ほんたべ農園の収支報告

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今年はナスの本数を増やしたので、ナスが潤沢に供給されとります。
6月中旬に定植したツルムラサキの収穫が始まり、霜がおりる11月まで食べます。
オクラは現在6本生育中。一日2本程度の収穫。おかずにはならないなあ。



「収支」っていうかさあ、そう言えば「収入」はないんだから
(区民農園の野菜は売ってはいけないのだ)
もしかしたら「費用対効果」と言うべきかな。まあ、いいか。

支出の部
 区民農園費用 18,000円(1年11か月分)
 野菜の苗 6,000円(くらい。領収書がどっか行っちゃった)
 野菜の種 600円
 資材 モミガラ・ワラ 無料、モグラ堆肥 4,000円くらい?(忘れちゃった)    
 交通費 モミガラ・ワラを山梨県まで取りに行った2往復分 8,000円

えー、ざっくりだけどこんな感じだ。合計36,600円。
あ、土壌分析費用忘れてた。まあ、いいか。

冬作に使う種は昨年の残りがあるから必要ない。
肥料も一回買えば2年持つ。
この金額をとりあえず12で割ると、今年度は一カ月3,000円だ。

3,000円。・・・3,000円分の野菜ってどれぐらい?

某D社でトマト、ナス、きゅうり、ピーマン、おくら、枝豆
バジルなどを1Pずつ買うと、1回分の注文金額が3,000円位だ。

ってことは全体的にはプラスだ。はー。良かった。

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ここ2週間ほど30度を超える気温の日が多く、
いんげんは「花は咲けども実がつかない状態」に突入。
いつから回復するのかな。てんぷら食べたいよう。

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ハッと気が付いたら根元から脇芽が伸びていて、トマトの花が飛びまくり。
やっぱ生殖成長と栄養成長のバランスがうまくいかないみたい。大玉はとくに。



さて、東京では最近雨が降りまくっており、
早朝水やりをしなくて良くなった。畑バカからは卒業だ。
時折雷が鳴り、稲妻も光りまくり、野菜たちもうれしそうである。

だが、この雨続きでご近所のトマト、きゅうりが枯れ始めた。

ご近所の方々(とくにじいさま)はいつも初期生育は良いのだが、
雨が続くと具合が悪くなる人が多い(畑のね。じいさまではなく)。

来るたびに株元にぱらりと置いてしまう化学肥料のせいか、
とりあえずやみくもに入れてしまう苦土石灰のせいか、
粗大有機物を全く入れないせいか、貧弱な微生物叢のせいか、
そのあたりは不明だ。おそらく全部なのであろう。

彼らは野菜が枯れてきたらあきらめて、さっさと更新してしまうから、
枯れてもとくに痛痒を感じていないようだ。

わたくしのように「この夏はこの畑で採れたものしか食べないんだもんね!」
なんて決意をしてるわけではなく、人さまへのおすそ分けのために
作ってたりする人が多いから、問題ないのだった。

きゅうりが一本枯れただけで焦りまくるわたくしと違い、
「この畑はきゅうりと相性が悪いからね~」の一言で終わりである。

これ、むかーし家庭菜園やってた頃、わたくしもよく言ってた。

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2番手の四葉きゅうりの雌花がつきました。現在着果中。
きゅうりの雌花ってかわいいから好きだなあ。ピンボケですんません。

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四葉ちゃんの葉っぱも上から下まで同じ大きさ。
施肥がうまくいってるってことでしょう。きゅうり祭ももうじきかな。ひゃっほう!



