TPPに参加したら何が起こるかデータで見てみよう

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現在の米の自給率は100%。日本人の心、米。主食である米。
これをを守らずしてどうする!と言いたいのでございます。



10月27日、内閣官房「包括的経済連携に関する検討状況」という
調査報告書が、農水のHPにUPされています。

11月、野田総理大臣がTPPへの参加表明を一日保留したその翌日、
衆参両院で「TPP集中審議」が行われましたが、その際に
佐藤ゆかり議員やその他の議員が質問のベースにしたのが、
ここに紹介されている数字です。

野田総理は質問に明確に答えられなかったばかりか、
細部を理解していないという醜態(っていうか、無知蒙昧さ)をさらし、
国会中継を見ていたわたくしは愕然といたしましたが、
それはおいといて。

参加した場合、どうなるのか。データを粛々と転記してみました。
とりあえず農業のみのデータをご紹介します。以下転用。

【試算の前提】 19品目を対象として試算
米、小麦、甘味資源作物、牛乳乳製品、牛肉、豚肉、鶏肉、鶏卵等
【基準】
関税率が10%以上かつ生産額が10億円以上(林産物・水産物は含まない)

農地①
見た感じ耕してあるので耕作放棄地じゃないみたいですが、これは農家の意地。
草ぼうぼうにしとくと世間体が悪いから、または草が嫌いだからという理由で、
「一応うなってる」という状態。もちろん見たままの荒れ地もそこかしこにありますよ。
毎年微増しているのに、一気に146万ヘクタールも増やしてどうする。



■農産物について
・農産物の生産減少額  4兆1千億円程度
・食料自給率(供給熱量ベース) 40%→14%程度
・農業の多面的機能の喪失額 3兆7千億円程度
■農業及び関連産業への影響
・国内総生産(GDP)減少額7兆9千億円程度
・就業機会の減少数340万人程度

■その他国会審議中に出てきた数字
耕作放棄地の増加 146万ヘクタール
(関東4県を足した程度の広さだとのこと)

さても恐ろしい数字。

食糧自給率がカロリーベースで14%になると試算されています。
現在国内で自給されてるものだけで3食まかなうと、さつまいもが主食で
2日に1回卵…てなメニューが農水のHPに出てましたが、
14%になっちゃったら…毎日お腹がぺこぺこですよ。

また、農業の多面的機能とさらりと書いてありますが、これは
生物多様性・環境・景観・水資源等のこと。

以下の数字をみるとわかりますが、米が大打撃を受ける予定です。
すなわち、現在の水田のダム機能が失われるってことですよ。
下流域での洪水・水不足等が予測されます。

水を保持し、小さな虫を生み出し生態系を豊かにしている水田の役割を、
きちんと認識して粛々と試算…さすがお役人様。すごいけど、それはどうなんだ。

トンボ
農薬を使っていない田んぼから大量のトンボが羽化し、山に移動し、
そこで小鳥たちのエサになっているという調査結果があります。生態系の下支えをしている
それが田んぼの目に見えない役割。大切にしなくちゃね。



■個別の品目について(主な品目のみ抜粋。詳細はWEBを)
・米  生産量90%減 
新潟産コシヒカリ、有機米等のこだわり米等を除いて置き換わる。

・小麦 生産量99%減
国内産小麦100%をセールスポイントとした小麦粉用小麦を除いて置き換わる。

・生産量100%減の品目
甘味資源作物・でん粉原料作物・加工用トマト

・牛乳乳製品 生産量56%減
乳製品では、鮮度が重視される生クリーム等を除いて置き換わる。
飲用乳では、業務用牛乳等を中心に2割が置き換わる。

・牛肉 生産量75%減
4等級及び5等級は残り、3等級以下は置き換わる。

・豚肉 生産量70%減
銘柄豚は残り、その他は置き換わる。

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こういった霜降り肉は生き残れるけど、赤身の肉は米国産になるよね~。
ってのが上記の数字です。ホルモン剤使った赤身の肉、絶対にイヤ!!!!



