梅雨なかのほんたべ農園

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ナスの花の色でチッソ分の判断をする。紫色が濃いと肥料は足りてる。
無施肥スタートでこの色。不思議だなあ。なぜだ? 切り上げ剪定のおかげか。



昨年と比べて、今年は涼しいのだ。

畑に行ってもそんなに汗かかないし、過ごしやすい。
定期的に雨が降っており、不必要なときに台風が来て、
去年は出なかった病気が出たりしているが、おおむね順調だ

病気が出る原因はわかっている。

去年作ったえひめIちゃんがどこかに行って見つからないし、
愛を控えめにして、古郡式見守り作戦を展開しているからだ。

昨年の不具合の原因を古郡さんと話していて、
「どぶろくと葉面散布のせい」と言われた。
アルコールというのは人間も同じだが、呼吸作用が激しくなる。
作物はしゃかりきに呼吸を行う。結果、肥料分を消化してしまう。

当然入ってるものでは足りなくなり、肥切れを起こした。
おかしいと思って追肥し、その後しばらくして散布をやめたので、
トマトは暴れ、ナスにはダニがつき、きゅうりだけが元気になった。

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ミディトマトってたくさんなるのよね。でも採るのがめんどくさい。
あと料理もなんか使いづらい。やっぱり大玉が好きなわたくし。

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葉と茎に病斑が出てきた大玉トマト。3段目の花が咲いたころ、
脇芽欠きで主枝をサクッと切っちゃったのよね。そこから病気が入ったらしい。
おひさまがまぶしくて目が見えなかったのよね。年取るってイヤね~。



そう言えば今年は最初からきゅうりが甘くておいしいのだ。
去年は最初の5本ほど、味もそっけもないきゅうりだった。

チッソ分はアミノ酸だから、うまみの元になる。
大量の硝酸態窒素は嫌われるが、チッソ不足の作物の味は悪い。

某D社時代、硝酸態窒素の数値測定と食べ比べを行い、
残留が300ppmとかのほうれんそうを食べたら、
ものすご~くまずかった。数値が高いものと同じくらいのまずさ。

低けりゃいいってもんじゃないのよね。

きちんとチッソ分を消化して、光合成してればいいのだ。
光合成に足りないくらいのチッソ分ではダメだってことであろう。

なんちて、全部推測だけど。

道法式の切り上げ剪定を行っているナスは大変調子がよく、
微妙にアブラムシや葉ダニがついているようだが、
ご本人に体力があるから、気にしていない。

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葉がわさわさ茂ってるって樹にはなってないけど、
ナスがコンスタントに着果してるからたぶん結果オーライ!
へなちょこな支柱立ても意外と台風に強く結果オーライ!



無施肥でスタートして、全く追肥していないが、
3日に2本ずつくらい収穫できるから不思議だ。

苗屋にブルームレスきゅうりしかなくてがっくし来たきゅうりは
「節成」という名の通り各節に一個ずつつき、すでにきゅうり祭り。

お隣のおばさまがうらやむほどである。

彼女は化成肥料をぱらりんと入れるのが好きで、
けっこう土の上にパラパラと化成肥料が転がってるのが見える。

「チッソ過剰で花が飛んでるんですよ」とアドバイスしたいが、
そんなこと一般ピープルにはわからないので言うなと夫に言われた。
「なぜでしょうね~」とほほ笑むわたくし、大人になったなあと思う瞬間。

調子が悪いのはピーマンと大玉トマトである。

肥料食いのピーマンを無施肥でスタートしたのがダメだったかと
2週間ほど前に追肥して、枝を全部上向きにしたら、
ちょっと生育が早くなってきた。

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大変わかりやすいトマトのチッソ過剰状態の図。花芽の先に葉が出てる。
この花は5段目だが、6段目の花からチッソ足りません的な色になってきた。
追肥をすべきだろうか・・・・・。



