タネありぶどうとタネなしぶどう、どっちがおいしい?

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種なしデラってとうもろこしみたいに粒がみちみちにひっついてるでしょ?
これはこういう具合に房を作ってるからなのです。粒同士が密着して
支えあうことで「脱粒」の防止をしてるらしいっすよ。



あまり意識されてないことかもしれないけど、
ぶどうにはタネなしとタネありがある。

タネなしの代表選手と言えば、「タネなしデラウェア」だ。
一般的には「タネなしデラ」と呼ばれる。

このぶどう、昭和の時代から庶民的なぶどうとして親しまれており、
いっときは日本で一番の栽培量を誇っていた。
今は巨峰が一番。だから巨峰の値崩れ加減は半端じゃない。

ま、それは置いといて。

そもそもデラウェアがタネなしになったのは、
ジベレリンという植物ホルモンを使う技術が開発されたからだ。
それ以前はデラは8月中旬以降に熟すぶどうで、
収穫前に裂果するという性質を持っていて商品にならなかった。

ジベレリンを使うことで収穫時期を早め、
早いところでは7月下旬には出荷できるようになり、
裂果のリスクが減り、安値で供給できるようになった。

ピオーネ
ウワサなんですけどね、種ありのピオーネってのはほんっとに
すんばらしい芳香があって甘くてコクもあって、そりゃおいしいって話。
食べたこと無いから何とも言えないけど、さもありなん。種なしでもおいしいもん。



ジベレリンがなければ、デラは「庶民のぶどう」にはなれなかったし、
私たちも「一人ひと房~! とうもろこし食べ~!」なんつー
下品な食べ方ができるぶどうにはならなかったのだ。
(もしかして、皆してない? わたくしだけ?)

ジベレリンってのは、すんばらしいものだったのである。
というのが、ジベレリンとタネなしデラの輝かしい歴史。

その後ジベレリンはぶどうだけではなく、
セロリの第一関節を伸ばすのに使われたり
和梨の収穫時期を早めるため軸に筆でくるりんとぬったり、
お茶に使われたりするようになる。

植物ホルモンってなにかと便利なの。
果実の肥大と生育の促進なんかができるから。

農取法改正後、セロリには適用がなくなってると思うけど、
ジベをまくと第一関節がすんごく伸びるって話で、
そりゃ使いたくなるよなあと思ったものであった。

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最近スーパーでもよく見かけるシャインマスカット。甘くておいしい。
でもちょっと若い。これが黄色くなるまで熟したのを食べたけど、そりゃもう、
マスカット香はあるわ、甘いわで至福の味でした。種なしだけど、スゴイよねえ。
シャインは貯蔵性の高いぶどうなので、基本早採りしないといけないのでしょうね。
黄色くなるまで熟させると脱粒するしもちが悪いしで、もったいないことです。



さて、昨今のぶどうはタネなしが全盛である。

タネがないとおこちゃまが食べるのに便利だし、
タネの周りってのは基本的にすっぱいので、
あまーい果実部分だけを楽しめるってなこともあり、
JAでも市場でも「タネなし作れ」の大号令なのである。

農家的には「短梢剪定」という
パートのおばちゃんでもできる剪定方法でOKだから、
省力化につながってて、それはそれで便利でOK。

「長梢剪定」って難しいからね。

ほんとは「剪定」ってのが農家の腕の見せ所なんだけど、
ぶどうが安くなってて面積稼がないとやっていけない状況では、
短梢剪定で省力化した方が楽だってな考え方もある。

だから世の流れとしては、タネなしぶどうが主流になって当然なのだった。

しかししかし。

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ピオーネで良く見る5節残して切るタイプの短梢剪定。
わたくしでも「やれ!」って言われたらできます。5節数えて残せばいいんだもん。
こうすると樹勢が強くなるので植物ホルモンで着果させるってのが、
ジベレリンの使い方。2回目のホルモン剤は肥大目的なので最近はフルメットが主流。



タネなしとタネありではおいしさに雲泥の差があるんですよ。
誰も知らないんだけど。

タネが入ってるってことは果実として成熟することが自然なわけで、
樹においといて完熟間際まで熟させることができる。

タネなしにするとぶどうでは致命的な品質低下「脱粒」ってのが起きやすく、
脱粒してると「古いぶどう」と消費者に言われ商品にならないため、
基本的に熟度が上がる前に収穫して出荷しなくてはならない。