大打撃を受けるのは、米農家が心配している通り「米」です。

すでに絶滅が危惧されている小麦は、ほぼ0になるということでしょう。
畜産は現在最後の砦を守っている状態ですが、
小規模農家がバタバタつぶれることが予想されます。

「ブランド品目」は生き残れるけど、その他はダメとはっきり書いてありますね。
でもね。「その他」を作ってる農家の方が多いわけなんだから。

先日農業センサスが発表されて、全く農業振興が進んでいないことが
よ~くわかったばっかりです。なのに、さらに大打撃。いや、恐ろしい。

その他わたくしが非常にイヤだと思っているのが、表示の規制緩和です。

試算には出ていませんが、アメリカの要望で、
遺伝子組み換え食品の表示の法律や、牛肉(BSE)の表示などが
変更になる可能性が示唆されています。っていうかなるでしょ。

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銘柄豚=黒豚・中ヨークシャー種・その他適当な名前つけてるLWD。
付加価値のないLWD(三元交配豚。今の日本では主流の豚)は生き残れません。
流通事情がよくなってるので、現在でもチルド輸入、しかも部位別輸入が可能です。
関税を撤廃されたら、早晩日本の養豚業は立ちいかなくなるでしょう。



現在日本の畜産物にはホルモン剤の添加は禁止されていますが、
アメリカはOK(EUは厳しく禁止してるのでアメリカとケンカしてます)。
また、遺伝子組み換え食品の表示もなしです。

日本の法律で定められている遺伝子組み換え食品の表示は、
現在でもEUと比較すると大変甘く、消費者は選択する自由を
与えられているとは言い難い状況です。

それが緩和されたら。もう選べない。
しかもそれを知らない消費者が多すぎる。

今私たちにできるのは「知ること」。
一歩進んで「自分の考えを持つこと」さらに一歩進んで「声をあげること」
この3つしかありません。

粛々とできることをやるのみでございます。

■資料は以下でございます

包括的経済連携に関する資料一覧(農水省HP)
「包括的経済連携に関する検討状況」平成22年10月27日 内閣官房
この資料の32Pめから農水省補足

下記2つ、何がどうなるか非常にわかりやすい一覧表
国境措置撤廃による農産物への影響試算について
国境措置撤廃による農産物生産等への影響試算について(品目別)

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科学的な農業を学ぶ会―西出会総会に参加してきた

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土壌三相を測るために土をちょいちょいと採取中の西出隆一さん。
ちっこい鞄にECメーターや三相の土を採るための缶カラなど三種の神器が入っています。
どこでもかしこでも、ちょいちょいと測れる。できそうでできない、これぞ農民の鑑。

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今回の幹事、木内順さんと喜代美さん夫妻。2006年の土づくり会議後、即西出会に入会。
3年後には人参がびっくりするほど採れ、その後は夏の葉物も順調。3年で実績が上がる
という西出さんの指導を現実のものにしています。幹事お疲れ様でした。



算数の苦手なわたくしの頭に、「土壌分析診断」という言葉が
入力されたのは、2000年のことでした。

2000年あたりから「らでぃっしゅぼーや」の取引産地で始まった、
小祝政明さん(ジャパンバイオファーム)の「小祝塾」に参加したのがきっかけです。

当時らでぃっしゅは大地を守る会から野菜を仕入れていましたので、
共通の産地を抱えていたこともあり、大地を守る会の産地担当も、
小祝塾に参加すべし!ということで参加したのでした。

まあ当然ですが、小祝さんのおっしゃることはちんぷんかんぷんでしたよ。

広報という仕事から農家周りに異動したばかりで、頭はチョー文系、
農業って科学的なもんだと思ってなかったしで、
何を計算しているのか、何がどうなのか、さっぱり不明でした。

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フライパンで採ってきた土を乾かす西出隆一さん。「三相が一番大事。
土づくりでは物理性が一番大事だから、測ってみないと」。隣にいた農家に聞いてみた。
「測ってる?」「うんにゃ」…なんつーか、簡単だけど測れないものなんすね。

