「自然農法」の「自然」は実は「自然」

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幼い頃禅宗のお寺で習字を習っていたので座禅はお手のものなんだが、
妄想もお手のものでありまして、まあ瞑想の「め」の字にもなっておりません。
雑念をどうやってやり過ごすか。習字よりその技術を教えてほしかったなあ。



禅問答のようなタイトルですんません。

わたくし時折、講演などすることがあります。
有機農業についてとか、有機と有機JASと有機農業の違いとか、
なんとなくわかりにくい用語についての講演が多いです。
昨年は「自然農法と有機農業」というタイトルで、
講演をさせていただいたです。

自然農法についてはわたくし一線を画しており、
それまでは、心の中の「よくわからない箱」に入れてありました。

なんで一線を画していたかと言うと、客観性がないこと、
非常にあいまいで定義付けがしにくい用語に思えること、
自然農法を実践して、採算が合うかどうかが不明なことの3つが理由。

だってさあ、「自然農法」って言ったもん勝ちだからね。

有機JASが施行される前の有機農業みたいなもんで、
なんちゃって自然農法・自然栽培と、
真剣に取り組んでる人たちとの区別がつかないの。

その状態は、消費者にとっても不幸なわけ。

なんちゃって自然農法の野菜をべらぼうな価格で買ったりして
自然農法でなかったなんて後でわかったら、悲しいでしょ。

なんて思いつつ、講演資料を作っていて、
むかーしむかし、宇根豊さんに聞いた話を思い出した。
そして「自然農法の自然の意味」に突然思い当たった。

それまで全く繋がらなかった脳内のシナプスが
それをきっかけにぱぱぱぱーっと繋がり、目の前がぱあっと明るくなった。
お風呂に入ってなかったので「ユリイカ!」とは叫ばなかったが、
良く似た状況だったですよ。おお。あぶない、あぶない。

んで今回のタイトルになるわけです。

さて、現在当たり前のように使われている「しぜん」という言葉は、
実は「nature」という英語が日本に入って来た時、
福沢諭吉先生が翻訳してあてた言葉であった。

明治以前の「自然」は「じねん」と読み、現在の環境とか
山とか川とかの自然を表す言葉ではなかった。
というか、どうも仏教の用語であったらしい。

「自然といふは、自はおのづからといふ、行者のはからいにあらず、
しからしむといふことばなり。自然といふは、しからしむといふことば、
行者のはからいにあらず。如来のちかひにてあるがゆへに」
(『自然法爾(ほうに)章』)親鸞聖人『末灯鈔(まっとうしょう)』の第五通

上記の難しい言葉を現代語訳すると、以下になる。

「自然(じねん)」というのが自ずからということで、
人間のはからいによって移り変わったり、どうとかできるものではない。
すべてが自ずから真実の働きを現している。
それが如来の誓いである」

「如来の誓い」って言われるともう何がなんだか
煩悩のカタマリのわたくしには理解できないが、
平たく言うと「あるがままの状態」が「じねん」である。

あるがまま。つまり人が手を加えたりコントロールしたり
全くできないもの・しないものが「じねん」なのであった。

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まじまじと見るとホタルって気持ち悪くて全然好きになれない。
同じ発光する生物ならホタルイカの方が好き。おいしいしかわいいし。
でも小さいって言えばイイダコの方が好きかなあ。おいしいし。
あああ、そういえば、一回イイダコ釣りに行ってみたいなあ。
↑ 瞑想している時に起こりがちなものすごくとりとめのない連想(泣)



自然農法の自然は「しぜん」ではなく「じねん」なのだ。

そう考えると「自然農法」がどういうものかすっきりと理解できる。
「あるがまま」なのだから、そこに「ある」以上でも以下でもない。
つまり「あるがまま」で手を加えない農法である。
そして、「農法」ではなく「思想」なのだった。

しかし、思想ではうまく作物ができない。
だから、自然農法を実践している人たちの中には
「ここまでOK」という栽培のルールを作っている人たちもいる。
それはそれで良いことである。客観性が保てるからね。

この「自然」と「じねん」の違いがわかると、日本人と欧米人の
「自然」に対する意識の違いがすごくわかるようになる。

日本人の感性は、自然はあるがままのものであり、
ふだんそこにあることすらほとんど意識していないものだ。
自分たちも自然の一部であり、他の生物と同じ位置にいる。
「ミミズもオケラもアメンボも皆友だち」とか歌ってしまう。