本当は、砂質土壌でもない限り相性がどうたらなんてことはない。
このあたりの土質ならたいがいのものはうまくできるし、
土壌バランスを整えればとりあえずどんなものでもできる。

とくに、西出師匠の教えを受けた後は「相性」なんて言葉は存在しない。
うまくいかないのは、単に技術がないからなのだった。ううううう。

とりあえず、今年初期生育が不良だったこと及び、
現時点でもピーマンがどうしてもうまいことできていないのは、
カルスNCRの4年ものが賞味期限切れだったことと(そりゃそうでしょ)、
モミガラをテキトーに「ま、いっか!」てな感じですき込んだことにある。

ピーマンを定植した部分は実はモミガラと土が半々くらいだった。
「ありー、混ざってないや」と思ったけど「ま、いっか」とそこに植えたのだ。

神様、あの瞬間にわたくしを戻してくださいと言いたいわたくし。
農業とは、年に一度しか経験することができない厳しい仕事だ。
注意一秒、ケガ一生なのである。

まあでも他の野菜がうまいことできてるから気にしない。
来年ちゃんとすればいいのだ。来年同じことしたらバカだけど。
明日は明日の風が吹くのだ。

(なんかしらん最近、思考回路が、某D社時代に担当してた
農家のおっちゃんみたいになってきたな。いいぞいいぞ)

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5月下旬に播種した枝豆がようやく太ってきました。
なつみどりとかいう茶豆系で、すんごく楽しみにしております。

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例年バジルは苗を2本買い、定植と同時にタネもまいて、
苗で購入したものに花がついたら直播きに更新すると言う流れなんだけど、
今年某D社で有機バジルのタネ買ったら発芽率が悪いのなんのって。
んで、タネ取りをしております。これで今年後半と来年のバジルを確保。



途中に何があっても、結果が良ければいいのである。

大事なのは、そのとき起こっている「何か」にちゃんと向き合ったかどうかだ。
向き合ったうえでどうしようもなかったのはしょうがないのだ。

努力しても台風でぶっ飛んだら終わりだもんね。
(う。なんかこの例え、間違ってるような気がするけど、ま、いっか)

あと2カ月。今年は「暑いから今日畑行くのやーめた」とかでサボらず、
ちゃんと3週間に一度追肥して、秋まで自給生活を継続するのだ!

ほんたべ農園収支報告

支出の部 36,600円
収入の部 おいしい野菜と自己満足(プライスレス)



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農薬の散布回数をわかりやすく考えてみた

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ブルーの合羽、目にはゴーグル、鼻と口にはマスク、ビニール手袋、長靴。
真夏のクソ暑い日でも農薬散布は完全防護しないと危険です。
早朝の無風の日。りんご産地ではSSのエンジン音が響き渡ります。
どんなに二日酔いでもその音で目が覚めてたなあ。産地担当時。



「農薬ってさあ、どれ位まいてると思う?」と一般ピープルに聞くと
「3回?」と答える人が、10人中8人はいる。どんな作物でも同じだ。
あとの2人は「わかんなーい」と答える。

「3回ぃ?」と聞くと、死ぬほど考えて「5回?」と答える。
7回でも10回でもなく、必ず5回である。3の次は必ず5である。

これを「一般人が考える農薬散布回数に関する法則」と名付けたわたくし。
とくとくと友人に説明してたら、彼はこう言った。

「人間ってさあ、想像できる数って片手分なんじゃない?
1、2、3、4、5のあとは【いっぱい】なんだよね。きっと」

おお、確かにそうかもしれない。

人が想像できる数は「5」までなのだ。
狩猟採集時代とそんなに変わらないのだ。

さて、農薬の散布回数を3~5回だと思い込んでいれば、
有機野菜の優位性、ましてや特別栽培農産物の優位性など
わかろうはずもない。3回なら別にいいじゃん?って誰しもが思うだろう。

農薬についての消費者の評価は「0」か「それ以外」しかない。
有機農産物が広まらないわけだよね。んで、ちょっと考えてみた。

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農家の高齢化に伴って作業の省力化が図られるのは当然。
除草剤なんかもそのひとつって思うと、しょうがないのかなあって気もする
(ようになりました。某D社退社してからね)
だからこそ除草剤使わずがんばる人たちを応援したいわたくし。



例えば今店頭に並んでいるすんごく高い(らしい)レタスは、
長野県の慣行栽培防除回数では19成分である。

ちなみに農薬ってひとつの農薬に2成分とか入ってることがあって、
そういう場合、その農薬は2とカウントする。
この数は散布回数じゃないから要注意だ。間違えないでね。

19成分。

昨日農業のことを全く知らない人にこの数を言ってみたら、
全然わかんないって顔をしていた。19という数が想像できないのだ。
そりゃそうだよね。数を量に換えて想像するのはとても難しい。

んで今朝、すごくいいことを思いついた。
片手で数えられる数にする方法を発見したのだ。

例えば長野県のレタスの定植は、3月中旬である。
育苗期の農薬ってレタスってどれぐらいまくのかな?