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トラック2台で積んできたモミガラ。「まだまだ足りない」と西出さん。
モミガラは生の資材で、分解する際にエネルギーを出すのでそれを有効に使えることから、
西出会会員は堆肥を使わず、カルスNCRとモミガラを利用する人が多いです。
モミガラには炭素分の供給と、エサがなくなった際の微生物が休眠できる場所になります。



らでぃっしゅぼーやでは、土壌バランスを整えることで
病害虫を減らせるはずだと主張しており、今では「そうだよね」と思うけど、
当時は「なんて傲慢なことを言うんだろう」と思っておりました。

ナナメから人の話を聞いていると、理解できるものも理解できませんよ。
今では当時の自分の振る舞いを反省しておりますわたくしです。

その後らでぃっしゅは大地からの仕入れをしなくなり、
代表の高見さんがキューサイにらでぃっしゅを売ったことから、
お付き合いは全く無くなり、土壌分析の重要性は理解すれど
とりあえず「土壌分析で何がわかるの?ふふん」という状態が何年か続いたです。

で、再び土壌分析という言葉に触れたのが、現在のわたくしの師匠、
西出隆一さんを講師に招き2006年3月に大地を守る会で開催した
生産者技術研修会「土づくり会議」でした。

あんたの土は胃が小さい
「あんたの土は胃袋が小さいのに、こんなにたくさんチッソ入れたら無駄になる。
まずCECと腐植を上げてほしい。胃袋が大きいと肥料もたくさん貯めこめるから」
2006年の研修会の風景。胃袋=CECのこと。大変わかりやすい説明でございます。



それまで漠然と「病害虫の原因はチッソ肥料」と思ってはいたけど、
その科学的な理由はわからないのだと思っていたわたくし。
しかし、西出さんはその答えを持っていました。

「全ての病気・障害・虫害には原因がある。
原因をつぶせばそれはなくなる」

この一言は大きな衝撃でした。

なぜなら、理由があるなら対策が可能だからです。
では何を改善すればいいのか。どう対策を打てばいいのか。
西出さんは、その答えも持っていました。

穴のあいたバケツに水をくみいれてはこぼし続けていた有機農業の
穴をふさいできちんと水が溜まる技術が見つかったのです。

さらにそれには再現性がありました。
誰が取り組んでも一定程度の効果が得られる技術。
農業にそんなものはないと良く言われますが、そうではないのです。

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今回の総会会場で見たカリフラワーの黒腐病は…。
「空気中にいる菌だから土では対応できないけど、健康に育ってれば感染しないもの。
生育が悪いとかかるよ」と西出さん。その某大な知識には感服するばかりでございます。



わたくしの驚きと喜びがいかばかりだったか。
全く理解できなかった土壌分析を、再度勉強しようと決意を固めたです。

その後西出さんは大地の研修の講師を何度が担当してくださり、
その都度参加して講演を聞き、作物を一緒に見ることを繰り返すうち、
とりあえず、西出さんが話していることが理解できるようになりました。

そして、現在に至るのでございます。

さて、そのような衝撃を受けた農家はたくさんおり、
西出さんの指導を受けたい人々が「西出会」という会を作っております。
この会は、年に一度総会を開き、さらなる技術の向上と、
会員の懇親を深めております。

今年は一昨日千葉県成田市で開催され、もちろん参加してきました。
初日は山梨に行っていたため講演は全く聞けず、宴会から参加。

帰って来て今思うのは「酒飲みに行ったんか自分」という
なんつーか、何しに行ったんだ感がそこはかとなく漂っておりますが、
参加者の方々と親睦を深め、年に一度会えるヨロコビを噛みしめましたです。

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自家製ボカシを作るための微生物資材「ミクロエース」(加藤工業所製造)。
なぜかこの資材に食いつく参加者の人々。初めて見た人が多かったのかな。
西出会の会員は、ほとんどの人が西出さんに教わったボカシを手作りしています。
これが食味向上と病害虫予防の大きな要因なのですね~。



今回驚いたのは、会員が非常に若返っていたことでした。
2008年頃は20代の農家の参加者など2~3名いればいい方。
しかし今回はほぼ半分が若手のぴちぴちの農家だったです。

