気すると何してるかわかんなくなるからです。

西出先生の教えを実践すれば、有機農業初心者でも
それなりにできるかもしれないってことで、頑なにひたすら実験中。

ま、草を取らない下農なんですけどね。

そういうわたくしなのですが、この人の話を聞くと、
「あああ、ひょっとしてすんごくすんばらしいのでは!」と
浮気しそうになってしまう人がいます。

それほどインパクトの強い、道法正徳さんの
収量があり、ちゃんと稼げる「無肥料・無農薬栽培理論」。

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通常無農薬栽培のレモンには、ソウカ病、カイヨウ病などの病害が出て
基本的には肌が汚くなりがちです。「無農薬だから許してね、しょうがないのよね」と消費者に
告知するわけですが、こんなにきれいなのばっかりなってると「うーん」と思っちゃうですよ。



ちなみに収量の低い無肥料栽培(っていうか自然農法)は、
技術というより思想ですから、わたくし的にはいまいち興味が薄く、
とりあえずきちんと勉強しておりません。

福岡正信先生の本を最初の20Pほど読んだところです。

さて、昨年のちょうど今頃、広島での勉強会で道法さんの講義を聞き、
理屈はわかるけど、科学的にはどういうことなんだろう…と
迷いながらも、ご紹介させていただきましたです。
■道法さんの記事→無肥料無農薬でみかんを作る人→道法正徳さん

もう一回ちゃんと話を聞きたいなあと思っていたところ、
先日お会いする機会があり、詳しくお話を聞くにつけ、
何と言うか、「うーん、やってみたいかも…。すげえ面白そう!」
とか思っちゃったわけでございます。

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例えばりんごの樹の作り方ですが、勢いがいい枝には実がつきにくいので、
枝を下向きに誘引します。これで植物ホルモンの流れが変わり着果しやすい枝ができます。
道法さんは誘引しないで全部上向きに剪定するっておっしゃるのですよ。
「ええ~?」って思っちゃうでしょう? 果樹類の剪定の常識と真逆なんですよ。

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左の方に真上に向かって何本か枝が出てますが、これが徒長枝と言って
肥料が多かったり樹の勢いが良いと出てきてしまう枝。夏の間に切ったりしますが、
徒長枝を出して切る位ならその分の肥料はいらないんじゃないかと言う考え方もあります。
道法さんはこれを伸ばして横になってる枝を全部切るという剪定なんですよ。



道法さんの考え方は、NPKなどの肥料分は必要なく、
植物ホルモンを適正な形で植物が出せる状況に置くことにより、
高品質で多収、しかも病気に強い作物が栽培できるというもの。

ほんとにNPK必要ないのかなあと思いつつ見たレモン畑では
カイヨウ病にもソウカ病にもかかっていない、さらに虫ひとつついてない、
大玉のレモンがビシバシなってました。

これが植物ホルモンを活性化させるだけでできるとは…
昨年、そのレモン畑で非常に感銘を受けたわけでございます。

でもね。落葉果樹類に適用するとか、野菜作りに適用するとか、
その方法がいまいちわからなかったわけ。だって柑橘類と落葉果樹では
植物生理が違うからね。野菜は永年作物じゃないしさ。

なんて思ってたら。

野菜作りの指導もされているというではありませんか。
で、わたくしの畑のナスの樹の作り方がダメと言われてしまったのでした。

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道法さんのお話を聞いていて、台風でダメになったナスのことを思い出していたわたくし。
枝豆に挟まれててほとんど無肥料だったのに大量に実が着いてたのですよ。
枝豆に押されてる間、全部枝が上向きになってたのですよ。で、支柱を立てて
ナナメに誘引したら、花の付きが悪くなったのです。うーむ…って感じでしょ?