ピーマンの前作はほうれんそうだった。チッソの残りは3kg。
ほうれんそうが皆吸っちゃったのかも。

昨年は甘かったピーマンがおいしくないのは、
チッソが不足してるに違いない。

大玉トマトは無施肥でスタートしたらすぐにチッソ過剰の樹形になった。

雨粒とともにチッソ分が空から落ちてくるので、
トマトに肥料はそんなに必要ないと以前言われたとおりであった。
今年は雨が多いから、どこぞにある肥料分を吸っているのだ。

しかしなぜかこの2~3日で急激に「チッソ足りません」って色になり、
病気が発生した。第3花が咲いたら追肥と師匠が言ってたっけ。
もう、どうしたらいいのかわからん、トマト。

同じうねに植えてるミディトマトは無施肥でも順調なのに。
もう、全然わからん、トマト。

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んで、これが病斑。WEB検索しても同定できない。
サクッと切った茎に一番近い葉は黄変して枯れ、茎にも病斑が出た。
なんだろうな~。明日同定してもらおう。



ビニルマルチが必要なのかもと思うが、きっとうまく張れない。
台風が来て、大風でぶっ飛んだマルチが、よそ様の畑にへばりつき、
ご迷惑をかけている図が今から想像できるようだ。

そしてお隣のじいさまにやんわりと注意されるのだろう。
「たまには畑に来なさいよ」とこないだも言われた。
来てるって! 草が生えてるだけだって!

しかし、今年の見守り作戦は今のところ成功を収めているようである。
畑に行っても収穫と誘因しかすることなくて、大変つまらないのだった。

さあ、もうじきいんげんの収穫が始まり、食卓が夏っぽくなる。
そして節電の夏も始まり、原発も動く。

なぜ~?

どういうことなんだか、今後の手続きはどうなんだか。
わたくしにはさっぱりわからないぞ。


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「食糧」による世界征服「モンサントの不自然な食べもの」

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「タネを支配すること=世界の食料を支配すること」。
ひたひたと、誰も気づかないうちに、世界征服の静かな足音が近づいています。



昭和の時代、いくつか悪の組織があったよね。

例えばショッカー。
この人たちは、大変経費がかかっているだろう怪人を次々に送り出し、
仮面ライダーに毎回やっつけられながら、世界征服を目指していた。

鉄人28号の悪の組織PX団は、鉄人との戦いで
都市を破壊していたが、征服後には修理しなくてはならないのだから、
建物を壊さない配慮が必要だったのではと思ったりする。

どの組織も世界征服後のビジョンは一度も紹介されなかった。
ビジョンなき世界征服。

世界には資源が豊富にあり、豊かな未来が待っているという
そんな妄想の上に、世界征服と言う野望は成り立っていた。

21世紀の現在では、そんなに単純でないことがわかる。

山積しているエネルギー問題や、宗教、地球温暖化、
東西および南北問題等々、征服と同時に
解決すべき事項がものすごくたくさんある。

全体主義など、この情報社会では無理な話だ。
ショッカーもPX団も、テロに悩まされることになるだろう。
世界征服なんてリスキーで、今ではできるはずもない。

しかし現在、この世界で着々とそれを実現している組織がある。

世界で一番売れている除草剤「ラウンドアップ」を開発し、
GM作物の種を販売しているモンサント社である。

マリー=モニク・ロバン監督の映画
「モンサントの不自然な食べもの」を見て来た。

ここで描かれているモンサント社は、
都合の悪い研究発表をした科学者をことごとく解雇に追いやり、
データを改ざんし、政府・FDA(アメリカ食品医薬品局)を取り込み
種を支配することで、農民たちの自由を奪い、
「食糧」で世界を支配しようとしている。

「1ドルの儲けも無駄にしてはいけない」という哲学のなか、
安全性や人々の健康、農民の収入などはおかまいなしで、
ただひたすらに利益を追求している。

米国では、遺伝子組み換え食品の表示の必要はない。
表示の意思を示しても握りつぶされる。

米国の消費者は、遺伝子組み換え技術で作られた牛成長ホルモンを
与えられた乳牛の乳を飲み、GM作物を食べねばならない。
農民は、タネに知的所有権を主張され、契約書を書かされ、
実質モンサントで種と農薬を買わねば農業ができなくなっている。