西出さんの技術は若くてやる気のある人に受け入れられやすい、
頭の柔らかい若者にこそ理解しやすい、そんな技術。

3年間徹底的に土を見直し土づくりをすれば、一定程度の収量が得られる。
その技術は、新たに有機農業にチャレンジしようという農家や、
新規就農者にこそ向いている技術でもあります。

実はわたくしの野望は
「全国の耕作放棄地が、新規就農者に耕され、
どんどん農産物が生み出されることで、食糧自給率が上がり、
皆が高品質多収になれば一つあたりの野菜の価格も下げられることから、
安心して食べられるおいしい野菜が安価で供給できる世界」。


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大地を守る会時代の元同僚も新規就農して西出会会員になっております。
この播種器を見せてもらって喜んでおりました。先輩農家の資材や器具の話も聞ける
西出会総会は、情報交換の場にもなっているのでした。



反当たりの収量が上がれば、野菜の価格が下げられるってところは
どの農家も「やだ」と言いますが、これは西出さんの主張でもあります。

上記のような青臭い理想は、現実を知れば知るほどかなわぬ夢なのかもと、
最近とみに実感し、ぐらぐら揺れているわたくしですが、
とりあえず、情報は発信し続けて行こうと決意を新たにしたのでございます。


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今さらだけど、硝酸態チッソの話

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硝酸態チッソの残留に注意しなくてはならないのは基本的には、
生育期間が短い菜っ葉です。大根や白菜を気にする必要はありません。
また春から秋にかけての葉ものに残留値が高いことがわかっています。
冬、地べたにへばりつくように育つ菜っ葉の残留値を気にする必要はありません。



「有機農業の方がキケンだ!」と言われる硝酸態チッソ。

地下水を汚染し、牛は死に、赤ちゃんはブルーベビーになるという
恐怖の物質、硝酸態チッソ。
ひょっとしたら農薬よりもコワイと皆が言う、硝酸態チッソ。

で、硝酸態チッソって何?と尋ねられて明確に答えられる人、
何がどう悪いのかきちんとわかっている人が何人いるか。

わたくし思うに、10人のうち、1人いればいい方かなと思います。

ざっくり言うと、硝酸態チッソとは、チッソ分が植物に吸収される際の物質。
前段階はアンモニア態チッソ。と、ここまで書いて、夫ちゃんに
「全然わからん」と言われました。そうか…もっとわかりやすく書けと。

うーん。あとひとつだけ、理屈を書きたい。

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河原の草だけを積んだ上里の須賀さんの堆肥。こんな感じの粗大有機物のみの堆肥なら
「有機農業の方が危ない」とか言われることはありません。チッソ分の高い鶏糞堆肥を
何トンも畑に入れてると硝酸態チッソの残留値が高くなり地下水の汚染にもつながります。
っていうか、堆肥の成分分析しなくちゃダメでしょう。1万円位でできるんだから。



土壌中ではアンモニア態チッソが硝酸化性菌という微生物に分解され、
硝酸態チッソという物質に変化します。
非常に水に溶けやすい物質なので、雨などで地下に流れます。
それで、地下水を汚染していると言われるのですね。

では、チッソについての基礎知識です。

その①植物は硝酸態チッソという物質でチッソ分を吸収する。
その②土壌中にチッソ分があると、植物はどんどん吸ってしまう。
その③吸収後、植物は光合成でチッソをたんぱく質に変える。
その際、C(炭素)、O(酸素)、H(水)が必要。

で、植物体内に硝酸態チッソが残る理由は

①お日様が出てなくて光合成がじゅうぶんにできなかった。
②炭素(C)が足りなくて、余分なチッソ分が体内に残った。
③そもそも大量に入っていたので何をしても消化できない。

つまり、硝酸態チッソの残留や地下水汚染の条件は、
土づくりのできてない畑にチッソ肥料が大量にあるってことですね。

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お茶のうまみってアミノ酸。なので、チッソが大量にないとうまいお茶ができません。
ってので、10aあたり100kgもチッソを入れてた時代がありました。地下水汚染が問題になり、
現在は60kg位に減ってます。普通の菜っ葉は15kg入ってれば普通に生育できますから、
お茶栽培にどんだけチッソ肥料が使われてるかってことですね。



