有機農業のジレンマ

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関東の産地の人が見ると必ず驚愕する渥美半島の土。
「ジャリじゃん!」とわたくしの元担当産地の後継者が言ってた。
これに腐植入れたりとか、微生物増やしたりとか、どうすればいいのかな? 
きっと、師匠・西出さんにも解決できないだろうなあ。



渥美半島に行ってきた。

ここで農業を営んでいる天恵グループは、
わたくしの某D社時代の担当産地である。
有機JAS法が施行された後、わりと早くに有機JAS認証を取得し、
素人のわたくしに、いろいろなことを教えてくださった産地でもある。

さて、有機JAS格付け率は今何%になってるのかな?
調べてみたら0.24%だった。2006年に調べた際には0.17%。
1年にだいたい0.01%ずつ増えてる感じだ。少ないのう。

有機農産物の割合が常に微増なのは、
有機農産物が付加価値商品として扱われていないからである。

スーパーでは有機農産物はほとんど売られていないし、
有機農産物が何かをきちんと理解している人は少なく、
雑誌の紹介などで見る説明はしょっちゅう間違ってるし、
有機農産物よりも自然栽培のほうが安全だとか言う流通もいる。

慣行栽培のトマトには50成分の農薬がかかってるけど、
そんなことは皆知らなくって、だいたい3回から5回位だと思っている。
だから有機でも農薬を使うと知ると、優位性が全くないと勘違いする。

「有機」=単純に「安全」と思っている人が多いからこういうことが起きる。

有機の優位性は誰がどのように栽培したか履歴が追えることにある。
さらっと書いてるけどこれ、すごいことなんだよね。
使ってもいいものやそのルールがめっちゃ細かく決まってるんだから。

有機農産物のJAS規格
http://www.maff.go.jp/j/jas/jas_kikaku/pdf/yuki_nosan_120328.pdf
こんなの守ろうとしたら大変だ。とくに畑作。なにしろ機械洗うんだからね。

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ほんたべ農園の土。典型的な火山灰土でCECは高く腐植分は多く、
微生物の食べものを入れればどんどん増えるよねという土である。
関東ってほんとに農業に向いてるいい土のところが多いのだね。



普通に売られているものは、誰がどんな農薬をまいて肥料に何を使ったかなど
全然わからない。うっかり失効農薬使ってるかもしれないが、バレなければ平気だ。
以前中国産の資材から農薬が出たこともあり、資材だからOKってな話でもない。

そういう意味で、有機農産物は確からしさが全然違うのだ。
そして手間も暇もかかるが、それに見合った価格はついていない。
手間暇かけて安いんじゃ、増えないのも当然なのである。

さて、天恵グループは3年ほど前に有機JASを継続するのをやめたらしい。
元同僚にその話を聞いて、担当時代にいろいろ話を聞いてたわたくしは
やめてせいせいしてるんだろうなーと少し思った。

なにしろ、化学肥料は「悪」ではないとわたくしに教えてくれたのは、
このグループの代表、津田敏雄さんである。

有機質肥料、とくに堆肥はさまざまな成分が入っているが、
継続して投入していくと、欠乏症や過剰が出やすい。
とくに鶏糞堆肥を使っているとリン酸の過剰が起きやすい。
リン酸の過剰はさまざまな障害が出る。また石灰も過剰になりやすい。

どうも畑の様子がおかしい。肥料が足りないのかなと思って土壌分析すると、
蓄積されたリン酸とカルシウムが悪さをしてることが多い。

しかしまあ、土壌分析を行って改善できることも多いし、
産地によっては、過剰になった表層部分を天地返しで地中に入れる等の
対策を取っているところもある。できないところもあるけどね。

有機農業を長年営んでいると、マグネシウム欠乏が起きたり
リン酸・カルシウム過剰になりがちというのは、ここ15年ほどでわかった話だ。
この特定の成分を土中に入れなきゃいいじゃん? と思うかもしれないが、
有機質肥料で単肥をやるにはお金がかかる。手間もかかる。

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渥美半島の先端は戦後の開拓地だ。大変苦労したそうだが設備は整っていて、
区画も四角いし大規模でやりますよ! 水もひいてあるしね!という土地だ。
夏はトウモロコシ、メロン、冬はキャベツ、ブロッコリー、大根の一大産地だ。
今これらが高いのは、ここの作柄があまり良くないからである。