わかんないからそこは無散布って考えて、定植後で計算してみる。

キスジノミハムシ
キスジノミハムシ害は農薬をきちんと使ってる農家にはあんまり関係なくて、
低農薬の人に出ちゃう難防除害虫。やられると商品にならない。
だから基本的には「出る前にたたく」。これ日本の農業の常識です。



まずここから除草剤分の1を引く。残り18である。
だいたい殺虫剤と殺菌剤を一緒にまいたりするので、
18を2で割って9。この9を3月中旬から7月中旬までに散布する。

出荷直前の散布はたぶんしない。また定植前に必ずまいてると考える。
(この防除回数は定植直前の数は含まないらしいから) ってことで、
前後から2週間ひいて、ちょっと乱暴だけど3カ月で9回まくとする。

おお、わかりやすいじゃないか。ひと月に3回だ。
1週間おきに一度まいてるって感じだ。

テキトーに計算したけど、たぶんそんなに間違ってないはずだ。

この要領で計算すると、種まきから45日で出荷できる
チンゲンサイなんかはだいたい6日に1回の農薬散布である。

りんごは5月から8月までの4カ月で14回だから、
ひと月に約3回。10日おきにまいてるってことになる。

1週間~10日おきに農薬をまくんじゃ大変だあ。このクソ暑いのに、
その都度機械洗ったり、合羽着たり脱いだりしなくちゃいけない。
合羽着ないでまいちゃったって人がいるのもうなずける話である。

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農薬バンバカまいてると畑にいる土着天敵も殺しちゃって、
ますます農薬まかないとダメになるんだけど、まかざるを得ない。
虫害が少し出た後に天敵が来てくれるのはいいんだけど、菜っ葉なんかは
初期の虫害だけで商品にならなくなるから、やっぱまかざるを得ない。
こういうの負のスパイラルっていうんだよね。



低農薬栽培をしている人は、これが2週間おきとか、
全く散布しないとかになる。農薬をまく労力はかからないが、
農薬をまかない代わりにいろいろとしなくてはならないことがある。
スペースがないから書けないけど。

だから有機農家は大変なのである。有機野菜は割高なのである。

それにしても、自分で計算しといてちょっと今さらびっくりなんだが、
スーパーに売ってる野菜・果物はもしかして、
ほぼ1週間おきに農薬をまいてるってこと?

むう。農薬メーカーが儲かるわけだよなあ。

こんなにたくさんまかなくていいのになあと思うのだが、
リスク回避のための予防防除という習慣を変えるのは難しい。

変わるには、消費者も流通もJAも農家も変わらなくてはダメなのよね。

世界一農薬をまいてる国からの脱却は、まだまだ先のことである。
※2005年のデータで日本は単位面積当たりの農薬散布量が世界一。
その後も変わってないって話。


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土用だし。うなぎの話

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うなぎから川魚のニオイを取ったら穴子になると思うんだが、
と言ってみたら、夫ちゃんにマジで違うと言われた。なんか違うらしい。
穴子は好きなんだけどな~。いいじゃん、穴子で。



幼いころ我が家では、年に一度だけうなぎが食卓にのぼった。

鳥取生まれのわたくしの家族は全員、
日本海の荒波にもまれたサバとかイワシ、イカ、カレイなどを
日常的に食べており、川魚は全く食べなかった。

というか、川魚は嫌いであった。とくに父が。

しかしなぜか毎年、土用になると唐突にうなぎが出てくる。
家族のだれ一人、うなぎが好きじゃないのに
母は毎年おまじないのように土用にうな丼を作っていた。

大人になって自分で食材を買うようになったら、
ますますうなぎと縁遠くなった。
一生食べなくてもいいと思っていたら、
どういうわけか、うなぎが大好きな男と結婚した。

