西出会・総会に参加してきた

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総会の幹事の皆さま。新規就農者も2組いらっしゃり、
それぞれに実績をあげつつあります。皆さま、総会の運営、お疲れ様でした。



わたくしの師匠・西出隆一さんの技術を勉強する「西出会」。

年に一回総会があり、会員の親睦と知識を深めるのだが、
今年は11月20日~21日、和歌山で開催された。

総会は今年で15回目。西出先生への質問あれこれの座学と、
翌日に会員の圃場見学をして「あーためになったね」と言って
帰る途中にあれこれ自分の畑と比較したりして話が盛り上がる、
大変楽しい会である。

そして、やっぱり今年も楽しかった。

たくさんの農家が集まって何時間も農業技術や売り先や、
日々の作業の効率化や肥料の話をし、積極的に情報交換をする会。
楽しくないはずがないのだった。

そんな西出会もなんとなく転換期を迎えているようで、
昨年開催された千葉での総会以降、急に若い会員が増えてきた。

彼らは西出さんの科学的な農業を忠実に再現しており
品質UPのための最短距離を進み、高品質・多収という結果を出し始めている。
すごいなあ、再現性のある技術ってこういうことを言うんだね。

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こういう風景、某D社の生産者会議では慣れっこなんだけど、
普通はなかなか研修会や情報交換なんて経験できないって話も聞くし、
横のつながりがあるって、とっても大事なことなんだよね。

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畑を見てて参加者からあれこれ質問が出るのも西出会の特徴。
「勉強しに来てる」って意識が高く、何かを得て帰るつもりで皆参加してるから。
「お付き合いで」的な要素はそこには全くないってのが好き。



今回の主催者はグループではないのだが、
同地域で西出さんの教えを受けている方々であった。

西出会に入会以前、鶏糞入れ放題の畑で、
カルシウム・リン酸過剰、しかも
「ええっ! 塩基飽和度200%? マジ?」的な
三重苦の畑もあったらしい。

化学性のバランスが悪く、カルシウム過剰。
日本のほとんどの農地が抱えている問題である。

露地栽培で塩基飽和度200%っつったらもう、病気も虫も出まくりのはず。
それを抑えられているのは、西出さんの技術によるものだ。

これは具体的に言うと、腐植・微生物・物理性の改善の結果だ。
科学的な農業である西出さんの技術は再現性が可能なことが特徴である。
誰にでもできるのだ。基本的な知識と観察力さえあれば。

さて、主催者の一人、井上達也さんは農業後継者である。
いちごと露地の一般的な野菜を栽培している。

いちごは昨年反当たり4トンの収量を得ることができた。
今年の目標は6トン。6トン採りのための土づくりに余念はない。

その他の野菜類もかなりいい状態だった。

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ミニ白菜。殺虫剤は2回、殺菌剤はまいてない。塩基飽和度が高いのに、
病気が出ないってのはスゴイこと。土づくりで病気が抑えられるっていういい例。
唯一の失敗は3条植えにしたこと。そういうのは経験が必要なんだよね。

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某D社の規格製品ちょうどのサイズのブロッコリーだけど、直売所に置くには小さい。
むう、そういうものか。定植遅れで脇芽が出ちゃったのが失敗。
定植は本葉5枚以内じゃないと脇芽が出てきて頂花の生育が悪くなるらしい。
そういったちょっとした知識が次々に出てくる、西出さんの知識の深さに驚く。



塩基飽和度が高い露地畑の白菜やブロッコリーは
殺虫剤の使用はせざるを得ないが、殺菌剤は一度も使わない。
散布回数は慣行栽培に比べると大変とても少ないのだった。

一から土づくりをやり直し、栽培された彼らの作物を、
辛口で有名な西出さんが珍しくべたぼめしていた。
「すばらしいものができとるよ。皆に見てもらいたい」

「新規就農者や若い世代に自分の技術を伝えるのは楽しい」
最近西出さんはよくそう言う。
「若い子は疑問を持たずに言われた通りにするから結果が出るのが早い」
教えがいがあるということだろう。