規模が小さかったり、土壌条件が良ければやれるかもしれないが、
渥美半島の土は砂・礫質で、さらにチョー大規模、そして露地の産地である。
そう考えると北海道に少し似ているね。規模がでかいと改善が難しいのだ。

有機農業運動が1970年代にスタートして、すでに40年が経つ。
肥料分として近隣で入手できる堆肥を使っている産地は、かなり多いはずである。
微生物が増えて好調になっている畑もあるし、事実そういう畑をよく見てきたが、
ここのように障害が起きつつある畑もあると初めて知った。

知らないだけで山ほどあるのかもしれないなあ。もしかしたら。

過剰なものを作物で持ち出すには時間がかかるし、
リン酸は土と結びついているからこれを利用するのはかなり面倒である。
肥料を再考しないと過剰・欠乏症はますますひどくなるばかりなのだった。

解決策は化学肥料しかない。

有機農産物を栽培しているから収量が低くていいという農家には、
この問題は関係ない。あるだけ、採れるだけでいいという人もよくいるが、
それは農家の条件による。働き手の数が少なく小規模で別に収入があるとか、
また、土地が借地じゃないとか、機械の借金がないとかだ。

農業を職業として考え、慣行栽培に負けない
一定程度の収量を上げるためには肥料が必要である。

そしてその肥料の理想は、欠乏症が起きた場合、
少量の化学肥料を単肥として与えることだ。
有機JASではそれができない。そして土壌バランスが壊れていく。

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この土から石を持ち出すと栽培できる地面がなくなるんじゃないかと
以前冗談で言ってたことがあったけど、客土をする人もいるらしい。
またジャリを売る人もいたらしい。慣行農家はほぼ化学肥料で栽培している。
同じように収量を上げるには、肥料分(チッソ)入れないといけなくて、
その結果、過剰な成分が蓄積してしまっているのだった。



火山灰土などの条件の良い土地では有機JASを遵守した栽培が可能だが、
そうでないところでは難しいのだとしたら? 

ほんとうにおいしくて安全なものを作りたくてやってきたことが、
後継者にリン・カルシウム過剰の土地を残すことになってしまったと、
津田さんは嘆くのだった。

こういうの、他の産地ではないのかな?

というか、大規模で慣行栽培に負けない有機農業(露地ね、露地)ってのは
野菜の単価が上がらないとムリで、野菜の単価は上がらないから、
有機農業は慣行栽培より儲からない。つまり勝負できないってことなのかな?

「それはどうなのよ」と思うのは、わたくしだけではあるまい。
「有機農業推進法は何をしているのだ」と言いたいわたくしである。


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知ってるようで知らない海苔の話 その2

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今回取材させていただいた成清海苔店の成清忠さん。
海苔のことをわかりやすく説明していただきましたです。ありがとうございました。



産地周りをしていた頃のことである。
奈良の山の中のお蕎麦屋さんでお昼をごちそうになった。

うどんと海苔巻きという驚異の炭水化物ランチである。
海苔巻きの海苔が真っ黒でツヤツヤでとてもおいしそうだったのだが、
ひとくち食べると噛みきれず、みよーんとどこまでも伸びた。

「ああああああ、これ昔鳥取でもよく食べたなあ・・・・」
伸びるだけ伸びて切れない海苔をちぎりながら、ぼんやり考えたわたくし。
久しぶりに伸びる海苔を食べたが、なぜ伸びるのか理由はわからなかった。
東京で食べてる某D社の海苔は、そんなふうにはならないのだ。

さて、ではなぜ海苔巻きの海苔がみよーんと伸びるのか?
その秘密は海苔の葉の長さと硬さにある。

海苔は11月から3月まで収穫されるが、おいしいと言われているのは
11月に初めて収穫する海苔「秋芽一番摘み」である。
種付けをして最初に伸びたこの芽は、柔らかく色がよく、香りもいい。

秋芽の中でも評価が高いのは2番摘みまでで、
3番、4番になると海苔の葉が硬くなり、食感が少し悪くなる。

これは1月に収穫される冬芽も同じで、1番2番は価格がいいが、
それ以降はそうでもなくなり、網を変えた一番摘みでも評価は下がる。
2月や3月に収穫する海苔も同じだ。
「秋芽一番摘み」は海苔の中でも特別なものなのだ。