早採りした果物においしいものはない。
だから「タネなしぶどうがおいし~い!」なんてことはあり得ない。

ほんとはね。

しかし昨今の人々はタネありぶどうの味を知らない可能性があるし、
タネなしでもぶどうってのは糖度が上がる作物なので、
それでもじゅうぶんおいしいって思ってる人が多いかもしれない。

つまり、ぶどうの本当の味を知らない人が増えてるってことだ。

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タネありのぶどうには軸とタネを繋いでる「果こう」があります。
タネなしにはこれがありません。軸と果実を繋ぐのは果皮のみ。
だから粒が外れやすいのですね。なので熟させることができないのです。
タネありぶどう食べたら見てみてください。しっかりと繋いでるから。



例えばタネなしの巨峰とタネあり巨峰を食べ比べてみると
その味の違いは歴然としている。コク、甘み、香り、全てにおいて
タネありの方が優っている。

ほんとうは農家もタネありを作りたい。
しかし市場がタネなしを求めていれば、タネなしにスイッチしていく人が多数だ。

さらに新品種はタネなし前提で開発されているため、
わざわざタネありの品種を新しく選択して作る人もいない。

またぶどう農家の高齢化により、剪定技術が若いもんに伝わらず、
短梢剪定をせざるを得ないってな事情もある。

だからね、タネありのぶどうって今わりと貴重品なの。

ベリーAやネオマスなんかの雑ぶどうはタネなしにはしないけど、
ロザリオビアンコやピオーネ、巨峰なんかはほぼタネなしである。

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ロザリオビアンコ(タネあり)。美しい透明感のある黄緑色です。
スーパーで売られてるのはもう少し緑色っぽいはず。早採りしてるしタネなしだし。
ロザリオってタネありだとほんのり香りもあるしあまーくておいしいのに。
タネなし食べるたびになんだかなって思いますですよ。



スーパーに、タネなしぶどうばっかり売られる日が来るのも間近。

実際にマスカット・オブ・アレキサンドリアなどの高級ぶどう以外は、
最近はほとんどタネなしである。
スーパーで見てみるとよくわかる。
ほぼ「タネなし」って書いてあるから。

ぶどう農家に会うたびに話すのだが、
ほんとうのぶどうの味を知ってる人がそのうちいなくなるってなんだか悲しい。

それどころか、「タネなんて邪魔!」って人ばっかりになるかもしれない。

「味を重視。だからタネありしか作んない」って人たちは少数派だが存在する。
ぶどうの味を伝える、最後のともしびのような人たちだ。

そういう農家をできるだけ応援したいと思う今日この頃。

過去の遺物のように言われても、JAにやいのやいの言われても、
これからもがんばってください!!!


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家庭菜園から農業を変えようプロジェクト

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自分で野菜作ってて、すんごく楽しいことのひとつ。
それはね、花や木の様子を観察することで、野菜と話ができるってことです。
今何が欲しいのか。よーく見てるとわかるようになります。
ソロモンの指環じゃないけどさ、植物の声が聞こえるようになりますよ。



標記のようなことができないかしら。てなことを最近考えた。

例えば家庭菜園をするとき、人は農薬をまこうとは考えない。
なぜか? 自分が作るので見た目は気にしなくていいし、
どんな形のものでもいとおしいし、安全な野菜が食べたいからだ。

中には家庭菜園だから農薬まくってな人もいるけど、
そういう方は少数派であろう。だいたい農薬代もったいないし、
農薬買ったら動力噴霧器とか必要だし、
マスクや合羽だって必要だからめんどくさい。
(もしかしてそういう人たち空手でまいてる?)

