『いでんしくみかえさくもつのないせいかつ』好評発売中です

1カ月間遺伝子組み換え食品を食べずに暮らした体験が本になりました。

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『いでんしくみかえさくもつのないせいかつ』
雷鳥社刊 1,260円(税込) A5横判

も少ししたら増刷するかもです! ご注文はAmazon、楽天ブックスなどのネット書店及び出版社のHPからどうぞ。もしも、もしもですね「サイン本が欲しい!」なんて方がいらっしゃいましたら、その旨記入して雷鳥社へご注文ください。イラストも書いてお届けします(送料無料)。※イラスト描きおろすので少し配送が遅れます。ご了承ください。
http://www.raichosha.co.jp/book/other/ot19.html

年末に考える「仕事」と「稼ぎ」の話

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『モンサントの不自然な食べもの』DVD発売に合わせ、渋谷・UPLINKで
『いでんしくみかえさくもつのないせいかつ』の講演などさせていただいたです。
本の出版後、いろんなことが起きております。皆様のおかげです。



昔から農村には「仕事」と「稼ぎ」という2種類の仕事がある。

「仕事」は地域や自分の子どもや孫のために行うものであり、
「稼ぎ」は日々の暮らしのためにお金を稼ぐ仕事のことである。

「仕事」は地域の水管理や消防、自分の山の手入れなど
ボランティアで行うものだ。「仕事」をすることで、地域の環境や
コミュニティは健全に保たれ、現状のまま次世代に渡せる。

「稼ぎ」は自分の作った作物やその他のものを売り現金収入を得ることだ。
食べて生きていくために必要な仕事だ。

人々はこのふたつの仕事を意識せずに粛々と行っている。
どちらも必要なことだ。どちらかひとつが欠けると農村は立ちいかなくなる。

これは某D社の社長・藤田和芳さんが、何かの折にした話で、
この話を聞き、わたくしは自分のなすべきことを考え始めた。

都市生活者に「仕事」と「稼ぎ」の違いはピンとこない。
というより、だいたい「稼ぎ」が「仕事」である。
都市生活者に「仕事」というわかりやすいものは存在しない。

わたくしは当時某D社で産地周りという業務を担当していた。
農家と付き合っていると「仕事」と「稼ぎ」の違いはすんなり理解できる。

そして自分の仕事について考えた。わたくしの仕事はどうかな?

某D社で働くことは有機農業の畑を増やすことにつながり、
ひいては、地域の環境を保全したり、人々の健康にも貢献できたりする。
そのときは、某D社に入社して本当に良かったと思った。
わたくしの「稼ぎ」は間接的に「仕事」をも含んでいると考えたのだ。

しかしある時、若い農家がこう言った。
「某D社に出してる自分だけ儲かってもダメなんだよね」。

「某D社で売れるのはいいよ。しかし自分ちの作物だけ売れてもダメ。
地域全体ががんばれないと、自分の畑の横にパチンコ屋ができちゃう。
そうなると、農村が、農業自体が立ち行かなくなる。
地域の人が皆元気にならないとダメなんだよね」と。

某D社は閉じられた小さな世界である。
某D社のことだけ考えていて、それでほんとうにいいのかな?

わたくしの心に立った小さなさざなみはいつか大きな波になった。
某D社を辞め、地域活性のNPO法人に入社した。一年後、
補助金がないと立ちいかない地域活性もなんか違うと考えた。

わたくしの仕事はなんだろう? わたくしには何ができるのだろう?

2006年、産地周りから情報制作部署に異動になってすぐ、
お世話になった大好きなりんご農家がお亡くなりになった。
尊敬していたのに、すばらしい人だったのに、それを
消費者にじゅうぶんに伝えていなかった自分をものすごく後悔した。

たまたま情報制作部署に異動していたのは偶然ではないと思った。
わたくしにはそのとき、伝える媒体も手段もじゅうぶんにあった。
そして伝えた。某D社の農家のことを、食べものの作り手のことを。

