ほんとうにおいしいものはお店で買えない

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先日北海道の大作農園さんに行ってきました。んでミニトマトいただきました。
トマトが苦手な夫が次々に口に放り込むほどおいしくって、糖度はなんと8度。
おいしいものの威力ってすごいなーと今さら実感。
(写真提供・大作農園さん→http://kimusaku.blog39.fc2.com/)
センスのいい写真じゃありませんか。訪問記は後日UPの予定です。



『いでんしくみかえさくもつのないせいかつ』が無事上梓され、
第二弾にとりかかることになったです。

仮タイトルは『ほんとうにおいしいものはお店で買えない』。

おお、なんか刺激的なタイトルじゃありませんか?
ってことで、章立てのために過去のブログを読み返しております。
んでちょっと稚拙な部分とか見つけてうひーとか思ったりしております。

このブログを始めた頃は、某D社をやめてまだ一年。

それほど時間が経ってなかったこともあり、
文章は「です・ます」調で堅苦しく、しかもなんか知らん上から目線で、
読み返すほどに「ひー、やめてー」って感じでこっ恥ずかしい。

何か「早く伝えなくては!」と気負っていたのでありましょう。
今は年とって適度に空気が抜けて自分的にはいい感じであります。

さて、何年か経ち、某D社から完全に卒業してみると、
世の人々は他のことで忙しく、食べもののことなど
そんなに気にしている暇はないってことがわかってきた。

おおむね人々は、どんな野菜や果物にも農薬は3回しかまいてなくて、
ミツバチを殺すらしい「ネオニコチノイド系農薬」だけが悪だと思ってたり、
遺伝子組み換え食品もほとんど排除できてると思ってたり、
食品添加物よりも放射能の方が心配だったりする。

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桃ってデリケートな作物ですよね。触るとそこが茶色くなっちゃったりして。
そんな作物が畑から市場、店を経て手元に届くまできれいなのって
冷静に考えたらおかしくない? なんで?って思ったことない?



確かにお店で売られているものは数々の法律をクリアしていて
基本的には「安全」である。食品衛生法も遵守して、
農薬取締法もクリア! 全然OK! だからこそ売ることができる。

さてしかし。
「それはおいしいですか?」と聞かれたら?

人は自分が食べているものは基本的においしいと思っているため、
そういうことをあまり疑問に思わないってのは某D社時代に学習した。
わたしの食べているものとあなたの食べてるものは違うけど、
人は同じものを食べていると思っている。そういうものだ。

それでもびっくりするぐらいおいしいものは存在して
食べてみて本当に驚いて、意識が変わることもある。
しかしそういうものはスーパーでは売られていないことが多い。

えええ? どうして? なぜですか?

食味は作り手の技術によるもので、栽培方法はあまり関係ない。
慣行栽培でも有機栽培でもおいしいものを作る人はいる。
有機農業関係者の方が絶対数は多いのは確かだが(当社比)、
有機農業やっててもおいしくないものを作る人だっている。

味の濃いおいしい作物を作る人は、人より努力した技術のある人である。

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例えば卵が昭和の時代からずーーーーっと同じ価格なのはなぜ?
卵が安いのはあたりまえじゃなくて、どこかにムリさせてるってことだとしたら。
それが消費者には知られたくないことだったとしたら。



さて、わたくしたちがスーパーで買うものは、卸市場からやって来る。
市場が直接買い上げているものと、JAから来るものがあるが、
基本的においしいものを作る人の作物はそのフィールドには出てこない。

彼らの作物はすでに販売先が決まっていることが多くて
そこに直接売られる、あるいは自分で売る。
だって、「おいしい」っていう付加価値商品が他の物と同列に扱われちゃうと
努力の甲斐がなくなるもん。当然よね。米なんかとくにそうだ。

果物はそういう傾向が特に顕著な作物で、
おいしいものが食べたければ農家直売の贈答品を買った方がいい。

直売は中間流通を入れないから売上が全部自分のものになる。
農家は直売で売れたほうがうれしい。さらに、おいしいものを送らないと
お客さんが離れていっちゃうから、いいものを選んで送る。
それ以外のものが相場に左右されるJAに出荷されてたりする。