「枝は全て勢いよく上に伸ばす」というかんきつ類の剪定そのままに、
ナスの枝を全部上向きにして支柱を立てることで、
植物ホルモンが活性化し、花が良く咲き実もよくつくとのこと。

「あ、でもね。出す枝は2つか4つ。果菜類の枝を奇数にすると
必ずひとつの枝が弱くなっちゃうからね。偶数で伸ばして。
2本で強すぎるようなら4本で」…わたくし奇数にしておりましたよ。

真上に枝が向くようにするには、ハウスだと誘引するひもの感覚を狭く、
露地だと枝を上に向けてしばってやればいいと道法さん。

「これは、ピーマンも同じようにすればいい。
今年実践した農家は無肥料で収量が2倍だったって。
しかも全部外側に実がなるから、作業性も上がって喜んでた」

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この樹の仕立てを見て「ああ、間違ってる~」って思ったとおっしゃる道法さん。
っていうか、ブログを見ていただいてありがとうござります。



ほほほ、ほんとですか!!!っていうか、

見せていただいた写真にはピーマンがたわわに生ってるし!
なんつーか、ナスとピーマンが無肥料で生り放題なんつーのは

ドリーム、ほんたべドリーム~(すでに妄想の世界)

さて、今回のお話で新たにわかったことがありました。
植物ホルモンはアミノ酸から作られるため、NHOがあればOK。
Nは空気中のチッソから、Cは二酸化炭素から、Hは水ですから、
肥料いらない。これがNPK必要ないという理論です。

しかし。やっぱり疑問が……。

今年施肥に苦労した思い出がフラッシュバックするわたくし。
やってみないとわかんないけど、菜っ葉はどうしたらいいんだろう?

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種無ぶどうを作るジベレリンは植物の中にそもそも存在する植物ホルモンで、
枝を切り過ぎると実や花をつきづらくします。なので、ジベレリンを活性化させないよう、
枝は切らない。肥料をやると病害虫を予防するエチレンが弱くなるので
肥料はやらない。という理屈。エチレンに病虫害予防効果があるとは知りませんでした。
あああ、植物ホルモンの働きをもっとちゃんと勉強しないとダメだわ~。



考え始めるとまたさらにわからなくなりました。
でもできてる人がいるってことですから、事実ってことですよ。

一回ちゃんと話を聞きたいなあ…講演してもらおうかな。
誰か一緒に聞いてくれる人いませんか?
ご要望があれば、講演会設定します。


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いい土ってどんな土のこと?

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猫に気を取られて大根と春菊を同じところにまいてしまいましたが、
週末に発芽しておりました。なんか調子良く発芽した今回。
ひょっとしてわたくし「緑の指」を入手したのかも。



自然食品の流通が出してる冊子を読むと必ず、「健康な土」「土づくり」、
「ふかふかの土」から生まれる健康な野菜とか書いてあります。

ま、当然ですが、自分もそういうことを商品コピーに書いていました。

流通のスタッフの中には、土を食べてみたりする人がいます。
握りしめてばらっとこぼれるのがいいと言う人もいます。
また、ミミズがいっぱいいる土は良くない土とかいい土とか言います。

この言葉に消費者は思いっきり振り回されてます。
「なんとなく」よさそうというイメージを闇雲に信じてたりします。
時々真剣な目をして「ミミズがいるとダメらしい」とか言われます。

そういうこともあり、わたくしは誰にでもわかる
科学的、客観的なアプローチが大切だと考えております。

それが土壌分析と土壌三相分布なのでございます。

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埼玉県の瀬山明さんの畑が、生の資材をどれ位の早さで分解しているかというデータ。
米ぬかを投入後、チッソ分が急激に放出されている日数が21日め。7日後~14日まで
一度下がっていますが、ここが微生物がチッソをエネルギーとして消化してる部分。
米ぬかを生で入れて2週間はチッソ飢餓になっていると考えられるのでした。
ここで発芽が当たると生育が悪くなるので、逆算して種まきの日を考えます。


どちらも客観的に数値で見られるのがメリット。
算数の苦手なわたくしに理解できるのですから、たぶん誰にでもわかります。

三相を測り分析もしてみたほんたべ農園の例を挙げてみます。

わたくしが粛々とやっている区民農園の前作は慣行栽培でした。
慣行栽培の方は通常化学肥料を使用しております。
堆肥が入ってる可能性は、近隣の人の話を聞いた限りではないようでした。