当然入札価格もいいため、漁師はいいものを収穫しようとする。

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摘み取られた海苔は海苔漁師のところでこのような機械で乾海苔になる。
この乾海苔を作るのにも技術が必要で、それが海苔漁師の技であり腕の見せどころ。

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帯に摘み取り日が書いてあるでしょ? これ、同じ秋芽一番海苔だけど、
3日違いで等級も変わっちゃうんだって。触ってみたら確かに19日の方が
ふわふわで柔らかい。その違いが食感や食味の違いになるわけ。
3日の違いは海苔の長さの違い。うーん、すごいなー。



いい海苔とは葉の長さが10センチから20センチくらいで、
短ければいいというわけでもなく、長くても良くない。
長くなると海苔の葉が硬くなってしまうのだ。

完成した海苔の柔らかさは、葉の柔らかさと収穫後の裁断の大きさによって決まる。
細かすぎると歩留まりが悪くなり、長すぎると歩留まりはいいが、
食感が硬くなる。だから適度な長さの海苔を摘み、歩留まり良く、
なおかつ食感を損なわないよう、適度に裁断する必要があるのだった。

また、その裁断の細かさと水洗いの程度で、海苔の味は決まる。
洗いすぎると海苔の味がしなくなるし、少なくても良くない。
そういうことを総合的に判断し、海苔の調整をするのが漁師の腕でもある。
いい海苔を収穫し、おいしい乾海苔に加工するまでが漁師の仕事なのだ。

さて、乾海苔は漁協に出荷後、格付担当者が等級をつける。
上から優、特、1、2、3、4、5といくつかの等級があり、
それぞれいろいろな分類があって興味深い。

例えばちょっと穴があいてるのには「○」がついてたり、
とくに優れているものは「旬」と呼ばれる。

海苔は等級を付けられた後、入札にかけられて価格が決まる。
「秋芽一番摘み」の入札価格を見せていただいたが、
「優・旬」のものと、「2等」とでは一枚あたりの入札価格は4倍も違うのだ。
いい海苔が高いのはあたりまえなのだった。

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海苔の密度を比較するのに、おひさまに透かしてみました。
こちらが皿垣漁協の海苔。海苔の密度も繊維も細かいのがわかります?

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こちらは同じ等級の佐賀県産の海苔。穴あきなので◯がついてました。
でも密度が薄いような気がするし、繊維がちょっと粗い。うーん。
こんなに見た目が違うとは。ふだん全然気にしてないってことよね。

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手前が佐賀県産、奥が皿垣漁協のもの。手前のほうがツヤツヤしてる。
実は海苔の等級は、この「ツヤ」と「色」で判断されることが多いのです。
皿垣漁協の海苔は、味はいいけどなんとなくぼんやりした色合い。
海苔の世界では「ツヤツヤしていて黒い海苔」が評価されるんだって。
味がいいほうがいいのにねー。



では、コンビニで使われてる海苔はどれぐらいの品質の海苔なのかな?

コンビニの海苔は、だいたい3番摘みから6番摘みのもの、
外食では7番とか8番摘みになる。等級はどれぐらいなのかな? 
あまり高くはないだろう。おそらく価格もだ。

海苔は食味と見た目が価格に正しく比例するから、
安ければ安いほどおいしくないと言ってもいいのだった。

というような知恵がつくと、わたくしが鳥取で食べたみよーんと伸びる海苔は、
海苔の葉が長くて硬く、裁断も粗く、単価もそれほど高くない、
安い海苔だったのであろう。技術の差や産地の違いがあったかもしれない。
昔は全て手作業だしね。柔らかいのを作るのが難しかったのかも。なんちて。

さて、今回取材させていただいた福岡県柳川市の成清海苔店さんは
皿垣漁協の海苔を中心に扱っている。
その皿垣漁協では格付検査員の方針で
全国でも稀な全ての海苔の食味検査を行っている。
他の漁協ではそういうことは行われていないらしい。

それほどに手間をかける理由は、
「おいしい秋芽一番摘みの海苔をつくろう」と組合員皆が考えているからだ。
そのため、他の漁協では100枚で340gの重量があればいいところ、
皿垣漁協では400gで作ることになっている。「秋芽一番摘み」だけだけど。

一枚あたりの重量が多いということは海苔の密度が高い=味が濃い
=おいしいということでもある。

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成清海苔店さんでは遠赤外線で海苔を焼いております。
遠赤外線は海苔を芯までしっかり香ばしく焼くことができるです。