まあ、経営判断としては当たり前だ。自分が農家でもそうする。

なんてことを考えると、スーパーに売ってるものは
プレミアがついてるもの以外は、それなりのものでしかなくて、
最大公約数の栽培方法で最大公約数の味のものが多いのだった。
(最近プレミアも偽装とかあるから信じられないけど)

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りんごが赤いのはあたりまえなんじゃなくて、消費者が、
そして市場が赤いものを求めているからって意外と知られてない事実。
赤くなくてもおいしければいいと思うけど、赤くないと売れないのも事実。



食べものの価値は現在、「価格」というものさしではかられていることが多く、
「おいしい」という評価軸をそこに設定するのは難しい。
それは市場と消費者が「価格」を優先しているからでもある。

わたくしたちがお店で買えるものは市場がすでに選択しており、
自由に選べるようでいて実は限られたものしか買えない。

たとえば売り場でまっかに色づいているおいしそうなトマトは、
畑でもぐときはまだ青かったりする。出荷時の規格がそうなってるからだ。
市場では、完熟のおいしさよりも棚で長持ちすることが優先される。

そんなことをわたくしたちは全く知らされていない。
わたくしたちは、食べものを作っている現場をほんとうに知らないのだ。

なので、『ほんとうにおいしいものはお店で買えない』で
食べものがどのように作られているのかを書こうと思っておるのです。

ってことで、これからがんばります。


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「種子が消えれば食べものも消える。そして君も」

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日本には明治時代稲の品種が4000品種あった。現在では300品種。
ここ100数年の間に3700品種が失われたということだ。しかしこの数字は
他所の国と比較すると穏やかな数字だという。
他国では急速に多様性が失われている。



「生物多様性と農業開発」という講演を聞いてきた。
タイトルの言葉はその講演で聞いたベント・スコウマンという植物学者の言葉である。

例えばわたくしの手に大豆が10粒あったとする。
この10粒が、この世に存在するとある品種の最後の10粒だったとする。
これを食べてしまうと10粒分の大豆にしかならない。
さらにこの大豆の品種はこの世から永久に失われる。

おお、大変だ!

しかし畑に植えると何十倍にもなり、後の世代に伝えることができる。

世界中の農家がこうしてタネ=品種をつないできた。
タネは個々の農家の保護に依存してきた非常に脆弱な存在なのだった。
そして貴重な遺伝資源であるにも関わらず、きちんと保護されて来なかった。

その結果、近代農業の効率化、主に高品質品種・ハイブリッド種の開発により、
現在ものすごい速度で昔からあるタネが失われつつある。
その危機感は一般の消費者はほとんど感じていない。

それはわたくしたちが「与えられるものしか食べていない」からでもある。

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例えば豆類はひとつのタネからものすごい数の豆をならせることができる。
しかしタネを植えて実がなるまで待っていられない飢えた人たちにとっては、
豆は今食べなくてはならないただの豆だ。
栽培できるというのは幸せなことなのだった。



消費者が日常生活でタネについて考える機会はそれほどない。

わたくしたちは、誰かが畑にまいて育てて収穫し、
誰かがきれいにパックしてくれたものをスーパーで買って食べる。

ブランド野菜でもない限り、品種なんてあんまり気にしない。
だって、大根は大根だもん。名前なんてあったんだあ、へー。ってな感じだ。

わたくしたちは、スーパーで野菜を吟味して選んでいるつもりでも
スーパーには「これなら売れる」と市場が考えているものしか置いてない。
実は消費者には選択の自由はない。市場がすでに選択しているからだ。

農家も同じだ。ほとんどの農家が、JAや市場が必要とするものしか作れないのだ。

わたくしたちの食べものは、市場が欲するもので決まっている。
そう考えると自由だと思っていた選択が非常に限られたものだとわかる。

実はわたくしたちは、与えられたものだけ食べている、
家畜のような存在なのかもしれない。

もしかしたら、市場と種子メーカーの家畜なのかもしれないのだった。

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タネを採り、優れたものを選抜する技術というのは
属人性の高い作業でマニュアルが存在しない。意外と農家のかあちゃんの
専売特許だったりする。昨今ではその技術の継承も危ぶまれている。



