30か月齢に引き上げられるアメリカ産牛肉の輸入規制のこと

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BSEがチョー話題になった後のことだけど、そういえば鹿にも
プリオンがいるって言われてたなあってこないだ思い出しました。でも大丈夫。
特定危険部位を避けてればOK。大人の鹿、肉が硬いから食べないしね。
写真提供・廣田修氏



BSE(牛海綿状脳症)って最近ちっとも話題にならないけど、
世界中で大騒ぎになって今年でちょうど10年目だった。
なんて書いてたらブラジルの牛がBSE発症したって報道。

ぐーぜんだなー。

さて当時、ふらふらでまっすぐ歩けない牛の映像は人々に恐怖を与え、
牛肉の消費は落ち込み、豚・鶏肉の農家がすんごく儲かり
笑いが止まらない状態だったことを懐しく思い出すわたくし。

日本では速攻で肉牛の0か月齢からの特定危険部位の全頭検査を行い、
さらにトレーサビリティを完璧にするという大変手間のかかる対策を打った。
これ、世界中どんな国もやってないんすよ。すごいんす。
どんだけ経費がかかったのかしらんと思ったりするわたくし。

BSEがきっかけで、牛肉は生産地から出荷先まで
完璧にトレースできる仕組みが生まれた。
このおかげで昨年、放射性物質がついたワラを食べた牛を追跡し、
出荷停止にすることができたのは記憶に新しい。

んで。今は?

全頭検査をやった結果、20か月齢以下の牛からは
狂牛病の原因であるプリオンが見つからなかったってことで、
2005年から「0か月齢から20か月齢までの牛」は
調査しなくていいということになった。

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牛の耳にくっついてる耳票は、牛を個体識別するために
日本にいるすべての牛につけられています。そういうところ、日本人ってすごい。
アメリカ、ほんとに全くできてないらしいです。トレースなんてもってのほかだと。



じゃあ、輸入牛肉は? 
日本に輸入されてるのは、主にオーストラリアとアメリカの牛肉である。

オーストラリアはBSE発生国ではないので問題なし。
(って言われてるけどね、どうかなあ)
米国は2003年にBSE発生国になったため、
2003年から2005年まで牛肉は輸入禁止措置を取られていた。

で、2006年に20か月齢以下という条件をつけ輸入を再開したら
入れちゃいけないよって約束したはずの脊柱(※)が見つかって大騒ぎ。
どうなってんのアメリカ!ってことで、再度輸入禁止になった。

「日本は厳し過ぎる」「アメリカは日本国民の生命を蔑ろにしている」等々
すったもんだした結果、2007年に輸入再開。現在に至る。

アメリカでは検査の体制がきちんと取られていなかったり、
検査の内容もEUと比較して全然足りないように思うのだが、
そのあたりには目をつぶったのだろう。なにしろ相当な外圧である。

そして今年の9月5日、食品安全委員会では米国産牛肉について
30か月齢までは検査しなくても大丈夫という評価を提出した。
このことにより、厚労省でおそらく来年には米国産牛肉の
輸入規制が緩和されることになるだろうと言われている。

で、この月齢のことが気になったので調べてみた。

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のびやかに放牧されてるこの牛は育成牛で、妊娠する前の牛。
搾乳を始めて4産位で更新されるから、乳牛は5~6歳で廃牛になります。
その後肉用の餌を食べて国産牛になるらしいんす。知らんかった。



だってさ、アメリカの牛ってほぼ20か月齢で屠畜されてるのにさ、
わざわざ30か月齢に引き上げるのに、どんなメリットがあるの?
そんなに長いこと肥育したら餌代かかるし、
アメリカ、そんなていねいにお肉作ってたっけ?