メディアの複数形ミディアムには「媒体」という意味の他に、
「巫女・霊媒」という意味もある。
自分の仕事は「人に伝えること」だと、そのために自分があると直感した。

そして今もそう考える。わたくしは「媒介する者」である。

今年『いでんしくみかえさくもつのないせいかつ』を出版し、
ほんの少し、なすべき仕事ができたのかもしれないと思う。

そしてこの年末に、本を出版できたのもブログがここまで続いたのも、
わたくしと関わってくださっているすべての人々のおかげなのだろうと、
しみじみと考えているわたくし。

皆様に感謝です。

今年一年、このブログを訪問していただきありがとうございます。
来年もよろしくお願い致します。


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やっぱりチッソ飢餓だった(泣)

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「源助大根」とルコラ。大根は3年前のタネだけど問題なく発芽。
ルコラって柔らかい「温室育ちのお嬢さん」っぽいハウス栽培が主だけど、
冬場の露地の霜があたったヤツは「じゃじゃ馬」って感じでワイルドでおいしい。



今年のほんたべ農園の冬作、
ほうれんそうと春菊とカブが全然ダメである。

果菜類の残さを土中にすきこみ、カルスNCRと米ぬかを入れ、
2週間後に種まきしたんだが、発芽率が悪く初期生育がイマイチであった。

んー、もしかしてチッソ飢餓?

果菜類の残さはそんなに青々としておらず枯れ上がってたから、
もしかしてC/N比(※)が高く、チッソを補充する必要があったのかも。

うーん。失敗したー。

先日の西出会で、カルスNCRの構成菌が変更になって
ボカシの温度が上がらないと師匠・西出隆一さんがおっしゃっていた。
カルスNCRの菌が変わって分解能力が失われたってことは、
チッソ飢餓になる可能性は高い。ううう。早く言ってよね。そういうことは。

炭素分を大量に土中に入れると微生物がわっと集まってきて分解する。
微生物はその際、燃料として土中にあるチッソを使う。そのため、
チッソ分の少ない畑では、一時的に土壌中のチッソ分が足りなくなる。
この状態のことを「チッソ飢餓」と言う。

そういう状態になっている畑にタネをまくと、
発芽しても本葉かその次の葉が黄色くなり、ひどい時には枯れる。
初期生育が悪くなり、菜っ葉などは追肥をしてもうまくいかない。
とくに冬など微生物の活動がニブイときには難しい。

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10月上旬に追加で播種したほうれん草。ちっとも大きくなりましぇん(泣)
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ご近所が11月下旬にまいてたほうれん草。ムリでしょーって思ってたのに
なんか追いつかれてるじゃありませんか? 化成肥料やってたけど、
それだけの問題ではあるまい。恐ろしや、チッソ飢餓。



微生物資材を同時に入れると、炭素分の分解は早まるが、
それでも失われるチッソ分の補給をしなくてはならない。
この場合、硫安が一番手っ取り早いが、有機質肥料でもかまわない。

計算するのがめんどくさいから、わたくしはモミガラを入れる際には
硫安を使う。硫安の硫黄分が土中の微生物に分解されると
有用な物質になるという研究結果があるため、尿素は使わない。

今年は、果菜類の残さだからチッソはいらないだろうと考えた。
今までも何度かすきこんでいたが、それほど問題無かったからだ。
そう考えるとカルスNCRの構成菌の問題かもしれない。

結果、その畝では、ほうれん草と春菊は発芽はしたが
その後の生育が悪く二度ほど播き直した。でも生育はのろい。
ルコラと大根、コリアンダーは理由が不明だがうまいこと生育している。
チッソがなくても芽が出るアブラナ科はタネが古くて発芽しなかった。

果菜類の残さをすきこんだ畝は2箇所。
場所によって生育のバラつきがあるのは、残さの量によるのかも。

ほうれん草や春菊は肥料を食う作物なのだ。
液肥をやっても全然取り返せないの。生育が止まったままなの。
悲しいよう。ほうれん草、楽しみにしてたのにい(泣)

しかしチッソ飢餓なはずのこの畝でも、大根は順調だ。
また、ふるわなかったピーマンのあと、無肥料で種まきした部分も
順調に大きくなっている。大根、前作の肥料で作れるんじゃん?
アブラナ科だからなあ。バカなのかも。