しくみさえ作れば、あとは利益がざくざく入って来る。
そのしくみは完璧だ。

インドでは綿農家の自殺が増え、
メキシコのトウモロコシはGMトウモロコシの花粉で汚染され、
「実質的同等性」という根拠のない安全性のもと、
さまざまな国にGM作物が輸出され、新たなGM野菜が生まれているが
誰も止められない。それは「食べもの」だからだ。

食糧を誰かに依存することは、支配されることだ。

日本ではすでにGMトウモロコシ・ダイズをアメリカに依存しており、
GM作物なくしては、国民の食糧をまかなうことはできない。
実質支配されているのと同じことだが、まだ日本には希望がある。

日本では、遺伝子組み換え作物の商業生産は行われていない。
EUと比較すると足りないが、表示はきちんと行われている。

このふたつの障壁がなくなったら、日本もモンサント社に支配される。
ショッカーの弱っちい怪人よりも恐ろしい、
不自然な食べものに支配されることになるのだ。

「GM食品は安全だ」という科学者その他の意見は、
原子力産業の欺瞞を痛感したわたしたちには、もう通じないはずだ。
おそらく、同じことが起きている。遺伝子組み換え作物についても。

でもね、今できるのは、
遺伝子組み換え作物を日本で作らせないことだけなの。
何しろ今では日本人はGMコーンでできているのだからね。
だけど、最後の砦を守ることは、ものすごく大事なのよね。

だからがんばりましょう、農民、および、消費者のみなさま。

『モンサントの不自然な食べもの』
2012年9月上旬から渋谷アップリンク他で公開予定。
問い合わせ先・アップリンク film@uplink.co.jp

※観る前に「フードインク」「ありあまるごちそう」「キングコーン」の
3作を見ておくことをお勧めします。よりわかりやすくなります。


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農家の常識が通じない栽培技術「切り上げ剪定」

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植物ホルモンの動きが大変わかりやすい梅の木。ナナメにかしいでいるので、
傾いた上部の枝が優勢になっている。これがオーキシンのしわざ。まっすぐ伸ばし、
開いている枝をぎゅっと縛り、成長を早めるのが初年度の梅の剪定。



某D社で産地周りをしていたわたくし、
担当していた産地は落葉果樹と冬場の大型野菜の産地。
一時期は全国で50産地ほど担当していた。

果樹類は出荷ピークが2カ月ほどで、次々に産地が変わるので
6月にすももが始まり、中生種のりんごが終わるまでは大変忙しい。

11月、落葉果樹が貯蔵ものだけになると全ての気力を使い果たし、
渥美半島のキャベツが出荷ピークを迎えるまで、
ゾンビのようになるのが常だった。

さて、そもそも農薬がないと作りにくい落葉果樹で
低農薬栽培をしている方々というのは、農業界での先駆者が多い。

つまり栽培技術が相当なレベルであり、思想も徹底しており、
「先生」と呼ばれ技術指導をするような方々がほとんどなのだった。

このようなツワモノのおじさま方と話ができるようになるためには、
農薬・栽培・品種などについて知らなくてはならなかった。

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本当は地上部70センチに切り詰め、台木のつなぎ目から30センチまで
新芽を全部かいておかなくてはならないのだが、できていなかった。
なので、これを切り詰めて、勢いのいい枝だけを残すと・・・・

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こうなりました。なんか清々した感じで梅がうれしそう。


本を読んでも頭にちっとも入らないし、実践とは違う。

わたくしの知識は産地で農家のおじさま方に聞いた話を
自分の頭の中でいろいろと補完しながら積み上げたものだ。
なので「農家の常識」はある程度理解できる。

この常識を覆す技術を持っている人がいる。
詳しい記事は過去ログから→http://hontabe.blog6.fc2.com/blog-entry-34.html