非常にまれなことで驚いたのだが、井上君のご両親は
西出さんのやり方を何も言わず受け入れてくれたそうだ。

新しいことをやろうとする息子とそれを許さない父親とのバトルは、
農業界では非常によく起きる悲しい事実であり、特徴でもあり、
技術の停滞やらいろいろな弊害が起きる原因でもある。

3年間やってみて、実際に効果が見えると考えを変える親も多いらしいが、
3年間の子どもたちの気苦労はいかばかりかとか思っちゃうわたくし。
まあ、サラリーマンの場合はこれが上司に当たるのだろうから、
どこも同じと言えば同じなのかもしれないなあ。

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若いもん同士でいろいろ情報交換できるのっていいよね。
しかも技術のベースが同じだから、共通の言語で語り合えるってのも魅力的。
それは西出会に入会してる人全員に共通してるメリット。



それはともかく。

西出さんの技術の基本は土づくりであり、
具体的には物理性・生物性・化学性の改善である。
地域や天候、土質が違っても、つまり誰がやっても再現性があるのが
西出さんの技術の特徴だ。

徹底的に土を改善するため、初期投資に経費がかかるが、
品質と収量は3年目には確実に上がる。だから、
回収するのにはそれほど時間がかからないと、会のメンバーは言う。

品質が上がれば付加価値商品となり、高値での販売が可能になる。
収量が上がれば一個当たりの単価が低くても、結果的に儲かる。

ハウスでは一坪1万円を目標に設定しろと西出さんは言う。
坪1万でも夢のような話だが、2万の売り上げを上げてる人もいる。
そういう技術は他では学ぶことができない。

西出さんの技術は日本の農業をもっと楽しくするはずだ。
儲かる農業が楽しくないはずがない。
必要なのは、土づくりと観察力だけ。
消える魔球もマーケティングもコンサルも必要ないのだ。

シンプルなところがいいじゃありませんか。ねえ。


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「大豆の種まきから味噌作りまで 第6回・収穫」報告

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枝豆の状態しか見たこと無かったので、枯れ上がってる大豆ってなんか
ちょっと物悲しい雰囲気。でも中にはころんとした大豆が入ってました。
たった一粒の大豆から、こんなに大きくなって何十個も採れるなんてすごいよね。
写真提供・廣田修氏

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大豆抜きは腰に来ますから、ほんとは剪定ばさみで根本から切るのがお勧めです。
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抜いたら一輪車に乗っけて乾燥用のハウスに移動です。
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誰がどうってわけじゃないんだけど、自然に役割分担ができてって、
いつもスムーズに作業が流れるのが不思議です。人間ってそういう動物なのかしら。
ともあれ、皆さまお疲れ様でした。



11月18日(日)、大豆の収穫やりました。

前日の大雨ですっかり濡れた大豆。
あっという間に乾くほどの晴天に恵まれたのでございます。

晩秋の茨城は午後になると風が強く吹き、
寒さが身にも心にもしみるのですが、
ちょうど北風が吹く前に収穫は終了し、
6回目にして初めて「締めのあいさつ」ができたです。

良く考えてみると今まできちんと締めてなかったというへなちょこさ。
しかし参加者の皆さまの人柄に助けられ、
6回、何事もなく無事に終了しているのでありました。

そう言えば、大豆イベント期間中、
主催のチョー雨女2人の影響はどこへやら
ほとんど雨が降っていないのでありました。

むう。これは参加者の晴れぢからか。
あるいは、最強の晴女「マダム容子」のおかげか。
(一回だけお天気悪かった日がありましたが、
そう言えばその日はマダム容子の体調が悪かったのでした)

いずれにしてもあと3回、雨の降らないことを祈るばかりです。
だいたい調子に乗って失敗してしまう性質のあるわたくし。
これからますます気を引き締めねば、なのです。

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今回はママも一緒に参加のみうちゃん。最後には一人で一輪車を押せてました。
すんごく働いてたなあ、みうちゃん。すごいぞ。
(ちなみに後ろにいるのはママではなく園主のさちこさんでした)