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向こう側から、小松菜、べか菜、ルコラとコリアンダー(と、草)。
小松菜のところにはカブをまいたつもりだったので、大きくなってきてビックリした。
菜っ葉が足りなくなるとヤだからべか菜をまいたが、生育が良く、
むかーし某D社で葉物の生産者がすんごく作りたがった理由がわかった。
早く大きくなるしすんげ発芽率いいんだもん。アブラナ科の中でもバカ度高し。



その他インゲン・枝豆とシソの残さを入れたところも問題はない。
マメ科の根粒菌のおかげかもしれない。
てっきりそこにカブをまいたと思っていたら小松菜だった。
正月のお雑煮には困らないが、カブのグラタンは食べられない。くそう。

微生物資材に頼るとこういうことになるってことなのかなあ。
ちなみにカルスNCRの主になる菌は「キメイラ」という商品名で売られているらしい。

作ってる企業の名前を失念したが、その企業のWEBサイトはない。
埼玉県深谷市岡部にある「タネの黒沢」で取り扱っているらしい。
ううー。早く買わなくては。

チッソ過剰にビビりすぎていつもチッソを入れなさ過ぎるのだが、
今度から過剰になるぐらい入れないとダメだなあと、
遠い目をしてしまう年の瀬のわたくしでございました。

今年の教訓・「過ぎたるは及ばざるが如し」とは限らない

(※)C/N比・有機物などに含まれている炭素(C)量と窒素(N)量の比率(質量比)
炭素率ともいう。土中にそのまま入れるには20%くらいが適当。
堆肥の炭素率が低いと虫や病気が発生しやすい。鶏糞堆肥などは要注意である。


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干し柿づくりで思い出した柿のいろんな話

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東京都世田谷区はあたたかいので生柿の重量が100g程度でないと、
腐ってぼとっと落ちてしまうです。蜂谷や百目柿は東京では干せないす。
よっぽど寒くて乾燥した年ならOKかもしれないけど。



わたくしが産地担当していたころ、干し柿は青果物扱いであった。
そして干し柿は売りにくい商材であった。

お正月用の市田柿が終了してから出てくる奈良の小さな干し柿は、
かわいそうなくらい売れなかった。
干し柿を売るなら年内なのである。干し柿はお正月商材なのである。
ということで、この奈良の産地は毎年作付消化ができなかった。

あるとき、売れなくて困るんだよねという話をしていてふと思いついた。
干し柿にして売れないなら、消費者に作ってもらったら?

そして、翌年。「干し柿つくろうセット」がデビューした。
割と売れたのよね。今でも人気商品である。
んで今年、そのセットを買ってみた。かれこれ10年前に
わたくしが作ったリーフレットが入っておりました。むふふ。

柿をむいたり干したり写真撮ったりしているうちに
産地担当時代の記憶が蘇り、気になることを調べてみたら、
柿とは意外に奥が深い果物であるとわかった。

ってことで、今回は柿のうんちくである。

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干し柿から渋が抜けるしくみは以下の様なものである。皮をむく→
柿が呼吸できなくなる→ピルビン酸が生成→アセトアルデヒドに変化する→
アセトアルデヒドがタンニンと結びつき不溶化される→渋を感じなくなる。
渋柿の脱渋を炭酸ガスやアルコールでするのも同じ仕組みだそうです。



あまり知られていないが、一般の干し柿は硫黄で燻蒸されている。

硫黄と言われても一般人にはピンと来ない。わたくし的には旧約聖書の
神が悪徳の町、ソドムとゴモラに硫黄の雨を降らせたってのが一番古い記憶。
神はどんだけ怒っていたのか。硫黄の雨、傘をさしてもかなり危険だ。

春先に殺菌目的で果樹類にまく石灰硫黄合剤が手についたらやけどする。
合剤をまくときには車の塗装がハゲるので道路に注意しなくてはならない。
また、硫黄の粉をうっかり吸い込むと気管支がやられる。