2008年の世界の主要種子企業売上高は以下のようなものだ。

1位 モンサント(米国)
2位 デュポン(米国)
3位 シンジェンタ(スイス)

「タネを支配するものは世界を支配する」と言われる。

穀物の種子市場を席巻している上記の3社は、
GM作物を開発している会社だ。言葉通り、世界を支配しつつある。

植物の新品種の保護に関する国際条約という国際条約がある。
http://www.hinsyu.maff.go.jp/act/upov/upov1.html

非常に複雑で一度読んだだけではわからないのだが、
1978年条約と1991年条約では保護されている品種の条件が違い、
1991年以降に加入した国では保護された品種について自家採種が制限される。
(日本は1978年以前に加入。なのであまり制限されていない)

この条約に現在アフリカの各国が加入しつつあるらしい。ということは、
アフリカではそのうちかなりの品種の自家採種が制限されることになる。
そして上記穀物メジャー3社は今、アフリカでビジネスを始めようとしているのだ。

すでに世界は支配されつつある。

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小さなタネから出たこの芽が土と雨とお日様だけで野菜になる不思議。
そして実をつける不思議。菜園をしていると毎回感動する自然のしくみだ。
そういうの、みんなもっと身近に感じるべきかもしれないね。



さて、作りやすく収量のいいハイブリッド種(F1)が開発されるまでは
農家は自分の畑でできた野菜のタネを自分で採っていた。
自家採種することで翌年のタネを確保し、たまに農家同士で交換はしても
タネを買うことはめったになかった。

今では農家は自家採種をすることは稀で、タネやでタネを買う。
F1は品質も収量もよく、形もバッチリ揃うし病気にも強かったりして、
作りにくくて収量が悪い在来品種を作るより儲かる。

在来種が評価されているのは主に都市部の話で、
ローカルエリアであえて在来種を栽培する農家は少数派だ。

そうしてタネの多様性はますます失われつつある。
この流れを押しとどめることは可能なのかな?

日本では自家採種を禁じられている品目が81品目ある。
ほとんどが花き類で、野菜はほんの少し。ってか知らない品種ばっかだ。
http://www.hinsyu.maff.go.jp/pvr/pamphlet/060801jikazousyoku.pdf
日本では自家採種はほぼ制限されていないと言ってもいい。

さらに日本は、自家採種を行う農業者の権利を認めた国際条約
「食料・農業植物遺伝資源条約」に加入することになった。
http://www.mofa.go.jp/mofaj/files/000003621.pdf
2013年10月28日からこの条約は有効になる。

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実は自家採種するには土地がないと難しかったりする。
なにしろその作物の収穫が終了してからでないとタネはできない。
畑の隅っこという土地に余裕のある人じゃないとできないのだった。
15平米の区民農園では絶対にタネ採りなんてできないのだった。



TPP交渉が進むなか、これに加入した意味は大きい。
日本の農家の自家採種を禁じることはできなくなる。
(アメリカは現在この条約を締結中)

タネはその国独自の貴重な遺伝資源であるにも関わらず、
農家という非常にローカルな存在に依存している脆弱なものでもある。

タネがある限り食べものは栽培できるが、無くなれば何も残らない。
タイトルの言葉通り食べものは失われ、わたくしたちは飢えることになる。

消費者にできることはほとんどないのだけれど、
そんなあたりまえのことをもう一度考えてみたほうがいいかもしれない。
日々の選択をもう少し注意深くしたほうがいいかもしれない。

失われてからでは遅いのだから。


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本、できました。

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遺伝子組み換え「反対」でも「いらない」でもなく「ない」生活。
ってのがミソだと思っております。あるようでないタイトル。
デザイナーの方がつけてくださったです。
文字の部品が組み換えられております。グッと来るじゃありませんか!