ちなみに、堆肥=肥料分と思っている方が多いのですが、
どちらかと言うと、堆肥は土壌改良材。つまり腐植の補充です。

堆肥に含まれているチッソ分はほぼアンモニア態チッソで、しかも、
ガス化して空気中に飛んでるものが多いので、肥料として期待するには
ちょっと難しい気がします。
※成分分析をしてチッソ分が多ければ肥料としてOK。多すぎてもNG。
C/N比が15以下と低い堆肥はよした方がいいと思いますです。

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その米ぬかの成分分析。一般的な米ぬかの数値とそれほど変わりません。
自分の使っている資材の成分を知っていることが、科学的な農業の第一歩です。
瀬山さんが使っているボカシも、もちろん成分分析してあるのでした。

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で、これは本庄市の山の土。そもそもの本庄の土の成分の目安です。
土地によって性質が違うものですが、自分の畑の土がどういう成分だったのかを知るために
分析してもらったそうでございます。恐るべし、瀬山さんの好奇心。



腐植分があれば微生物はそれらを分解し、時折休眠し、
畑の中で世代交代を繰り返して繁殖し続け、団粒構造を作ってくれます。
腐植分がないと微生物の居場所がなくなり、その数は減ってしまいます。

ということから、ほんたべ農園には微生物がそんなにいないと
考えたわけでございます。もちろん団粒構造なんてできていません。
分析結果も腐植分の少ない、軽くて水はけの悪い土でした。

そこで春先にモミガラと微生物資材を入れたのでございます。

モミガラが分解されるのには約8カ月ほどかかると言われます。
この間、微生物は継続していろいろなものを分解しており、
食べものがなくなるとモミガラで休眠する等のことを繰り返しております

区民農園をスタートして半年。最近お隣の区画と比較して、
表層部分のみですが、目に見えて土が変わっていることに気付きました。

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お隣の区画の畑では、水はけが悪そうなべったりとした感じに固まっております。
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粗大有機物がゴロゴロしているほんたべ農園。なんかもう表層が乾いております。
梅雨時は雨が降ると締まる感じでしたが、今ではそういう感じではなくなってきました。



もう一度分析してみないと何とも言えませんが、
半年で目に見える成果があれば、3年も続ければそれなりでしょう。
つまり粗大有機物と微生物の投入で、土は変えられるってことですね。

本庄市の瀬山さんの畑のように、過去何十年も有機物を入れ続けた畑なら、
すでに微生物がたくさんいるので、あれこれ足す必要はありません。

土壌分析してアンモニア態チッソの値が低くても、
分析で出てこないアミノ酸という形でのチッソ分があり、
植物はそれを利用しているから何の問題もありません。

今年瀬山さんが無肥料で栽培しているのは、
こういった理由で、肥料をやる必要がないからなのでした。

野菜の味の良しあしはざっくり言うとチッソで決まります。

硝酸態チッソを含む野菜はおいしくなく、光合成をじゅうぶんに行い、
チッソ分が炭水化物とタンパク質に代わっているとおいしいのです。

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瀬山さんちの薪ストーブから出てくる木灰の成分分析。
微量要素が大量に含まれております。まさに「花咲かじいさんの灰」(by瀬山さん)



何度かご紹介している通り、
「チッソ分を硝酸態チッソではなくアミノ酸で吸う=野菜の味がよくなる」
ですから、瀬山さんの野菜がおいしいのは当然のことなのでした。

いい土は一日にして成らず。

しかし、知識とやる気があれば3年でできるんじゃないかと
大雨後のほんたべ農園を見て、つくづく思ったわたくし。
西出先生のおかげでございます。

いい土とは「腐植」と「微生物層」がキイワードでなのでございますね。
ミミズは腐植がある指針にはなれど、条件ではない気がするのでございます。

※科学的なアプローチを実現している瀬山さんの野菜をコースで食べる「日曜倶楽部」。
まだまだ参加者募集中です! 詳細はこのまま下にスクロールをどうぞ。


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一日だけのほんたべレストラン「日曜倶楽部」開催します

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今年2月に閉店した銀座和光のレストラン部門「THE WAKO」で食べたサラダ。
某D社から甘楽町の吉田恭一さんの有機野菜を、週一回・火曜日に仕入れていて、
水曜・木曜の料理にその野菜が出ていました。おいしゅうございました。