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赤茶色だった海苔が緑色に美しく焼き上がりました。
んー、いいにおいー。おにぎり食べたい。

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成清忠さんとおつれあいの千賀さん。昨年NHKの「サラメシ」で
成清海苔店さんが紹介されました。その時のおにぎり食べてる千賀さんと
お母様の映像がその後も時々登場しているらしいです。



ということで、成清海苔店ではその「秋芽一番摘み」しか扱っていない。
「秋芽一番摘み」の入札時に、一年分の海苔を仕入れてしまうのだ。

だから、成清海苔店の海苔は、誰がいつ食べても
「今までこんな海苔食べたことない」と驚愕されるほどおいしいのだ。
何しろいつ買っても「秋芽一番摘み」の海苔である。一年中、
海苔のなかでも一番品質が良く味がいい海苔を食べることができる。

他の海苔メーカーがどんな海苔を使っているのかは不明である。
でもおいしい海苔を食べたいなら断然、成清海苔店の海苔だ。
当たり外れなく、いつでもおいしい。
そういうものってさあ、なかなかないのよね。

おいしいものにはちゃんと理由があるのだった。
そしておいしい海苔は人をしあわせにすることができるのだ。

わたくしは最近、海苔を食べたいがためにおにぎりをつくっているのだ。
そして、食べるたびに「日本人に生まれてよかったなあ」と思うのだった。

※成清海苔店さんの海苔は大地を守る会・生協やまゆり、
首都圏のこだわりやで購入できます。


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知ってるようで知らない海苔の話 その1

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夕暮れの海は美しくて寒さを忘れるほどでございましたが、
この後深々と冷えてきましたよ。いや、寒かったです。そんななか
水をじゃぶじゃぶ浴びてる海苔漁師は大変だよなあと思ったです。



おにぎり、海苔巻き、寿司。
わたくしたち日本人にとってあたりまえの食材。それが海苔である。

しかし海苔がどのように作られているか、知ってる人はいるかな?
わたくしは知らない。
海苔にもおいしいものとそうでないものがあるが、
その理由を知ってる人はいるかな? わたくしは知らない。

ということで、福岡に海苔の取材に行ってきた。

海苔の養殖は、有明海、瀬戸内海、伊勢湾、東京湾、松島湾で行われている。
大きな川があるところがいいようだ。これ、川からミネラル分が注ぐからよね。

森付き魚とか魚付き森とか言われるが、こういう海は栄養分が豊富で、
いいものができるのであろう。牡蠣の養殖も同じである。
だから佐賀県では諫早干拓事業で海が閉じられ困っているのだ。

有明海では主に支柱方式という、海苔網が支柱に固定され、
潮の干満によって海苔網が海面から出たり海中に入ったりする方法で養殖されている。
その他の地域では海苔が常に海面下にある浮き流し方式が取られている。

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出港! 波を切ってびゅんびゅん走るぞ! そして海水かぶりまくり。
出港時間は17:45位だったかな? 西日本は明るいねえ。

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10分ほど走って、最初の摘み取り場所に到着。
海苔の摘み取りはこのボートで行います。真ん中の銀色のものは刈り取り機。
なんか風呂桶みたいだなーとちょびっと思ったわたくし。

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海苔の網の下をくぐって新しく伸びた海苔の芽を摘んでいきます。
今回は冬芽の2番摘み。秋芽に続いて冬芽の2番摘みまでは品質が良く、
入札価格もいいらしい。時間が経つと海苔の葉がだんだん硬くなるんだって。



海苔の人工養殖は海苔の繁殖方法がわかった昭和30年以降に始まった。
イギリス人の研究者、ドゥルー・ベイカー女史が偶然発見するまで、
海苔がどのように繁殖しているか誰も知らなかったのだ。
面白いなあ。しかも、海苔は雌雄同体なのだった。

春先に受精した海苔は、胞子を作作り、その胞子はカキの殻に取り付く。
そこでじゅうぶんに成長してから海中に放出される。
現在は海苔の胞子を海苔漁師や漁協が人工的に栽培し、効率化が図られている。

これ以前は、海中の胞子を取り込む自然養殖が行われていた。
うなぎの稚魚を採取するのと同じである。

日本における海苔生産量は佐賀県がTOPで、その次が福岡県だ。
有明海で養殖されている海苔は品質が良く高値で取引されているらしい。

これは支柱方式という養殖法と、有明海の状態によるものだ。
支柱方式で養殖すると、一日のうちの数時間海苔が太陽光線にさらされ、
海苔が乾かされ、光合成が活発に行われる。この時殺菌もされる。
海中に入り、夜の間海苔は生育する。