しかし、欧米の人々はそうではない。
「自然」も牛豚鶏のように神様が人間に与えてくれたもののひとつだから、
natureは支配できるものだ。支配するから守ることもできる。
人間はすべてのものの一番上に位置している。だから
マラリアを媒介する蚊が邪魔になると絶滅計画を立てたりする。

虫はわくもんだと思ってる日本人に絶滅計画は立案できない。
ホタルもわくものだから、いなくなって初めて気づいて慌てる。

自分たちも自然の一部。だからあるがままを受け入れる。
そのせいかどうか、日本人は自然に対する認識が少し鈍い。
だってさあ。自然を守るって言葉、なんかしっくり来なくない?
守るもんじゃなくて共生するもんだってやっぱり思ってるんだよね。

現在の日本人には、そもそもの民族的な認識である「じねん」と
明治以降よそからやって来てしっくりこない「しぜん」が混在しているのだった。

そのように考えると、いろいろなことに「なるほど!」と思うのだが、
わたくし的には山梨県の無農薬・無肥料栽培のすもも農家に
10年以上も「あるがまま」と言われ続けていたその意味と本質を、
何一つ理解してなかったことが大きな衝撃であった。

彼はまさに福岡正信さんの言うところの正統派自然農法を実践してたのに、
全く気づかず、はいはい、そーですねー、ヘラヘラ~とか聞いてたのだった。

あああああ。何やってたんだ、自分。
こういうのを「天然」って言うんだろうなあ。
なんちて。このオチもイマイチなのだった。うううう。


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「大豆の種まきから味噌づくりまで」第8回・選別のご報告

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選別した大豆のなかにこんなのがいましたよ。
パカッと笑ってる笑顔の豆に「石岡くん」と命名。みうちゃんがお持ち帰り。



1月20日(日)、脱穀した大豆の選別を行ったです。

6月に種をまいた大豆が、半年の間に95kgに増えたです。
来月は味噌になるです。

味噌にする前に、虫に食われたのや、
病気になったのや、カビたのをより分けて、
ぴかぴか・そうでもない・食べられないの、3つに選別するです。

ってことで、ちまちまとみんなでその作業を行いました。
腰が若干痛くなりましたが、人によって甘かったり厳しかったり、
こういった作業が向いてたり向いてなかったり、
大変楽しく粛々と選別作業は進みましたのです。

次回は、いよいよ味噌の仕込みでございます。
ってことで、わたくしは前日入り。そして宴会を経て、
翌日早朝から大豆を茹で始めることにしております。

ああ、楽しみだなあ。宴会。
あっ、違った。味噌作り。いやいやいやいや。

次回の味噌作りは2月17日(日)でございます。
皆さまぜひご参加くださいませ。

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さて、これがぴかぴかの正品だ。一般的には選別の機械を通して、
まんまるい大粒の豆と小粒のまんまるくない豆とをまず分けるらしいんす。
人間にはそれはムリ~。人によっても基準が違って一律にはなりましぇん。

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これが味噌とかきなこになるB品。っていうかちょっと良くない品。
紫斑病にかかったのとか、しわが寄ってるのとか、ワレてるのとか。
けっこう多かったりするんだよね。エンレイの歩留まり見なかったのは失敗。

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んでこれがダメ品。さちこさんは肥料にするって言ってましたです。
カビ、病気、虫食いなど「食べたくないなあって大豆」という選別基準。
わかりやすいけど、やっぱ人それぞれ。



さて、産地周りが長かったわたくしなのだが、
担当作物は落葉果樹と一般大型野菜のため、
豆については何一つ知らない。

ってことで、10アールあたりの収量や、ロス率などの数字も
頭にぼんやりとしか入っていない。

頼みの綱の北海道の大豆農家に全然連絡が取れなくて(泣)
ブログ更新が遅れに遅れて・・・・・
って書いてたら、今お電話かかってきました(嬉)。

さて、十勝平野でフツーに農薬をまいて大豆を栽培すると、
10アールあたりだいたい280~300kgの収量がある。
ここは豆に向いている土地なので、北海道全体よりも収量はいい。
農薬を全く使わない無農薬栽培では150kg~180kgほど採れる。