硫黄とは、かなり剣呑な毒物なのである。
その硫黄を、干し柿では殺菌目的に使う。

しかし以前市田柿の産地で話を聞いたら
「硫黄燻蒸してもカビって生えるんだよね、どっちかっていったら
きれいな色を保つためじゃないかなー」と
干し柿づくり何十年の農家のおじさまが言っていた。

先日NHKで山梨の枯露柿を作ってるところを放映していたが、
やはり「色を美しく保つために硫黄燻蒸する」と言っていた。
干し柿のあの美しいオレンジ色は硫黄燻蒸のおかげなのだった。

さて、柿という作物は、庭先にいくらでもなってるので、
なんとなく無農薬で作れそうだが、ちゃんとした商品にするためには
きちんと農薬をまかなくてはならない。

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10日めに大風が吹いて一気に乾き干し柿らしくなりました。
この時点で味見したら最高のおいしさで、しかも色合いも美しい。
来年はここんとこで全部食べてしまいたい。



庭先の柿が早々と葉を落としてしまうのを見て、人は「秋だ」と思うが、
実は落葉病という病気のことが多い。その病気にかかると
葉っぱがどんどん落ちてしまうため、柿がきちんと熟してくれなくなる。

また、早々と熟し柿になりぼとぼと落っこちてるのを見て
「今年は熟すのが早いな」と思う人がいるが、それは害虫のせいである。
ヘタ虫と呼ばれるその虫の本名は「カキノヘタムシガ」。ううう、そのままじゃん・・・。

てなこともあり、経営が成り立つよう美しい果実を収穫するためには
農薬が必要だ。調べてみたら和歌山県の防除暦で16剤だった。意外と多いね。

人は意識して分けて食べてないと思うのだが、柿には渋柿を脱渋したもの、
甘柿、甘くなったり渋くなったりする不完全甘柿の3種類がある。
渋柿は中国から渡ってきたようだ。しかし、甘柿・不完全甘柿は
日本で突然変異した日本原産の果物である。すごいじゃないか。

例えば、愛知県幸田市で栽培している筆柿は、不完全甘柿で、
タネが入らないとタンニンが不溶化しないという特徴がある。
(幸田市以外の土地に行くと渋柿になると生産者が言ってたがほんとうだろうか?)

この柿は、その形から別名珍宝柿といい(なぜ?とか指摘しないでください)
中国・台湾の方々に大変めでたいと喜ばれるため輸出も多い。
また鳥取には鳥取で突然変異した(らしい)花御所柿という柿がある。

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毎日観察してると何が変わったのかわかんないけど、
まとめてみるとわかるもんですねい。雨で取り込んだのは5日め一回だけ。
今年は干し柿に向いたお天気でした。



今回これを書くので柿の品種を調べたが、
聞いたことのない名前がわんさかあった。
おそらく、名も知らぬ甘柿や渋柿が日本全国にあるに違いない。

干し柿の大きさが各地で違うと気づいたのは東京に来てからだが、
その土地土地に地域の気候に適した柿があるのだろう。
柿は日本で一番地域性の高い果物ではないだろうか。

さて、人は柿が好きな人とそうでない人に分かれる。わたくしは後者である。

渋柿を脱渋した平核無柿は好きだが、富有柿などの甘柿は苦手だ
脱渋した柿は果肉がねっとりしてわりと好きなのだが、
甘柿はかりんこりんとした食感が頭蓋骨に響く気がしてなんかイヤなのだ。

さらに人は、干し柿が好きな人とそうでない人に分かれる。わたくしは後者だ。

干し柿が好きな人は熟し柿も好きなことが多く、嫌いな人は熟し柿も苦手だ。
あの食感、ベタベタした甘さに共通点があるのかもと考えている。
(わたくし的統計。サンプル数は10人)

しかし今回、自分で干し柿を作ってみて、9日めあたりの
まだ渋が少し残っている美しいオレンジ色の段階で食べるとおいしい。

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ひとつ約100gだった柿が20gになりました。糖度は測れない。
WEB検索すると40~70%で羊羹なみってこと。確かにそんな甘み。
干した期間は11日。渋みはなし、ってことでこれで完成なのかなー。



「ああっ、干し柿ってこんなにおいしかったのか! 
キライだったなんて自分のバカバカバカ!」なんて感動したのだが、
干し上がったのを食べたらフツーの干し柿で、魅力が消え失せていた。