そして恐ろしいことがわかった。
これ、経産牛を輸出するってことなんだね。

経産牛ってのはホルスタインの廃牛とか繁殖牛のことだ。
つまり子牛を産まなくなった母牛を肥育して出荷するってことなのだ。

日本でも国内の経産牛は「国産牛」として売られている。
ヒレ肉なんかは柔らかくておいしいらしいし、
他の部位でもひき肉や細切れなんかになってるそうだ。
普通の牛よりも安いから、けっこういい商売になるらしい。

しかし、アメリカから経産牛がやってくれば価格がさらに安くなる。
この場合、和牛は競合しない。ブランド品だから。
競合するのはホルスタインのオスや経産牛などの「国産牛」である。

そうなると相場が暴落する可能性があり、
和牛以外の肥育農家が困っちゃうのだ。

でもスーパーでは原産地表示が義務付けられてるから、
アメリカの肉って言われると買わない人がいるだろう。
だからこのお肉、表示義務がないところに行く。

つまり、外食産業に流れる。

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経産牛でもヒレ肉は柔らかくておいしいのだった。
そういえば昔某D社のやってるレストランで短角牛のヒレ肉食べたけど、
経産牛のヒレだった。でも柔らかくてうまかったもんね。



焼き肉屋さんとか、ファミリーレストランとかに納品され、
サラリーマンがお昼ごはんに食べる280円の牛丼や、
激安ハンバーグランチなんかのハンバーグになる。
冷凍食品にもなるかもね。

お父さんたち、少し気をつけた方がいいかもですよ。

米国産牛肉にはもうひとつちょっとどうなの?ってな
考えようによってはBSEよりも怖い問題があるんだけど、
今回も長くなって書き切れませんでした。すんません。

それはまた次回書かせてもらいます。

(※)特定危険部位
脳、脊髄、三叉神経節(頭蓋内)、背根、神経節、回腸、眼

■今回の資料・米国産牛肉輸入問題と BSE
国立国会図書館ISSUE BRIEF NUMBER 530(APR.6.2006)


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大豆の種まきから味噌作りまで・第7回 脱穀のご報告

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脱穀後の豆、こんな感じです。選別したら減るんだろうなあ。
これで味噌作ったらどんな味になるのかなあ。



前回「次回も肉」って書いたのですが、書こうと思って調べたら
ちょっと不明なことがありまして・・・。調べ直しております。
ってことで、次回書くことにいたしました、すんません。

12月16日、石岡市のさちこさんの畑で行っている
「大豆の種まきから味噌作りまで」の7回目、脱穀を行いましたです。

「脱穀」と言うのは収穫した大豆を干しといて、
豆と豆がらに分ける作業のことでございます。

JAで脱穀機を借りて、バババババーっとできるかと思っていたら、
けっこう時間がかかってしまいましたです。
なので、手作業でビシバシ叩いて、みたいな脱穀を
ほんとはしようと思ってたのですが、すっかり忘れてました。

なんでかと言うと、脱穀終了後に企画してた忘年会が
ちょっとかなり楽しかったからでした。

この7カ月間、一粒のタネが何十倍にもなる様を
その不思議を、月に一度共有し、一緒に作業してきた皆さまと
お疲れ様する会でございます。楽しくないわけがないのでした。

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脱穀って作業は人間もマシーンの一部になってしまいます。
粛々と機械に豆を入れてくマシーン。見てる人、豆がらだらけ。

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ハウスの中の乾燥中の大豆ちゃんたち。これを全部脱穀だ!
午前中に終わるかと思ったら1時までかかっちゃったのだ!

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落っこちてる大豆もちまちまと拾ってます。
自分たちで作ったものだもん。やっぱり一粒も無駄にできないよね。

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知らない間にできてた羊牧場。かず君の他に3頭いました。
全員ものすごーくアホな感じです。羊ってほんとにアホなのだなって思います。

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脱穀作業が粛々と行われる中、
忘年会用のシカ肉をローストするマダム容子。いや、うまかった。
生涯で一番おいしいシカ肉でした。



どんな作業をしても、そのうちなんとなく役割分担が出来上がって、
粛々と、しかも素早く作業が行われる不思議。
参加してくださる方々に恵まれているのでしょうが、
いつもほんとにうまく作業が回り、時間内に終わります。

そして毎回必ず「カッコイイ人」がいるのでした。

主催者は「場」を提供しているだけなのかなあ。
このイベントを運営はしてるけど、実際作っているのは
参加者の皆さんなのだろうなあ、なんてことを
今回しみじみ思ってしまいましたです。

取っても取っても終わらない草取り
倒れるかと思うほどの暑さのなか食べたかき氷の味
青空の下でフレンチに舌鼓を打ったこと
鍋ごとひっくりかえったラタトゥイユ
畑にいる虫の不思議、食べ始めたら止まらなくなった枝豆
しけった素材をひたすら燃やすたき火マスター
ふらふらしてた一輪車がしっかり押せるようになったみうちゃん
ただもくもくと草を食べ続けてるかず君
アホなその他3頭の羊たち・・・