わたくしの知り合いの農家の今年度収量は170kg。

去年は天候が良かったため、割合とたくさん採れた。
しかし9月、ものすごく暑くて虫が出たため、虫食いが多く、
選別してみたら正品率が低く、65%位だったらしい。

通常は85~90%が正品。

これは、虫食いも病気もワレもないものの割合である。
この農家は直接取引をしているので補助金はもらっていないが、
一般栽培の人が大豆を栽培したら収入がいくらになるか聞いてみた。

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黙々と選別する人々。腰が痛いとか飽きたとか、
やっぱ向いてないとか、すんごく向いているとか、ほんと人それぞれ。
女衆はにこやかに笑いながら手を動かしてました。やっぱ向いてるんだなあ。

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お昼ごはんにマダム容子が作ってくださった「人参のオリーブオイルあえ」。
うまいのなんのって。人参を海水程度の塩水でゆでた後、オイルであえるだけ。
にんじんの甘みとオリーブオイルの香り。ああワインにも合いそうす。
シンプルな料理ほどおいしいってほんとよね

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本日、かなーり退屈だったみうちゃん。午後は大豆補充係で大活躍。
地味ーな作業だもん。やっぱ退屈なんだよねえ・・・しみじみ。



大豆60kg(1俵)あたり、なんと2,860円が大豆の金額。

ひーーー! ほんとですか! 

安いよね。安すぎる。
大豆作る人がいなくなるのは当たり前なのだ。

そこで民主党キモ入りの戸別所得補償制度が登場する。
その土地の一反当たりの平均収量分が加算されるので、
加算された結果1俵あたり16,000円になる。

採れても採れなくても所得の補償だから平均収量分もらえるの。
えええ、それってさあ、粗放栽培でも作付ときゃもらえるってことよね?
それさあ、税金だよね? それでいいのかなあ。

てなことを一言言いたいけどまあ、それはおいといて。

十勝平野では10アール当たり10万円くらいの売り上げが欲しい。
戸別所得補償されてもそんな金額にはならない。
ちゃんと計算してないけど、全然足りないの。

大豆を作る人は減って当然なのだ。

日本は安い海外産の大豆、しかもGM大豆を大量に輸入しているため、
国産の大豆価格が上がることはおそらく二度とない。
価格競争に負けちゃうもん。当然である。

自国で穀物の自給ができないってのは恐しいことなのだ。
ショッカーどころかGM大豆で日本征服されちゃう可能性だってある。
仮面ライダーもウルトラマンも助けてくれない。
日本の農家と消費者ががんばるしかないのだった。

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この日も石岡はあったかくて、ハウスの中はぽかぽか。
やはし主催者の日ごろの行いが・・・違うか。まあいいけど。
とりあえずこの一年で、雨女を返上したらしいわたくしとさちこさんです。



てな数字を見て、さちこさんの大豆を見てみると、
10アール当たり95kgは「よくやったな!」という数字らしい。
そして歩留まり(青大豆の場合)70%も「いいじゃない!」って数字らしい。

良かったなあ。プロの農家にほめてもらったぞ。
さて、その大豆で来月は味噌だ。ドキドキだよね。

ああ、楽しみだなあ、宴会。じゃなくて味噌作り。
うふ。


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お肉を食べるということ

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黒豚のオスに黒豚の血が半分入ったメスをかけると黒豚75%になります。
そういう豚は黒豚と称して販売してはダメで、黒豚系と言ったりします。
どういうわけか三毛豚ができたりもします。
でもものすごくおいしいの。LWDなんて目じゃないくらい。



わたくしが働いていた某D社の新人研修に、
屠畜場見学というコースがあった。

ほんの一時期やってただけでいつの間にかなくなったので
見学していない同僚も多い。わたくしはラッキーだった。
その後、豚の一生を追いかける取材をさせてもらい、
仙台の屠畜場を見学した。どっちにしても見る運命にあったらしい。

そこでは、電気ショックで気絶した豚がサクッと首を切られ、
血を抜かれて骨付きの肉の塊になっていた。
作業はよどみなく行われ、効率よく粛々と枝肉が出来上がっていく。