それよりも虫が出たと言っては自家製資材を工夫したり、
ぐひ~とか言いながら幼虫をつぶすのもまた、
家庭菜園ならではの楽しみであり、経験でもある。

家庭菜園の楽しみは、
小面積で、家族が食べるぶんを耕せばいいので、
少量多品目栽培ができるところ、珍しいものが作れるところ、
自分の畑だから何をしても自由なところにある。

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自家製資材に凝り始めるとマニアになり、マニアが高じて
失敗したりなんつーのも楽しいのよね。まあ悲しくもあるんだけどさ。
自家製資材は手段なのに、そのうち目的になる人も多いから要注意だ。



コンパニオンプランツ・バンカープランツの利用や、
草生栽培(っていうか下農の粗放栽培含)、自然農法、
何をやっても誰にもとがめられることはない。
自分が食べるんだから、自分の責任において作ればいいからね。

草ぼうぼうにして隣の敷地のじいさまに
「たまには草を取らなきゃね」とやんわりと注意されるぐらいだ。
それも気にしなければなんてことないのだ。
(ごめんなさい、隣のじいさま)

都市部では土地の確保が難しいが、
プランターでも作物は作ることができるからそれでもいい。
プランターの場合は土の量が少ないため、
環境の影響をモロに受けやすく、管理が多少めんどくさいけどね。

でもまあ、それなりにやり方はあり、
作物が少しずつ育っていくのを見るのは楽しいものだ。
大量に害虫が発生して全滅なんてこともあるが、
それもまた良し。愛しがいがあるってもんじゃありませんか。

経験してみればさ、
野菜作りって簡単じゃないってことがわかるでしょ?

urihamusi.jpg
やたらと虫の名前に詳しくなるのも、家庭菜園家のいいところ。
葉っぱの食害あとをみただけで「ウリハムシだね~」なんちて言うようになると、
なんつーか「あんた何ものっすか?」みたいな人になっちゃうけど。



さてしかし。
ほんとに家庭菜園から農業を変えることができるんだろうか。

このアイディアは先日ほんたべイベントで
天敵観察会の講師をしてくださった、根本久さんの考えである。

根本先生はNHKの『趣味の園芸』という雑誌に、
最近、家庭菜園をする人々をターゲットにした連載を始めた。
家庭菜園向けの病害虫管理がテーマなのだが、
それがほんと、プロ向けの内容でさあ、情報密度が濃いのよね。

家庭菜園をする主婦の人々、定年後のおじさま方に
IPMなどの考え方をレクチャーし、さらに天敵や
コンパニオンプランツにも詳しくなれる内容なのだ。
おお、すごいぞ。ゲラを見せてもらって感動したわたくし。

IPMなんて言葉を知らなくてもいいのだ。
名前はどうでもいい、農薬を使わず、野菜を作ることができる技術。
それが家庭菜園家に広まるとどうなるか。

「家庭菜園では無農薬でできるのに普通の野菜はなぜ農薬使うの?」
いつか皆がそう思うようになるだろう。

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小さなタネが、お日様と雨と土の力できれいな花を咲かせ
それがおいしい野菜になるのを目の前で見られるなんて、すごくないすか?
わたくし毎回その不思議に魅せられております。何度経験しても不思議です。



大規模農業と家庭菜園を同レベルで論じるなと言われるのはわかっている。
そうしたらなぜ大規模農業にならざるを得ないのか、
農薬と化学肥料で栽培される野菜について、疑問を持つことにつながる。

現在は疑問すら持たない状態だから、
皆農薬の散布回数などにも全く興味がない。
自分で作ると、その回数が現実味を帯びてくる(んじゃないかなあ、違う?)

まず自分で無農薬野菜を作ってみる。
そしてスーパーで売られている野菜のことを考える。
そのうち日本の農業に疑問を持つ。なんてのが理想である(無理かな?)。

現在ほんたべでは、このアイディアを一緒にあっためてくれる方、
プロジェクトの参加者を募集中です。
ほんとにできるかどうかは全く不明。でもいつかなんかやりたいよね。

大きな野望を胸に、最初の一歩を宣言してみましたよ。


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「援農」について思うこと

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9月21日、本庄市の瀬山明さんのところへ行ってきました。
冬作の作物の種まき、育苗、定植が行われておりましたよ。これは大根。
省力化のためシーダーテープに入れて一人で作業できる工夫がしてありました。



某D社には昔、年2回「合宿」という行事があった。

春と秋に一泊二日でどこかに出かけ、何かをしてから
大酒を飲むと言う大変楽しい行事で、各部署幹事持ち回りで行う。
部署ごとの個性が如実に現れる大変楽しいイベントだった。