そして見るたびに大きくなっていく大豆たち。
7カ月間、毎回新しい発見がありました。

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前日に少しだけ脱穀して水煮してみたエンレイちゃん。
しかし畑のお肉はシカ肉にはかないませんでした・・・おいしかったけどね。

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臭みもなくほんとにおいしかったシカ肉。
オリーブオイルとにんにくとハーブでマリネしたものの表面を焼き、
ホイルでくるんで余熱で中まで火を通し、柔らかいまま食べました。

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前回表面が炭化した焼き芋でしたが、たき火マスターがリベンジして
大変おいしい状態に焼きあげてくださいました。さすがです。マスター。

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雲ひとつない晴天の下で忘年会。作業をしてたら暑いほど。
夕方になると吹きつける冷たい風も全く吹かず、恵まれたお天気でした。
誰かの行いがよほどいいのだね。もしかしてわたくし?

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採れた大豆は95kg。10アール当たり95kgですから
けっこういい感じの数字です。青大豆の収量が良かったんですね~。
収量当てクイズの商品はさちこさんの野菜セットでしたあ。



そしてこの7カ月間、主催2名がチョー雨女なのにも関わらず
ほぼ晴天に恵まれ、参加者の皆さまにけがもなく、
順調にイベントが運営できたことにも感謝しております。

楽しかったなあ。

参加してくださった方、根本先生、鈴木シェフ、かき氷屋さん、
そして毎回おいしいお料理を作ってくれたマダム容子、
7カ月間、どうもありがとうございました。
皆さんに感謝と愛を送りたいと思いますです。

なんて、まだ2回ありますのです。

次回1月20日は大変地味だけどものすごく大切な作業「選別」です。
そして、2月にはこの一年間の集大成「味噌作り」が控えています。

石岡に通うのもあと2回。

なんとなくさみしい感じがしておりますが、
皆さま、来年もよろしくお願い致します。

※マダム容子の写真以外の写真提供・廣田修さん


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お肉について皆があんまり知らないこと

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生まれたばっかの子豚ちゃん。寒がりなのでぬくぬくの暖房で守られてます。
胴長でロースも長いLWDは現在の日本の養豚の主流品種。
黒豚ちゃんは生育が遅くて身体が小さいので付加価値商品。
つまりブランド品なのでした。



スライスされて美しく並んでるスーパーのお肉。

肉の原形を想像することなんか全くなくて、
もとの豚や牛の形や、どの部位なんだろな?なんてことも
普段はほとんど想像しないで、お肉食べてるわたしたち。

でも、お肉って最初からスライスされてるわけじゃなくて、
バックヤードに入った時にはブロックだったりするわけ。
そのブロックは、卸業者が枝肉から解体してるわけ。

枝肉ってのは、牛や豚の頭と内臓を取り除いて
骨と肉だけになってる状態の肉のことで、いまいち想像しにくいけど
「ロッキー」を思い出してもらえるとわかりやすい。

ロッキーが冷凍庫でサンドバッグ代わりにしてた肉があったでしょ。
あれが枝肉。

つまり枝肉は、所定の屠畜場で屠畜された牛豚が、
内臓と肉に分けられた一番最初の状態なのだった。

わたくし、いくら冷凍されてるからと言ってロッキーったら
あんなに激しくパンチしたら肉が傷んだんじゃないかしらん
などとちょびっと心配になったけど、まあどうでもいい話ですね。ハイ。

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豚の枝肉。見学したところでは冷凍はされてませんでした。
まだ骨がついてます。豚の形が想像できますよ。

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骨を外されておおまかに部位ごとに分けられてます。
これ、バラ肉っすね。肋骨の跡が見えてます。



枝肉は通常冷凍された状態で倉庫にぶら下がってるが、
卸業者が仕入れて解体すると各部位ごとのブロックになり、
真空パックでまた冷凍されたりしてスーパーやお肉屋さんに卸され、
それがスライスされて店頭に並ぶ。もちろんチルドのこともある。