初めて見るものばかりでわくわくしたが、
こういう場所でわくわくしてはいけないと考えた。
神妙な顔して、ひたすら命が肉になる場面を見つめた。

そして思った。

スーパーでパックに詰められて売られているお肉は、
誰かが殺してきれいに処理をし、スライスしてくれているのだ。
わたくしたちはその現場を見ることなく、命のかけらを食べている。

それはしあわせなことなのか、不幸なことか。

翌日、養豚農家でちっこい子豚ちゃんをたくさん見た。
ハイヒール履いてるみたいなつま先、ピンク色の鼻、
人が来るとすみっこにかたまり、プギーとか泣くのだ。
かわいくてかわいくて、家に連れて帰りたいくらいだった。

でかい豚もそれなりにかわいかった。
人が入って来ると柵に足をかけて見物する。
豚は好奇心が旺盛で、人なつこいのだと初めて知った。

取材が終わった日、帰りの新幹線でおなかがすいたので、
黒豚焼き肉弁当を食べた。大変うまかった。

わたくしは取材の3日間で、生まれたばかりの豚、大きくなった豚、
屠畜される豚、肉になった豚と料理された豚を見た。
豚の一生とその後を目の当たりにした。

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世界中の人が平均的な日本人と同じ食生活をすると、
2050年には地球が1・64個必要となるって結果が先日公表されてたけど、
今の日本人、実はマリー・アントワネット様状態なのかもしれないね。
※ほんとはあのセリフ彼女が言ったんじゃないらしいんだけど。とりあえず。



どれも形は違うけど、全部豚だ。

かわいい子豚を見た後でも、豚肉を食べることに罪悪感はなかった。
子豚を見たからこそ、大切に食べなくっちゃと思った。
豚はわたくしの血肉になって、わたくしの命になる。
命は「奪う」のではなく「いただいている」のだった。

そう思うと気持ちが落ち着いた。だってヒトは食べなきゃ生きていけない。
そのために他の生物の命を奪ったとしても。だから感謝する。

でも、そういう風に考えない人もいる。

散弾銃所持許可をもらおうと真剣に考えてた時、友人と鹿の話になった。
猟師はその場で鹿をさばかないといけないが、
自分にはそれはできない。だから猟は無理かもと言うと、
彼女はきっぱりと言った。

「あたし、お肉は食べるだけでいいのよね。
だから、鹿を撃ったり解体したりするのは、あたしの仕事じゃない。
その工程は知らなくていいし見なくていい。誰かがやってくれればいい。
あたしはお肉をおいしく食べられればじゅうぶん。そうじゃない?」

う。

そうかなあ。自分はそうじゃない。でもそういう人もいるのだ。
某D社にも、豚肉を買いづらくなるから豚の写真を掲載しないでと言う人がいた。
パックに入ったスライスされたものはいいけど、
生きてる家畜を見ると食べられなくなるからイヤだと言う。

わたくしにはその感覚がわからない。
自分の食べるものがどんなものか、ちゃんと知っておきたい。
命を奪って生きている自分をきちんと見つめたい。

誰かが自分のかわりに家畜を育て食べものにしてくれている。
そのことをいつも忘れないでいたい。

なんて思ってても、自分で獲ってさばいて食べられるものって考えたら、
ヒヨドリやムクドリなんてすばやくてとっても無理そうだし、
せいぜいイワシ・アジがいいところだ。アジだって無理かもしれない。
ひょっとしたらサザエなんかの貝類しか獲れないかもしれない。

こういうの、人間として脆弱なんじゃないのかな。

いつの日か、鶏くらいビシッと絞めて、
平気な顔でカレーでも作りたいわたくしである。


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猟師というお仕事

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藻琴山展望台付近で撃った立派な角のオス鹿。オスは肉にならないけど、
猟師はオスが獲りたい。なので猟期の1月からはオスは一頭、
メスはいくらでも撃っていいと決まっている。メスを撃った方が効率いいからだ。
この写真で気分が悪くなった方は今回は読まない方がお勧めです。