どこでその魅力が失せたのか、このあたりの理由は不明だ。

9日めで食べるためには、皮をちゃんとむかないと皮が残ってると渋い。
これこそアセトアルデヒドとタンニンが結びつかなかった証であろう。
横着してヘタ周りの皮を残したのは失敗だった。
干し柿を食べるとヘタのところからごそっと取れるのをすっかり忘れていたのだ。

ということで来年に向けて、総括。

1.皮をヘタの周りまできっちりきれいにむく。
2.9日~10日めあたりで干しを終了。
3.カビないうちに全部食べる

これだとお正月まで持たないなと気がついたが、まあ、いっか。


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新規就農者の野菜販売サイト「新鮮野菜.net」始めました!

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「ほんたべ農園野菜セット」なんちて作ってみよかと思ったけど、
野菜セットができるほどの収量がありましぇん。くくく。



むかーしからあたりまえのことなので誰も疑問に思っていないが、
スーパーで売られている野菜には、誰がどうやって作ったか、
農薬を何回使ったか肥料は何を使ったかなんてことは書いてない。

原産地表示は義務付けられているので「○○県産」とは書いてある。

誰が作ったかわからないものを、皆疑問に思わず買っているのだった。
それがわかるのは「有機JAS認証」を取得している野菜のみである。
その他は防除暦通りに肥料と農薬使って「誰か」が作ったものだ。

その「誰か」は自家用と出荷用を分けて作ってたりする。
「ピカピカの商品」と「そうでないもの」を分けるのは当然のことなので、
わたくしはそれを問題だとは思わない。農業もお仕事だからである。

しかし、「それでいいのですか?」と一石を投じた人たちがいた。
某D社である。

誰がどのように栽培したものか明らかにし、
作り手の写真や畑の情報を野菜とともに届ける流通。
さらに年に一回生産者の畑に消費者を連れて行き相互理解を深め、
お互いの距離を近いものにするため、存在する流通。

それが某D社が当初掲げた理想であり、思想であった。

某D社は、おそらく企業としては日本で一番最初に、
消費者と生産者の顔が見える関係を作り上げた流通である。

もう一つすごいところを言うと、野菜類は全て契約農家の栽培であり、
栽培履歴が提出されていないものはいっさい扱っていない。

これ、他の流通では未だにできていないところのほうが多く、
市場から買って届けてる生協がゴロゴロあるのは意外と知られていない。
すべての作物の履歴がきちんと追えてるってすごいことなのよ。

だって、予定通り野菜が出荷できないなんてあたりまえだもん。
欠品を出すと消費者に怒られるし売上にも影響するから、
全部契約栽培ってのはシステムとしては非常に難しいのだ。

そういうの、もっとアピールすればいいのになーと思うけど、
まあいいか。今言ったから。

さてその取り組みは素晴らしいのだが、ひとつもったいないところがある。

某D社の販売は紙媒体によって行われているため、
提供する情報に時間差があるのだ。

野菜によっては情報誌に掲載後全滅なんてこともある。
その情報をリアルタイムに提供はできない。紙媒体の限界だ。
働いてる時から残念に思っていたが、ここのところはしょうがない。
原稿締め切りはあるし、印刷にも時間がかかるし。

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まだ登録はないですが、鹿肉なんかも売ろうと思ってるです。
農家手作りの農産加工品、りんごジュースやりんご酢、ジャムなんかも
販売していくです。意外とそういう商品の登録が増えていくかも。



ということで。

野菜購入時にリアルタイムの情報が提供できないかなーと思っていた。
WEBで常時新しい情報が提供できる野菜の販売サイト。
更に言うと、そこには新規就農者の野菜がたくさん掲載されていて、
消費者は日本全国の新規就農者から野菜が買える、そんなサイト。

でもそういうサイトを運営するにはお金がかかる。
さらに、野菜を仕入れて売るには倉庫が必要である。在庫管理も大変だ。
そして、手数料をもらうとただでさえお金のない新規就農者の経営を圧迫する。