道法正徳さんは「切り上げ剪定」という、
真上に伸びる枝を意図的に残すことで植物ホルモンを活性化し、
無肥料・無農薬栽培を可能にする技術を構築している。

道法さんの柑橘類での成功例を目の当たりにしたわたくし。

それ以来、気になるけどいまいちわからんというのが
正直なところ。だってNPK必要ないってどういうこと?
微量要素必要ないってなぜ? 全然わかんない。

ということで、今年大豆プロジェクトを開催しているさちこさんが
梅の苗木を植えたので、初年度の梅の指導に来ていただいた。

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勢いのない枝を実際に欠いてみて、残す枝を選択している。
枝は、手で下に向けてむしってしまうといいと道法さん。



道法さんの話はとても興味深い。
「そう言えばそうだよね」と思うことの方が多い。

しかし、これは農家が聞いても納得できないだろう。
今まで普及所や指導員が言ってきたことと真逆だからだ。
でも少し考えてみて「あっ!」と思った。

栄養周期でも同じこと言ってたぞ。それに初めて聞いた話じゃない。

長野で日本初のふじの「着色系品種」を発見した原今朝生さんは、
普通なら切ってしまう徒長枝をわざわざ残す剪定をしてたから、
枝変わりがよく出たのだと息子の俊朗さんに聞いた。

さくらんぼを徒長枝につけている奥山博さんは、
最初近所の人たちに「何やってんだ」とバカにされてた。
今では皆がその剪定方法の真似をしている。
おいしいさくらんぼがなり、摘果の手間が省けるからだ。

なあんだ。元気よく伸びる枝を残す技術を、
すでにわたくしは知ってたのだった。
「人のしないことをする人」をすでに何人も知っていたのだ。

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欠いたところは枝を残さず、完全に切り取ってしまう。
こうするとオーキシンとサイトカイニンが傷口をうまく修復し、成長も妨げない。
枝が少しでも残るとジベレリンが分泌され、根の動きが止まり成長が抑制されるそう。



小難しい話になるので説明は控えるが、今回詳しく聞いて、
道法さんのやり方は理にかなってると思えた。

道法さんは、青果連時代に土壌分析をさんざんやり倒し、
データを集めまくり、あれこれ試してみた結果、
それでも解決できないことがあるという経験を持っている。

そこで植物ホルモンに気づいた。

土壌分析もしないで「そんなの農業に必要ない」という人がいるが、
そういう人の言うことをわたくしは信じない。
やらないのになぜ「必要ない」と言えるのかがわからない。

だから、さんざんやってみて解決できず、新しいことを発見した
道法さんの言うことは信じるに値すると思う。

先日古郡正さんと話をしていたら、肥料を入れるのをやめた後、
土から肥料分が抜けるのに、果樹だと5年かかると言った。
道法さんは8年かかると言う。畑作だともう少し短い。3年ぐらいだ。

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ちなみにこれ、ほんたべ農園の今年のナス。施肥はしていない。
冬の菜っ葉とカルスNCRをすき込んだだけだが、肥料に気を使った去年より
数段出来がいいのよね。出ている枝を全部上向きに支柱にくくりつけただけなのに。



だから無施肥にして3年間は無肥料栽培とは言えない。

その間は残肥でいいものができている可能性があるからね。
評価はその後に現れる。良くなるか、悪くなるか。

道法さんは「そこから本当においしくなる」と言う。
指導を始めたばかりだから、まだそこに到達している人はいない。
でもこれからたくさん生まれる。
いつか、肥料を使わずに無農薬でできる果物が
日本中にあふれる日が来るかもしれないのだ。

それはとても美しい夢。楽しい夢じゃない?