そんなにちょくちょく行くわけではないのですが、
ときどき、ちゃんとしたレストランで食べたりしています。

とてもおいしくて幸せいっぱいでふにゃふにゃになって帰ることもあれば、
ものすごくがっかりし、肩を落として帰ることもあります。

食べることを全くの他者に依存し、目の前に出された皿を
「毒ではない」と信頼して食べ、金銭的なやり取りが発生するのがレストラン。
よく考えてみるとちょっとびっくりする、ものすごい信頼関係。

ですから、おいしさにうっとりさせられちゃったりすると、もういけません。

「食べること」は生存に直結している官能的な行為でもありますから、
そこで幸せを感じると、かなりヤバいです。でもね。
シェフのバリバリの技術だけではそんなに幸せにはなれないと思うです。

では必要なのは何か。

発芽人参
8月11日、本庄市の瀬山明さんの畑で発芽したばっかりの人参「黒田五寸」。
有機野菜って味の違いがわかりづらいのですが、この人参を食べるとぶっ飛びます。
目からウロコがボロボロ落ちます。それほどおいしい瀬山さんの黒田五寸。



それは「愛」です

おいしいシェフの皿には「愛」が乗っていると思うのです。

だから、時々「欲」が乗ってるレストランに行ったりすると、
信頼が裏切られた気がしてがっくしと肩が落ちるわけでございます。

「愛」とはすなわち、素材に対する思いとでも言うのでしょうかしら。

「素材を一番おいしく調理すること」が素材に対する愛と礼儀だとか思っちゃう
食材原理主義者としては、そのようなレストランが大好き。

レストランとは「愛」をやり取りする場なのだなあと思ったりもするのです。

さて、そのレストランの主役はやっぱりシェフ。
お皿の向こうに畑が見えることは、まずありません。
ましてや、農家の顔が見えることなどほとんどありません。

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10月6日の黒田五寸。ちょびっと大きくなりました。
今年の瀬山さんの畑は無肥料で栽培。土がちゃんとできてて微生物もいっぱいいるし、
肥料分いらないらしいです。んもう、そんな畑でできる野菜は絶対においしい!のです。
この人参でスイーツ作ったらどんだけか。あああ、しあわせの予感…。



カリフラワーのムースとかトマトのジュレとか食べて「おいしい!」と驚嘆しても
その称賛を浴びるのはシェフ。野菜ではありませんです。

なんかそこんとこ、ずっと残念と思っていたわたくし。

おいしい野菜をすばらしい技術と愛で料理したら、どんなお皿になるか。
そういう料理を食べてみた~い!とずっと思っていたのでございます。
また、その野菜の作り手と一緒にその体験を共有したい!
そんな風に思っていたのでございます。

野菜を作る人とシェフ、食べる人が、料理を通して究極の信頼関係を作り
「愛」を分かち合える場所。きっと幸せな場になるに違いない。

しかし、そういう「場」ってないのですね。
ない理由は20ほども思いつきますですよ。だってやっぱり大変だもの。

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元「THE WAKO」の総料理長・鈴木康太郎さんと瀬山さんの畑に行きました。
台風15号の被害がかなり大きく大変だった瀬山さんの畑ですが、
日曜倶楽部向けに野菜を新たに作付けてくださってました。ありがとうござります~。


なので、自分でできないかしらんと思ったのでございます。

そうしたら、たまたま「場」を提供してくださる方がいて、
たまたま料理を作ってくださるシェフもいらっしゃり、
ほんとうにおいしい有機野菜の作り手と野菜もあって、
皆さん「いいよ」と快く引き受けてくださいましたのです。

開催場所は下北沢のオーガニックカフェ「オルガン堂」。

毎日おいしいランチを提供しているおいしいお店です。
(お店を貸していただいてありがとうござります)

シェフは元・銀座和光のレストラン「THE WAKO」の総料理長・鈴木康太郎さん。
自ら畑に出かけて農作業も手伝っちゃうフィールド派シェフでございます。

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長年自家採種している瀬山さんの絶品葱。もう瀬山葱って言ってもいいかも。
10月末にはも少し太くなるこの葱もメニューに入る予定です。瀬山さんの葱を食べると、
他の人の葱は食べられませんよ。それほど甘くておいしくて柔らかいのです。