彼はうなぎを食べない女と結婚したせいで、
多いときで年に2~3度しかうなぎを食べられない。

そもそも好きじゃないから買うことに気づかない。
夏になり、彼が「うなぎ~、うなぎうなぎうなぎ~!!」と叫び出すと、
「おお、そういう魚もいたじゃないか」と思う。んでしぶしぶ買う。

そうしたら、最近うなぎが高いらしい。

ニホンウナギは知らない間に絶滅危惧種になっており、
メディアでは代用品やら何やらでかまびすしい。
わたくし的には全く痛痒を感じない。食べなくても平気だ。
わたくしは、うなぎが嫌いな安上がりな女である。

さて、なぜニホンウナギが高いのか。それは完全養殖ができないからだ。
最初に「養殖できない理由」を知ったのは1998年ごろだ。

稚魚が何を食べているのかわからないから養殖できないと
某D社と取引があった静岡の漁協の人に聞いたのだ。

太平洋のどこかで卵から孵ったニホンウナギの稚魚は、
暖流に乗って日本に来る。
寒流にはプランクトンがたくさんいるが、暖流にはいない。
彼らは共食いをしているのではないかと思われているという話だった。

共食いするんじゃ大変だよなあ。うなぎ、さすがにワイルドだぜえ。

次に聞いたのは2007年ごろのことであった。
ニホンウナギはマリアナ海溝のあたりで産卵しており、
その後、稚魚をつかまえて食べているものを調べたら
稚魚はある種のホヤの排泄物を食べているらしいことがわかった。

ホヤの排泄物。どんなものなのか不明だ。
その後調査が進んでいるのかどうかも不明だ。

最近、ニホンウナギの養殖が成功しそう的な報道を何度か見たが、
だいたいそれっきりなので、やはり難しいのであろう。
水産業界の方々にはがんばっていただきたいものである。

いずれにしても、日本の川で収獲され高値で取引される稚魚は、
大変な苦労をしてマリアナ海溝くんだりから日本に来ているのだ。
すげえなあ、ニホンウナギ。そんな苦労をして遡上するときに
がっつり捕まるのだから、稚魚にはいい迷惑である。

さて、収獲後は養殖だ。うなぎの養殖にはイヤな話がたくさんある。

密飼いで病気が発生しやすいため抗生物質が餌に添加されてるとか、
生きた魚ではない何かの飼料を食べてるのでおいしくないとか、
急激に生育しているため肉がぐずぐずで柔らかいとか、そういう話だ。

某D社で扱っていたうなぎは、抗生物質は添加しておらず、
四万十川のきれいな伏流水を使い、池に炭を埋め込んであり、
タレも伝統的な調味料を使ってあるので当然だが高かった。

10年くらい前に1尾1,300円くらいした。去年は1,900円ほどだったかな。
そうしたら今年は注文書から消えてしまった。おいしかったのになあ。
わたくしは某D社のうなぎだけは食べることができたのだ。

しかし今やスーパーのうなぎがそれぐらいするのだから驚きだ。
うなぎはチョー高級魚になってしまったらしい。

いつの日か、うなぎは特別な日のごちそうになる。

わたくしの家族のように、日本国民全員が土用にだけ、
おまじないでうなぎを食べるようになる日は近いかもしれない。

追記・うなぎの完全養殖9割成功という記事が7/24の産経新聞に出てました。
これで絶滅危惧種から外れるといいですね。


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手づくりのしあわせ

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うっ、やっぱりうまいこと染まらなかった~(泣)。
しそジュース作りたいからってケチったのがまずかった~。
でも今までになくやわらかい梅干しになっとります。うひひ。