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いつもはテントの下でランチなんだけど、今日はハウスの中に入りました。
日よけの位置が違っててまあ、なんつーか全く日よけになってなかったんだけど
あったたかったので全然OKだったです。写真提供・廣田修氏

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facebookでご紹介してる「マダム容子のお料理」。
今回はきなことお豆の甘くないケーキでした。豆腐クリームをつけていただきました。
何とも言えない風味のあるおいしいケーキだったなあ。

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今回もたき火マスターは参加されておりましたので、焼き芋しました。
本場種子島の「案納芋」は黄金色で美しく、蜜がしみ出るほどの甘さ。
ちょびっと焦げたのはご愛敬ってことで。

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炭化したところをさけてフォークですくって食べるみうちゃん。
おいしそうに食べるよねえ。ほんと。



さて、収穫は粛々と行われ、次回の脱穀を待つのみ。
どれくらいの収量があるのかな。楽しみでございます。

次回の脱穀は「機械」でバババーッと行いますが、
せっかくなので「手動」でもやってみようとも考えており、
でもきっと午前中で終わるから、午後は12月だしさあ、
忘年会しようかなと考えております。

さて、今から、何をしようか楽しみなのでございます。

大量の豆がらが出るので、まずたき火。
そしてハウスの中でバーベキュー。ときたら肉は何焼く?
八郷のシャモか、はたまた北海道のエゾシカか。

シカを焼くんだったら鈴木シェフにレシピ聞いてマリネしよう。
いやいや、せっかくだからシェフをお誘いしてみてはどうかしらとか、
夢と妄想が膨らんでいるのでございます。

すでに12月16日の構想で頭がいっぱいのわたくし。
(でも酒は飲めないから、ノンアルコールビヤで乾杯だ!)

ご興味のある方は、メールフォームでお問い合わせを。


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GM作物が日本で作られる可能性は実は少ない

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わたくしfacebookでソフト部という活動をしております。一応副部長です。
当然ですがソフトクリームを食べまくっております。たぶん一番食べております。
本日、イラスト何書こうかなと考えて、ふと「ソフトってGMだよな」と気づきました。
ううううう。気づくの遅いって。でも、ま、いっか。部活だし。



元同僚の営む自然食品店で、天笠啓祐さんの話を聞いてきた。

天笠啓祐さんは、市民バイオテクノロジー情報室の代表で、
科学ジャーナリストで、昔「技術と人間」という雑誌を作っていた。
現在、GM作物やその表示問題について一番詳しい方である。

天笠さんのお話は大変興味深かった。

さて、「NON-GMOで30日」を経験した後、なし崩し的に
「まあ、いっか!」とGM食品を食べているわたくし。

だって、避けることできないしね。その労力考えると大変。
朝から晩までおうちごはん。肉・牛乳・肉加工品全部某D社のもの買って、
外食一切できないなんて、ストレスたまるし、
30日ならなんてことないけど、一生は現実的じゃない。

でもなんとかできることがまだひとつだけある。
日本ではGM作物の商業栽培はされていない。
だから、「作らせないこと」はできるのだ。
もうそこしかないと思うわけ。

そしたらね、GM作物はたぶん、日本で商業栽培はされないと
天笠さんがおっしゃったのだった。

なぜでしょう。

それは、世界で一番作られているGM作物がトウモロコシだから。
その次はダイズ、んで次は綿だから。

これらの作物の日本での栽培面積を調べてみたらすぐわかる。
ものすごーく少ない。それは輸入に頼っているからだ。
作るより輸入した方が安いので、誰も作らない。

補助金をたんまり出してもダイズの自給率は21%。
トウモロコシに至ってはほぼ0%である。

作られないもののタネを売っても儲からない。
だから日本では、GMタネを売るより完成品を輸出した方が儲かる。
利益を第一に考えれば需要のあるものを売った方がいいのは常識だ。
そしてモンサント社は利益至上主義の会社だ。