非常にざっくりしてるし、間をちょびっとはしょったり、
バリエーションはあるけど、これがおおまかな肉の流れ。

鶏はちょっと違うんだけど、鶏肉の流通をあまりよく知らないので、
今回は言及を避けております。どんな屠畜場なのかは聞いたけど、
見たこともないので言及は避けておきます。

さて、日本ではとくに好まれる部位ってのがそれぞれにあり、
鶏ならばモモ、豚ならバラ・ロース、牛は・・・うーん、牛ってどこだろう。
ロースかな? とにかく、たぶんモモじゃない。
調べてみたらバラでした。興味のある方はこちらをどうぞ。
→http://lin.alic.go.jp/alic/statis/dome/data2/nstatis.htm

日本人は素材の味を好むので、塩とこしょうでおいしい部位が好き。
欧米のように赤身の肉をソースでがっつり大量に食べる。
と、いうような食べ方をしないので、脂の味に弱く、
ロースやバラなど脂肪分の含まれる肉が好きである。

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はずされた骨。足の骨ですねえ。
これはこれでとんこつラーメンとかに利用されるんす。無駄なく。

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削られた脂。脂が分厚いと正味の肉の量が少なくなるので、
黒豚なんかは歩どまりが悪いのです。だからお高いのですねえ。
これはたぶんラードになるんだろうなあ。



欧米人のように肉が「ほぼ主食」ではない日本では、
肉は、とくに牛はちょびっと食べて幸せになるためのぜいたく品だ。
だから脂が網目のように入った牛肉が好まれるし、
豚でも脂のないモモより、バラが売れる。

鶏肉はもっと顕著で、バサバサしたムネは皆が嫌がる。
いかにパサパサさせないで料理するかみたいなコツが伝授されるほどだ。
やたらとムネ肉の分量が多い七面鳥を喜ぶアメリカ人と、
日本人とは全然嗜好が違うのだった。

さてその肉。少し調べてみたら、自給率が下がってて驚いた。

昔は物流事情が悪かったため輸入肉はほとんどなかった。
冷凍焼けとか管理のまずさとかで、「安い・まずい・加工用」だったのだが、
1990年代に、冷凍ではなくチルドでの流通が可能になった。
輸入肉はここから急激に伸び始めたらしい。

現在では、牛肉は主にアメリカとオーストラリアから、
豚肉はアメリカ・カナダ・デンマークから輸入されている。
鶏肉は中国およびタイからの輸入が多く、
鶏卵(加工用の液卵や粉卵が主)もかなり輸入されている。

現在それぞれの肉の自給率は平成23年度で、
豚肉52%(重量ベース・カロリーベース6%程度)
牛肉40%(重量ベース・カロリーベース11%程度)
鶏肉66%(重量ベース・カロリーベース8%程度)

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部位がいまいちわかりませんが、モモかなあ。
ロースだとまんまるいロース芯が見えてわかりやすいんだけど。
この後スライサーでスライスされるのでした。



輸入肉が増えて来たのは、流通の改善に加えて、
必要な部位だけ仕入れられることが大きい。

なにしろ、豚一頭にはロースは2本しかない。
ヒレはさらにちょびっとしかなくて、モモは大量にある。
ロースばっかり欲しいの!と言っても、ロースばかりの豚は存在しない。

これは鶏も同じだ。モモが4本ある鶏がいればいいが、
一羽につきモモは2本しかない。そしてもムネも2つある。
モモばっかり売れても困るわけ。ムネが余っちゃうからね。

畜産物の流通は、基本的には一頭買いであり、
余剰部位の調整ってのは必ず発生する悩ましい問題である。

某D社も契約農家からの一頭買いだったため、
だいたいヒレが足りなくて、いつもモモやムネが余っており、
畜産担当者は価格調整やら何やらで四苦八苦していた。

てなことで特定の部位のみが輸入できれば部位調整が必要なくて
仕入れる側からすればバンバンザイなのである。

そうなると当然輸入肉の方が便利に使えるから需要が伸びるし、
さらになにしろ安いのだ。そして国内の畜産農家の経営を圧迫する。

とんかつ
そしてこれが最終製品というか、わたくしたちが食べるもの。
ラードで上げたトンカツでございます。トンカツと言えばロース・ヒレですから、
産地表示がしてない場合はアメリカから来た豚ちゃんかもしれませんね。