合宿では毎回いろいろなことがあった。

宴会場で花火を加えて駆け回る人(わたくしの上司)、
旅館の玄関先でばったり倒れて寝ちゃった同僚、
たき火の周りでゲラゲラ笑いながらボヘミアンラプソディを歌う人々(私含)、
浴衣をはだけて廊下を走り回り人を噛む人、噛まれる人など
中学生の修学旅行のようなレベルの低い愉快なことが次々に起こり、
その旅館には二度と泊れなくなることが常であった。

しかし、分別のついた賢い新入社員が増えて行くにつれ、
だんだんつまらなくって、そのうち参加するのをやめてしまった。
「分別くさい人は立派だけどおおむねつまらない」
わたくしの持論である。

それはともかく。

わたくしが産地担当になった年、産地担当が合宿の幹事をした。
農家周りを仕事とする産地担当らしく「援農」がテーマで、
埼玉・茨城の農家に社員がまとまって援農へ行くという合宿であった。

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ほんたべ農園産のかぶですが、これ、一般的には規格外品っす。
某D社の友人におすそ分けした際に「これS産地のB品?」って言われたわたくし。
C品って言われなくてよかった! うれしいような悲しいような気分でございました。



某D社の社員だから農業が得意かっていうとそうではないから、
もたもたする社員に一から教える農家はイライラしただろう。

わたくしはそのとき、鶏卵農家の手伝いに行ったが、
他の女子社員が優雅に「たまごひろい」をしている間、
どういうわけが30日齢の鶏をつかまえて鶏舎を移動するという
素人には大変ハードな仕事を新入社員二人と担当した。

作業後の、鶏糞まみれになって鶏の羽が髪の毛についてるほこりっぽい我々と、
にこやかにたまごを拾ってた同僚との姿かたちの差は相当なものであった。
わたくしはこれで靴をひとつ捨てることになった。
マジな援農とは大変なことなのである。

さて「援農」というのは、都会の人々に人気があるイベントである。

某D社社員も、近隣の産地にお手伝いに行くことがあった。
「ほんとは来てほしくないけど取引先が来るというので断れない」
実はこれ、農家のホンネであった。
都会の人々の作業は農家的にはちゃんとした仕事ではないからである。

以下は社員が援農に行った後に農家から聞いた話の一例だ。
悪気のない笑い話なのだが、なぜ来てほしくないかがよくわかる。

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これ、シナノゴールドの正品。美しくぴかぴかなものがそろってます。
選果は園主しかできません。判断基準がブレてはいけないからです。

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こちらが規格外品。一個ずつ見れば「なるほどね」だが、
自分が手に取って見てると「これぐらいいいんじゃない?」と思うから不思議。
プロのものさしは厳しいってことですね。



・かぶの調整(出荷できる状態に整えること)をしてもらったんだが、
あとで見たらほとんど規格外品。全部やりなおした。

・桃の袋かけを手伝ってもらった後大風が吹いて
某D社社員がかけた袋が全部飛んでったのでやり直した。

・摘果を手伝ってもらったが甘いので全部見直してやり直した。

どういうわけだか人々は、自分ちに来た商品を見る目と、
自分が出荷する際の商品を見る目というのが違うらしい。
「これぐらいいいんじゃない?」という自己判断をしすぎるため、
素人の選荷はどんどん甘くなる。だから出荷前調整は無理。

摘果も同様の理由で、どれを選んでいいかわからないからムリ。

トンネルを張らせるとのちのち風でぶっ飛ぶ甘い張り方しかできないし、
難しい作業をしてもらうのは説明する時間がもったいないからダメ。

なんてことを考えると、素人ができる農家の手伝いというのは、
ほぼ、草取りしかないのであった。
(でも草取りって援農的には一番つまらない作業なのよね)

日常的に農業をしていない人たちができるマジな農作業など、
この世に存在しないのだ。
「援農」とは受け入れ側の農家に余裕があるときしかできない、
わりと難しいイベントなのであった。

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トンネル張りやマルチ張りもそれぞれにコツがあり、技が必要なの。
素人2人でやると風でぶっ飛ぶマルチやトンネルが量産されて、
結局全部やり直しなんつーことになったりするのよね。