ではどうするか。

チッソ肥料は収量増のもと。ですから、農家としては、
ちょっと余分に入れたくなる肥料でもあります。

土壌分析をして入れられる分のチッソを入れればいいのですが、
それがなかなかできません。

現状では土壌分析をしない農家がほとんどなので、
それぞれが経験とカン、そしてJAの指導通りに肥料を入れてます。
硝酸態チッソの残留や地下水の汚染がなかなか減らない理由です。

とか言っても、現在日本の法律では硝酸態チッソの残留値は
定められていませんのですね。
したがって、消費者も「あまり気にしてない」って感じです。

煽られると不安になるけど、ふだんは気にしない。
最近全く話題にならないのは、放射能の方がコワイから。
しかしチッソの流亡は続いているし、地下水の汚染も続きますから、
よくないことはよくないのです。

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ほんたべ農園の菜っ葉類。緑色が薄いのでそれほどチッソは多くないと思いますが、
あったかかったので徒長しています。2000ppm位の残留値でしょうか。
でもま、ゆで汁はうすい緑だったしおいしかったしで、大したことない感じです。



ほんたべ的には、硝酸態チッソの残留が多い菜っ葉はおいしくない
そういった切り口で硝酸態チッソについては一家言あります。

チッソ残留と糖度には相関関係があるため、残留値の高いものは
苦い・味がしない・甘くないという三重苦のものが多く
全く食べる気がしませんです。

しかし面白いのは、残留値が低けりゃいいかというと
決してそうではないってこと。

以前チッソの残留値を調査してた結果を見たら、100ppmという
べらぼうに低い数値のほうれん草がありました。
食べたら全く味がしないのです。

チッソは毒にもなるけど、光合成のもと=うまみのもとでもあるため、
全くなくてもダメだということがわかったのでした。

害虫が栄養過多と栄養不足の葉にやってくるのは
これと同じ理由。つまり健康に育ってないものに寄ってくるのですね。

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成分もわからず鶏糞堆肥を大量に投入し、土壌分析もしないで施肥設計していれば
「有機農業の方がキケン」と言われても返す言葉がありませんのです。
その言葉はどうかと思うし、なぜそんなことを言うんだとも思うけど、ある意味正しくもある。
自分のやっていることを数値で見せる努力も必要かなあとよく思うわたくしです。



野菜に虫が大量にいたり、べったりと横に寝る樹形をしてたりしたら
チッソが多い証拠ですから、施肥設計を考え直す必要があるのです。

さて、11月に入り朝晩冷え込んで来ました。
これからは葉ものの季節です。
どう作ってもこれからはチッソの残留は少なくなります。

寒いので急激に生育できない=大量のチッソを吸えない&
野菜が自分の体を守るために体内の糖度を上げるからです。

ってことは、甘い、おいしい菜っ葉が食べられるってことですよ。
菜っ葉の旬は秋から春まで。自然が準備してくれたおいしい季節に
たくさんの菜っ葉を食べて、健康になりましょう。


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区民農園で考えた費用対効果のこと

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日本ほうれん草に欠株ができたので、フツーのほうれん草アトラスを補植。
コーティング種子で農薬がまぶされてて、日本ほうれん草と種の形が違うのでびっくり。
本日の雨で生育が順調になっていて欲しいわたくし。



実はわたくし、幼虫が嫌いです。

畑でばったり出くわすのはいいけど、台所の壁を歩いてたりするともう

「うひゃおおぉうぅう!」などと奇声を発してしまうです。

なので、できるだけ幼虫の方々には会いたくない。
生涯一度も会わなくてもいいとさえ思ったりします。

しかしですね。
20年前の某D社宅配の菜っ葉や白菜は、虫食いでレースのようでした。

無農薬だからしょうがないと情報誌に書いてあり、
だったら自分で作ってやる!とへなちょこ家庭菜園を始めましたが、
某D社に輪をかけた虫食い野菜が大量に収穫されたです。