さて、今回道法さんと話していて気づいたことがあった。

わたくしは農家のおじさま方に育ててもらった。
彼らの思想や知識を知らない間に吸収し、
それを基盤にして「今の自分」ができあがっている。

もうお亡くなりになって会えない人もいるけど、
その人に教えてもらったことが自分の中に生きている。
だからいつでも思い出せる。彼らがわたしの一部になっている。

なんだがそれが、少しうれしかった今日。


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「大豆の種まきから味噌作りまで」第一回無事終了

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雨の予報をことごとくくつがえす「魔法のてるてる坊主」の作者、美雨ちゃん。
てるてる坊主に「晴れろ!」と書いて、神様に指令を出したツワモノ。やるなあ。
大人たちに交じって大活躍。日焼けは大丈夫だったかな。

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効率よく大豆を粛々とまけるよう、最初に班分け。さらに
効率よく種まきできる段取りを説明中。粛々と聞く参加者の皆さま。



6月17日(日)、
わたくしの主宰する「ほんものの食べものくらぶ」の農業体験ツアー
「大豆の種まきから味噌作り」の「種まき」が終了した。

自慢じゃないけどわたくし雨女。

山に登っても、旅行に行っても、撮影に行っても、
自分にとって大事なイベントほどだいたい雨が降る。

種まきをさせていただく農園の持ち主、さちこさんも雨女だ。

二人の相性はことのほかよく、だいたい二人でいると雨が降る。
嵐も来る。猛吹雪も呼ぶ。雷も落ちる。

ってことで、もう天気がすごく心配。
晴れなくてもいいから降らないでって感じであった。

頼みの綱は参加者の晴れぢからである。

幸い、晴女・男がおひとりずついらっしゃり、
てるてる坊主をつくると必ず晴れるという女の子も来て、
雨女×2の呪いは、この方々の力で解消されたのだった。

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ロープにそって株間を測り、穴あけて、タネを落として土かぶせる♪
3人でやると早いんだけど、一通り終わるころには息が上がっております。
だんだんと思考能力が落ちていきます。

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若いっていいなあと心の底からオバサンは思ってしまいましたよ。
へなちょこな感じで手伝ったわたくし、へなちょこな割にくたびれ度高し。

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作業終了後は青空の下で皆でお昼ごはん。スタッフ手作りのお惣菜と、
自家製味噌のお味噌汁が大好評。汗かいた後に飲む味噌汁は体にしみわたるのですね。
大量の汗とともに都会の毒が出て行った感じ。みんな畑で元気になりましょう!



お天気に恵まれ、っていうか恵まれ過ぎて大変だったのだが、
どなたにもケガなく、羊にもかじられず、無事終了した。

この後発芽し、双葉が出て大きくなって、
枝豆になって、大豆になって・・・というような生育過程を
ひと月に一度見に行ってお世話する、というのが
今回の農業体験の主旨である。

最後に味噌をみんなで作る。

途中には収穫祭もする。なにしろ草取りとか大変だ。

そんな農作業を皆で共有するのだから、
「収穫のよろこび」も盛大に皆で分かち合わなくっちゃ。

ってことで、来月は草取りである。

ご興味ある方は、メールフォームにてお問い合わせくださいませ。

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おいしいごはんの後は、さちこさんの野菜収穫体験。
じゃがいもが土の中でどんな具合にできてるのかクイズを出してみましたよ。
こんなふうにできているのね。(色が大変美しいアンデスレッド)

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記念撮影におっさん羊のカズくんのことをすっかり忘れてたわたくし。
遠くからごはん食べてるところとかガン見してたけど、さみしかったのかしら。
次は忘れないようにしなくっちゃ。




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おひさまと雨と土で育った、無農薬のすももの話

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仙人の後ろ姿。畑は草ぼうぼう。「草はさあ、若いうちに刈り取るより
大きくしてから倒した方が炭素の供給になるじゃんね」と前に言われた時は、
何の事だかさっぱりわからなかった私。今なら立派に理屈を答えられます。