ほんたべ日記で昨年の4月にチャレンジした、
NON-GMO生活の体験が本になったです。

そのまま本にしたわけではなくて、いろいろ書き足したです。
古いデータとか、間違いとか、いろいろ修正もきちんとしたです。

編集者が「見たこともない楽しい本にしましょう!」とおっしゃるので、
2色刷りでイラスト・図版満載、一日ごとの日記形式でA5横判になったです。

「本屋さんに置きにくいかもなあ」とできあがったものを見て思ったです。

これを読むと、日本の食料・穀物自給率がなぜそんなに少ないのかとか、
GM作物を輸入する理由とか、実は使ってないメーカーがあるとか、
すんごく使われてるのに食べてないと思い込んでる人が多い理由とか、
遺伝子組み換え食品についてあれこれあれこれよくわかると思うです。

そのように書きました。

イラストを31枚フォトショップで書き起こしたり、データ調査したり、
図版の原案やそのデータ拾ってきたり、メーカーに電話したりメールしたり、
あれこれあれこれなんだかんだなんだかんだやって、
ようやく本が一冊出来ました。

やったー!

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約1週間おきに図版が見開きで入っております。
非常に興味深い内容で、作った自分が驚いております。
なんちて、自画自賛。



ということで、今週末あたりから関東近県の一部の書店で
販売されるでしょう。でもほとんどの書店に置かれないと思います。
Amazonで調べてみたけど、まだ載ってません。
無名の著者の著書ですから、一生載らないかもしれません。ううううう。

「読んでみよう!」と思っていただいた皆様、申し訳ないのですが、
もしかしたら、書店でご注文いただくしか方法がないかもです。
とくに地方では。つまり鳥取ではとくに。ううううう。

わたくしの故郷、鳥取の皆様、すみません。

さて、無名な著者の本であるわたくしの本ですが、
30Pの冒頭の本文が1行抜けているというDTP上の恐ろしいミスがあり、
おそらく正誤表が30Pかどこかにはさんであるか、
シールがちみっと貼ってあると思うです。すみません。

そんな本ですが、かわいい本なのでぜひ一冊お手元にどうぞ。

書店でご注文される方は本屋さんに以下のようにお伝えください。
友人が注文したら「絶対に絶対にキャンセルしちゃダメだからね」と
言われたと申しておりました。
キャンセルすると何か大変なことがあるのかしらといろいろ妄想しています。

「いでんしくみかえさくもつのないせいかつ」
雷鳥社刊・手島奈緒著 1,200円


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1日につき1イラスト書いております。んもー、フォトショ使うの初めてで、
イラストレーターの方々ってすごいなーと思った次第です。
本文と、下段に注釈が入っております。小技が効いてるって感じ?



以下、目次でございます。

はじめに
絵で見るNON-GMO生活 GM由来の食材を取り除いてみると


DAY1 食べられるもの・食べられないもの
DAY2 生まれてから一番原材料表示をまじまじと見た日
DAY3 表示義務がない食べものの不思議
DAY4 あまいものが食べられない!
DAY5 ニッポンの牛豚鶏はトウモロコシでできている
DAY6 お砂糖の禁断症状
DAY7 ファストフードで唯一食べられるフライポテト

絵で見るNON-GMO生活2 GMの可能性のある食べもの
DAY8 ミスドの油はNON-GMOか?
DAY9 手作りだからって排除できるわけじゃない
DAY10 大変驚く「でんぷん」という物質のこと
DAY11 砂糖の秘密について調べてみた
DAY12 遺伝子組み換え食品を食べない生活は昭和の暮らしに似ている
DAY13 すでに自生していた遺伝子組み換え作物
DAY14 農村から穀物が消えた理由

絵で見るNON-GMO生活3 スーパーの売場のGM度
DAY15 遺伝子組み換え作物は安全? それとも危険?
DAY16 実質的同等性について厚生労働省に聞いてみた
DAY17 ニッポンの清涼飲料水の原料はアメリカのトウモロコシ
DAY18 大豆レシチンは大豆油の副産物
DAY19 日本の食料自給率を調べてみた
DAY20 NON-GMOでダイエット
DAY21 GMOフリーなんてあり得ないと気づいた日