この繰り返しが、柔らかく味のいいものを作ると考えられている。

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2網分の海苔を収穫して帰ってきた小舟。いっぱいに海苔が入っとります。
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海苔をポンプで吸い上げて船の保管庫に移します。海水をじゃんじゃんかけて、
海苔をきれいにポンプに集めます。人、濡れ放題。

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ポンプで吸い上げる際に海水と海苔をちゃんと分離しているのよね。
この海苔を食べてみたけど「へー」って感じの味。磯臭いし。
香ばしさもとくになくて、これを加工することを思いついた日本人ってエライなあ。

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分離された海水は海に戻しております。これ、以前は手作業だったんだよね。
どんだけ寒いか、体力使うか、大変か。想像したら頭がくらくらしちゃいましたよ。
高級品だったのは当然よね、海苔。徐々に機械化が進んで良かったなあ。



さて、以前は高級品だった海苔だが、海苔養殖の技術が進み、
機械化などの効率化が図られたおかげで、
昭和50年代をピークにして海苔一枚あたりの単価は下がり続けている。

しかし、どういうわけか、ご家庭での海苔消費量も右下がりになっており、
上がっているのは業務用だ。主にコンビニと外食である。

ってことで、コンビニのおにぎりがどれぐらい海苔を使ってるか調べてみた。

2012年度のセブン-イレブンの年間のおにぎり販売個数は16億8千222万個らしい。
おにぎりの海苔の大きさは半帖なので、2で割ると8億4千111万枚である。
ローソンは6億個。ってことは3億枚。

平成20年の数字しか見つけられないが、海苔生産量は91億枚であった。

セブン-イレブンとローソンだけで15%の海苔を使っているのだった。
すごいなあコンビニ。日本人、1人でコンビニおにぎりを10何個食べてる計算だ。
単純に感動である。

さて、海苔養殖の一年はどんなふうになっているのかな?

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海苔を全部移したら再度海苔摘みに出発。海苔の生育によって、
収穫できる網を全部回るみたい。この時期は毎日収穫している。さむー。

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支柱の間を網を持ち上げながら移動するのはこんな感じ。
日が沈んだら真っ暗っす。

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見学させていただいた漁師さんが育成している海苔の胞子。
この地区では胞子を自分で育成している漁師さんが多いらしい。
それはなんとなく楽しい気がするなあ。自分好みの性質の海苔を作ってるのかも。



海苔の養殖は9月にスタートして4月で終了だ。
9月、海苔漁師は海に養殖用のサオを刺しに行く。
有明海の場合でこのサオの長さは6mから12mまで。
海の底に2mほど刺すらしいが、これは人力だ。

船の上から海中にサオを刺すなんてさあ、大変だよね。

2013年は、海苔の種付けの解禁が10月19日だった。
ここで海苔の胞子が海苔の養殖網に付けられる。
一部を海に残し、残りは網ごと冷凍保存される。

海苔の生育は早くて、種付けから1か月後には収穫が始まる。

2013年の初摘は11月14日である。
これが秋芽一番摘みという、海苔の中で一番品質がよくて高級で、
おいしいと言われるものだ。なんとなく新茶みたいだね。

この網は12月20日に撤収されたらしい。次の海苔網を張るまでちょっと休憩し、
冷凍してあった網を12月27日に再び張り、冬芽が収穫される。
冷凍網のほうが生育が早くて、1月7日には一番摘みが始まっている。

この後3月頃まで何回か網を変えて、その都度収穫だ。
海が暖かくなってくるとプランクトンや病気が発生するので、
寒い間しか海苔の養殖はできないのだった。

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港に戻ってきたら、船からポンプで加工場まで吸い上げます。
よその漁師さんはコンテナに入れてトラックで運んでたから、皆がそうではないらしい。
船の清掃や後片付けで、彼が加工場に戻るにはまた30分くらいかかります。

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とっぷりと日が暮れて大変美しい月が海面を照らしていました。
とても幻想的な風景で、ぼんやり見てたらからだの芯から冷えました。冷えた分、
海苔は大切に大切に食べないとなあとつくづく思いましたよ。



