新規就農者の会話から見えたこと

IMG_6963.jpg
同じ年に茨城と岡崎という遠く離れた土地で新規参入した3人。
農業の話って、初対面でもいろいろできるんだなあとちょっと感動してしまった。
左から、さちこさん、のんのんファーム・まいちゃんとあっちゃん。ブログは以下。
のんのんファームのブログ → のんのんファームの作業日誌
さちこさんのブログ → 野良綴り



平成23年の新規就農者数は58,120人。
前年と比べて6.5%増えたらしい。それはよかったね。素晴らしい。

大まかに言うとこのうち60歳以上の就農者は31,290人
40~59歳は12,610人、39歳以下は14,220人。
若い世代と定年就農者が増加しているそうである。

詳細は以下から。細かいデータが出ております。
平成23年新規就農者調査結果の概要(8月24日)
http://www.maff.go.jp/j/tokei/kouhyou/sinki/pdf/sinki_syunou_11.pdf

さて、ひとことで新規就農者と言っても、いくつか種類がある。

1.親の後を継いだ=新規自営農業就農者
2.農業法人等に雇用された=新規雇用就農者
3.土地も家も探して一から新しく農業を始めた=新規参入者

この合計が58,120人。確かに22年と比較すると増えてるけど、
平成21年は66,820人いたから、トータルで見ると減ってるの。
数字をさかのぼっていくと、やっぱり減少傾向にはあるみたい。

IMG_6953.jpg
なすの様子を見ながら「なんでこんなにちゃんとしとるんかね?」
「岡崎は暑いんかね?」と不思議そうなのんのんファームのふたり。
「追肥しないでいいってほんと?」などと栽培方法の情報交換も。



私たちが「新規就農者」と聞いて思い浮かべるのは
「全く縁もゆかりもない土地で、新たに園地を探して農業を始める人」
つまり「新規参入者」である。

この人たちが何人いるかというと58,120人のうち、2,100人。
このうち39歳以下は800人。たくさんいるじゃありませんか。

60歳以上の定年退職農業者もいいんだけど、
その後何十年も農業に従事できる若い世代が多いのは、
やはりすばらしいのである。

実は「ほんたべ日記」でも二組の新規参入者を紹介してるのだが、
なんと二人とも平成20年の新規参入者だったことに後で気づいた。。

平成20年の39歳以下の新規就農者は15,030人いて、
15,030人のうち、新規参入者は620人であった。
この620人のうちの2人を知ってるんだあ!と感慨深かったものである。

このふた組の新規参入者が、先日対面した。

岡崎市で新規参入したのんのんファームのまいちゃんとあっちゃんが
石岡市で新規参入したさちこさんとのところに
岡崎市から車でわざわざやって来たのだ。

IMG_6954.jpg
なすの剪定の方法をいろいろと聞いてます。
さちこさんは今年は道法式の無肥料切り上げ剪定を実践中。
今のところ収穫がしやすいなどの省力化はできてるけど収量は少し少ないとか。



新規就農者同士がどんな話をするのかな~と思ったわたくし、
もちろん同席させてもらいましたのです。

その会話から見えてきたのは「新規参入にはお金が必要」
という当たり前のシンプルなことであった。

まず双方とも「自分の野菜はおいしくて安全なものを」と考えているため、
無農薬で有機質肥料を使った有機農業を営んでいる。
これが前提なのでJAなどには出さない(というか規模が小さすぎて出せない)。

主たる売り先は、新規参入者はまず「野菜セットの宅配」だから、
どうしても小規模多品目の作付になる。

どこかの団体に入って大手流通と取引できればいいんだが、
茨城は今放射能問題で厳しいし、岡崎にはそういう団体はない。
有機農業で小規模栽培では個人で大手と取引するのは難しい。

しかし、取引しやすい大規模単作農業はできない。
野菜セットが作れなくなっちゃうからね。

さらに売り先が確保できたとしても、規模を急に広げられない。
自分の手が及ぶ範囲の作付しかできないから、そろそろと進むしかない。

IMG_6962.jpg
西出隆一さんのレシピで作ったボカシを見学中。
すっぱいようないいにおいがするボカシを見て感心しきりのお二人。
その後大爆笑の話を聞いたけど、ここには書きません(笑)



大風が吹けば節約して自力で立てたハウスがぶっ飛び、
最悪の場合はへちょへちょになり、余計にお金がかかる。

台風が来れば作物は傷つき、順調だったものが急に終わる。
張ったマルチはよくはがれるし、取っても取っても草は生えるし、
朝から晩まで働いても、作業はいつも押せ押せになる。