例えば、梅干しを作るとき。

前の日から部屋中に梅の芳香が漂っている。
その香りを胸一杯に吸い込みながら梅の重量を計り、
20%で計算して、塩を計る。

梅の重量はだいたいいつもきちんと計れない。
家の秤が1kgまでで、ボウルが450gあるから、500gを何度も計り、
途中で何回更新したかわからなくなったりする。

容器を熱湯消毒し、焼酎でざっと拭いてから、
きいろいふくふくとした梅を、一個ずつ容器に入れていく。

きちきちと隙間なく入れ、塩を振り、今年はどれぐらいで
梅酢が上がって来るかなーと考える。
重石は7kgと14kgの石しかない。何で代用しようか考える。

2日ほどして梅酢が上がって来るとようやくほっとする。
今年もカビは生えなかった。よかったなあと思う。

何も考えずに梅を漬けているようだけど、毎年違う。
梅の色合いや香りや品種、塩の銘柄、あれこれ考える。
一度として同じものにはならない。その不思議。

うまく漬かって土用干しをする日のことを考えて、
赤じそが出てくる頃まで梅干しの存在を忘れる。

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柔らかいのはもとの梅がここまで熟してたから。
ちょっと部屋に置きすぎてどんどん黄色くなっちゃった。
自然農法の実生でなぜか無肥料なのに大玉になる梅。いい香りがします。

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んで当然なのですが、皮が破れました(泣)。これ試食用。
おいしそうだな―。



例えば赤じそを入れるとき。

毎回塩もみしてるときに出るどす黒い液体に辟易する。
この色がほんとうにあの深紅になるんだろうかと心配だ。

ボウルに一杯あったものが、ソフトボール位の大きさになり、
「いつもこうだったっけ?」と毎回思う。毎回前のことを忘れている。

そのソフトボールに、梅酢をざっとかける。
見る見るうちに赤く染まる梅酢。魔法使いが杖を振ったみたい。
毎回この瞬間にわくわくする。この瞬間を見るのが好きだ。
梅干しを漬ける喜びってこういうことだよなあと思う。

赤じそをほぐして梅の上に乗せ、ちゃんと色がつくかどうか心配だ。
何日かすると真っ赤になっててようやく安心する。

例えば土用干しするとき。

梅干しはもう、すごく大切なものになっている。
漬けてから見守って来た時間が梅干しの上にのっかっている。
失敗は許されないという厳しい気持ちになっていて、
ざるに並べるときには緊張する。

毎回全部並ばなかったらどうしようと心配になるが、
だいたいいつもきちんと並ぶ。
カラスに食われたらどうしようとも思うが、
梅干しを食うカラスはいない。

ベランダが梅酢の香りでいっぱいになり、
おひさまが梅を乾かしてくれるのを待つ。

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すももジャムも久しぶりに作った今年。色がきれいだなあ。
こういう色を見ながら作ってると元気になるよね。ジャムというかソースにしました。
夏バテ防止に炭酸割で飲んでおります。

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梅干し用のしそをケチってジュース作りました。
来年の花粉症用です。りんご酢を入れた瞬間に色が変わるのを見るのが好き。
これに梅ジュース入れて飲むとサイコーにおいしいです。



ほんのり乾いたあたりで一個二個つまみ食いをする。
おひさまであったまった梅干しは、いつでもすごくおいしい。
干し上がったものとは全然違う味。この瞬間しか味わえない味だ。

出かけるときには雨が降らないように祈り、
夜露にあてた方が柔らかくなるってのはほんとうだろうかと
毎回考えるが、一度もあてたことはない。

そうして3日経つともう、立派な梅干しの顔になっている。
きちんとびんに入れて、また梅干しの存在を忘れる。

6月中旬から7月中旬まで、一カ月のうち、作業するのは5日間。
たった5日だけど贅沢な時間だ。

どんなに忙しくっても、梅干しを漬けるのは楽しい。
毎回何か発見があり、新しい体験をする。
そうしてすこーしだけ、その経験が自分の人生を豊かにする。
それらと一緒に、わたしは年を取っていく。

手づくりするってことは、そのものが与えてくれる
全ての喜びを受け取れるってことだ。
それは小さな喜びかもしれないけど、あった方が楽しい。
そういうものがない人生って、なんとなくつまらない気がする。