「しょうがないんだ」と当時は思っておりました。
虫がつく野菜はおいしいからだとか安易に考えておりました。

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ルコラはサラダで食べるので、虫がついてるとすごくイヤ。
でも今回全く虫がいないので、うれしくてたくさん間引きましたです。わしわし食べたです。
オリーブオイルとチーズで食べるとおいしいよねえ、ルコラ。



しかし知恵がついた今では単に「ヘタクソだから」と思います。

チッソが多いか炭素が少ないか光合成不足か生育不良か。
だいたいどれかが原因で、虫害は防げるもんだと思っております。

あ、もちろん上記は「大量の虫害」が出た場合のことでございますよ。
多少の虫害は、農薬をまかなければ発生するもんですからね。

そして、現在のほんたべ農園では、虫害はあれど虫はいない状態。
20年前のわたくしに「ヘタクソめ!」と言ってやりたいです。

さて、ほんたべ農園の方針は「少量多品目」「自給自足」
「科学的な農業の実践による高品質多収」→全然できてないけどね
そして、「適地適作」でございます。

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一応IPMなども勉強しておりますので、圃場周辺部にはハーブ類を植えています。
11月上旬でもまだ花が咲いてるバジル。ハナアブやハチ類が蜜を吸いに来てました。



現在のほんたべ農園の面積は15平方メートルと非常に狭く、
「自給自足」を旨とした場合、栽培作物を限定せねばなりません。

また投資金額もかなりでかいので
(山梨までモミガラもらいに行く交通費とか資材・肥料代とか)
採算が合うよう、単価の高いものを作りたいという欲もあります。

失敗するリスクの高いもの及び面積の割に収量の低いものは作らない。
採算を考えると当然のことでございます。

何しろ4.5坪ですから、当然、夏は果菜類(単価が高い)、
冬は菜っ葉(作りやすい)という作付になります。

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アブラナ科の菜っ葉は収量が多く簡単でバカっぽいので家庭菜園向けです。
発芽率がよく、間引きさえ適正にやってれば間引き菜から菜花まで食べられます。
間引きしたかつお菜。この3倍ほど採れましたです。



リスクが高いもの=難しいものと考えると、適地適作は
ある意味「適知適作」と言えるんじゃないかと考えたりしております。
知識と経験がないとうまく作れないものってあるもんね。
例えば、葱とかキャベツとかレタスとか。わたくしにはムリって感じ。

ってことで、ほんたべ農園では、秋冬作は春菊・小松菜、ほうれんそう
大根・かぶなどを栽培しており、ちょびちょびと収穫が始まりました。

しかしですね! 区民農園の皆さんは、ブロッコリーやキャベツ、
白菜・レタス等にチャレンジしていらっしゃるのですよ!

初期にチッソを要求し、外葉の大きさで大きさの決まるこれらの野菜は、
チッソが必要なぶん虫害も多く発生し、定植も9月とかまだあったかい時期。
モンシロチョウはバンバン飛び、コナガだってまだ世代交代しています。

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9月19日のお隣の区画の定植したばっかのブロッコリー。全滅しました。
9月に定植しないと12月には食べられないし、虫は出るし、素人には難しいっす。
キャベツもそうだけど、初期育成と虫害発生時がかぶってるものって難しいです。



でかい幼虫がモリモリと葉っぱを食ってるのを見るにつけ
なぜこの野菜を今自分で作りたいのだろう…とか考えちゃうわたくし。
60センチ四方の面積を使ってできる野菜は一個=スーパーで買うと200円。
うーん…買った方が安いじゃん(大きなお世話か)。なぜなんだ。

もしかして教育のため…?等々、昼下がりの区民農園で、
妄想がどんどんふくらむわたくしでございました。

さて、今年は秋があったかかったので、10月中旬に植えた野菜が、
10月下旬にはちょびっと食べられ、11月に入ってからは
間引き菜が大量に収穫できるようになったです。

ってことで、今週から菜っ葉類の自給が可能になりました。
自給自足の端境期が少なくてすんだのは、ツルムラサキがあったから。
やはり作付けの構成は大切よねと思ったことでございました。