知床に鹿撃ちの見学に行って来た。
見学ですよ、見学。だって銃を持ってないからね。

車で流して鹿を見つけて撃ち、回収で雪にはまって動けなくなり
寒さに凍え、夜は猟師さんと飲んだくれてゲラゲラ笑った3日間。
いろいろなことを考えた3日間であった。

さて、連れてってくださった猟師さんは夏は別の仕事をしている。
その仕事は冬にはお休みになる。
なにしろ道東だ。雪が降りまくり道路は凍り海も凍る。
畑も海も機能しなくなり、人々は夏の間の収入をパチンコに使う。

パチンコばっかしてないで鹿を獲る人。それが猟師。
あれこれうるさい銃所持免許を継続して何十年も持っている、それが猟師。
彼らが冬の間に撃つものは、キツネでもウサギでもなく、鹿だ。
その知床の猟師にいろいろ話を聞いてきた。

んで、鹿。

現在北海道では増え続ける鹿を減らすため猟期を延長している。
以前来た時は11月から1月いっぱいだったが、
今は10月から3月までになったらしい。

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「あそこにいるなあ」「うん、3ついるね」。良く見つけるなあってくらい
遠いとこの鹿を見つけてどうするべかと考える猟師さんたち。
ちなみにわたくしには見えませんでしたよ。

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灌木の中にオス鹿がいたので撃ったけど、木に当たって鹿には当たらず。
外れることも多いんだよね。ゴルゴ13ってスゴイんだなあと感心しきり。
「すごいんだよ、ゴルゴは」と猟師さんも言ってました。いやいや。マジ?

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誰もあるいてないまっしろな雪の地面に、鹿の足跡。
新しいものがあると、このあたりにいるはずという見当をつけて鹿を探す。



鹿による農業関係の被害額は相当な額になる。
日本中で鹿が爆発的に増えており、
狩猟・駆除で減らそうとしているがうまくいっていない。

北海道では、莫大な経費をかけて畑に鹿を入れないよう
山をフェンスでぐるりと囲んでいる。
どんだけフェンス作ったんですか!ってほどそこら中にフェンスがある。
どんだけお金かかったんですか!と言い換えてもいい。

そして冬の間、雪が積もって鹿が柵を乗り越えて壊し、
それを修理したりしてまた経費がかかる。
ううう、それ、全部税金なのよ。悲しいわよね。

鹿の被害だけで頭がくらくらするほどの税金を使ってるのだった。

そこで北海道では猟期を延長した。
さらに、3~4年ほど前からは禁猟区だった知床半島に
計画的な駆除に入っている。当然だが今年も入る。

それでもちっとも鹿は減らない。なぜだろう?
猟師さんに話を聞いてみた。

「そりゃ、増える方が早いからだよね。
メス鹿は繁殖可能になったら必ず1年に1.2頭産むの。
毎年毎年1.2頭ずつ増えて行くわけ。

ハンターは斜里・清里で70人しかいなくて、
そのうちちゃんと猟してる人は10人位。
毎日一人一頭撃ったとしても全然減らないの。
猟師も年寄りが多くなってて若い人増えないし。
ハンターは減り、鹿は増え続けるってことさ」

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2007年に見学した時はドキドキした鹿の解体が、今回は全然平気で驚く自分。
5年の間に「鹿は食べもの」という認識が固まったらしい。
次は解体できるかもしれないなあ。なんちて。ムリムリ~。

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鹿回収を人力で行う同行した女子2名。おばさんは応援。
途中で雪にはまり大変楽しい思いをしたけど、回収した2名は息上がってました。

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スキーで移動して遠くに見えた鹿を撃つこともある。その場合は回収は車を使う。
ロープを鹿にくくりつけ、車で引き揚げるんだけどそれもさあ、大変なわけ。
灌木に角はひっかかるわ、重いわで。だから無線は必携だ。



冬の間、鹿は寒い午前中はどこかでじっとしていて
あったかくなると動いて餌を探し始める。
だいたい11時頃から日が暮れる3時過ぎまでが猟の時間だ。

その間、車であちこち移動して鹿を見つけたら撃つ。
ここにたくさんいるよね!ってとこで勢子を使って追い込んだりもする。

撃った鹿は回収が原則だ。1頭100kgほどもある鹿の回収作業は大変で、
人力ではできない。一人でもできない。だから斜面にいる鹿は狙わない。

大変な手間かけてよっこらしょっと鹿を回収し、内臓を抜いて、
一頭8,000円で業者に引き取ってもらう。8,000円はいい方だ。
モモやロースが傷つくと値段は下がりタダになったりもする。