野菜を提供してくださるのは、ほんたべ日記でもたびたびご紹介している
埼玉県本庄市の瀬山明さん。そりゃもうおいしい野菜を作る人です。

当日のお料理は、全て瀬山さんの有機野菜だけを使ったコース。
デザートも、瀬山さんのチョーおいしい人参が材料なのでございます。

メインは日本一おいしいお豆腐を作る「もぎ豆腐店」のおからを原料に
「おからだとわかんないものを作りますよ」と鈴木シェフがおっしゃいました。

うふん、わくわく。どんなコースになるんだろう。

ついでに言うと、調味料は伝統的な製法で作られたもののみ使います。
せっかくなのでオーガニックワイン(赤・白)を準備して、
お酒を飲めない方には自家製ジンジャーエールをご用意しとります。

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畑には春菊もありました。これが30日には大きくなって出てくる予定です。
「春菊はスープにしましょうか」と鈴木さん。ええっ! 春菊のスープ、食べたーい!

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瀬山さんの畑で見たことない野菜…レタス。あれれ、なぜ?
「これも使えるでしょ?サラダとかに。何年ぶりに作ったかなあ…レタス」あの~、
有機の畑のレタス、すっごくおいしいと思うんですけど。楽しみでございます。



わたくしはお店を持っておりませんので、一日だけの開催。
オルガン堂定休日の日曜日にお借りするので「日曜倶楽部」と名付けました。

ということで、詳細は以下でございます。みなさまぜひいらしてください。

ちなみに当日は瀬山さんご夫妻もいらっしゃいます。
野菜づくりのお話をしていただく予定でおります。
さらにちなみに。サービス担当はわたくしほんたべでございます。

ほんたべくらぶ「日曜倶楽部」第一回のご案内

10月30日(日) 17:00開場 17:30頃から開始
会費・4,000円(飲み物別)
場所・オーガニックカフェ・オルガン堂
東京都世田谷区代沢4-44-2 下北沢駅徒歩12分
定員・16名様(定員になり次第締め切ります)
申込方法・以下のメールにお知らせくださいませ。追って詳細をご連絡いたします。
teshima@hontabe.com
申込締切・10月25日(月)

皆さまにお会いできるのを楽しみにしておりますです。


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ほんたべ農園秋作…っていうか冬の種まき

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種まきしてたらやってきた猫にゃん。「なぜてくれる?ねえねえ~、ねえってば!」と
ずーっと横でおしゃべりしてるので気が散り、大根と春菊を同じところにまいちゃいましたよ。
猫アレルギーだけど猫大好きなわたくし、しばしの間の幸福な時間でございました。



三連休、山に海に繰り出す人々を横目に、畑で粛々と種まきをしております。

本来秋作の種まきは9月上旬から10月にかけてするもので、
10月中旬なんかにしてちゃ、やっぱダメなわけですよ。

この時期、一日の種まき、定植の差が、
12月になれば1週間になっちゃうのですよ。
菜っ葉なんかはあったかければ45日で出荷の大きさになるんだけど
寒くなるとかる~く2カ月とかかかるわけで。

ってことで、今種をまいて、食べられるのは11月下旬以降ってことになります。

今年は9月ごろ定植されたものの台風被害が大きかったため、
11月から始まる関東の平地の野菜が足りなめになり
野菜がお高くなることはわかってるんだけど…自給は間に合いませんでした。

ははは(乾いた笑い)。

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ウチの穂ジソで栄養補給をしているモンシロチョウちゃん。
よその区画はアブラナ科が植わり放題なので、卵産み放題。で、栄養補給はウチ。
うーん。もしかして人様の迷惑になってるのかも~とちょびっと心配していたら…。

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お隣の区画に飛んでいき、電光石火の早業でキャベツに卵を産みつけまくってました。
やっぱり……。それにしても小さい卵。これじゃ肉眼では見つけられないよなあ…。