これをうまいこと解決する方法がひとつある。
「援農」ではなく、「援農体験」でお金をいただくことだ。
私が以前勤務していたNPO法人では一人一回5,000円もらっていた。
その代わり、宿舎と食事は提供する。何日いてもかまわない。

5,000円の理由は、農家が作業を教える手数料のようなものだ。
これを聞いた時、うまく考えているなと感心した。

農家は無償で作業を教える手間のことをもったいないと思う。
手伝う側は「お手伝い」なのだから農家のためになってると思う。
だから、気分的には「教わる」という気持ちでやっては来ない。

この温度差が積もり積もると双方の負担になり、
そのうちやめたいと思うようになり、なんとなく不幸な結果に終わる。

「お金を支払う・いただく」というハードルを設けることで、
お互いの意識を同じくすることができ、ストレスがたまらない。
大変合理的な方法なのであった。
しかも、「援農」ではなくあくまでも「援農体験」ってところがミソ。

農業ってのは単純なようだが、実は大変複雑な段取りが必要な仕事だ。
各農家、それぞれにめいっぱい省力化を図って作業をしている。

素人がそこですぐできる作業などないってことに(草取り以外は)、
なんとなく気づいた今日このごろなのであった。


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「大豆の種まきから味噌作りまで」第4回・畑でフレンチ ご報告

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雨らしい雨が降らなかった石岡市。エンレイと青大豆は実が入らず、
山梨県からやってきた晩生の曙大豆がうまくいきそうな予感です。
来月はこれを枝豆で食べるべし!

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みんなで枝豆採って食べる予定だったのに。残念。


9月16日(日)、茨城県のさちこさんの畑で、
「大豆の種まきから味噌作り」の第4回めのイベント、
畑でフレンチを開催いたしましたです。

10a(一反)の畑に大豆の種をまいた一回目。
(いつまでたっても種まきが終わらなくて気が遠くなった)

大豆の間にはえた草を粛々と取った2回目。
(予定時間内に草が取りおわらず、倒れそうになった)

大きくなった大豆の間の草を抜き、あっという間に終わった3回目。
(その後さちこさんの他の畑の草取りで暑くて倒れそうになった)

今回は、このような体験をしてきた参加者の皆さまが純粋に楽しめる企画。

青空の下、みんなでさちこさんの野菜を食べて、
シーズン後半に備えましょう!ってな「畑でフレンチ」でございました。

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当日8時に畑にやってきた鈴木シェフ。
段取りよくサクサクと料理ができていきます。まるで魔法のようでした。

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一番のトラブルは作ってる最中だった野菜スープのおかまが
ひっくり返ったこと。ぎゃあ~っ!野菜まだある~?なんて焦りまくるスタッフ。
シェフは余裕で「大丈夫ですよ。間に合いますから」。確かに間に合ったのでした。

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そして確かに間に合った野菜スープ。しかもものすごくおいしいの。
シェフが前日とってくださったチキンブイヨンも最初にほとんどこぼれちゃったのに。
どんな魔法がかかっていたのやら。

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国産小麦の農家パンをこねるみうちゃん。ちっこいもっちもちのパンが
いくつも焼き上がってました。かわいいなあ、もう。



料理を作ってくださったのは、日曜倶楽部でもおなじみの、
元THE WAKO 総料理長・鈴木康太郎さん。

いつものように、素材の味をじゅうぶんにいかして、
でもぜったいに自分では作れない、食べただけでしあわせになれる、
そんなすてきなお料理を作ってくださいましたのです。

さちこさんの畑で、BBQグリルとカセットコンロ、ポリタンクに入った水、
簡易作業台という条件のもとで作った鈴木シェフのお料理。

豪華なフレンチレストランでサービスされるお料理よりも、
なぜかとっても豊かでしあわせな気持ちになれたのは、
今まで同じ作業をしてきた仲間と、作業してきた畑の横で、
青空の下でわいわい食べたから? 

それともさちこさんのお野菜の手柄でしょうか?