山梨に行って仙人に会ってきた。

仙人とは、某D社の産地担当が、山梨県のすもも農家、
古郡正さんにつけたあだ名である。
古郡さんの記事は過去ログからどうぞ↓
http://hontabe.blog6.fc2.com/blog-entry-14.html

上記記事は「ほんたべ日記」を始めた年の7月に書いたものだ。
今読みかえし「何もわかっとらんな、自分」と思ってしまった。
さらに、文章が某D社の販売促進調から抜け出せていない。
あああああ。何考えてたんだ自分、全く、もう。

まあ、いっか。

さて、今年も古郡さんのすももは、
無施肥・無農薬栽培で粛々と育っていた。

古郡さんは、わたくしが産地担当になった年まで
ソルダムという品種にだけ石灰硫黄合剤をまいていた。
その翌年から全てのすももに農薬をまくのをやめた。

すもも1
「味はさあ、前、肥料入れてた時の方が甘かったような気がするね。
糖度は高かったと思うなあ」と古郡さんは言う。肥料が入らんとおいしくならんと。
うーん、そうかなあ。いつも夢のようにおいしいけど。とくにサンタローザが。



肥料はしばらく前からやってなかったので、
下草の炭素と、雨などのチッソ分の天然供給だけで、
すももは大きくなっていた。

夏に行くと毛虫はいるし、病気の果実があちこちにあるし、
フツーのすもも畑では、絶対に見られない光景をよく見た。

そのうち、彼は剪定もやめてしまった。

「剪定ってのは施肥だからね」と古郡さんは言う。
上記記事を書いたときには理解できなかったが、今ならわかる。

剪定をすると木の生理が変わる。

道法正徳さんが指導している切り上げ剪定は、
無肥料の果樹栽培の技術のひとつだが、
剪定をして上向きの枝を伸ばすことで優位になるホルモンを利用する。
剪定によって施肥をしなくていい状況を作り出す技術とも言える。

剪定もされない古郡さんのすももは
「そこにあるもの」だけで大きくなる。

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すももにも桃にもかかる灰星病。慣行栽培では灰星病防除で
4回ほど殺菌剤をまくらしい。菌は樹皮などで越冬し、春先に花から果実に移行、
梅雨でぐわっと広がるイヤな病気。菌の総体数が減らないといつまでも出続ける。



すももの木はボロボロで、中には枯れたものもある。

灰星菌でぽつんぽつんと穴があいた葉は、おしなべて小さい。
そして、数が少ない。剪定をしないし肥料分もそれほどないから、
新しい枝がびゅうっと伸びることもなく、こぢんまりと生育する。

遠くから見ても他の畑と木の様子が違うことがわかる。
すももの木が、そこにあるものでなんとかしてる。

奇跡のリンゴの木村さんのように、大豆などは植えてないから、
すももたちは本当に「そこにある何か」で毎年実をならせている。

農薬をやめてしばらくの間、カイガラムシがよく果実についていた。
ある年から少なくなり、最近ではつかなくなった。
「生態系が安定したのかもね」と古郡さんは言う。

灰星菌は根絶できない。でも農薬はまかない。
なぜそうするのか、産地担当になったころよく話した。
「あるがままが大事だから」と、古郡さんは毎回言った。

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一般栽培のすももの木。葉っぱが大きくてだらっとしてるのは、
チッソがまだ効いてるせい。枝も太くて元気がいい。肥料をちゃんとやってるからね。

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古郡さんちのすもも。枝は細くてこぢんまりした樹形。
葉がV字型になってるのはチッソが切れて炭水化物が果実に移行している証拠。
栄養周期を勉強してると、こういう木の生理がわかるようになります。