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ちょうど一畳くらいの面積でアブラナ科がわわわわっと茂ってます。もう何が何だか。
かぶをたくさんまいたのは覚えてんだけど、どれがかぶやら。とりあえず間引きするのみ。
地下部が太ってきたら何だかわかるだろうと思っとります。



これから当分は、毎日おひたし、煮びたし、サラダ、味噌汁で
菜っ葉を食べまくり、健康なからだを作ろうと思っております。

あ、ちなみに、ここ何年かの冬作のうちで、
今年は虫も見かけず味も良いという最高の状態。
チッソが6kg残ってたためかどの野菜もチッソ飢餓にならず、
まっしろな根をいっぱいに伸ばして、わわわっと生育しております。

この週末は「やるじゃん、自分!」と自画自賛中。


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野菜の力に驚いた夜―日曜倶楽部ご報告

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本庄市の瀬山明さん。奥様の文子さんとご夫婦でご来店でした。
本当においしい野菜はそれだけでごちそうなのだなあ…と今回つくづく実感したです。
瀬山さん、ありがとうございました。



10月30日(日)、ほんものの食べものくらぶ「日曜倶楽部」
第一回の開催をいたしましたです。

日曜倶楽部は月一回、おいしい野菜を作っている農家の、
おいしい野菜のみでお料理を作ってもらって楽しむという
別名「ほんたべお勧めのおいしいもん食べる会」でございます。

食べる人とつくる人(農家)とつなぐイベントの一環と申しましょうか。
とにかく大変楽しく、滞りなく終了いたしたのでございます。

当日のメニューは以下のようなものでございました。

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へなちょこお手伝いスタッフとしては、グリーンレモンのジュレ用に
レモン汁をひたすらナイフで搾りました。わたくしが手伝ったのはこれだけかな~?
もちろんレモンも瀬山さんちの畑に一本だけ生えてるレモン。素晴らしい香りでした。



Slade de épinard au "SANMA"
ほうれん草とさんまのサラダ

Soupe de Parmentier au "SYUN GIKU"
じゃがいもとたまねぎのスープ春菊の香り

Pâte chaud de "OKARA" et legumes
おからの温かいパテと瀬山さんの野菜

Mille-feuille de carotte a vec glée de citron
にんじんのミルフィーユと青レモンのジュレ

お酒は、フルーティな赤、ベリーとバニラの香りのする少し渋い赤ワイン、
ぶどうのフレッシュな風味が生きた白を合わせてみましたです。
(いずれもBIOワインでございました)

ワインのチョイスは成城学園前「玉井酒店」の二代目がしてくださいました。
皆さまのご協力を得て、イベントを開催できたことに感謝しております。

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下ごしらえ中の瀬山かぶ。厨房を時折のぞくと何かが進行しているのですが、
断片的にしか知ることができません。お皿の上に食材が乗っかって初めて、
「ああっ、これだったのかあ!」って感じ。そういう驚きも楽しかったでございます。

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一品目。「ほうれん草とさんまのサラダ」 さんまの干物がドレッシングに入ってます。
干物をフレンチに?ってな疑問ですが、そこが鈴木さんの鈴木さんたる所以です。
「塩味のついた魚って思えばいいんですよ~」ですって。面白いですね~。
ほうれん草はまた生育途中って感じでしたが、生で食べても甘くておいしかったです。



さて、わたくしはサービスを担当しておりまして、
お料理は皆さんがお帰りになったあとしみじみといただきました。
で、料理をサーブしている間、皆さまが驚きの声をあげていた理由を、
会の終了後に実感したのでございました。

シェフの鈴木康太郎さんは、瀬山さんの野菜の力を十二分にいかした
「ここでなきゃダメ」という状態で皆さまにお料理を供してくださっておりました。

今年の台風被害が大きかった瀬山さんの畑では、今回の野菜たちは
本来の生育よりも少し若い状態のものがありました。
「春菊なんか本当の味にはまだちょっとって感じなのよ。
もう少し寒くなると本当の春菊の味が出るんだけど…」てな感じ。