収穫された海苔はその日のうちに加工である。
撹拌→裁断→水洗→脱水→水洗→整形→乾燥という工程を経て、
10枚つづりの乾海苔の完成。それを10束にして結束されてできあがり。

この後、格付→入札となり、加工業者のもとで焼かれて商品になる。

この加工と格付けのあたりにも、美味しい海苔の秘密が隠されている。
んで、長くなったので続きは次回に。

参考資料
WEBサイト・セブン-イレブン、ローソン、白子のり、
一般財団法人 海苔増殖振興会、全国海苔貝類漁業協同組合


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日本人は一年間でどれぐらいの野菜を食べているか

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この時期の白菜って一個まるごと買って外側からむいて使えば
2週間くらいは平気で食べ続けられるんだけど、カットで買う人が多いよね。
まあ、市販のは病気が入ってて腐ったりするからしょうがないのか。
そう思うと某D社の白菜はお得だなー。



野菜が高いらしい。

足りない食材は某D社で買い、スーパーにはほとんど行かないので、
全然知らなかったわたくし。そしたら先週の配送で、
某D社から、めっちゃちびっちゃいキャベツが届いた。

それで「あー市況が相当高くなってるな」と気がついた。

この時期、キャベツやブロッコリーの出荷の主になってるのは、
わたくしが以前担当していた産地である。
こんなちびいキャベツを出してるってことは、スーパーが高いから、
いつもはスーパーで買う人が、某D社で野菜を買っているということだ。

某D社の価格設定は、農家が再生産可能な価格になっており、
相場に左右されない。だから、相場が安い時には高く、
相場が高いとき(つまり今)は安く感じるため、注文が増える。

でもねえ、ないときはないのよね。どこにも。

昨年夏から野菜はずーっと高値で推移しているのだが、
それは天候が異常だったからだ。夏は暑すぎて生育不良になり、
台風、特に26号が列島縦断したことで被害が大きくなり、
暖かかった秋にもそれほど回復せず、12月になったら急に寒くなった。

秋があったかいので冬に出る分が前進して足りなくなる
というパターンがここ数年続いていたが、今年の状況は少し違っている。
寒波が次々にやってきて、このまま高値は続きそうである。

冬の産地から春の産地へのスイッチもうまくいかないだろう。
また4月上旬の端境期のキャベツが300円以上するんじゃないのかなー。

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統計上日本人が一番食べている野菜はキャベツでした。
次が大根、玉ねぎ。意外と検討しているのがきゅうり。
キャベツが一番買われる理由、わかるなー。使いやすいもんね。



ところで、人々は高くて困ると言うほど野菜を食べているのかな?

日本人の野菜の予算はどれぐらいなのだろう? 
野菜の品目別1人当り年間購入量の推移(全国・全世帯)の
平成22年の数字を見てみた。

一人あたり21,151円である(総務省統計局「家計調査年報」より)。
食料品に占める野菜の割合は7.4%である(金額)。

えええええー、マジですか!??

わたくしの区民農園の料金は18,000円だ。
予算、あと3,000円? 肥料で全部使っちゃったよう~。

さらに世帯収入別の統計も見つけた。

1.年収360万未満   1,819円(一人あたり/月)
2.360万~477万円 1,883円
3.477万~635万円 1,637円
4.635万~870万円 1,640円
5.870万~       1,895円

野菜の購入額って年収による差があまりないものなのだね。
3と4の世帯の野菜購入量が少ないのはなぜだろう? 

ちなみにわたくしが先週購入した某D社の野菜は
キャベツ・白菜(一個)、人参800g、レタス一個、にんにく100g、
ネギ400gだった。その合計額は1,788円である。

うーん。

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基本的に厳寒期のブロッコリーは生育が止まるので高値になるんだけど、
今年はきっとけっこうな値段になってるんだろうなと想像してみるわたくし。
でもこの時期が一番おいしいんだよね。硝酸態窒素の味がしなくって。



そこで「野菜の一か月の購入予算」でWEB検索してみると、
「2人家族で食費をひと月20,000円に収めるにはどうしたらいいですか?」
という質問がヒットした。

予算20,000円の場合、統計上の野菜の割合7.4%分は1,480円だ。
なるほど。この予算で野菜はどれぐらい買えるかな?
カットされたものならある程度買えるかも。

とりあえず、有機農産物や低農薬栽培等の付加価値商品や、
割高なものは無理そうだ。

野菜の価格って、農家から見たら決して高くはないし、
相場性だから安値が続くときには廃業する農家もかなりいるし、
それが高齢化・後継者不足にもつながって耕作放棄地も増えてるんだけど、
そういうことと家計のやりくりは多分別の話だ。

大規模集約化で農産物の価格を安くという国の方針は間違ってないんだろうが、
なんとなく新年早々暗澹とした気持ちになっているわたくし。

日本の農業に未来はあるのでしょうかしら?