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シェフがサーブしてくださったのですが、一応写真撮影用に盛り付け例。
ワイルドな外ごはんってな風情でございます。心と体にしみいるうまさでした。

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「なんでこんなにおいしいのかなあ?」と食べた人々全員つぶやく。
的なパン。焼いただけなのにおいしい野菜。外ごはんならではの味?

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誰もが驚いたフルーツカクテルは、意表を突かれておかわり続出。
ワインとスパイスと果物だけなのに、なんでこんなにおいしいの?
しかもなんでこの味? レシピを求める人々の声が畑にこだましておりました。

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お料理の作り手と野菜の作り手が畑でツーショットでございます。
やっぱりね。顔が見えるって大切なこと。今失われているけれど。



ともあれ、ワイルドに焼きあげたお肉と野菜も
途中におかまがひっくり返って一から作り直したスープも
その場で発酵させた素朴な国産小麦粉のパンも 
赤ワインのシロップでつけた果物も
夢のようにおいしくて、楽しいひとときを過ごせたのでございます。

さて、来月はまた畑の作業。大豆が大きくなってくれてたら、
お昼に枝豆を食べられるかもしれないねなんて話しながら、
楽しい一日はあっと言う間に終わりました。

参加者のみなさま、お肉をわけてくださったシャモの生産者のみなさま。
そして「おいし~い!!!」と皆が叫んだお料理の数々を
作ってくださった鈴木シェフ。みなさんに感謝です。

ありがとうございました。

次回は10月21日(日)開催です。
農作業の内容は未定でございます。


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「まっかなりんご」のために行われている作業の話

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白雪姫のかじったりんごは真っ赤だったのかしら?
イブがかじったりんごは赤かったのかしら? なんて想像してみる今日この頃。


日本に住まうほとんどの人々が
「りんご=赤いもの」と思ってる。

最近黄色いりんごが流行って来たけど、りんごってやっぱり赤。
赤くないとりんごじゃない気がする人もいるのかもしんない。
それほどまでに「赤」が消費者の頭に刷り込まれている

だって、スーパーで売ってるりんごは真っ赤だもの。
なぜ真っ赤なのかなんて誰も思わないけど、
真っ赤じゃないと売れないのよね。

りんごの担当になるまで、りんごが赤いのは当たり前だと思っていた。
なぜそうなのか考えてみたこともなかったが、
今では自然に真っ赤になるものではないということを知っている。

フツーにならしていてもりんごはそれなりに赤くなるが、
全体をまんべんなく赤くするためは、ひと手間もふた手間も必要になる。
この作業は農家の手数を増やす。
さらに、りんごの味を悪くすることにもつながる。

消費者の嗜好、おそるべし。

わざわざりんごの糖度を下げて農家の手間を増やしている、
この作業のことを「葉摘み」という。

原田敬司さんとこのりんご
葉摘みした後のりんご。葉っぱがほとんどなくなってて丸坊主です。
数珠みたいだね~なんつってよく話します。青森ではこれぐらいの葉摘みは当たり前。
長野県でも地域によってはこれ位の葉摘みをしています。



りんごは基本的におひさまに当たることで着色する。
(日照率何%とかっていろいろあるらしいけど勉強不足で知りません)

りんごには、なりもとに必ず葉っぱが2~3枚ほどついているのだが、
この葉をそのままにしておくと、おひさまをさえぎるので色が白いままになる。
また、おひさまに当たっていない反対側も、色が白いままになる。

ということで、この葉っぱをとってやる。
その後りんごをくるりと回してやる。
さあ、これで赤いりんごのできあがり。

これをね、樹になってるりんご全部にするのよ。
作業量、どんだけだと思います? みなさん。

なりもとの葉っぱを取るぐらいならいいのだが、
邪魔になるからってほとんどの葉を落としてしまう産地もある。
その方が楽かも知んない。手間的には。

さてしかし。葉っぱは光合成をおこなう大切な器官である。

りんごの実ひとつに、葉っぱは40枚から70枚必要だと言われているが、
葉っぱを取ると、当然だが光合成ができなくなる。
りんごに蓄積されるでんぷんが作れなくなり、結果として
糖度が上がらない=おいしいりんごにならない(場合が多い)。