倉庫を持たず、消費者が直接買えるしくみを取ればいいのはわかったが、
わたくし、お金もないし、ボランティアではそんなのできない。
なんてことで「ほんものの食べものくらぶ」立ち上げ時からあったこの夢は
ずっと塩漬けしてきたのだった。くすんくすん。

んで今年。

4年前にほんたべのHPを制作してくださったWEB制作会社さんが
「それ、作りましょう」と言ってくださったのである。おおお、ほんとですか?
「ほんとですかほんとですか」と思ってたら、ほんとにできあがりましたよ。
わたくしの考えていた通りのポータルサイトになりましたよ。

それが「新鮮野菜.net」である。
http://www.shinsen-yasai.net/
このポータルサイトにわたくし、監修者として参加しております。

農家がこのサイトに参加するには登録をしていただかなくてはならないし、
登録後審査があるし、その審査を通過後は栽培履歴の入力や、
農家情報の登録をしていただかなくてはならないから大変である。

しかしこれを消費者の視点で見てみると。

誰がどのようにどんな思いを持って作ったのか、
買うときにちゃんとわかるのだ。
それぞれの野菜が全て「○○さん」の野菜だ。
まじめに作ってる新規就農者や有機農業を目指している人の野菜だ。
(そういう人のもののみ売りたいと思っとります)

そして、新鮮野菜netはボランティアサイトである。

手数料や掲載料は一切もらわない。だから消費者が支払うお金は
全て農家の売上になる。消費者は農家に直接支援ができるのだ。
おおお、すごいじゃないか。ありがとうWEB制作会社様。

新鮮野菜netは消費者と農家を直接つなぐポータルサイトなので、
注文は農家との直接のやりとりになるし、送料も発生する。
スーパーで買うより確実に手間はかかるし、めんどくさいかもしれない。

登録農家はまだ少ないし、端境期には売るものがなくなることもある。
野菜を一個、二個などの単品で買うと割高になるし、
野菜セットを注文してみたら見たことがない野菜が入ってたりするかもしれない。

なんていろいろ面倒なことはあると思うのだが、あえてそれを、
楽しんでもらえる消費者に参加してもらいたいなあと思ってるのだった。

登録時の審査、栽培計画の審査等、登録農家の審査はわたくしが担当である。
某D社で農家に「夜叉」と呼ばれた経験を活かし、がんばりたいと思うです。

生まれたばかりのサイトですが、今後ともよろしくです。
そして、登録農家を募集しております。審査の出張が増え、
わたくしが貧血になるぐらいの登録があるといいなと思ってるです。

農家登録画面に入れない場合は以下の手順で入ってください。
ご利用ガイド→フォームへのアクセスができない場合→SSLの無効化をクリック

ご登録のお申し込み、お待ちしておりますです!


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「カーン大学セラリーニ氏の論文、掲載誌から撤回」の話

セラリーニ氏撤回文書_ページ_1
セラリーニ氏撤回文書_ページ_2
『世界が食べられなくなる日』などでも紹介された、
カーン大学のセラリーニ氏による論文
「ラウンドアップとラウンドアップ耐性組み換えトウモロコシの
長期投与給餌における毒性」が
掲載誌「Food and Chemical Toxicology」により撤回されたです。
http://www.prnewswire.co.uk/news-releases/elsevier-announces-article-retraction-from-journal-food-and-chemical-toxicology-233754961.html

このブログを読んでくださっている方から11月29日にコメントいただき、
貼ってあった記事を見てみたら、11月28日付の記事でした。
ものすごく早い情報で、わたくしの周りで知ってる人はほぼ「0」でした。
コメントを下さった「通りすがり」さん、ありがとうございます。

んで、この論文、わたくしのブログと本、
『いでんしくみかえさくもつのないせいかつ』で紹介しており、
撤回された論文を使用したことについての見解を求められたのだが、
ブログ掲載当時、また出版当時には撤回されていなかったことから、
その点においてはとくに問題はないと考えている。