さらに、一枚当たりの耕地面積が10アールなんて中山間地の日本で、
だーっと農薬や除草剤空中散布して、なんて栽培は基本的にはムリ。
田んぼではまだやってるところがあるが、その他の作物ではできないの。
ラジコンヘリ飛ばすほどの面積作ってないからね。

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EU加盟国の原材料表示みてると字の小ささに驚きます。
EUの表示義務ってけっこう厳しくて消費者サイドに立ってるなってよくわかるの。
日本の表示は「はしょる」「まとめる」「表示義務がない」みたいな3重苦で、
消費者の選ぶ権利はあんまり与えられてないんすよ。実は。



ということで、GMダイズとGMトウモロコシが作られる心配はまずないのだった。
綿なんて、ほぼ趣味の世界だからもっと可能性は低い。

唯一可能性がある北海道では、GM作物は作ることができない。
「北海道遺伝子組換え作物の栽培等による交雑等の防止に関する条例」
(平成17年3月31日施行)があるからだ。

北海道では知事の許可がなければ、GM作物は栽培できない。
よかったね、すばらしい、北海道。うんうん。良かった良かった。
なんて、でも手放しで喜んではいられない。
現在、GM作物表示の改悪の可能性が心配されているのだ。

TPPに加入したらアメリカからGM作物の表示を無くすようにという
プレッシャーがかかるのは、最近周知徹底されてきたみたいだが、
実は食品表示の法律が変わることで、改悪の可能性が予想されてるのよね。

現行では以下の三法(※)で定められている食品表示が
消費者庁の管轄となり「食品表示一括化法」となることが決まっている。
http://www.caa.go.jp/foods/pdf/120809_1.pdf

この変更により、遺伝子組み換え作物の表示が後退する可能性がある。

なんてったって「食品表示を見てる人は少ない」「字が小さくて読めない」
等々のWEBアンケートを基にして、表示の字を大きく(情報量が少なくなる)、
ほんとに必要な情報(誰が判断するのかは不明)だけ載せるとか
検討されているからである。

あのね。字が小さければルーペで読めばいいわけであって、
今でさえ全原材料が表示されてない不親切な表示なのに、
字を大きくしたいから情報量を減らすって考え方、おかしくないですか?
それはほんとに消費者のためになるわけ? って思うわたくし。

消費者には「選ぶ権利」があるのだから、選ぶための情報は
必須だと思うんだけどなあ。何でも表示してるEUがうらやましい。

消費者庁と言いながら全く消費者のためにならない表示。
それはやめて。ほんと、お願いだから。

※食品衛生法・JAS法・健康増進法が食品の表示に関わる法律
景品表示法は食品に限らないため含まれない模様。


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世界で一番おいしいりんごを食べてる国、日本

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こないだ「アンタッチャブル」見てたら、ケビンコスナーのお弁当、紙袋に入ってた。
スヌーピーの漫画「ピーナツ」シリーズのライナスのお弁当も紙袋に入ってた。
んで、ちびりんごが一個入れてある。弁当がピーナツバターサンドとちびりんご。
うーん・・・・おにぎりのある日本人でほんとに良かった。



ブログには景品表示法の適用がないので、
でかいタイトルつけちゃいました。うふ。その2。

日本における果物の位置づけについて考えてみる。

四季があり、水が豊富で、
主食となる炭水化物「米」が栽培できる日本。

現在のように豊かな野菜類はなかったが、
アブラナ科などの食べられる野菜が自生しており、
海や川では魚などのたんぱく質の供給が可能で、
山々では山菜や木の実などを採取し、食べることができた。

平地が少なく耕作が困難だったため大動物は基本的に使役に使われ
食用とは考えられておらず、家族として大切に扱われた。
食べるよりも労働力として使った方が有意義だったからだ。

野生動物を時々食べることはあっても
毎日の食卓に乗ることはない。

人々は米(雑穀類)と野菜、魚・虫などのたんぱく質を食べて生活していた。
この食生活にないものが「甘いもの」である。

日常的に食べることができない「甘味」はごちそうだ。
季節になると色づき、私を食べてと人々を誘惑する
果物は特別な食べものだった。

高温多湿の日本では、渋柿以外は保存できない。

だからこそ、果物は貴重品、旬にしか食べられないもの、
非日常的な食べものなのだ。その記憶はいまでも根深く残っていて、
日本における果物の地位は、今も変わらず「嗜好品」である。