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葉摘み前・葉摘み後の写真がないのでわかりにくいのですが。
おひさまにあたってるとこだけ赤いのがわかりますか? 
葉の影とりんごの向こう側はまだ青いです。この葉を摘み、りんごを回す。
これでりんごがまんべんなく真っ赤になります。



なんていう「なんでそんなことすんの?」的なことを、
日本中のりんご農家が行っているのだった。

それも「赤いりんごじゃないと買わない」消費者のためにである。

最近「葉取らずりんご」と葉摘みをしないことに優位性をつけて
わざわざ高値で売ってるのを見るのだが、なんで高いのか疑問だ。
農家にとっては省力化だ。パートのおばちゃんを減らすことだってできる。
まあ、販促戦略なんでしょうけど、納得いかないわたくし。

葉取らずりんごを喜ぶくらいなら、
消費者が赤いことにそれほどこだわらなければいいだけの話なのだ。
そうすれば、りんご農家は手間を減らすことができる。

誰も知らないこの葉摘みという作業。
日本中のりんご農家で、膨大な手間と人件費の無駄が発生している。
しかし誰も「やめれば?」とは言えないのだ。売れなくなっちゃうからね。

ほんとにおいしいりんごと、ただ赤いりんご。

こういう比較の仕方は少し乱暴かもしれないけどね。
どっちが大事なの?って思う気がする今日この頃であった。


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りんごがなんだか大変らしい話

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3年ほど前に小田急OXで見たつがる。この青さにどびっくり。
思わず「これでいいのかあ!?」とつぶやいてしまいました。
「サン」は有袋に対する無袋栽培に優位性を持たせた言葉だが、
最近有袋のつがるなんてほとんどないはずなのになんでついてんのか不明。



しつこいようだが、わたくし鳥取出身である。
鳥取と言えば二十世紀梨である。

ってことで、子どものころは二十世紀梨ばっかり食べていた。
自分の細胞の1/10位は二十世紀梨だったかもしれない。

この梨は、なぜか運動会のお弁当の記憶とかたーく結び付いており、
誰に聞いても「ぬるーい二十世紀梨が運動会の弁当に入ってた」と言う。
今では二十世紀梨はジベ処理をして8月下旬には出てくるから、
10月の運動会のときにほんとに食べてたのかしらんと思ったりする。

おそらく幼少期に一生分の二十世紀梨を食べてしまったらしく、
今は二十世紀梨・・・というか、梨全般、全然食べたくないのが不思議。
なんだか梨に申し訳ないんだがまあ、しょうがないか。

冬になると手が黄色くなるほどみかんばっか食べてたので、
自分の中には、りんごの記憶がほとんどない。

記憶に残る唯一のりんごが「スターキング」。

明確に品種名を覚えているのは、真っ赤できれいだったからだ。
その他のりんごは食べたのかどうかもほとんど覚えていない。

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白雪姫が食べたような真っ赤っかなりんごだったなあ、スターキング。
これは10月に出てくる中生種のりんご「秋映」。真っ赤と言うか黒いというか、
畑になってるのを見るとびっくりするけど、おいしいりんごです。



そして本日、スターキングにいちごジャムをつけて食べるという、
今から考えると暴挙としか思えない食べ方してたのを思い出した。

トマトに砂糖をかけて食べてたこと同様に、心の中の
「恥ずかしいもの入れ」にサクサクと格納いたしましたよ。ううう。

さて、東京に引っ越して某D社に入社し、広報から産地周りに異動し、
りんごの担当になって、東京の人々に言われたこと。

「西日本の人間はボケりんごしか食べてないからりんごの味わかんない」

どうですか、これ。西日本出身者に対する暴言じゃないですか。
でもまあ、あながち、暴言でもないと後でわかった。

りんごの適正な保存温度は1~3度である。
昔の流通ではそんな温度管理をしていない。
青森・長野で作られたりんごが西日本の陸の孤島、鳥取に来るまでに
どんな温度管理がされてたのか、知る由もない。

ボケりんごの食感しか知らなければ、ボケてることに気づかないものだ。

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これはアップルレコードのレコードに書かれているりんご「グラニースミス」。
色がつかないので葉摘みや玉回しが必要ないといういいりんごだけど、
緑のりんごって日本人には受けないのよね。りんごは真っ赤じゃないとダメ!
これが日本の消費者の特徴なの。そのために無駄な作業が発生している。