一日山の中駆けずり回って0円~8,000円。
それでも2頭獲れば採算が合うと猟師は言う。
1頭も獲れないこともある。そういうときは赤字だ。

「狩猟では鹿は減らないなあ。絶対に。
でも一頭30,000円で引き取ってる町があるわけ。そこでは
猟師が真剣に鹿を獲ったから、鹿がいなくなったって聞いたよ。
30,000円なら俺も真剣に獲るよ。
ほんとに鹿を減らすつもりなら、それぐらいやんなきゃ」

お金持ちの趣味のハンターなら獲るだけで楽しいのかもしんないけど、
主な職業は年金暮らしという猟師も多いから、
冬の間の生業と考えると、一定額の報酬が絶対に必要だ。

ガソリン代だってバカにならないし、日当だって4,000円位は欲しい。
弾丸だってタダじゃない。一発500円位する。散弾銃だと600円くらいする。

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北海道では野性動物のために鉛の弾を禁止しており、弾頭は銅だ。
散弾はステンレスでなくてはならない。オジロワシなどが死体を食べて
鉛中毒になるためである。だから弾が高い。実際に見るとちょっとビビるライフルの弾。

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内臓を抜いてあるけど70kgはある鹿をトラックに乗せるのも大変。
内臓はカラス、キツネ、テンなどの冬の間のごちそうになります。
胃の中身はほとんど木の皮だった。山が丸坊主になっちゃうのも無理ない。

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12月16日の大豆イベントで食べた鹿は今回の猟師さんに送ってもらったです。
バンビちゃんだったので臭みが全くなく柔らかかったってことでした。部位はモモ。
猟師さんはもう少し獣臭があった方がうまいというけど、都会人にはたぶん向かない。
最初にどんな鹿を食べるかによって、鹿の印象って変わる気がするなあ。



買うと高いからちきちき手作りする人もいるが、
それでも250円くらいかかる(ライフルの場合)。
そして決められた数以上の弾が必要になったら
地元の警察に申請しなくてはならず、その申請にもお金がかかる。

猟師って仕事は、実は経費がかかる大変な仕事なのだ。
だから、全然増えないで減る一方である。

しかしこの人たちが獲って来た鹿が売れないと、
それはそれで猟師が困ってしまうから、鹿は食べる必要がある。
鹿を食べても鹿は減らないが、猟師を継続する役には立つ。

やっぱり都会人は鹿を食べる必要があるのだ。

これからはフレンチレストランでちょびっとの鹿肉ではなく、
がっつり焼き肉で食べましょう。
狩猟体験を通じていろいろ考えるのもおすすめです。

友人が狩猟体験塾始めました。
「肉食系女子集まれ! 鹿肉の美味しさを知ろう!
女子狩猟体験塾」

2013年2月2日(土)13:30~ 2月3日(日)10:30 1泊2日 
参加費15,000円 長野県佐久市春日温泉「十二館新館」

ご興味ある方はお問い合わせください。
主催・はぐはぐネイチャー 
※ほんたべ日記を見て申し込まれた方は参加費が1割引きになります。


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おっぱいがふくらむお肉とか牛乳の話

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貧乏だった19歳の頃、ラジカセが壊れたので1週間で3万円儲けたくて
バニーガールのバイトしたです。いや勉強になりました。身長が足りなくてしかも
刈り上げでガリガリだったんだけど、人材不足で採用され無事ラジカセゲット。
そういえばこのとき晩ごはんで初めて鹿肉食べたんだった。



2010年、中国で、粉ミルクにホルモン剤が残留していて、
それを飲んだ乳児のおっぱいがふくらんだと新聞で報道された。

おそらく乳牛の乳量を増やすためにえさに混ぜたのだろうが、
農家・メーカーは「そんなもん入れてない」と釈明。
それらの粉ミルクは回収されたらしい。さすがだ。恐ろしいぜ、中国。

でもさあ、その前に確か、むかーしむかし、アメリカ産の牛肉食べて
幼稚園児のおっぱいがふくらんだってなニュースがあったよなあ。
そう思って検索したが、中国の話しか出てこなかった。