なんてことは一年に一回しか経験できないから、
時間が自分の経験を豊かにしてくれるのを待つしかない。

トラクターが借りられる茨城はいいが、岡崎では誰も貸してくれない。
トラクターは欲しいけど、今はそんなお金がない。

モミガラやワラ、その他資材が欲しいと騒いでいると
ある日誰かが持ってきてくれる農村地帯の石岡と、
そもそもが市街地である岡崎では条件が全く違う。

新規参入するにはその土地の条件を考慮することも必要なのだった。

IMG_6959.jpg
涼しいところに避暑中のひつじのカズ君も紹介にあずかっとりました。
「これペット?」「ペットなの?」と楽しそうな2人。
おっさんひつじなのにカズ君は女の子に人気なのでした。



むかーし、某D社でわたくしが新規就農を目指していた頃、
新規就農するなら1,000万円貯蓄しろと言われていた。
農器具と家賃、初期に必要な軽トラなどのさまざまなものの経費、
そして一年無収入でも食べていけるお金、それが1,000万円である。

そのうえで、すでに売り先を持っている有機農業団体などに入り、
少しずつ出荷していくというのが一番楽な新規参入の方法だ。
団体に入っていると先輩からいろいろ教えてもらえるし、
少しだけでも出荷できる=現金収入ができるからだ。

ただ、そういう道を選ばない新規参入者もいる。
その人たちの野菜をすくいあげるしくみは、まだ今はなくって、
各自が努力して売り先を考えているという状態である。

うーん、なんかできそうなんだけど、できないかなあ・・・・。

上記のような話を屈託なくケラケラ笑いながらしている3人の女の子を見て
おばさん、考え込んでしまいましたよ。

なんかいいアイディア、ありませんですかしらね?


★現在ブログランキング参加中です!
↓プキッとクリック、ご協力お願いいたします!



こちらもよろしくお願いいたします!
にほんブログ村 環境ブログ 有機・オーガニックへ
にほんブログ村

「大豆の種まきから味噌作りまで」第3回・草取りのご報告

IMG_6899.jpg
どこまでも広がる青い空、白い雲、そして照りつける日差し。
やっぱりかき氷はこういう日に食べなくっちゃね!



8月26日(日)、茨城県のさちこさんの畑で、
ほんたべイベント「大豆の種まきから味噌作りまで」の第3回、
草取りを開催いたしましたですよ。

なにしろ8月下旬ですからね。草取りの開催時間
10時~12時なんて時間に畑には、ひとっこ一人いないんす。

そんな時間に、草を取ってしまいました。
あっぱれ! 参加者のみなさま!なのです。

さて、大豆の種をまいたのは6月。

7月の草取りは相当気合いを入れたけど全部は取りきれず、
残業して、さらに別の日に管理機入れたりして、
なんとか取り切りましたのです。

その結果、大豆はすくすくと成長し、
すくすくと成長したら地面におひさまが届かなくなり、
なんと草が生えてきませんでしたとさ。

IMG_6865.jpg
ちっこい大豆のタネひとつぶが、こんなにおっきくなるんすね。
確かに、草の入る余地などありませんのです。

IMG_6866.jpg
大豆の間をそろそろ歩いて、大豆より丈の高くなった草を抜き取ります。
だから作業は立ったまま。地面にへばりつかないかららくち~ん。

IMG_6884.jpg
引き抜いたシロザ、こんなもんです。あっと言う間に終わっちゃいました。


ってことで、残った草を取るのはすごく簡単。

「こないだに比べて信じられないぐらい楽だよね~」
などという会話があちこちで交わされ、
終始和やかに、あっという間に大豆畑の草は取り終わりました。

和やかとはいっても、なにしろ8月下旬ですからね。
おひさまはギラギラと輝き、素肌を出してると
チリチリと肌が焼ける音が聞こえるほどの日差しです。

年をとると、日に当たってるだけで消耗します。
こんなとこに汗腺があったんだ!ってなところから
汗が吹き出します。

「俺、光合成してるから日に当たるとすごく元気になる」とか言って、
日陰にほとんど入らずに日に当たり続けていた
参加者がいらっしゃいましたが、フツーの人に光合成はできません。

水は飲んでも飲んでも、どんどん出て行きます。

IMG_6893.jpg
暑くて倒れそうになってたら、かき氷屋さんが登場。
日光の自然氷をしゃりしゃり削ったかき氷に、自家製のいちごジャムかけます。
あああ、幸せの味。みうちゃん、かぶりつき状態。