そしてその年、東京から送ったバリバリのおいしいりんごを食べた母が
「このりんご硬いなあ」と言ったのを聞いて、
やはり自分はボケりんごを食べてたと確信したのであった。

今ではりんごの粉っぽい味も、ボケりんごの食感も、
ほんとにおいしいりんごの味も知っている。
おいしくないりんごは食べたくないのでスーパーでは絶対に買わない。

てなこともあり、りんごの障害がどうとかいう話題をうっかり見逃していた。

しばらく前から早生りんご「つがる」の状態が
どんどん悪くなっているとメディアでは取り上げられている。

そう言えば、昔は赤かったつがるの色がびっくりするほど青くなっており、
つがるの時期に長野に行くと「なんかつがるが今年も大変」と毎年聞くし、
直売所にはお尻のまっさおなつがるが平気で売られてるしで、
確かにおかしいのだ。

理由はこの高温。あとは落果防止剤じゃないかとりんご農家は言う。

gazou 073
「ふじ」は2002年ごろから蜜が褐変するという生理障害に悩まされている。
蜜入りりんごを尊ぶ日本人ならではの障害とも言えるが、年明けには蜜が褐変し、
苦くて食べられなくなる。昔は果肉に吸収されてたらしいが、最近は褐変する。
これも温暖化というか気候の影響であろうと言われている。



つがるというりんごは、熟す前に落果するという性質があり、
それを防ぐために落果防止剤(ストッポール・植物成長調整剤)を使う。
ストッポールは植物ホルモン剤なので、これを打つと収穫時期が少し早まる。
ストッポールを打たない農家の適期と比べると2週間ほど早いらしい。

これに着色促進作用のある資材を併用すると、着色がもっと早まる。

くだものの場合は、出荷時期が早い=価格が高いので、
どの産地も早く出すことを考える。
りんごの場合は着色しないと出荷ができないので、着色促進剤を使用する。

通常は昼夜の温度差により色がつく。

この夏、どこでも夜温はそれほど下がらなかった。
しかも35度というべらぼうな暑さ。そしてものすごい日差し。
日差しが強すぎるのでりんごが日焼けしてしまい
内部に蜜が入りそこが褐変して苦くなるなんてことが起きている。

夜温が下がらないから色はつかないが、色がつくのを待ってると
先に熟してしまい、ボケりんごになってしまう。
山形の産地に聞いてみたら、まだ青いのに収穫したら柔らかくて、
全てのりんごを触って出荷できるものを探していると言っていた。

gazou 046
ちょっと色が変なのは日焼けしてるから。甘くておいしい場合もあるけど、
中が褐変することもある。りんごにネットがかかってるのは落果防止剤を打たずに
自然に落っこちたりんごを収穫してるから。ここんちのつがるは
そりゃもうおいしくて、一度食べたらほかのつがる食べられませんって味。




ここ数年、暑さがひどくてさまざまな農産物に影響が出ているが、
りんごの世界では、そのうち産地が移行するのでは位の話になっている。
これは桃でもさくらんぼでも、ぶどうでも似たり寄ったりで
果物の適地が変わるんじゃないかと皆が噂している。

9月になってもお盆過ぎのような凶悪な日差しがじりじりと照りつけ、
時々大雨を降らせては、果実を割り、病気を蔓延させている。

ひょっとしてもう、日本は亜熱帯なのかも。
庭先でパパイヤが雑草のように茂る日が間近に来ているのかも。

それはそれで楽しいなとか妄想しながら、スーパーで売ってる
まっさおで粉っぽそうな、ある意味地球温暖化の結果であるつがるを見ながら、
早生りんごは食べなくていいか!と思ったりするわたくしであった。
(実際こんなに暑いとりんごよりも梨が売れるんす)


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プロフィール

ほんたべ

Author:ほんたべ
手島奈緒
おいしい食べものをつくる人を紹介したり応援したりしております。ブログをまとめた著書『いでんしくみかえさくもつのないせいかつ』(雷鳥社)『まだまだあった! 知らずに食べてる体を壊す食品』(アスコム)『儲かる「西出式」農法』(さくら舎)など。現在ハンター修行中。

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