うーん。どうしてかしら? わたくしの覚え違い?
それとも夢を見てたのか、自分。

しかし米国産の牛肉にホルモン剤が残留しているのは本当だ。
なぜなら、米国の牛には増体目的でホルモン剤投与が行われているからだ。

こないだ書いたBSEよりも、どっちかというと
このホルモン剤使用の問題の方が大きいと思うんだが、
知ってる人はあんまりいない。

日本は国内の畜産物へのホルモン剤の使用は禁止だが、
米国産牛肉についてはとくに規制を設けずに輸入している。
(残留を調べてるとは思うけど。あんまりニュースにならないよね)

EUはホルモン剤使用には一線を画しており、EU内では禁止。
さらに、米国産牛肉は絶対に輸入しないという強い態度に出ていて、
ずーっとケンカしているけど、ずーっと反対し続けている。

うーん。この違い。どうなのか。
相当な外圧があるんだろうなあ。日本。

さて、なぜホルモン剤を投与するのか。
(ホルモン剤ってエストロゲンらしいんだけどね)
牛にこれを与えると、早く太って肉が柔らかくなるらしい。それは便利だ。
だから米国産の牛肉は柔らかいのよねとか書いてある記事を見た。

うへえ。優位性なのう、これ? マジっすか? と思っちゃったわたくし。

何が問題って、ホルモン剤は肉に残留する可能性がある。
人体にも当然影響を及ぼす。だってエストロゲンだもの。
女の子の生理が早く始まっちゃったり、
おっぱいがふくらんだりする。

また発がん性の疑いも指摘されているのだった。

米国産牛のホルモン剤については、あんまり話題にならない。
皆、BSEのことだけ気にして米国産牛肉を食べてるからだ。
今後30か月齢まで規制が緩和されたら、
BSE安全なら大丈夫よねって皆思うはずだ。

そしてバンバン輸入量は増えて行く。だって安いもんね。
そして外食産業にバンバン流れるのだ。だって安いもんね。

某牛丼店の牛丼食べるのはおっさんばっかだから
まあいっか!ってな話でもなさそうである。
なぜなら、米国産牛肉にはもうひとつ問題がある。
抗生物質にEUや日本並みの規制が設けられていないのだ。

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280円の牛丼の原価っていくらぐらいかな? 薄利多売で100円?
清水の舞台から飛び降りたつもりで120円? 国産米って書いてあるからたぶん古米。
玉ねぎ中国産。牛肉アメリカ産。むう。でもまあ外食ってそんなもんだよね。



実は、人間に使用される抗生物質は
EUと日本では動物には使用できない。
耐性菌が出ると抗生物質が効かなくなるからだ。

だから人さまに迷惑をかけないように規制されているのだが、
アメリカでは規制されてないらしい。
先日の天笠啓祐さんの講演で聞いて驚いた。

アメリカってさあ。どういう国? 

抗生物質の使用目的は、人間と同じで病気の治療だ。
でもね。もうひとつあるの。あまり知られていないんだけど。
しくみがよくわからないのだが、抗生物質を投与すると成長が早まる。
さらに増体率が高くなる。なので成長促進・増体目的でも使用される。

実はこれ、日本でもフツーに行われている。

日本の場合は牛豚鶏が子どもの時、つまり肥育期間ではなく
育成期間と呼ばれる間、あるいは初期にほぼ飼料添加されており、
この飼料から抗生物質を抜いてとか言うと飼料メーカーに嫌がられる。
病気予防と成長促進、一粒で二度おいしい抗生物質添加。

でもこれはちっこい頃だけ。

牛豚鶏が大きくなり、残留の可能性が高まる出荷前なんかには
使っちゃダメだからねという「休薬期間」「使用禁止期間」が
法律でちゃんと決まっている。そこんとこは国産のものならたぶん安心だ。

肉に残留してたら出荷停止だからね。しかも罰則があるからね。
とはいえ、輸入された肉についてはよくわからない。

BSEでようやく出荷再開できたのに「絶対入れちゃダメ!」って部位が
平気で入っていたアメリカの雑さを考えると、
その管理についてははなはだ疑問だ。どうなんだろね。

お肉を食べるってことは命をいただくことでもある。
薬剤を使って雑な感じで育てられた命をいただくのと、
きちんと面倒を見て育てられたものでは、受け取るものが違うだろう。

健康と長生きは別物だよね。ほんと、しみじみ思う今日この頃。
ともあれ「魔法の弾丸・抗生物質」はよく効く魔法のままにしとかないとね。

お父さんたち、ランチにはちみっと気をつけて長生きしてね。


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あけましておめでとうございます。

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2012年のベストショット。「クソ暑い大豆畑のかき氷」
この寒いのに底冷えのする写真ですんません。でもんまかったなあ。
今年も「おいしい」「ほんものの食べもの」をいろいろご紹介していきます!