IMG_6925.jpg
専属カメラマンのみうちゃんのお父さんは、ちょっと熱中症気味。
暑い中、ほんとにお疲れ様でした。



真夏の農家ってどんなに大変なんだろうとか思いながら、
1反の1辺を往復しただけで倒れそうになったへなちょこなわたくし。

主催者が熱中症になったらこの後の進行は誰がするのかしら等々
うすらぼんやりと考えてたら、かき氷屋さんがやってきて、
とりあえず身体が冷えたら思考能力と元気が戻ってきました。

かき氷効果、恐るべし。

さて、いつも不思議に思うのは、
皆で作業をするとなんだかとっても楽しいってこと。

初対面なのに、いっしょにお昼ごはん食べるとすぐに仲良くなれて、
作業が終わると、昔から知ってる人みたいな気がしてきます。

次に会ったときはもう、最初からお友だちです。

IMG_6904.jpg
本日のお料理は、大豆のカレー風味スナック、ラタトゥイユ、きゅうりの漬物、
なすの浅漬け、ミニトマトのシロップ漬け2種、もろきゅう。
同じテーブルで、おかずを回しながら皆で食べると楽しいのよね。

IMG_6909.jpg
すんごくおいしかった大豆のカレー風味スナック。
さちこさんの給食の思い出の味だとか。もうビールが飲みたくなってたわたくし。



土の上に立つと地面はふかふかで歩きづらいけど、
アスファルトの上を歩くよりはずっと心地よいし、
大豆に囲まれて、ときおり枝豆のにおいをかいで、
小さな虫たちがひたすらに生きてるのを見たりすると、
自分もこの大きなものの一部なのだって気がしてくるもんです。

都会にいたら、都会の区民農園では絶対に感じられない「何か」を
クソ暑い昨日、カンカン照りの青空の下、
わたくしは確かにさちこさんの畑で感じたのでした。

常日頃、ギスギスしてる人には畑が足りないのでは。
なんちて、ちょびっと思ったりしているわたくしです。

■次回の日程は9月16日(日)になります。
ご興味のある方は、メールフォームよりお問い合わせください。


★現在ブログランキング参加中です!
↓プキッとクリック、ご協力お願いいたします!



こちらもよろしくお願いいたします!
にほんブログ村 環境ブログ 有機・オーガニックへ
にほんブログ村

ほんたべ農園的「愛」についての考察

img064.jpg
強いビームが出過ぎるのはだいたい生育初期。その後飽きちゃうので
まあ、それはそれで枯れたりするわけですよ。農業に向いてないのかも。



「愛しすぎる女」であるわたくし、今年のほんたべ農園には
いまいち「愛」を注入できずにおります。

その理由はただひとつ。「暑いから」。
基本、暑いのが大嫌い。
いつもある、あふれすぎる「愛」が現在どこかに吹っ飛んでおります。

涼しかった6月末から急激に暑くなった7月にかけて
愛しすぎてはいけないと思いつつ、距離を置きながら
とりあえず世話をいたしました。

野菜たちは問題なく生育しておりました。

本来はこのどこかで追肥をすべきだったのでしょう。
しかし今年のわたくし。暑くなってからはド貧血も相まって
ほんのりとほったらかしたのでございます。

さらに8月。鳥取帰省中に水やりをしなかったせいで、
帰ってみたらほとんどの野菜がへなへなと弱っておりました。

どんだけ暑いんだ! 今年! 

っていうか、暑さのせいだけじゃないんだけど。

夏の野菜のはずのオクラがへなちょこなのは
肥料が切れているからってのは、葉っぱ見たらわかります。
でもねえ、今から追肥してもねえ、暑くて吸わないのよね。
もう葉面散布しかないのかしら。

30℃以上になると着果しなくなるいんげんは、
元気だけど花咲きまくってても実がつかない。
これはいいの。そもそもそういう野菜だから。

しかし、アホほど収穫できて食べきれず、
「ちょっと休んでくれ」とお願いするほどだったきゅうりは
枯れ上がってしまいましたのです。

「樹さえ元気なら未来永劫採れる」とおっしゃった
西出先生の発言が脳裏をよぎり、追肥すればよかったなあと
いまさらながら後悔をしているわたくし。

無肥料スタートしたナスとピーマンも、やっぱり息切れ中。
追肥一回では全然足りなかったのでしょう。
早急に追肥の必要がありそうなのでございます。

やっぱり果菜類の無肥料って難しいんじゃないかな~と実感。

さてこのように全体的に青息吐息のほんたべ農園で
一人気を吐いているのがミディトマト。
糖度が高く大変おいしく、ほんとは大玉が好きなんだけど、
ミディも植えといてよかったなあ!と思っております。

それにさあ、トマトって、肥料いらないのだね。

今年、初めて大玉が8段目まで収穫できたのは、
無肥料でスタートしたせいでしょう。
これ以上採るには、どこかで適度な追肥をすればいいのだと
よーくわかったのでございました。