シソジュース用に赤じそケチったせいでちょっと赤みが足りないけど、
すごくやわらかくておいしそうな梅干しになりました。


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7月のほんたべ農園

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初オクラの花~。今年は何月まで採れるかな。


暑いすね。
雨が降らないので2~3日おきに水やりに行っております。

区民農園には水道があるので、東京水をやります。
東京水がなにかとても素晴らしいかと言うとそんなことはなく
フツーに粛々と育っております。

でも、ここいらで雨がざっと降ると畑の様子がちょっと変わる。

なんでかっていうと、雨って空気中の窒素を固定しつつ
落っこちてくるらしいのよね。むかーしかんばつの年に
「どんなに水やっても雨にはかなわない」とりんご農家が言ってたが、
ほんとにその通りなのである。

水道水をちゃんとやってるのになぜか青息吐息の野菜が
一雨降っただけでピカピカになり、青々としてくる。
なんだか知らないけど、急にでかくなってることもある。

稲妻でも光ろうもんなら、チッソが固定されて
たぶんもっとイキイキするんじゃないだろうか、とか思って、
最近は雷が鳴るとウキウキするようになった(家の中でね)。

てな感じで、暑くて眠れなくて早く目が覚めるしで、
最近は5:30頃に畑に向かっては水やりし、水を飲んでるはずなのに、
熱中症気味になって帰って来るってのが日課になっている。

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今年もジュースのために赤ジソ植えました。花粉症に効くのです。
梅干しにも使いました。ジュース優先でケチったのでうまく色着かないかも(泣)。
なんかすんごい「やった感」がしているわたくし(自画自賛)。



「あ、これ畑バカ一代じゃないの?」と久しぶりに思うわたくし。

去年の今頃はド貧血で、何してたか全く記憶がなくて、
単純に比較はできないけど、今年はちょっとやってる感があるのだった。
だからと言って愛しすぎているわけではなくて、
適度に粛々とやっており、野菜も適度に粛々と育っている。

いつものことで、最初の肥料が足りなくて初期生育が悪かったが、
追肥したら2日間ほど雨が続いたせいか、ナスが調子良くなってきた。
そしてなんだかアホほど採れ始めた。幸せなわたくし。

きゅうりは3本のうち1本がセンチュウ害で枯れ、
さらにその隣に植えてた一本が同様にダメになりつつあり、
2番手の成長を待っている状態。

だがセンチュウ害の及んでいない残りの1本はすごく元気で、
次々に脇芽を伸ばしてはきゅうりをならしている。

師匠・西出先生が言ってた通りで、
「樹が元気な限り未来永劫採れる」って感じだ。
ということで、このきゅうりに長生きしてもらわねばなるまい。

きゅうりとトマトになんとなく病気っぽいものが出ているが、
今年は病気対策の資材も作らず、ただ見ている状態である。

とうとう愛しすぎる女から卒業だ。人って進歩するものなのね。

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全体的に緑色が薄いのよね。この黄色いの、病気だと思うけど、
まだ調べてない。菌核とかだと気が重くなるから。
チッソが足りない気がするので、一昨日追肥しました。



さて、ご近所の方々の野菜類はいつもながら生育が非常に良い。
樹は大きくなるし、いつ行っても収穫できてるような気がする。

やっぱり化学肥料ってすごいのである。株元にパラパラとまくだけで、
トマトは鈴なりになり、きゅうりの葉は天狗のうちわのようだ。

うちのきゅうりの葉は花火の時にもらえる丸いうちわより小さく、
こぢんまりしててかわいらしい。緑色もちょっと薄い。

しかし、人と比べてどうとかあまり気にしない性格なので気にならない。

追肥のモグラ堆肥は効くのにちょっと時間がかかるけど、それもまた良し。
たくさん採れないのはちょっと悲しいけど、
量的な欲(収量)よりも質的な欲(味)の方が勝っているので、それも良し。

(ここまで書いて量と質を追求するのが師匠の教えだと思い直した。
弟子失格である。ううう。まあ、草を取らない下農だし。その時点で失格だ)

そう言えば、先日読んだ野菜の流通の人が書いた本に
「有機野菜の方がおいしいって本気で思ってる人がいる」
という一文を見つけた。おお、刺激的。

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2日にいっぺん、いんげんが3~4本採れるんですけど、
なんかこう中途半端なのよね~。いんげんってそんなに好きじゃないけど、
自分で作るとすんごくおいしいのよね。買うのと味が違うのは鮮度のせい?