豚肉の場合、セーフガード(※)が何度か発令されてはいるが、
輸入肉の増加は誰にも止められない。そして
自給率がほんとにジリジリと下がり続けている。

大規模化に誘導されてる畜産業では、養豚はとくにだが
個人農家がどんどん廃業しており、もしTPP参加した場合は
ほぼ壊滅的な状況になることが予想されている。

スーパーに売ってる肉見てるだけでは危機感はほとんど伝わらないが、
外食産業で使われている肉がほぼ輸入だとわかると少し怖くなる。

ってここから本筋だったんだけど、書ききれませんでした。
続きは次回です。

【セーフガード】特定品目の貨物の輸入の急増が、
国内産業に重大な損害を与えていることが認められ、
かつ、国民経済上緊急の必要性が認められる場合に、
損害を回避するための関税の賦課又は輸入数量制限を行うもの


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食品添加物を食べない方がいい理由

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ウチにね。でかいこぶしの木があるんです。東南角地なのでアホほど大きくなってます。
んでね、この時期、大量の葉っぱを落としてくれるのです。毎日毎日。はいてもはいても。
環状剝皮しちゃおうかしらとか、元落葉果樹担当としては思うわけで。
でもやり方知らないの。そのへんが農家じゃなくてバイヤーあがりって感じ。



先日の「食品一元化法」のお勉強会で、天笠啓祐さんに聞いた話。

「普通にスーパーで売ってる加工品を何も気にせずに食べてると、
一年間に摂取する食品添加物の量はkg単位になりますよ」

いや、これ怖い話じゃないですか。わたくしビビりました。

1kgと言えば、相当な重さですよ。
ダンベル1kg30回も上げ下げしてたら筋肉痛が起きますよ。

いろんな食品にちょびっとずつ入ってる食品添加物が、
ダンベルの塊になってることを想像して、ビビったわたくし。
そう考えると、日本人を構成している炭素分は
やっぱりGMコーン由来なんだろうなあと実感したです。

なにしろGMコーンはどの食品にももれなく入ってる
コーンスターチの原料であり、サラダ油の原料ですよ。
さらにお砂糖以外の糖分であり、酒や発泡酒の原料でもあります。
そして牛豚鶏の飼料にももれなく入っているのです。

GMコーンと食品添加物でできてる自分。コワイよう。

さて、食品添加物とは大変便利なものであります。
食品の保存性を高め、風味を加え、香りを豊かにし味を良くします。
しかし言葉を変えるとこうなる。

「安価な原料・なんちゃって原料でそれなりの味のものを作り腐らなくする」

安価な原料と言うのは劣悪な原料の場合もある。
例えば外食産業でよく使われている成型肉なんかそうだよね。

昨今食べものの価格は大変安い。
そして売値を安くするには原価を安くしなければならない。

食品メーカーで少しでも働いたことがあると、あまりにも安い場合
原価の見当がつくから「何使ってんだろ?」と想像してしまい、
微妙に怖くて食べられなくなるが、普通の人々はそれを気にしない。
というより知らない。

だって、食品添加物食べてもどこも悪くならないじゃん。
何か病気になってる人、いたっけ? いないでしょ?
それにADI値(一日許容量)って、それぞれに決まってるはず。
毒性評価されてるんだから、安全なはず。

それはそうなのだ。さまざまな動物実験の毒性試験の結果、
食品添加物・農薬にはADI値が設定されていて、
ADIを超えないよう、基準値が設定されている。

つまり基準値は「こんだけ食べても大丈夫」って数値でもある。
これは放射能でも考え方は同じだ。

でもさあ、それ、いっしょくたに摂取した場合、どうなるのかなあ。
そういった実験は誰もしていないから、複合汚染の結末を誰も知らない。

日常的に長期間摂取した結果、何が原因なのか誰にもわからず、
どこかが悪くなっていく。悪くなって初めて、
なんとなーく、食べものが原因かなあと思う。

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近所に激安イタリアンファミレスがあるので、一度食べに行ってみました。
サラダの野菜およびチーズ・トマトなどからものすごーく次亜塩素酸ソーダの味がしたです。
安さの秘密は殺菌か。どんなふうにしてるのかバイトしたくなっちゃったわたくし。