2009年の秋作も種まきが遅れたのですが、その理由はひとつ。

面積が狭いので、夏の果菜を「もうちょっとイケるかも」と引きずり、
結局片づけが遅れるから、種まきが遅れるのでした。

この「果菜を食べたい」という欲と、「菜っ葉を食べたい」欲を比較すると、
「果菜」に軍配があがっちゃうわけです。

こういったことをぐだぐだと考えて「しまった~っ!」と毎年後悔するので、
どこかに1反位の畑を借りたい!と欲が出るのも毎年この時期。

でもね。1反なんてできないの。耕運機がないと。
というへなちょこなわたくし。永遠に後悔し続ける宿命なのでしょう。

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区民農園じゃないお隣の畑にアシナガバチの巣がありました。
パセリにくっついてたアゲハの幼虫が知らぬ間にいなくなったのは、彼らの仕業。
実際にイモムシ団子を作ってるのも見たけど、こんなに近くに巣があったとは…。
いや~、君たちけっこう食べてたよね、イモムシを。生態系ってすごいよなあ。



さて、トマきゅうを片付けたのは9月17日の連休時。
その後、カルスNCRと米ぬか、その残さを畑にすき込み2週間休ませました。

わたくしの畑は腐植分が少ないので、粗大有機物を入れねばならないのです。
同時に草なども入れたので、この際のチッソ補給はしませんでしたよ。

そして2週間後(先週)、モグラ堆肥Aを入れましたです。

モグラ堆肥Aのチッソ分は4%ですから、秋作の肥料としては、
まあだいたいのものはできるよねという一反15kgを目安に計算しましたです。

ちらっと脳裏をよぎるのが、カルスNCRが有機物を分解する際に使うチッソ分。
夏作に引き続きチッソ飢餓になってるかもしれないという不安です。

でも菜っ葉だし。アブラナ科だし。

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果菜類を片付けられない理由…今頃青いトウガラシがまたできてるし。
今某D社の宅配で青ゆずが売ってるので、これで自家製「青いゆずごしょう」ができるよなあ…
結局この2本は片づけられないわたくし。そして菜っ葉が植えられないわたくし。



アブラナ科って肥料がなくてもほっといても大きくなる気がする、
菜っ葉としてはわりと簡単な作物(そのかわり虫害が多い)。

気難しいほうれん草と比較して、なんかバカっぽい気がする野菜なので、

まあ、いっか!って感じです。テキトーに大きくなれば!って感じです。

そしてあとひとつ。小さな不安。

今回土壌分析が間に合わなかったので、カリの数値がわかりません。
後日上がってきたら葉面散布等で対応する予定でございます。

調べてみたら、セシウムの菜っ葉への移行係数は0.049でした。
(日本放射能学会HPより。乾燥重量での数字だからもっと少ないかもね)。
果菜類よりちょっと高く、米の0.001よりははるかに高いのでございます。

でもま、カリ欠にしないことで対応するしかありませんね。
ほんと、原発ってこの世に必要ないわ!と怒りが再燃する三連休でございます。

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全部2009年の種でございますよ。アブラナ科だから大丈夫でしょう。
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本庄市の有機農家、瀬山さんの自家採種かつお菜をいただきました。
おひたしにするとダシがいらないほどうまいらしいです。楽しみでございます。



で、本日は伸ばしに伸ばしたオクラの生育が悪くなってきたので、
オクラの片づけとカルス・肥料投入。

肥料はサカタのタネの「銀の有機」でございます。

ボカシ肥なのにお安い肥料でございました。さらにチッソ分が高いのでございます。
モグラ堆肥Aの4%と比較して7%。1,980円。やすい~!!!