そして、全体的になんだかいまいちな原因は、
たぶん肥料にもあると思うわたくし。

昨年秋、モグラ堆肥が終わっちゃったので、
サカタのタネの「銀の有機」ってチッソ分7%のボカシを購入。
これ、冬作にはいいんだけど、果菜類にはダメなんだよねえ。

やっぱり夏作はモグラ堆肥を使うべきだと強く、強く認識した
わたくしでございました。

そしてもうひとつ。愛しすぎてはいけないけど、
「愛」はかなり必要だってことがわかったです。

来季、区民農園が当たったら、「愛」に遮光カーテンでもかけて、
「愛」が野菜を直撃しないよう、気をつけて作ろうと思っとります。

だから神様、来季の区民農園、もっかい当選させて(祈)。


★現在ブログランキング参加中です!
↓プキッとクリック、ご協力お願いいたします!



こちらもよろしくお願いいたします!
にほんブログ村 環境ブログ 有機・オーガニックへ
にほんブログ村

日本からトウモロコシがなくなったら大変って話

IMG_6847.jpg
ポップコーンは爆裂種と言う種のトウモロコシです。
修行した人が作ってるというマイカルシネマズで売ってるのはGMなのか。
誰に聞いたらいいかわかんなくて未調査。好きなんだけど。
食べてると最後は発泡スチロール食べてんじゃないかって気になります。



アメリカ、史上最悪のかんばつとやらで、
トウモロコシ市場が高騰を始めておりますね。

GM作物でかんばつ耐性トウモロコシってなかったっけ?ってな
素朴な疑問はおいといて、この後どうなるか怖いっす。
なぜなら、日本の食品のありとあらゆるものが
トウモロコシでできているからでございます。

2007年ごろに穀物価格が高騰した際には、牛乳の価格や
ちょびっとだけど加工品の価格が上がったことがあったけど、
あんまり覚えている人いないかも。

当時は原油も上がってたので、燃料費のことは取り上げられていた。

トウモロコシのことってなんとなくピンとこない。
しかしこれが高騰すると相当おそろしい。
なぜなら、日本はアメリカのトウモロコシに依存しているからだ。

トウモロコシがなくなったらどうなるか。
ちょびっと考えてみた。

日本では年間1600万トンのトウモロコシを輸入している。
このうちの89%はアメリカからやってくる。

IMG_6618.jpg
酪農地帯に行くとけっこうデントコーンが植わってるのを見ることができます。
自給しようと努力しているのだなとはわかるんだけど、微々たるものなんでしょね。



飼料に1000万トン、スターチに320万トン、
糖類に240万トンが使われる。
(日本スターチ・糖化工業会サイトより。2010年のデータ)

トウモロコシと言っても、生食用じゃないので要注意だ。
生食用のトウモロコシはスイートコーンと言う。

アメリカで栽培しているトウモロコシは、
バラバラの粒のトウモロコシで、分類は「穀物」である。
生では食べないの。生で食べてもおいしくないからね。

これを粉にしたり、コーングリッツという加工品にしたり、
そのまま使ったり、あれこれ加工したりする。
そして、トウモロコシは以下のようなものになる。

家畜の飼料(とくに鶏・卵、次に豚、最後に乳牛、肉牛はちょびっと)

異性化糖(果糖ブドウ糖液糖・ブドウ糖果糖液糖)、その他糖類
醸造用アルコール、水あめ等の甘味料
コーンスターチ・スターチ

IMG_6637.jpg
乳牛は放牧されて牧草を食べてるんじゃないかという幻想がありますが、
基本的には牛舎にいて、トウモロコシなどの濃厚飼料を食べてミルクにしています。
この牛はおっぱいが大きくないので育成中。こういう子たちが草を食べています。



コーンスターチはその名の通りトウモロコシのでんぷんだが、
食用だけではなく工業用にもものすごく使われていて、
野菜を入れる「防曇パック」の滑り止めになってたりする。

もちろんGMコーンが原料である。

というか、油やその他のコーン製品の原料もGMコーンがほとんどだ。
今やアメリカではGMコーンの作付面積は86%にもなっており、
NON-GMコーンを手配することがだんだん難しくなっている。

コーンが醸造用アルコールの原料と言われてもピンとこないが、
清涼飲料水に入っている異性化糖(果糖ブドウ糖液糖など)と同様
トウモロコシで作られている。

トウモロコシと言われて日本人の頭に思い浮かぶのは
夏に食べるスイートコーンだ。
あれを頭に思い浮かべてこのかんばつ話を聞くと
「たいしたことないや」とか思っちゃうけど、実はそんなことない。

ものすごく大したことある話なのであった。
だからと言って、高騰するトウモロコシをどうすることもできない。

gazou 058
これは人間が食べる米だが、現在飼料米の作付が増えており、
各地で飼料米を利用した畜産技術が開発(というか報告)されている。
肉の脂の色とか、卵の黄身の色とか、食味とか。まだまだいろいろ改善中らしい。
収量がよくて補助金もたんまり出てる飼料米。早く実用化しなくっちゃ!!