「栄養周期」という優れた技術をもっていて、
それを使うことが楽しくて、それこそ西出隆一さんが言う
「高品質・多収」を実現していたのに、今ではそれを使わない。

ただ見てるだけ。

一般的な果樹栽培では、年に数回肥料を与える。

余った肥料分が徒長枝という形で初夏から夏にびゅっと出てくる。
徒長枝の分、肥料が余分なんじゃないかと皆言うが、
無肥料にする人はあんまりいない。

毎年徒長枝が出て、それを切り、肥料を入れる。この繰り返しだ。

肥料分が多いと、果樹は生理上、果実の味が必ず悪くなる。
慣行栽培ではいまだに化学肥料を使っていて、
水っぽい大玉のすももがたくさんなる。そしてすぐ腐る。

スーパーに売ってるのはこういうすももだ。
おいしくないに決まってる。

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植えたときから肥料ゼロ・農薬ゼロ・剪定なしで大きくなった5年生の木。
5年もするとすももはもっともっと大きくなるのに、肥料がないからとても小さい。
ここまで大きくなれなかった木は全部コスカシバという害虫が入って枯れた。
この畑にあるものだけで大きくなったすももの木。枯れてないのが奇跡のよう。



何も与えられない古郡さんのすももの木は、毎年
こぢんまりとした小さな実をつける。

おいしいすももにするために、古郡さんはそれを摘果する。
灰星にもふくろみ病にもかからず、シンクイムシも入らず、
無事に生育できたものだけが、某D社に出荷される。

産地担当をしてた頃、この事実を見てはいたが理解していなかった。
少しずつ知識が増え、古郡さんの言ってることがわかるようになり、
今では、「ああ、すごいなあ」と思う。ただ、「すごいなあ」と。
すももの木が、そこにあるものだけでならせたすももの実だ。

そして思うのだ。
「自然栽培」ってのはこういうことじゃないのかしらん。

すももの木が自分とおひさまと雨の力で実をならせる。
そしてわたくしはそれを食べる。なんとなく、奇跡のよう。

わたくしは、古郡さんのすももと一緒に自然の力をいただく。


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「農薬をまかなきゃ作れない」と言う理由

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山梨県の露地の桃の慣行防除回数(成分数)は27回。わたくしの知り合いは8回。
この差はなんだと思うでしょう。技術と手間の差だとわたくしは思っております。
そういう技術があるからこそ、おいしい桃もできるのだと思っております。



以前農業のことを何も知らない人に、
「りんごって何回くらい農薬まいてると思う?」と聞いた。
「うーん。3回くらい?」と彼女。ぶっ飛ぶわたくし。

実際には、青森県の慣行防除暦で36回(成分)である。
長野県では30~34回(成分)である。

昨今の農薬はお高いが、農薬代はどれくらいなのかしら。

高原のレタスが好きで、よく買うというおじさまに
「レタスの防除回数ってどれぐらいだと思う?」と聞いた時には
「うーん。3回くらい」と言った。

実際は17回~19回。キャベツでは20~23回(長野県)。
相当虫や病気が出るに違いない。まく方が大変だ。

きゅうり・トマトの回数も聞いてみたことがある。
やっぱり「3回くらい?」という答えだった。

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これは米ナスだけど、フツーのナスだと埼玉県で48~53回(成分)。
ナスは栽培期間が長いから多いのだろうけど、ちょっとびっくりしたぞ。


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栽培期間が50日程度の菜っ葉でも平均して10回だ(埼玉県防除暦)。
種まきから収穫まで50~60日しかない菜っ葉に10回。うーんと考えてしまうなあ。



福島のハウス栽培のきゅうりで24~30回。
トマトなら24回位(どちらも成分)。

果菜類の場合は大きくなりながら実をつけるので、
ひとつの実にこれだけかかってるわけじゃないが、回数を聞くと驚く。

わたくしの驚きは、食べる人が農薬回数を漠然と
「3回位」って思ってるってことだ。

3回…多くもなく少なくもない、なんとなく落ち着く数字。
落ち着くと言うのは、たぶん自分が落ち着くための数字なんだろう。
これ以上多いと「なんとなくイヤ」なのだろうと考える。