そしてここには11月にキヌサヤとスナックエンドウをまく予定です。むふん。
キヌサヤ大好き。なるのは5月だけど。

しかし、種まき時に毎回限りなく広がる欲と妄想が、今回はいまいち盛り上がりません。

やっぱ、菜っ葉ってわたくしにとっては、
心うきうきする作物ではないということなのでしょう。

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お隣の区画で2度目の定植のキャベツ(一度目は虫害で全滅)。
ネキリムシにやられとります。菜っ葉とかレタスとか、根元を切られる、これが腹立つ。
土壌消毒剤やってる慣行農家は問題ないけど、無農薬だと手取り除虫です。うひい。



1月に入って霜にあたりまくった菜っ葉や大根を食べれば、
幸せが心に満ちあふれると思うんだけど、種まき時はわりとクール。

でもこの程度の「愛」の方が、植物にとっては幸せかもしれませんなあ。

過剰な愛は負担になるってことですよ。

まあ、テキトーにがんばってくれたまえ! 菜っ葉たちよ!


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わたしたちは「いのち」を食べて生きている

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ジビエの王道「シカ肉のソテー」。鉄分たっぷりで女性にお勧め。赤身で意外と柔らかく、
おいしいんだけど時々獣のにおいがすることもあります。料理人の腕によるのかな。



かれこれ20年ほど前、某D社の社内研修で屠畜場の見学に行きました。

今はもう閉鎖された埼玉の屠畜場で、牛の屠畜を見学したわたくし。
牛の眉間にハンマーを打ちおろすという、チョー前時代的な屠畜方法で、
「えっ!こんな野蛮なやり方でやってんの!?」と驚く間もなく、
最初の一発が外れて牛の目の上に当たりました。

大きなホルスタインが悲鳴をあげて暴れるなか、もう一発。

それは眉間に命中し、大きな体がくたくたと崩れ落ちました。
あっと言う間の出来事でした。
(ここまで読んでご気分が悪い方はもう読まれない方がよろしいかと存じます)

IMG_1568.jpg
群れないと淋しくて死んでしまうという羊くんたち。思い切り群れで行動します。
モンゴルでは一滴も血を流さずに屠り、その血もちゃんと食べるのだそうです。
見てみたいけど、羊が苦手で食べられないからその血も食べられないと思いますです。



眉間を狙うのは気絶させるため。
心臓が動いている間に血抜きをしないと、肉に血が残り、
その肉は商品にならなくなるのだと、その時に知りました。

私が食べている肉は、最初からパックに入っているわけじゃない。
誰かが育てて、誰かが屠ったものを食べているのだとはっきりと認識しました。
「いただいている」というべきかもしれません。それは「いのち」なのだから。

私たちは肉を食べるという行為の背景を、普段考えることはありません。
店に並ぶまでの工程は「誰かがやってくれてること」だからです。

でもね、自分でやれって言われたらできないの。

わたくしが自分で狩って屠れる動物は、アジより小さい魚のみ。
小鳥も鶏も鴨も、ましてやシカや牛豚羊など絶対ムリなのでございます。

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この状態と生きている豚を結びつけたくない人もいるらしく、豚肉の販促に、
豚の生きている写真を載せてほしくないとか言われたことがありました。
それはいったいどうなんだろうと思ったりするのはわたくしだけでしょうか。



お肉が叫び声もあげずパックに入って店に並び、お金を払えば買えるなんて、
本当にありがたいこと、素敵なことでございます。
その反面「いのちあるものを食べている」という実感はどんどん薄れており、
それはどうなのか、いかがなものかと思ったりもしています。

さて、そろそろ狩猟シーズン、今風に言うと「ジビエ」の季節です。

野生動物の肉は、狩猟と密接にかかわっているため、
命を奪っているという実感は、スーパーの肉よりも感じます。

そもそも日本人は肉を食べていなかったと思っている人が多いのですが、
実は中山間地の農村部でシカやイノシシ、ウサギなどを食べる頻度は
けっこう高かったと言われています。

生類憐みの令のさなかでも、農業被害のためにシカ・イノシシを捕獲できるよう、
首長に申し入れ、「致し方なし」と許可された記録が残っている位ですから、
日本の農村部では野生動物を常食ではないにせよ、食べていたのでした。

usagi.jpg
昔、長野の農家にウサギの委託養殖の話を聞いたことがあります。
委託するのは毛皮業者。成長したウサギの毛皮を渡し、肉をもらうというシステムで
肉が食べたい農家としては、肉もお金も手に入るし、けっこういい商売だったとか。
日本人にはウサギは一般的じゃないと勝手に思ってたけど、そうじゃないのかも。