しばらくの間、いろいろなものが値上げすることはないだろうが、
輸入トウモロコシの65%を家畜飼料に使っているのだから、
鶏(卵)、豚肉、牛乳などの価格が上がるのは目に見えている。

そのうちニュースでマイクを向けられた消費者の方々が
「牛乳や卵がお高くなるとねえ」などと言い始めるに違いない。

でもさあ。それ、そもそも輸入穀物に頼ってきたツケなのよ。

自給できない=よその国の都合で食品価格が上下するってことなの。
食べものを依存するってのは、そういうリスクが伴うってことなのよ。

最近は、デントコーンの自給や飼料米の普及に努めているが、
もちろん全く足りはしない。

今まで安価な輸入穀物の恵みを享受していた日本人。
他国に食糧を依存し、それでもいいと言ってきた日本人。
思ったよりも早く、考えるきっかけはやってきた。

なんて、ここんとこのトウモロコシ高騰のニュース見てて思うわたくし。
身を低くしてひたすら耐えてやりすごすんだろうなあ。


★現在ブログランキング参加中です!
↓プキッとクリック、ご協力お願いいたします!



こちらもよろしくお願いいたします!
にほんブログ村 環境ブログ 有機・オーガニックへ
にほんブログ村

「鳥取」は「島根」の右側です!

img061.jpg
ついでに言うと、鳥取の右側は兵庫県、下は岡山県。
日本5大美人県であると鳥取県の広報部が主張しております。日本海側、
秋田を筆頭に一県おきに美人県らしいっす。秋田→新潟→石川→京都→鳥取。
福井とか山形、兵庫の立場はどうなんだと思わないでもない。



ひとくくりに「山陰」と呼ばれる鳥取県と島根県。
何度鳥取だっつっても「島根出身だよね?」と言われ続けて20数年。

東京暮らしが鳥取暮らしより長くなっても、生粋の鳥取人であるわたくし。

日本で唯一スタバとドンキホーテとセブンイレブンがない県と
ツイッターで大盛り上がりしていても、
「鳥取ってさあ、砂丘のなかに町があるんでしょ?」と言われても、
日本の県庁所在地では一番最後にマクドナルドができたことを知ってても、
わたくしの根っこは鳥取にあり、誇りにしとるんでございます。

っていうことで、今回ちょっと鳥取県(主に鳥取市周辺)について
わたくしなりに考察してみたのでございます。

さて鳥取県の人口は582,422人であるらしい(2012年7月1日)。

全国47都道府県の中で47番目で、人口は最も少ない。
ちなみに現在わたくしが住んでいる世田谷区の人口は
860,071人で、鳥取県よりも多いのだった。あれま。

だから息苦しいのかもしれないな、世田谷。歩くだけで。

IMG_6600.jpg
うまいもんと言えば、酒。諏訪酒造の鵬は有名だけど、その他、
日置桜とか鷹勇とかおいしいお酒がありますよ。
智頭町の諏訪酒造のショップでは、試飲もさせてくださいます。

IMG_6604.jpg
昔は宿場町で栄えたのでしょう。非常に美しい街並みが、一瞬だけ続きます。
諏訪酒造はその一画にあります。水はうまく、空気はきれいないいところ。



ゲゲゲの鬼太郎の水木しげる先生の出身地の境港市は、
島根県ではなく鳥取県である。
さらに宍道湖の風景が美しい「松江」は、
鳥取県ではなく島根県にある。

鳥取出身の有名人と言えば、言わずと知れた「ゲルさま」こと
石破茂元農水大臣・防衛庁長官などがいらっしゃるが、
その他の人々のことをあまり知らないので、これはまあいいか。

そして、二十世紀ナシは鳥取のブランド商品ではあるが、
生まれが千葉だということはあまり知られていない。

大栄スイカというバカでかいスイカも鳥取のブランドだが、
大栄町が市町村合併で無くなったことは、県外の人々には
それほど知られていない。

ついでに言うとトリンドルちゃんが「鳥取のハワイだで~」と言った
羽合温泉はまだあるが、羽合町は市町村合併でなくなってしまった。

このため、「鳥取のハワイに行って来るでえ」とか言う
テッパンのオヤジギャグが言えなくなったが、それはそれで良しとしよう。
鳥取の子どもが100回は聞かされるオヤジギャクだからだ。
そのうち自分も言うようになってしまう。