さて撤回記事をお友だちが翻訳してくれたので
要約してみた。ざっと言うと以下のようになる。

・論文掲載後、この論文の有効性や適切な動物の使用法に
 懸念を示した投書が数多く寄せられた。
・編集主任は著者に生データの提示を求め、調査を行った。
・データは捏造ではない。しかし動物の数と種の選択について
 明らかに懸念を持たれる部分があり、この少数サンプルでは
 腫瘍発生率とNK603(GMコーンの名前)、グリホサートの関与については
 何も決定的なことは言えないという結論に達した。
・結論としては「Food and Chemical Toxicology」の発行基準を満たさない
 ということである。

論文発表当時からラットについての指摘は度々されていた。
わたくしは科学者ではないのでその点はよくわからない。
ラットの頭数が実験期間を鑑みると10頭では少ないと言われても、
よくわからない。ということで、その部分については「そうですか」である。

この論文の解説をしてくださった元研究者の資料によると、
論文の一部に他の実験との比較が出てくる。それが下図。
これを見る限り、最低の条件は満たしているように見えるのだが、
科学者の世界ではそうではないのかもしれない。

130311(カーン大学)
これを見る限りではちゃんとしてるじゃんと思うのだが、
そこが素人ってことであろうか。セラリーニ氏の反論はどこに公開されるのかなー?
というか、反論を掲載してくれるところがあるのだろうか。



さて「カーン大学セラリーニ氏論文撤回」で検索すると、
いろいろな記事がヒットする。その中に、モンサント社にいた科学者が
「Food and Chemical Toxicology」編集者になっているという情報が出てくる。

その人の名前で検索すると経歴が出てくるが、
遺伝子組み換え作物の研究論文を発表していることしかわからない。
なのでその「元モンサント社員」というのもよくわからない。
だからこれも「そうですか」である。

『いでんしくみかえさくもつのないせいかつ』を読んでいただくとわかるのだが、
わたくしは遺伝子組み換え作物のことを「安全・危険」という切り口では捉えていない。
なぜなら、安全性についてはいろいろな意見があり、また
さまざまな論文もあるが、何がどうなんだか「わからない」からである。

そもそも遺伝子組み換え作物は、登場してまだ17年しか経っていない「新しいもの」だ。
実質的同等性がどうたらと言われても「今あるものと全く同じ」ではない。
長期にわたってヒトが食べ続けた結果どうなるか、誰にもわかってはいないのである。

遺伝子組み換え作物については、その他に問題が多くある。思いつくだけでも、
穀物自給率、モノカルチャー、タネの支配、交雑、在来種保護、農薬、環境破壊、
抵抗性、食品表示、食べものを作るしくみ、そして消費者の意識などである。

わたくしは、それらを総合的に判断して「反対」している。
最初は「なんとなく食べたくない」程度だったが、
いろいろなことを知った今では「できるだけ食べない」に変わった。

「食べること」=「遺伝子組み換え作物容認」になるからね。
NON-GMO原料を使っているメーカーのものを選んで食べたいの。
でもね、1カ月やってみてかなり厳しいってわかったから「できるだけ」なのね。

反対しているのなら、各人ができる範囲で何かをやればいいと思う。
一人ひとりが「何か」すれば、する人が増えれば「何か」変わるだろう。
そしてしたくない人はしなくていい。

『いでんしくみかえさくもつのないせいかつ』は「何か」変わればいいなあと
思ったわたくしが、そこに至るまでのわたくしの考え方を書いた本である

さて、わたくし、セラリーニ氏の論文の説明のお勉強会に行った時から、
大きな疑問がひとつある。この論文が撤回されたとしても
研究の結果は結果として存在するからね。誰かに答えて欲しいの。

ラットに4カ月目にガンができたのなら、遺伝子組み換えコーンの安全性の
根拠になっている実験期間が3カ月では足りないのではないか。

半年でいいんだと思うけどな。そういう実験結果ないのかなー。


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プロフィール

ほんたべ

Author:ほんたべ
手島奈緒
おいしい食べものをつくる人を紹介したり応援したりしております。ブログをまとめた著書『いでんしくみかえさくもつのないせいかつ』(雷鳥社)『まだまだあった! 知らずに食べてる体を壊す食品』(アスコム)『儲かる「西出式」農法』(さくら舎)など。現在ハンター修行中。

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