絵で見るNON-GMO生活4 遺伝子組み換えトウモロコシの行方
DAY22 「在来種」はご先祖さまからの大切なおくりもの
DAY23 遺伝子組み換え食品に反対する理由
DAY24 タネと農薬で世界征服をする会社
DAY25 遺伝子組み換え作物で幸せになった人
DAY26 映画『キングコーン』と『ありあまるごちそう』
DAY27 遺伝子組み換え作物が日本で商業生産される可能性は少ない
DAY28 数字から見えてくる遺伝子組み換え作物と日本の現状
DAY29 おかいもので世界は変わるか?
DAY30 わたしたちはトウモロコシでできている

絵で見るNON-GMO生活5 NONーGMO生活実践リスト
おわりに


一日1商品、GM食品か否か調査した結果が掲載されとります。
また、一日1メーカー、NON-GMO食品を製造しているメーカーを紹介しとります。
「ええっ! マジですかあ!」ってメーカーが載ってます(内緒)。

この本が皆様のお手元におかれ、末永く可愛がられることを祈っております。


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居酒屋における長女(長男)の少し哀しい振る舞い

ブログ用1
「いでんしくみかえさくもつのないせいかつ」(わたくしの本)が
10月15日くらいに発売されるかもしれません。1,200円です。
きっと全国の書店には置かれませんが、もし見かけたら見てみてください。
かわいい本になってると思います。(自画自賛)



貧血が継続中であります。
ということで、某D社時代に発見した長女にまつわる話を書いてみます。

わたくしは食べ方のしつけが大変厳しい家庭で育ったです。

お箸の持ち方からお茶碗の持ち方、ごはんとお味噌汁の置き方、
食べる順番、その他なんだかんだなんだかんだうるさく言われたです。

そのおかげで、お箸の持ち方とお茶碗の持ち方、ごはんとお味噌汁の置き方など
なんだかんだきちきちしないと気が済まない人間になったです。

お箸は正しく持つとだいたいどんなものでもひょいとつまめて非常に便利だが、
指一本の位置がすこーし違うだけで、たちまちうまくつまめなくなるから不思議だ。
2本の細い木の枝みたいなものを食べる道具にした日本人ってすごい。
アメリカの映画でお箸をモタモタ使って食べてる人を見るたびに思う。

正しいフォームは美しいと宗方コーチが岡ひろみに言ってたが、
きちんとお箸を持つと、食べやすいことはもちろんだが、
ごはんを美しく食べられるという大変なメリットがあるのだった。

「正しい」ってことは大切なことなのである。そしてわたくしは今、
なんだかんだうるさかった両親に感謝しているのだった。

しかし妹はそれほど厳しく言われなかった。彼女は幼稚園を卒園するまで
握り箸をしていても全く叱られなかったが、その理由は大人になってわかった。
わたくしは長女だ。最初に生まれた子どもには
両親の過剰な期待と理想が全部乗っかるものなのだ。

その悲しさやおかしみは、長女(長男)にしかわからない。

大人になると長女とか長男とか関係なくなるような気もするが、そうではない。
実は長女と長男らしさが如実にあらわれてしまう「場」がある。

さてそれは何でしょう? えーと。「飲み会」でございます。

そこでの振る舞いで、その人が最初に生まれた子どもかどうか
わかってしまうのだ。かなり明確に。

例えば焼き鳥の盛り合わせが出た場合。
そこでなんだか知らないけど串から焼き鳥をさっさと外す人と、
全く気にしないで一本取り上げて全部食べちゃう人がいる。

「外す人」と「食べちゃう人」。焼き鳥が来ると、人は2通りに分かれる。
わたくしは「外す人」である。

ある日、男ばかりの飲み会で焼き鳥盛り合わせが出た。
どうしようかなーと思っていたら、
ある男性社員が皿の上の焼き鳥を串から全部外し始めた。

彼は3人兄弟の長男だった。

長男長女は分けられていないものが来るとさっさと分解し始める。
ソーセージ盛り合わせが来ると、人数分ナイフでカットする。
唐揚げの数と人数を素早く計算し、足りなさそうだともう一つ注文する。

一人っ子や次男次女はあまりそういうことをしない。
というか何かのきっかけがあって、学習しないとできない。
彼らにとっては、お皿の上のものは基本的に全部自分のものだ。

そして、姉や妹のいる長男もそういうことはしない。
母親が、姉や妹よりもいいものを自分にくれるのは当たり前だからだ。
彼らは時に父親よりもいいものを食べている。そういう気遣いは全くない。