IMG_6651.jpg
鳥取市内の女子高生およびOLに人気の「らっぱ屋」。タイ焼き屋さんです。
人形町の行列ができるタイ焼きよりも絶対に10倍はおいしいタイ焼き。
でも地元民もあまり知らないタイ焼き。

IMG_6654.jpg
大変小ぶりなので、一人で3個くらいは平気です。
秀逸なのがあんこのおいしさ。タイ焼きの皮は薄っぺらくてパリッとしており、
これ食べたら屋台のタイ焼きなんて食べられませんよ。

IMG_6655.jpg
一匹ずつこの型で焼きあげます。かわいいよね~、手作り感満載。


もうひとつの鳥取ブランドに「らっきょう」があるが、
今年は不作で非常に高値になったらしい。

今年のらっきょうはお高かったはずでございます。

らっきょう収穫シーズン6月になると、鳥取砂丘周辺が
らっきょうのニオイで充満するが、最近はどうなんだろう。
らっきょうギライの人には、この時期の砂丘行きは苦行であった。
(わたくしのことであります)

冬には漁港から直接おばさんが行商にやってきて、
松葉ガニの親ガニ(北陸地方で言うところの香箱ガニ)が
3~5枚で1,000円位で買えたので、昔はおやつにカニ食べたりした。

東京で夏に岩ガキが売られ始める何十年以上も前から
鳥取市民は「カキと言えば夏に食うもんだ」と思っている。

サザエは基本的に買うものではなく採るものだったが、
最近は漁業権とやらで大変なので、買うことにしている。

海水浴は8月に入るとクラゲが出てきて刺されるし、
お盆には死人に足を引っ張られるので、7月でおしまいにする。
お盆に鳥取で泳いでいるのは他県の人である。

IMG_6661.jpg
鳥取のメインストリート「若桜街道」にある老舗「ベニ屋」のカレー。
わたくしが小学校のころから全く変わっていない、こっくりした甘辛いカレー。
ほんとにおいしくて大好き。ベニ屋と言えば、カツカレーっすよ!
ちなみにここの夏の名物は「インド氷」という名のかき氷。



大人になると「海に行く=帰りに温泉でひと風呂浴びる」になり、
冬は「スキーに行く=帰りに温泉でひと風呂浴びる」になる。
どちらも日帰りが基本だ。鳥取市から海は最短で20分、
スキー場は約1時間の位置にあり、温泉はいくらでもある。

海水浴場は小学校低学年では砂浜の美しい遠浅の海に行くが、
高学年になると岩場の波の荒いところに行くようになる。
水中メガネは必須だ。浮輪をしていた友人を私は知らない。

男子はこの頃からモリなどを入手し、漁を始める。

海の中にはちびっちゃいふぐがぴよぴよ泳いでたり
こどものイカがひらひらと泳いでたり、コバルトブルーの魚がいたりする。

石英粒が主体の砂浜は白くて美しく、海水の透明度も高く、
キスやカレイが海底にたたずんでいるのを見るのは当たり前だ。

砂は白いものだと思っているから、湘南および関東の海が理解できない。
東京に来て驚愕するのは、砂とうどんつゆの黒さである。

IMG_6638.jpg
わたくし、facebookで「ソフト部」という活動をしておりますが、
大山みるくの里のソフトクリームは秀逸のおいしさでございました。いやはや。
さすが開拓・酪農の地、大山。夏は登山、冬はスキーができる山でございます。



雨が多いので雨に強く、多少の雨では傘はささない。
『弁当忘れても傘忘れるな』という言葉を
小学校に上がるころには皆覚えている。

冬の空は鉛色で、日本海も鉛色なので、
東京の青い空はなんとなく気づまりで冬っぽくないと思っている。

冬は大雪が降るが、多少の雪では学校は休まないため、
雪の上を歩くのが皆うまくなり、チャリンコで爆走する者もいる(わたくし)。

だいだらぼっちが土を運ぶときにぼとぼとと落っことしたと言われている
ひく~いぼた山が鳥取市内を囲み、子どもたちはここで遊ぶ。
子どもたちだけで山に登って探検する。秋には木の実を拾って食べる。