「有機質肥料を使うとおいしくなる理由」は理屈をこねられるけど、
「有機質肥料を与えたもの」と「有機野菜」は同じものではないから、
「有機野菜」ってひとくくりに言ってしまうのがよくないのかもしれない。

でもおいしいとかまずいとかは主観だしなあ。
その人が何食べて来たかにも左右される。
ひとつのトマトを食べても100人いたら100人の受け止め方がある。

「おいしい」の評価はとっても難しいのよね。

昨日は久しぶりに雨が降った。
最近雨が降ると「空からチッソが降って来た!」とウキウキする。
今日のほんたべ農園の野菜はきっとうれしそうにしているだろう。

さて、お昼ごはんに食べるナスを採りに行こうかな。
今日はナスの味噌炒めを作るのだ。とろけるような幸せの味だ。


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森のそばに住んでいる魔女が作るジャムの話

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ジャムのなかでも桃のジャムってのはなにか特別な食べものって気がする。
生で食べてもおいしいのに、それがジャムになってるなんて! ってな感じ?
ともあれ、魔女の作る桃ジャムは、かなーり特別な一品ですよ



20代のころ、ずっと思い描いていた夢があった。
某D社に入社したのは、実はこの夢を実現するのが目的であった。

入社したら仕事が楽しくなってたちまち忘れ、
飲んだくれて腹周りの脂肪とともにいろんな知恵がつき
そんな夢があったことすら忘れていた。

小さな森の近くに家を建て、5畝くらいの小さな畑で
自分の食べるものを作り、畑の周りにりんごと梅と杏とゆずの樹を植え、
鶏と山羊を飼って暮らすという、ふわふわした夢。

山羊乳が飲めないことがわかったから山羊は飼わないとか
杏とゆずは同じ場所で栽培できるのかとか授粉樹がどうとか
米の自給はどうしようとかご近所づきあいとか、
知恵がついてきたらできることできないことがわかってきて、
なんとなくもうふんわりとした夢ではなくなってしまった。

夢は夢だからいいのかもなとか思う大人のわたくしである。

しかしこの暮らしを実践している人がいる。
錦町で桃を栽培している錦自然農園の内布さんちに行って来た。

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普通の鍋じゃなくて熱伝導率の高い銅のお鍋でジャムづくり。
ジャムを作っている間に癒されてるというえみこさん。
やっぱなにかの魔法がかかってるのでは?と思ってしまうなあ。



内布とものりさんとえみこさんご夫婦は、
いちごと桃、ぶどうと柿を低農薬で栽培している。
わたくしのブログでもご紹介している道法正徳さんの切り上げ剪定を
落葉果樹で実践し、無農薬無肥料栽培を目指している。

切り上げ剪定を始めて3年目に入り、桃の樹も味も
以前とは全然違うものになったとえみこさんは言う。
果樹類は何かを始めると、変わるまでに3年かかる。
というか、3年経たないとそれ以前の影響がなくならないと言ってもいい。

桃の味が変わり、畑の様子も変わる、それが実感できるのに3年。
果樹栽培とは気が長くないとできないものなのである。

そしてその実感が得られているのは素晴らしいことなのである。
この後は変わっていくだけだ。変えたことが全部実になる。
この先には楽しみしかないんだろうなと思う。

さて、えみこさんは、商品にならないいちごや桃、
近隣の森で採れたベリーでジャムを作る。
商品にならない柿で酢を作る。味噌や麹も自分で作る。
それらは時折えみこさんが主に書いているブログで紹介されている。

えみこさんが作るジャムの加工場は、とものりさんが自分で建てた。

どころかとものりさんの両親と4人で住んでいる家も自分で建てている。
2階部分はまだ未完成だが、ゆっくりと完成に向かっている。
とくに焦っていないようだ。できるときにやっているのだろう。