冷涼な気候で野菜類はほとんど栽培できず、できても食べず、
肉を主食として生活してきた欧米の人々の場合、
よその国からやってきた高級なものを除けば、
果物の一部は野菜と同様「必須食品」という位置づけである。

このいい例がりんごだ。


蜜の入るしくみ。光合成によって作られたでんぷんはソルビトールとなり
りんごの果肉に移行し酵素によって果糖等に形を変えます。霜などの低温にあたると
ソルビトールのままで果肉に溜まってしまいます。これが蜜。
蜜入り=霜が降りるまで木につけてた=完熟間際まで木についてたってことで
蜜入りが喜ばれるのですね。しかし昨今では年明けに褐変し苦くなるため、
年内に売り切る等の対策を打たねばならず、どこも大変そうです。



りんごは小玉で青くて食後に丸かじりされることが多い。
りんごは初秋、早めに収穫されて貯蔵され、
翌年くだものが収穫されるまでのビタミン源となる。

欧米ではりんごの糖度は気にしない。
大きさも気にしないし、蜜など入ってたらおおごとである。
蜜が入ると内部が褐変し長期間の貯蔵ができないからだ。

日本のように大玉でまっかになるよう手間暇かけて、
蜜が入ったと喜ぶ国の人はあまりいない。
(そもそもこの栽培方法が確立されたのは戦後だしね)

ってことで、糖度が17度にもなるりんごを食べてる我々は、
世界一おいしいりんごを食べてると言っても過言ではないのだった。

以前アメリカから安いりんごが輸入されるってので、
少しばかり騒ぎになったことがあったが、そのりんご「ガラ」の
あまりのまずさに驚いた記憶がある。

当然だが、売れ行きは良くなかった。

ガラも日本式に作れば、たぶんある程度はおいしくなる。
海外の作り方では日本人は満足できない。
私たちはそういうりんごを当たり前に食べているのだった。

大玉で真っ赤で、糖度が高いことが前提のりんご。

品種も豊かで、酸の強いもの、ほとんど感じられないもの、
花のような香りのもの、スパイスのような香りのもの、
さらに、黄色、緑色、ピンクなどさまざまな色あい。

こんなにりんごが楽しめるのは、おそらく日本だけである。

そういう国に生まれて、当たり前のようにそれを食べてる日本人。
いや、幸せなことなんだよね。

なんて思いながら、初出荷のふじを食べてる今日この頃。


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世界で一番バリエーション豊かなりんごを食べてる国、日本

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食味も生産量も日本一のりんご「ふじ」。おしりまでしっかりと充実した、
横から見て四角い形をしてるのが、正しいふじの形です。時々変形してるのは
受粉がうまくいかなくてタネが一部入ってないものなのでした。



ブログのタイトルは景品表示法にはひっかからないので、
でかいタイトルつけちゃいました。うふ。

10月下旬から、スーパーに早生ふじが並び始めた。

もうじきほんとうのふじが出てくる。
これが出るとりんごの品種も終盤だなと思うから不思議だ。

これから2カ月間は熟度の高い蜜入りのふじが出回る。
それ以降は貯蔵になるからね。ふじの旬ってこの2カ月なの。
蜜が入ってて糖度が高くてあまーいふじを楽しみましょう。

さて、貯蔵性が高く、食味が良く、赤くて蜜の入るりんご「ふじ」。
これを超える品種はいまだに見つかっていない。

今のところ虎視眈々とその座を狙っているのはシナノゴールドだが、
貯蔵技術がまだ確立されていないことと、黄色い色がネックで、
日本一にはなれずにいる。たぶんなれないんじゃないかな。
やっぱ、黄色いりんごへの偏見はまだまだあるからね。