2012年のことを思い出してみる。

実は10月以降のことしかはっきり覚えていないわたくし。
なぜなら、普通に暮らすのに支障が出るほど貧血がひどくなり
貧血が治った10月まで、うすーい血液と酸素で暮らしていたからだ。

わたくしの貧血は「鉄欠乏性貧血」と言って、
血液中の鉄分が不足して起こるものである。

鉄は赤血球の中にあるヘモグロビンという物質を作る。
鉄が減るとヘモグロビンが減る。ヘモグロビンは酸素を体内に運ぶ。
ヘモグロビン値が下がると、じゅうぶんな酸素が体内に行きわたらなくなる。

その結果何が起こるかと言うと、血色が悪くなり、
唇が紫色になり、あっかんべーをした下まぶたがまっしろになる。

色が白くなったと喜んでいてはいけないのだ。

こうなると身体が酸欠状態になり、心臓に負担がかかるらしい。
酸欠状態の体内に酸素を送ろうと、心臓が過剰に働くためである。
治療をしろと言われていたが、わたくしは病院がキライだ。
ずいぶん前から貧血だったけど放置していたのだった。

だって、ずーーーーっと貧血=酸欠状態だったので、
なだらか~な坂道を上がったり自転車に乗ったりすると息切れがしたり、
心臓がバクバク動くのは当たり前だと思っていた。

日常生活に支障がないから(実はあったんだけど)
平気だと思ってたんだけど、さにあらず。

ごはんを食べると急に眠くなって動けなくなったり、
常時頭痛がし、動悸息切れが激しく、めまい立ちくらみは日常茶飯事、
足のむくみが治らなくなった段階で友人のお医者さんに厳しく警告され、
しぶしぶ病院に行き、鉄剤をもらったのが9月末。

血液中の鉄分が人並みになったのが10月末。

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facebookの部活動「ソフト部」の副部長をやっとります。
今年食べたソフトクリームで一番おいしかったもの。「中洞牧場のソフトクリーム」。
ミルクをふわふわに固めたようなほんとにおいしいソフトクリームでしたあ!



人並みになって初めて、ヒトは多少の坂道では息切れはせず、
自転車に乗ってもなんともないことがわかった。

良くなってみないと自分が悪かったことがわからないのだった。
なんて鈍いんだ、わたくしったら。
自分が鈍感な人間であることも初めて知った。

さらに、酸素が足りなかったせいで脳の活動が低下しており
当時は覚えていたいろんなことが、今ではあまり思い出せない。
ってことで、2012年は何をしてたかはっきり思い出せない年でもある。

でもいろんな人と出会ったことは覚えている。
その出会いが様々なものをもたらしたこともはっきりと思いだせる。

きっとあとで自分の人生を振り返って、
2012年は特別な年だったなあと思うはずだ。
2012年ってそんな年だった。

半分以上覚えてなくても、いい年だったのだ。

さて、そのあいまいな記憶の上に2013年がやってきた。
新しい年に、新しいことが始まりそうな予感がちょびっとだけしてるわたくし。

昨年お会いした全ての人々に、
そしてこのブログを訪問してくださったたくさんの人々に、
2013年、笑顔と幸せが訪れますように。

今年もよろしくお願い致します。


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プロフィール

ほんたべ

Author:ほんたべ
手島奈緒
おいしい食べものをつくる人を紹介したり応援したりしております。ブログをまとめた著書『いでんしくみかえさくもつのないせいかつ』(雷鳥社)『まだまだあった! 知らずに食べてる体を壊す食品』(アスコム)『儲かる「西出式」農法』(さくら舎)など。現在ハンター修行中。

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