野生動物の肉は、虫同様、貴重なたんぱく源だったということですね。
現代では、その肉は高級品・嗜好品の部類に入ります。

レストランで食べると基本的には「ひえ~」ってな価格。
ご家庭で調理するのは難しく、というより入手の手段がないため、
主婦にとってはあまり身近な肉ではありません。

しかし実は「もっともっと食べてほしい!」のがシカ肉なのです。

ネズミと同じ速度で増え、日本の山を丸坊主にしているシカ。
天敵がいないことに加えて、温暖化で冬に凍死しないこと、
狩猟人口の高齢化と激減により狩猟プレッシャーが減ったこと。
そういう複合的な理由で、今や日本の山はシカ天国(イノシシもだけど)。

IMG_0757s.jpg
北海道の電柵は広大な面積を囲うため、ものすごい経費がかかります。
この経費が農家や自治体の予算を圧迫しております。



山際で農業を営んでいる人には農業被害は死活問題ですが、
電柵しか対応策はなく、被害に甘んじているのが現在の状況です。

この農業被害と猟師の高齢化という問題を知り、何年か前に
「猟師の後継者に!」と銃免許を取得しようとしたわたくしですが、
前述のように、さばけるのはアジまでというへなちょこさ。

何もできぬまま、現在に至っております。

いつかほんものの食べものくらぶで、シカ肉を食べる会を開催する
…それ位しか思い浮かばないへなちょこなわたくしでございます。

さて、しかし。そんななか、元同僚がアクションを起こしましたのです。

シカ問題にご興味のある方、シカに作物を食われちゃった方、
これらの活動を、ぜひ一度ご覧くださいませ。

その①なぜ今ハンターが必要なのか、シカ問題を詳細に紹介している
アウトドアコンシェルジュ 腹ぺことらさんのHug!Hug!Nature
「ハンターになろう!」をご覧ください。

オオカミ1
北海道でオオカミを飼育している桑原さんのシンリンオオカミ。
絶滅した日本オオカミも、こんな風に戯れていたのでしょうかしらん。



その②日本ではもう100年も前に失われた生態系の頂点にいた動物、
「オオカミ」の再導入を検討している「日本オオカミ協会」のシンポジウム

◆シンポジウム◆
ドイツに見るオオカミとの共生-復活オオカミでシカをコントロール

■東京 10月6日(木)18:00~21:00 文京シビックホール(小ホール) 

オオカミと共生が進むヨーロッパ。
すでに28カ国に2万頭を超えるオオカミが生息しています。
ドイツの専門家に、この共生の実状を語ってもらいます。
会場では直接意見交換もしていただけます。

当日は、横綱・白鵬関が来場。白鵬関の生まれたモンゴルでは、
オオカミは聖なる存在。幸運を呼ぶ動物とも言われています。
そんなお話をしていただきます。

詳細はこちらから→http://japan-wolf.org/

gazosu 054
ピンボケの子豚ちゃん。大きくなったら食べちゃうのですが、かわいいですね。
このかわいさも含めていのちをいただくのですから、わたくしにできることは
大切においしく食べて、自分の血や肉になっていただくことかしらと思っております。


「いのち」を奪うこと、それを「食べる」こと。
この行為に是も非もないとわたくしは考えております。

他者のいのちを奪って生きなければならないのが動物だからです。

たまさかに、大脳という器官を持ち、その是非について
思い悩まねばならない、それが人間であるならば、
わたくしは、自分の食べているものがどういうものなのか、また、
それがどこから来たのかを、知るべきだとも考えております。

そんなことを考えながら今回書きましたです。自分に迷いがあるのかも。
ちびっと尻切れトンボになってしまいました。ご容赦くださいませ。


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プロフィール

ほんたべ

Author:ほんたべ
手島奈緒
おいしい食べものをつくる人を紹介したり応援したりしております。ブログをまとめた著書『いでんしくみかえさくもつのないせいかつ』(雷鳥社)『まだまだあった! 知らずに食べてる体を壊す食品』(アスコム)『儲かる「西出式」農法』(さくら舎)など。現在ハンター修行中。

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