お歳暮の箱を開けた瞬間、まっかなふじがきっちり並んでるのを見ると、
いつも感動してしまう。「おいしいわたしを食べて!」って声が聞こえる。
これがまっきっきではありがたみが薄れようというものだ。

日本人って赤いりんごが好きなんだよね、ほんと。

ヒモ
着色系のつがる。こんなにきれいな色になるつがるってあんまりないのは
皆早採りしてるからだね。これはホルモン剤使わず作ってるので、
真っ赤になるまで木におけるのです。元同僚・廣瀬さんのつがる。味は抜群。
写真提供・廣瀬祥寿氏



さて、昨今早生品種から中生種まで、スーパーで見かけるりんごに
けっこう新しい顔ぶれが増えて来た。最近の新品種の特徴は「黄色」だ。
昔は黄色いりんごなど売れないと言われてた(だから「むつ」に着色してるの)。
そう考えるとすごい進歩なのだった。

わたくしが幼いころに食べていたりんごと言えば、まず国光。
そして、スターキング、ゴールデンデリシャス、印度などだ。
どういうわけか地位が復活した紅玉以外、売ってるのすら見たことない。

そしていずれその仲間になってしまうだろう、くらーい足音が聞こえてる品種が
千秋・陽光・北斗あたり。作りにくくて正品率が低くシンカビ病にかかるので
りんごの木を植え換える際に切られっぱなしになる確率が高い。

おいしいんだけどね。商品性がないって言われるとそれまでなのね。

つがる、むつ、ジョナゴールド、王林は相変わらずのメジャーどころだが、
これに最近、以下のような品種が加わって、にぎやかになって来た。


早生品種(9月~9月下旬出荷)

さんさ
そう言えば最近売ってるの見ないなあ。やっぱ作りにくいのかしら。
小玉しかできないので難しいって言ってる人がいたけど、どうかな。
つがるを作ってる人にはさんさは作れないのかもしれないなあ。

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丸かじり用に開発されたちっちゃい品種「シナノピッコロ」。
小さいだけで味的にはへーって感じ。でも小さいりんごの需要は確実があるから、
りんごも小玉傾向になっていくのでしょうね。

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秋映。遠くからこのりんごの畑を見るとびっくりします。その色合い。
紅色から黒いような紫色に変わっていくとっても美しいりんご。
まずその色で驚き、味でもびっくりします。最近よく売ってるよね。



シナノドルチェ
黄色いりんごシナノゴールドと親が全く同じで、
味もよく似てるけど、9月中旬から出荷される。
味の薄い早生品種のなかでは味の濃さ、甘さともに優れた品種。
初めて食べたときにはおいしさに感動した。まだあまり作られてない。
しかし長野県、ネーミングセンスいいよねえ、ドルチェだって。すばらしい。

とき
ときっていう名前なのに黄色いのは、土岐さんが作った品種だから。
普通朱鷺色を思い浮かべるので要注意。甘くってね、いくらでも食べられるの。
でも正品率が悪いんだって。だから知り合いの農家は切っちゃいました(泣)。
甘くて繊維もやわらかく、大変とてもおいしい品種です。

中生品種(10月~11月出荷)

秋映
長野県の個人農家が育種した品種。色が濃くてバリンとした食感、
果汁も多く、酸味もあって、インパクトのあるりんご。
10月中旬になって色が真っ黒についてくると玉伸びして、
気が抜けたような味になる。色づきによって味が違う不思議なりんご。

りんご1
こうたろう。イタリアンレッドな色合いがすごくきれいで、
しかも芳香があり、果肉が緻密でずっしりと重いおいしいりんご。木が若いうちは
いまいちって思ってたけど、成熟するにつれすばらしい味になったです。
果樹類の評価は軽々にしてはいけないことをわからせてくれたりんご。



シナノスイート
甘くて繊維が柔らかく、しゃりしゃりといくらでも食べられる、
酸味が苦手なおこちゃま味覚の方におすすめのりんご。
青いうちから鳥がつつくらしいから、相当おいしいんでしょう。