だから、焼き鳥が来ると一本全部食べちゃう人は、
一人っ子、次男次女、姉妹のいる長男である。

飲み会で食べものを分解するのは、だいたい長女(長男)である。
メンバーが長女(長男)ばかりだと、非常に公平に食べものは分配される。

長女(長男)は、お皿が置かれた瞬間に人数と皿の上の内容を素早く計算し、
皆が平等に食べられるようにさっさと切り分ける。
話に夢中になっている人々が気づかないうちにそうする。

そして自分は割り当てられた以上の数を食べず、
食べるときには「これ食べてもいい?」と誰かに確認してしまう。
(しなくていいのにね。これ書きながら思いました)

何も気にしないで一人で何個も食べる人を見ても、別に非難はしない。
妹や弟で慣れてるからである。

「お兄ちゃんだから(お姉ちゃんだから)我慢しなさい」と言われて育った彼らは
自分が食べものにありつくためには、切り分けるしかない。
切り分けて自分のぶんを食べるととりあえず満足する。大人になっても。

かわいいじゃありませんか。

飲み会の席で注文したものを見て反射的にナイフを取り上げ、
人数分に切り分けまくる人を見ると、にんまり笑ってしまう。
この人たちはきっと、お箸の持ち方もうるさく言われたに違いない。

そして同じように反射的に焼き鳥を分解し、切り分けまくる自分を
少し愛しいと思うのだった。


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10月6日(曇)のほんたべ農園

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先週追肥をして雨が降ったせいかナスの花がいくつも咲いております。
夏季剪定はしなかったけど、下の方から良い芽が出てきてたので、
主枝をかなり整理してみた。台風にもやられず、初!祝・ナスの10月採り。



種をまいて1週間。発芽の確認に行ってきた。

種まき後、継続的に雨が降り、状況としては理想的。
10月4日に行ってみて、いい感じで大根が発芽してたので、
ちょっとウキウキ。ひょっとして「みどりのゆび」ゲット? なんちて思ってたら。

せっかく発芽したかぶをを何者かがほじくり返しており(猫っぽい)、
さらに、何者かの小さな足あと(小鳥っぽい)がついているではないか。
その何者かは歩きながらどうも種を食べたような痕跡がある。

ああ、腹立たしい。

ちっこいトラバサミしかければよかった!
(あるいは)農薬でコートした種を使えばよかった!
などなど、野蛮なことをあれこれ考えるわたくし。

そしてさらに新たな悲しみがわたくしを襲う。
全く発芽していない列が3箇所もあるのだった。ううううう。

みどりのゆびよ、どうしたのだ!

さらにさらに悲しいことに、発芽していない列に何をまいたかを
うーんと考えてみたけど、全く思い出せなくて驚愕するわたくし。
最初にまいた4列は全部覚えていたが、その他を全て忘れた。
おそらく、かぶか小松菜かかつお菜、ビタミン菜のどれか。でも思い出せない。

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わっわっわっわわわっ!と声が聞こえそうな新芽の群れ。
これはルッコラ。冬のルッコラって生命力も香りも強くてとってもおいしい。
サラダにしてもりもり食べるぞ!

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源助大根というみじかーい大根まきました。
大根って発芽率よくってバカっぽいから好き。まき直しもきくしね。

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ずっと日本ほうれん草まいてたけど、あまりにも発芽しないので、
アトラスに変更して3年め。ちゃんと芽が出るからすごいよなー。
農薬がコートされてるけどね。



全く発芽していないのは春菊と、あとは全部アブラナ科である。
アブラナ科は発芽してるものとしてないものがあり、
大根以外は全部姿形が同じなので、何がなんだかわからないのだった。