化学物質は遺伝子に傷をつけることがわかっている。
DNAは二重らせんになっているので、片方が傷ついても
もう片方が無事ならば修復機能が働くため、何も起こらない。

遺伝子を傷つけると言われている物質はいくつもあるが、
基本的には修復機能が働き、問題は起きない。
遺伝子の95%は働いてないので、傷つけてもなんてことない方が多い。

しかしそれらの化学物質を複合的に摂取した場合
組み合わせによって毒性が倍以上になることはわかっているものもある。

例えば、ネオニコチノイド系農薬を与えたミツバチよりも、
ネオニコと有機リンを与えた方が致死率が高くなったという実験結果がある。
複合的に汚染された場合、単体の場合よりも破壊力が大きくなる。

でもさあ、誰にもわからないのよね。
そういう安全評価って全くされていないんだって。
前提は、単品ごとの安全評価だからね。まあ経費もかかるしね。当然だよね。

「放射能と農薬とどちらが危険ですか?」と聞く人がいる。
どちら「が」ではなく、どちら「も」よくない。

ただちに影響は出ないけど、長期的な影響は誰も知らないので、
リスク回避のためには両方控えといた方がいい。
それが正しい答である。でも直近の脅威の方がわかりやすいので、
現在は放射能を避ける人が多い。しかし人体への影響は同じだ。

最近GM作物を飼料に与えたラットにガンが発生したという
フランスのカーン大学で行われた研究結果が報告されていた。

GM作物の長期にわたる摂取で何が起きるかは誰も知らない。
とくに表示のないアメリカと、表示はあるが限定されている日本は
壮大な人体実験の渦中にある。

それは食品添加物や農薬についても同じで、
日常的に使われ出した戦後から現在まで、実験は継続中である。
細胞を変異させる可能性のある物質を食べ続けた結果
どうなるのか誰も知らないのだから、できるだけ食べない方がいいのだ。

「長生きと元気は違うものですよ」

先日亡くなった大滝秀治さんが緒方拳さんに言ってたらしい。
稼働率の高い元気な人生を送るためはリスク回避が必要ってことですね。


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食品の表示についておさらいしてみた

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食品の表示って管轄が農水省だったり厚労省だったり、いろんなとこに分散してて、
しかも食品衛生法に含まれてない食品(牛乳とか蜂蜜)は違うルールがあったりで、
資料探すのにも一苦労でした。わざとじゃないかとか思っちゃったわたくし。



大地を守る会と日本消費者連盟が共催した
食品表示のお勉強会に参加してきた。

食品の表示については現在、
以下の3つの法律でいろいろと定められている。

JAS法→消費者の選択に資するための品質に関する情報
食品衛生法→食品の安全性の確保のために公衆衛生上必要な情報
健康増進法→国民の健康の増進を図るための栄養成分および熱量に関する情報

食品の名前・賞味期限・保存方法・遺伝子組み換え情報・製造者などが
義務付けられている「食品の表示」である。
一括表示と呼ばれているが、みなさん、読んでますか?

この表示、今度消費者庁に一元化されることが決まっており、
現状よりも表示内容が後退することが懸念されているのだった。

現時点よりも後退? なんとなくピンと来ないよね。
なので、現時点の表示についておさらいしてみた。

食品の表示は消費者にとっては「選択するための有用な情報」であり、
詳しければ詳しいほど選択の幅が広がるため、できるだけ書いといてほしい。
だってそうでしょ。食品添加物気になるもんね。食べたくないもんね。
とくに保存料や着色料、気になるもんね、なんて皆漠然と思ってるはず。

しかし現実には、全原材料の表示はされていない。
これを知らない人、とっても多いはず。
日本における食品表示は、ほんとに簡略化されているのだ。
知らずに食べてることってものすごく多いのよね。

例えば、一括表示によく書いてある「調味料(アミノ酸等)」のアミノ酸。
アミノ酸って何? どんな物質? 物質名書かれないとわかんないよね。
しかし物質名は一般的にはわかりにくいから、一括名(アミノ酸)でいい、
そう決まってるから書かなくていいのだった。

さらに加工助剤とキャリーオーバーの表示はしなくていい。

キャリーオーバーのわかりやすい例をあげると、
おせんべいにぬるお醤油に含まれている添加物のことだ。
原材料表示には「醤油」と表示するだけでいい。

加工助剤については、例えば砂糖がわかりやすい。
サトウキビから砂糖を作る際、ものすごーく化学物質を使うのだが、
それは表示しなくていい。食品の完成前に除去されるからだ。