色づきが小汚いからメジャーになるかねって言ってたけど、
りんご業界ではすでに注目株。どうも色よりもおいしさが勝ったらしい。
葉摘みして赤くすれば完璧なのだね。

どういうわけだか、玉がでかくなる傾向があり、
木が若いからとか関係ないみたい。でかくても一人一個食べられるけど。
硬くなくて甘いから、ひとつ食べても全然苦にならないのだね。

シナノゴールド
ドルチェとスイート、ゴールドでシナノ3兄弟って呼ばれてる。
早生品種でいまいちふるわない「シナノレッド」の存在は忘れられたらしい。

貯蔵性が高く、年明けに蜜が褐変するふじに換わるりんごとして
りんご界で注目されてたけど、CA貯蔵でもちょっといまいち貯蔵が難しそう。
完熟直前のゴールドは、その名の通りほんとに美しい黄金色で、
果肉もバターみたいな黄色っぽい色なのが特徴。おいしくって大好き。

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夕方のお日様に照らされるとほんとに黄金色に見えるシナノゴールド。
そこまで熟すとお尻にワレが入るので、少し早採りしないといけなくて、
ほんとにほんとにもったいないのでした。これこそ産直で食べたいりんごです。

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ええー?これがシナノスイートなの?ってくらい色がきれい。
標高が高いとこんな色になるんだって。元同僚・廣瀬さんちのシナノスイート。
ほんとにスイートな赤色でした。しかもおいしいし。やっぱり注目株。



ぐんま名月
この名前のセンスどうよ、群馬県。全然おいしそうじゃなくない?
でも、シナノスイートのように甘くていくらでも食べられて、貯蔵性もいい。
でも黄色い。あと黄色のつき方が小汚い。でもおいしい。ので注目株。

自分的には「激甘3品種」の一つ(他は「とき」と「シナノスイート」)。

グラニースミス
某D社の宅配でしか扱ってないかもだけど、
緑色で紅玉よりも酸味のパンチが効いてて驚く。生食もおいしい。

農家にとっては葉摘みも玉まわしもしなくていいから省力化できるし、
今のところメジャーじゃなくて希少性があるしでいいと思うんだけど。
摘果しないでならせるだけならして安く売るってのがいいんじゃないかと。

あああ、気がついたらこんなに文字数が多くなってた。

その他、オーストラリアからやってきた「ピンクレディ」なんてのもあるけど、
パテント料が高いので、高級果物店にしか置いてないかもしれない。
きれいなピンク色がとってもかわいらしくって、味は紅玉に似てるけど、
ジュース分が少なくて食感がもっさりしてるから、好みが分かれるところだ。

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どうでしょう、グラニースミスのこの果実の付き方。
摘果しないと枝が折れそう。摘果すると玉が大きくなるから、貯蔵性考えると
これでOK。海外ではメジャーな品種。日本では商品性がないといわれてた品種。
紅玉のように不死鳥のようによみがえるかもしんない。



売られているりんごは、実際にはさまざまな農家が作ったものなので、
食味や食感について、全てが一律ではない。
農家の技術、採り時、地域によって、もちろんのことだが味が違う。

さらに、何年か前に気づいたんだが、樹の大きさによって味が変わる。。
樹の成熟度合いによって、どんどん味が変わっていく。
幼いころはそれほどでもなかったのに、成熟してくると香りが出たりする。
果樹類の品種は長い目で見なくちゃいけないってことだね。

さて、おいしいりんごを継続して食べようと思ったら、
おいしいりんごを作る農家を見つけなければらならないのだった。
そして農家から直接買うのが一番いいのだった。

ほんとうにおいしいものはお店では買えないの。
ほとんどの消費者が気づいていないが、悲しい事実なのだった。


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プロフィール

ほんたべ

Author:ほんたべ
手島奈緒
おいしい食べものをつくる人を紹介したり応援したりしております。ブログをまとめた著書『いでんしくみかえさくもつのないせいかつ』(雷鳥社)『まだまだあった! 知らずに食べてる体を壊す食品』(アスコム)『儲かる「西出式」農法』(さくら舎)など。現在ハンター修行中。

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