補植するにも何をまけばいいのかわからない。
おお、いったいどうしたらいいのだ。冬季の食生活を考えぬいて作付したのに。

そう言えば、2年前にも同じことをしたよなあと思い出す(遠い目)。

その時も、どこに何を植えたか全部忘れてしまい、
葉っぱが30センチくらいになってからようやく、
どの列に何が植わってるかわかったのだ。

基本的にいつも、まいた時点では絶対に忘れないと思っている。
しかし何日か経つときれいさっぱり忘れてしまうのだ。

今回は特に血が足りない状態で種まきをしているから、
記憶を失う確率はかなーり高かったのに、メモをしなかった。

ってかさあ、発芽しないなんて思ってなかったのよね。

明後日スナックエンドウの種をまく予定で、そこで補植するのだが、
何をまいたらいいのやら(泣)。ということで、2年前にも誓ったのだが、
今度からどこに何をまいたかメモを取ろう!と心に誓うのであった。

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欠いた脇芽を挿しといたらついたミディトマトに花が咲き、
知らない間にけっこう実がついておりました。なんか得した気分。

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追肥後、ピーマンがわんさかなっております。
チッソが大好きなので肥料をたくさんやるとアホほどなります。
ピーマンってわかりやすくて好き。



さて、発芽率が悪かった理由はなんとなくわかっている。
今年の秋作は種を購入せず、以前購入したものを使った。

15平方メートルなんて一袋種を買ったら3年は買わなくても平気だ。
今回まいた一番古い種は、4年前に買ったものである。ってことはさあ。
発芽率が悪いのはその種なんじゃないの? と思いついた。

おお! すごいぞ、わたくし! よく気がついた!

ウキウキして家に帰って袋の裏を見たら、
かぶも小松菜もビタミン菜も全て4年前のものだった(泣)

ちゃんと買おうよ、種はさ。と去年のわたくしに言いたいわたくし。

まあ、いい。ビタミン菜もかつお菜も小松菜も同じようなものだし、
かぶはたくさんできたらできたなりにうれしいものなので、
かぶと小松菜を一列ずつ。春菊はあきらめてほうれん草まこうっと。

わたくしの「みどりのゆび」度は全く向上していなかった。
というかかなり低下していたのだった。なんとなくがっかり。

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この区画にはルッコラとかぶとコリアンダーと小松菜まいたんだけど、
真ん中と上の列に何をまいたのかが思い出せない。かぶか小松菜か、
どっちもバランス考えぬいてまいたから、多くても少なくても悲しいわけ。
どうしたらいいのでしょう~?



ひょっとしたら、2年に一度、ちゃんと種を買いましょうねと
農業の神様がおっしゃっているのかもしれない。
発芽率は2年ならほとんど低下しない。3年でもある程度大丈夫だ。
しかし4年経つと急激に低下するのだと学習したわたくし。

心配になってスナックエンドウの袋を見たら、3年前のものだった。
おお、危険だ。早く買いに行かなくては。

ああ、JAにみどりのゆびが売ってないかなあ。
3,000円くらいなら買ってもいい。絶対売れると思うんだが。

でも夜な夜な動いたり、何か怖いものが訪ねてきたらヤだなあ。
(それは猿の手か・・・・・)


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貧血の話

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貧血がひどくなると食欲がなくなりますが、少し良くなると
肉を食べたくなるです。やっぱり血が食べたいってことなのかなー。
レバーが好きなら何の苦労もないんだが。レバーは苦手だ。



スティーヴン・キングの「呪われた町」という小説がある。
あるいは小野不由美の「屍鬼」でもいい。ほぼおなじ話だから。

小さな町(村)に吸血鬼がやってきて、町の人を次々に襲い、
一つの町の住人全てが吸血鬼になるかも・・・というような話である。

隣の住人や中学の仲良しの友人がある日突然死んでしまい、
何日か後に歩いてるのを見かけるとかのそりゃもう面白い話なんだが、
人々が吸血鬼に血を吸われて死ぬまでの過程の部分が興味深かった。

まず朝起きてこなくなる。何をするにもおっくうになり一日寝たきりになる。
そのうち全身の機能がうまく働かなくなって死んでしまう。
これ、緩慢に血液を失うとどうなるかが克明に書かれているのよね。
さすが、ホラーの帝王、スティーヴン・キング。リアルなのである。

なんでリアルってことがわかったかというと、
去年、貧血がひどくなったとき同じような状態になったからだ。

体の機能が低下するまではいかなかったが、脚のむくみが治らなくなった。
お医者さんによると、人間の体ってあるところまでは恒常性を保ってられるが、
どこかに閾値があって、それを超えると一気に障害が出るらしい。