農家が聞いたら「うひっ」と笑っちゃうかもしれない。

某D社で働いていたころは、このようなべらぼうな回数
まいてる人がいなかったので、慣行栽培ってすごいなあと驚く。
時期にもよるが、高原キャベツで多くても5回位だ。
無農薬で作ってる人もたくさんいる。

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農薬散布量が一番多い、虫にも病気にも弱い洋梨。山形県では36回。
これらの数字はこの通りにまいてない可能性もある、マックスこれだけって数字。
でもまいてるでしょうね。貯蔵中のロスが怖いからね。



わたくしの師匠・西出隆一さんは、6月から11月までのトマトを
無農薬で作っている。・・・ってことはですね。
農薬まかなくても作れるよねと思うでしょ(果樹は違うけどね)。

しかし「農薬まかなくちゃ作れない」と言う農家のおじさま方は
世の中にたくさんいる。わたくしは会ったことがないが、
「そう言われたけどほんとに作れないの?」と聞かれたことは何度かある。

「なんで決めつけるのかな~?」

有機農業運動の歴史を知り、近代農業の弊害を知り、
有機農家の努力を知ると、「なぜ?」という疑問しかわかない。
「努力が足りないんじゃないの?」などと
傲慢なことを思っていたが、最近は考えが変わった。

おっちゃんたちが「作れない」というのは
「作り方を知らない」だけなのだ。ず~っとず~っと長年の間、
化学肥料と農薬を使って作ってきたのに、それなしで
どうやって作ったらいいのかわからないのだ。

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雨よけハウスの種なし巨峰(というか欧州種以外)で28回(山梨県)。
昨年はベト病が猛威をふるい、今年も相当出そうってことなので、殺菌剤は必須でしょう。
ぶどうは洗って食べましょう。



さらに、そんな作物が売れるのかどうかすらわからない。

近所に新規就農した「有機農業する若い人」たちが、
自分たちが大嫌いな草ぼうぼうの畑で作ったり、
虫に食われたものを作ったりしていると「やっぱりダメだ」と思う。

「野菜はピカピカじゃなくちゃ」売れないからね。

あともうひとつ。農薬を減らしても高くは売れない。
これはすごく影響力がある。だって評価されないってことだもの。
使っても使わなくても売値が同じなら、誰も試さないよね。

かくして、慣行栽培の防除回数は大きく減ることもなく、
進歩しているようでいまだに前時代的な技術のまま、
単位面積当たりの農薬散布量が世界一という日本の農業。

わたくしは農薬をまくことはしょうがないと思うし、
そうでなくちゃ作れないという人々の気持ちも理解できるし、
たぶん慣行栽培がなくては日本の野菜はまかなえないと思うけど、
もう少し減らす努力をしようよと言いたい。

紅秀峰だけど
山形県の慣行防除暦ではさくらんぼは雨よけハウスで27回。
さくらんぼはミバエが入るので殺虫剤が必須。けっこう出荷ぎりぎりまでOK。
観光農園で洗わずに食べる人の気がしれない。



技術指導をすべき機関があるのだから、ちゃんとしようよと言いたい。

さらにもうひとつ。減農薬の野菜が少しばかり高くても
それを選択して買う消費者と、流通が育たないとダメなのね。
減らした農家の努力を受け入れる器がないと、行く先がなくなっちゃうから。

なんてことを考えると、現状の数少ない器である大地を守る会とか、
らでぃっしゅぼーやとかが大きくなって、マイナーじゃなくて
メジャー産業になることが大切なのかなあと思うのだった。

※注 本文中の防除暦の農薬カウントは、わかりやすく回数と表記していますが、
実際は成分数で散布回数ではありません。


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プロフィール

ほんたべ

Author:ほんたべ
手島奈緒
おいしい食べものをつくる人を紹介したり応援したりしております。ブログをまとめた著書『いでんしくみかえさくもつのないせいかつ』(雷鳥社)『まだまだあった! 知らずに食べてる体を壊す食品』(アスコム)『儲かる「西出式」農法』(さくら舎)など。現在ハンター修行中。

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