外遊びでまっ黒けになっているから、大人になって
「あんたそんな色白だったんか!」と言われたりする(わたくしのことであります)。

ああ、そんな、自然がいっぱいの大変美しい県、鳥取。
東京にいるとほとんど思い出すことはないふるさと
(うどんとちくわぶを見るたび思い出すけど)。

IMG_6608.jpg
鳥取の夏と言えば、長とうがらし(通称長とう)。
伏見甘長唐辛子よりも長くでかく、グリルで焼いて鰹節かけて食べます。
鳥取県以外で見たことのないとうがらし。これって在来品種じゃないのと思うんだけど。

IMG_6639.jpg
鳥取のうまいもん食べたい人は、この看板を探すといいでしょう。
鳥取県産の材料を一定の割合以上使わないともらえない看板らしいです。
夏の間はほんとにうまいイカの刺身とか、サザエ、岩ガキなど、
おいしいものがたくさんあります。



わたくしの生まれ故郷は、何もなくともほんとうに美しい。

人々はのんきで、おいしいものを食べ、豊富な海や山の恵みを
そうとは気づかず当たり前に享受している。

何十年かぶりにお盆前に帰省した今年。
東京に住まう者の目で鳥取を見つめてみた。

もう鳥取に住むことはないのだろうけど、
自分のねっこにはいつも鳥取があるのだということを
再認識したのでございましたよ。

ああ、楽しかったなあ。

鳥取について詳しく知りたい方はこちらをどうぞ→http://www.tottori-guide.jp/
なんかいろいろイベントやってます。


★現在ブログランキング参加中です!
↓プキッとクリック、ご協力お願いいたします!



こちらもよろしくお願いいたします!
にほんブログ村 環境ブログ 有機・オーガニックへ
にほんブログ村

大きなりんごと小さなりんごの木の話

RIMG0062.jpg
最近スーパーでも見かけるようになった「秋映」というりんご。
10月上旬に出荷されます。以前はここは千秋というりんごの出荷時期でした。
おいしいけど作りにくいので、千秋を作る人は減ってきています。
品種構成を変更するのも「改植」の役割。いいりんごに植え換えるのですね。



例えばわたくしがりんご農家だったとする。

年老いた両親と自分、そして夫の4人でりんご栽培をしている。
両親が植えた木は、昔たくさんりんごをならせたが、
今では両親と同じように年老いて、収量が上がらなくなってきた。

品種も一昔前のものばかりだ。
つがる、千秋、王林、ジョナゴールド、ふじ。

昨年母が脚立から落っこちて、幸いけがはなかったが、
もう大きなりんごの木の作業は難しくなっているのだと実感した。

年老いた大きな木。今まで自分を養ってきてくれた木。
これを新しいものに更新しなくてはならない。
新しい木、新しい今風の品種構成にして、
次世代につなげるために、わたくしは「改植」を考える。

というように、昭和の時代にりんごを栽培していた人々は、
どこかの段階で上記のようなことを体験する。
そして、りんごの木を新しく植え換える。

gazou 089
これが「大きな木」のきょう木栽培。カメラのフレームにおさまりません。
もう60歳以上になるおばあさんのふじ。でもまだ実をならせています。

gazous 039
ワイ性台につなれたワイ化のりんご。ティーンエイジャーって感じ。
この2倍位の大きさにはなりますが、小づくりで作業が楽そうでしょ。
りんごの実も大きな木と比べて、早くなり始めるという特徴もあります。



そして、ほとんどの農家が「作業を楽にしよう」と思う。
りんごの作業とは、春から秋までのさまざまな作業を
全て脚立に乗ってやらなくてはならない。

脚立を上がったり降りたりするのはすごく大変だから、
落ちるし滑るし危ないし、できるだけ脚立を使いたくない。
そうすると、新しいりんごの木は「小さい木」にしようと思う。

この小さい木が「ワイ化」と言われる
クリスマスツリーのようなこじんまりした木である。

ちなみに上記の大きな木は「きょう木」と言われる大きな木のことだ。

大きな木は体力があり、なり始めると収量もいいし、
ワイ化と比較して味もよく(と言う人が多い)、天候や
いろいろな悪条件にも耐え忍んでくれるというメリットがあるが、
なにしろ作業が大変。

一番の問題は、植え換えるとなり始めるまでに
何年もかかることだ。その間はりんごが採れない。

gazous 011
ワイ化で調子が上がってきたシナノゴールドの木。植えて8年位かな。
もう収量も上がってきて相当りんごが収穫できるようになっています。



ワイ化にすると4年程度である程度採れるようになり、
計画的に改植すれば経済的なダメージが少なく、
とにかく作業が楽になる。木の寿命は短いけどね。

脚立に登らずいろんなことができるようになる。

というので、現在の主流はワイ化栽培である。
昭和の時代に植えた現在まだ残っている大きなりんごの木は、
そのうち切られ、小さな木に更新される。

いつか大きなりんごの木がなくなる日が来る。

それはそれで少しさみしい気がするね。大きなりんごの木の下で
風に吹かれるのはとても気持ちがいいものだから。

さて、りんごの作業ってほんとにいろいろあるのだが、
そのあたりも技術によって省力化が図られている。

gazou 057
木のてっぺんでも脚立の上から2段目くらいで手が届く、これがワイ化のいいところ。
若いうちはまだしも、年とってから脚立から落っこちるとおおごとです。
骨でも折れたらもっとおおごとです。低い位置での作業って大切なんですよ。