このあたり、説明だけでものすごく長くなってしまうので、
とても大変わかりやすい以下のサイトでご確認ください。
http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/shokuhin/shokuten/shokuten6.html
↑ほんとにわかりやすい「東京都の食品衛生の窓」すばらしい。一度見てみてね。

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コンビニでよく見かける「合成着色料・保存料無添加」の売り文句。
無添加みたいだけど、クチナシ色素(天然着色料)やビタミンC(酸化防止剤)、
しらこ蛋白抽出物が入ってたりするので食品添加物が無添加なわけじゃない。
でもちゃんと「合成着色料無添加」って書いてあるから景品表示法的にはOKなわけ。
うっかりだまされてる人、けっこういそうだなあ。このなんちゃって表示。



さて、原材料表示は基本的に重量順に並んでいる。
しかし食品における%は書いてない。

だからその食品にそれぞれがどれくらいの割合で含まれてるのか
消費者にはわからない。わたくし的には
清涼飲料水にお砂糖がどれくらい含まれてるか知りたいけど、
知るすべがない。たぶん20%以上入ってるだろうけど、
そういうの書くと売れなくなっちゃうから書かないのかもしれない。

これは国によってルールが違う。

日本で作られてるアーモンドチョコが韓国で売られる場合、
使われている油脂・全脂粉乳の由来、
光沢剤・乳化剤・香料の物質名が全て表示されている。
アーモンドは25%であるとも表示されている。

日本ではそういうことはいっさい書いてない。表示しなくていいからね。
同じ商品なのに、韓国の表示の方がていねいなのだった。
よその国でやってることが、なんで日本でできないのかな。不思議だ。

遺伝子組み換え原料についても同様である。
日本では表示しなくてはならない食品が限定されており、
しかも重量の5%未満であれば表示義務はない。

ちょびっとしか使われていないコーンスターチ・大豆レシチンには、
GM作物由来と表示しなくていいのだった。
EUでは全て表示だ。この違いは何なんだといつも思うわたくし。

食品の表示がじりじりと後退している一因は外圧にもある。

1995年に変更になった「製造年月日」表示の廃止は
製造年月日表示だと不利になる輸入食品に配慮したものだと言われている。

世界一「見える状態」の食品の品質にうるさい日本人は、
新しいものから買う。製造年月日表示では輸送期間分、輸入食品が不利だ。
賞味期限を書くだけで良ければ、いつ作ったのか誰にもわからない。

そうすると、輸入食品と国産品のスタート地点が同じになり、
次の選択肢「価格=安い」で人々は購入する。

わたくしはGM作物は食べたくないし、
食品添加物もできるだけご遠慮したいと常日頃考えている。
食べたい人は食べてもいい。それは個人の問題だからだ。
しかし食べたくない人の「選択の権利」をじゅうぶんに与えてほしいと思う。

現在の日本の食品表示は、消費者の選択する権利が
じゅうぶんに与えられているとはとても言えない。

上記の法律3つが一元化された後は、一括表示の字が大きくなり、
現状よりもさらに簡略化された表示になることが予測されている。
消費者庁がアンケートで得た情報「読んでる人が少ない」「字が小さい」をもとに
「消費者の要望に会った表示を」と考えられているからだ。

でもねでもね。ちょっと考えてみましょうよ。

表示がされないってことは、食べものの由来について
考える機会が与えられないってことだ。
書いてあればそのことについて考える。
表示を見て、これは何だろうと考えることができる。

世界一GM作物を食べていることを知らず、
年間の食品添加物の摂取量がkg単位になってることを知らず、
自分たちは安全なものを食べていると、漠然と思ってる日本人。

消費者の無知は大きなリスクを伴う。

知る権利も必要だけど、その前に知る努力も必要だよなあ。
そんなことを思ったお勉強会であった。


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プロフィール

ほんたべ

Author:ほんたべ
手島奈緒
おいしい食べものをつくる人を紹介したり応援したりしております。ブログをまとめた著書『いでんしくみかえさくもつのないせいかつ』(雷鳥社)『まだまだあった! 知らずに食べてる体を壊す食品』(アスコム)『儲かる「西出式」農法』(さくら舎)など。現在ハンター修行中。

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