ということでわたくし、ヴァンパイアに血を吸われたのと
同じ体験をしたのだった。途中までだけど。

なんちて。なんでこんなことを書いてるかというと、ちょっと大量に出血し、
再び貧血というか血が足りなくなり、文章が全く考えられないからである。

日がな一日頭痛がし、動くと心臓がバクバクする。
ちょっと働くとめまいがして起きてられないので横になる。なんて感じで
寝たり起きたりの生活。これ、たぶんあと1週間続く。

血液ってね、1週間で400ccほど作られるんだって。わたくしの体内に
失われた分の血が満ちるまで、あと1週間。道のりは長いのだった。

さて、わたくしの貧血は鉄欠乏性貧血である。

鉄は体内に酸素を運ぶ赤血球のヘモグロビンという物質のもとだ。
ヘモグロビン値は血液検査をすると必ず出てくる数値で、
10.1~14.6が平常値のようだ(と血液検査の表に書いてある)。
これは、多くても少なくても良くない。

貧血というのはこの数値が平常値以下になることで、
女性は月に一度出血することもあり、なりやすいと言われている。
男性でも、胃潰瘍や痔などで少量ずつ出血していると貧血になる。

もしかして貧血なのでは?と自覚症状が出るのはかなり進行してからだが、
定期的な健康診断で必ず引っかかるから、通常はそこまで進行しない。
医者嫌いで医者に行かない人がひどい貧血になる(わたくしのことであります)。

貧血=酸欠状態なので、体内ではこれをなんとかしようと心臓がフル稼働する。
ほうっておくと心臓に負担がかかり、心不全のリスクが高まる。
貧血は進行すると恐ろしいのだ。ってことで病院では鉄剤を処方する。

鉄剤はいくつか種類があるが、だいたい消化器系等に副作用がある。
わたくしの場合は、胃痛、腹部の膨満感、下痢のどれかが出る。
鉄剤には即効性はなく、副作用と折り合いながら継続して飲まなくてはならない。

でも胃が痛くなったり下痢したりするとサボるようになる(わたくしのことであります)。
そして全く治療できていない人が日本中にきっとたくさんいるに違いないのだ。

鉄剤は小腸で吸収され、血液に乗って肝臓に到達し肝臓で貯蔵鉄に変わる。
血液内にある鉄の一部は骨髄で血液を作るのにも使われるが、
貯蔵鉄=貯金がいっぱいにならないと貧血が改善されたとはいえない。
少し大量に出血すると、すぐに貧血になってしまうからだ。

鉄分が少ないと赤血球の質が悪くなり、酸素がじゅうぶんに運べなくなる。
血の色が薄くなり、まぶたの裏がまっしろになる(今のわたくしであります)。
おお、恐ろしいぞ。そして白髪が増えたり爪が変形したりするのだった。

そういえば、わたくしの白髪が一気に増えたのは、健康診断で
「貧血だから再検査すべし」と指令が出たのと同時期だった。
美魔女の心得に「貧血を治療する」と付け加えなくてはならないのだった

さて、ヘモグロビン値が平常値まで上がるのにだいたい4週間くらいかかり、
肝臓に貯蔵される鉄分がいっぱいになるのに2ヶ月くらいかかる。
1週間鉄剤を飲んだくらいでは効果はない。継続は力なりなのだ。

てなことをお医者さんは言ってくれないのだ。
言ってくれれば10年前にまじめに飲んで白髪もなかったに違いないのだ。
なんちてこれは言いがかりでしたね、すんません。

ということで現在ゾンビのような状態になっております。
つまんないことしか書けなくてすんません。


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プロフィール

ほんたべ

Author:ほんたべ
手島奈緒
おいしい食べものをつくる人を紹介したり応援したりしております。ブログをまとめた著書『いでんしくみかえさくもつのないせいかつ』(雷鳥社)『まだまだあった! 知らずに食べてる体を壊す食品』(アスコム)『儲かる「西出式」農法』(さくら舎)など。現在ハンター修行中。

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