まず花を減らす摘花。その後受粉。なった実を減らす摘果。
さらに摘果。さらに適正な数にする仕上げ摘果。

その間に袋かけ(青森に顕著)。大きくなってきたりんごに
きれいな色がつくよう、りんごの周りの葉を摘む葉摘み。
その後、まんべんなくお日様がりんごにあたるよう、玉まわし。

こういった作業の合間に農薬散布、草刈などがある。

現在では受粉は蜂にまかせて人間はやらないという農家も多いし、
摘花や最初の摘果は農薬で間に合わせている人がいる。
長野県では袋かけはあまり行われていないし
JA・市場出荷でなければ葉摘みもそんなにしない人もいる。

そして、脚立に登らなくても作業ができるようになった。

まあしかし、ワイ化と言ってもてっぺん近くは3m以上になるので、
脚立のてっぺんに手放しで乗らないといけなかったりするけど、
大きな木に比べたらほんとに楽だとりんご農家は言う。

gazou 062
りんごの中心花にひとつひとつ花粉をつけてく作業は、そりゃもう大変。
蜂に任せず人間がやった方がいい実がなるからと今でも受粉する人もいますが、
それは個々の農家の判断。この作業があるとないとでは春先の仕事量が全然違います。



なんてことが、消費者の知らないうちに進んでいるのだった。
作業性を上げ面積を増やさないと、食べていけないってこともあるけどね。

なぜこんなことを書いてるかと言うと、
無肥料栽培のりんご畑を見て、思うところがあったからだ。
無肥料(無農薬)である程度できるのは、
たぶん木が大きいってことの影響も大きい気がする。

環境・天候の影響を受けにくく、安定している大きな木は
多少の変動には動じない。かんばつ後の急な大雨でも
りんごの実が割れたりしないし、葉っぱが黄色くなったりもしない。

そういう意味で大きな木の栽培は安定している。
青森県の木村さんの無農薬りんごの畑も、大きな木だった。

木村さんに影響されて無農薬にしたワイ化の畑を見たが、
たった一年で惨憺たる有様になってしまっていた。
これが大きな木であれば、影響が目に見えるまで2年はかかる
木の大きさでずいぶん違うのだなあと思ったものである。

gazou 094
りんごも60歳を過ぎるとあちこち病気になって、枝が折れたりするもんです。
老体にムチうって実をならせてる木を切るのはせつないもんですが、
自分も、子供たちも食べてかなきゃいけないですから。



さて、りんごの木を大きな木からワイ化に改植し、
経済的に困らないよう、4年後に一反4トン収量が上がる技術。
これを考えたのは長野県の故・原今朝生さんだ。
原さんの記事は過去ログから
http://hontabe.blog6.fc2.com/blog-entry-35.html

原さんはりんご栽培の省力化に尽力し、年をとっても、
りんごの木が古くなっても、農家が困らない技術をいろいろと研究し、
その技術をおしみなく人に与えた方である。

原さんが今生きていたら、無肥料・無農薬栽培のりんごのことを、
なんて言っただろう。最近よく考える。

「すごいことする衆がいるわなあ」って言うだろうか。
それとも? 

もうじきお盆。原さん、夢でもいいから遊びに来てくれないかなあ。
聞きたいこと・伝えたいことががたくさんあるのに。


★現在ブログランキング参加中です!
↓プキッとクリック、ご協力お願いいたします!



こちらもよろしくお願いいたします!
にほんブログ村 環境ブログ 有機・オーガニックへ
にほんブログ村
プロフィール

ほんたべ

Author:ほんたべ
手島奈緒
おいしい食べものをつくる人を紹介したり応援したりしております。ブログをまとめた著書『いでんしくみかえさくもつのないせいかつ』(雷鳥社)『まだまだあった! 知らずに食べてる体を壊す食品』(アスコム)『儲かる「西出式」農法』(さくら舎)など。現在ハンター修行中。

最新記事
最新コメント
月別アーカイブ
カテゴリ
カレンダー
07 | 2012/08 | 09
- - - 1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31 -
リンク
検索フォーム
RSSリンクの表示
QRコード
QR