その春菊が、じゃがいもと玉ねぎのポタージュにのっかると…

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「じゃがいもと玉ねぎのスープ 春菊の香り」 春菊ペーストが乗っかってます。
確かに食べた瞬間、口のなかが春菊のフレーバーでいっぱいになりました。
春菊好きにはたまらないスープでしたよ。



「ほんの少ししか入ってないのに、食べた瞬間、春菊の香りで
口の中がいっぱいになって。びっくり! まだまだって思ってたのに。
すごいわねえ。鈴木さんの料理は」by瀬山さんの奥様、文子さん。

鈴木さんは鈴木さんで「それは野菜の力。野菜の手柄です」
あくまでも謙虚なのでした。

そのやり取りを見て「春菊のスープ…どんな味なんだろう。
早く食べた~い!」と思いつつひたすら「その通り!」とうなづくわたくし。
サービスの悲しみを感じた瞬間でございましたよ。

で、皆さんがお帰りになった後に食べたお料理の、
たとえばかぶについてはこんな風に思いました。

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メインの「おからの温かいパテ 瀬山さんの野菜を添えて」
日本一おいしいお豆腐屋さん・もぎ豆腐のおからは、イヤな臭みも癖もなく、
鈴木さんが大変驚いていました。さすが、もぎ豆腐店。恐るべし。
ソースは干ししいたけがベース。何が入ってたのか、レシピを問合わせております。
ほっこりとしたケーキのようなおからのパテは、野菜の味を全く邪魔せず、相性抜群でした。



瀬山さんのかぶを食べると、他のかぶを食べたくなくなる。
そんな力のあるかぶなのですが、その良さを生かし
なおかつ味をそのままに、ストレートに感じさせる料理ってのは、
ちょっと難しいと思うのでございます。

しかしですね。

おからのパテの横に乗せられていたかぶは、おいしさを損なわず、
さらに一味ランクアップする味付けがされておりました。

つけあわせというより、その存在感は堂々たるメインのよう。

プロと言うのはすごいものよのう…と火を落とした厨房でひとり、
実感したのでございましたよ。

gaszou 013
「にんじんのミルフィーユと青レモンのジュレ」
瀬山さんの人参のクリームはペーストにしただけですでにスイーツ。糖度の高さにびっくり。
ミルフィーユは山梨県の古郡正さんからいただいた国産小麦を使いました。
この小麦でパンも焼いてもらったのですが、それはそれはおいしいパンでした。
国産の小麦の力ってすごいですね。いや、ほんと。素晴らしい。

gazou 017
「自分の両親が作った野菜がどんな風に料理されるのか食べてみたい」
瀬山さんのお嬢さんとその婚約者がお見えになりました。お幸せに~。

gazou 016
「お料理もワインもおいしかったです~。またご案内くださいね~」
そんなご感想をいただきました。ありがとうございます~。またお誘いします~。



「自分の野菜がどんな風に料理してもらえるのか。とても楽しみだったけど、
ほんとにうれしかった。こんなにおいしい料理を食べさせてもらって」
そうおっしゃる瀬山さん。喜んでいただいて良かったです。

これからも、食べる人と作る人をつなぐイベントを介して、
いろんな「考える素材」を提供して行こう!と心に誓った一日でございました。

ご参加いただいた方々、鈴木シェフ、そして瀬山さん。
本当にありがとうございました。

主催者自身も楽しませていただきましたです。
今後ともよろしくお願いいたしますです。

次回の日曜倶楽部は11月27日(日)でスケジュール調整中です。
テーマは「シカ肉」。シカと日本の山について考えてみたいと思っとります。

ますますがんばらねば!


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プロフィール

ほんたべ

Author:ほんたべ
手島奈緒
おいしい食べものをつくる人を紹介したり応援したりしております。ブログをまとめた著書『いでんしくみかえさくもつのないせいかつ』(雷鳥社)『まだまだあった! 知らずに食べてる体を壊す食品』(アスコム)『儲かる「西出式」農法』(さくら舎)など。現在ハンター修行中。

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