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内布ご夫妻。後ろに写っているおうちがとものりさん手づくりの家。
なんだか風がすうすう通る気持ちのよい家でしたよ。

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えみこさんのジャムその他手づくり農産加工品の加工場。
これをサクサク作ってしまうとものりさんがスゴイ。

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ばんごはんにいただいたのは落ち鮎。おなかにパンパンに卵が詰まってます。
東京で買ったらチョー高級品。お客様が来ると言ったら、ご近所の方が
「これ食べたら?」と持ってきてくださったとか。なんと豊かな暮らしなのだ。
鮎だーいすきなわたくしとしては、うらやましい限りでございます。



家のそばには川が流れ、
ただごとならぬ雰囲気を醸し出している森がある。

東北や九州にはそういう森や山がときおりあるけど、
まさにその「なにか」人智の及ばないものがいる森が
彼女に季節ごとの恵みを与えてくれる。

竹の子やその他の山菜、木いちごを採り、隣人からは
鹿やイノシシの肉、川で捕れた魚のおすそわけがある。
「お金にそんなに頓着しなくても、食べるものはたくさんあるから」
えみこさんは笑う。

大雨の後、桃に病気が出てほとんどダメになったり、
予定通りに出荷できなかったり、
果樹を栽培していればいろんなことがある。

でもなんとかなるよねと思えるのは、
日々、自分の周りのものでまかなうことができる暮らし、
必要以上のものを持たなくても、そこにあるもので
じゅうぶんに幸せな暮らしができるからだと思う。

あれー? これ、わたくしの夢だったんじゃないの?

熊本から東京に帰り、お二人をどう紹介しようかなと考えていて、
ふと気づいた。わたくしは全く気づかず、
自分が夢見ていた暮らしを実現している人に会っていたのだった。

momojam_pan.jpg
カッテージチーズやクリームチーズとの相性も抜群の桃ジャム。
ふわふわパンじゃちょっと物足りない。やっぱどっしりした全粒粉パンだよね。
桃ジャムのパワーを受け止めて、さらにおいしくしてくれるのは。



「西の魔女が死んだ」という映画がある。

えみこさんは東京で働いている時、
この主人公の祖母に似ていると言われていたそうだ。

今、彼女はその「西の魔女」に似た暮らしをしている。
彼女自身が西の魔女になってしまったかのようだ。

えみこさんの作る桃やきいちごのジャムにはきっと
魔女の魔法がかかっているだろう。

少しパワーが欲しい時、えみこさんのジャムを食べる。

ジャムには森の原始的で濃密な力、えみこさんの周りに集まっている
「なにかいいもの」が詰まっている。からだのなかにそれが入って来る。

食べて元気になるくだもの、手づくりのジャムやお酢。いいなあ。

自然の風ではなく、エアコンの風を全身に受けて
PCの前に座ってバチバチキーボード叩いてる自分としては、
そういうものを作ることができるえみこさんがうらやましいのである。

魔女の作る桃ジャムはこちらから
http://www.fruitshop.jp/SHOP/c-momo.html

momojam_1.jpg

錦自然農園のブログ「おいしい果実ができるまで」
http://nishikifruits.blog16.fc2.com/


追記・オズの国の西の魔女は実は悪い魔女。
あの映画、なぜサチ・パーカーはいい魔女グリンダではなく
西の魔女なのだろうか。ずっと疑問に思っているのだが、
どこを見てもその理由は書いてない。オズは関係ないのかしら。
※桃ジャムなどの写真はえみこさんに提供していただきました。


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プロフィール

ほんたべ

Author:ほんたべ
手島奈緒
おいしい食べものをつくる人を紹介したり応援したりしております。ブログをまとめた著書『いでんしくみかえさくもつのないせいかつ』(雷鳥社)『まだまだあった! 知らずに食べてる体を壊す食品』(アスコム)『儲かる「西出式」農法』(さくら舎)など。現在ハンター修行中。

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