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冷凍食品から検出されたマラソンの報道を見て思ったこと

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小麦の自給率は平成23年度で11%。主に米国から輸入されている。
農薬が検出された冷凍食品に共通してたのが小麦だったので、
小麦の残留農薬なのかなーとぼんやり思ったけど違ってましたね。



12月29日(日)、冷凍食品から高濃度の農薬が検出された。
年末の忙しい時に大変だあと思っていたら、
どうも意図的な混入の疑いがあるというので連日報道が止まらない。

高濃度の検出があったのは「マラソン(マラチオン)」という農薬である。
この農薬、ホームセンターでフツーに買える。農薬名も「マラソン」である。
某D社では禁止農薬だった。有機リン系農薬、殺虫剤である。

どこかの防除暦に書いてあったことあったかな?
なかったような気がするなあ。誰か使ってる人いるんだろうか。調べてみたら、
神奈川県でプラムに何かの適用違反をしたという報告を見つけた。

適用を調べてみたら、みかんやりんごなどの果樹類や豆、
菜っ葉や大根、キャベツ、ウリ類など、わりと何にでも使える。
アブラムシやハモグリ、アザミウマ類など難防除害虫に効くらしい。

希釈倍率が低いから、おそらくふるーい農薬だ。そしてたぶん安い。
じいちゃんばあちゃんが使ってそう。

ハモグリバエなど菜っ葉の中に入ってる害虫にも効くので、
浸透移行性が高いんじゃないかな。某D社的に言うと「よく効く農薬」だ。
有機リンだもん。しかし果菜類には収穫前日までの使用が可である。うひい。

マラソンは「普通物」に分類されているが、変異原性、生殖毒性があり、
環境ホルモン物質であると考えられている。ADI値(※)は0.02。
作物への残留性が高く天敵への影響も高い。そのため、
ミツバチのいるところでまいてはいけないと注意書きに書いてある。
※ADI値  一日摂取許容量(Acceptable Daily Intake、ADI)

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中国餃子から検出されたメタミドホスはアセフェートが加水分解したもので、
オルトランのことだった。当時ぼんやりしてたのか考えたことなかったけど、
これもホームセンターでフツーに買える農薬でした。



というようなことはあまり報道されていないが、
少し食べたぐらいではとくに影響ないってことなのだろうね。
中国餃子から出たメタミドホスよりもはるかに数値が低いのだ。

さて、この報道の最初の頃に読んだ産経新聞に、さらりと
「マラソンはポストハーベスト農薬によく使われている」と書いてあった。

当初意図的な混入という疑いが浮上するまで、
回収された品目に共通していた食材は「小麦粉」だったので、
そういう可能性も加味して書いたのかもしれない。

ポストハーベスト農薬。久しぶりに聞いたなあ。

最近は遺伝子組み換え作物のほうが話題だが、昔は穀物といえばこれだった。
1980年代にかなーり話題になり、最近ではめっきり聞かれなくなったが
「収穫後に直接作物に散布される農薬」のことである。

輸入穀物や果物が流通途中に腐ったりカビたりしないよう、
小麦、米、大麦、トウモロコシ、バナナ、柑橘類、その他に使われている。
人間が食べるものにも動物の飼料にも使われている。
昨今ではどの程度の使用があるのだろう? 調べてみたが不明だった。

ちなみに日本ではポストハーベスト農薬は禁止されており、
国産のものには使われていない(※燻蒸は禁止されてないけど)。

しかしどういうわけだか輸入柑橘類には「食品添加物」という名目で、
発がん性等が指摘されている防カビ剤が使用されている。
表示が義務付けられているのでスーパーの売場で見ることができる。

レモンやオレンジの「TBZ、イマザリル、OPP使用」という表示を探してみよう。
わたくしは見るたびに「うひい~」と思うが誰も気にしてないようだ。

gazou 011
楽しげな感じで防かび剤の表示がされております。
書いてあっても何のことか知らない人のほうが多いんだと思うです。
催奇形性、発がん性、変異原性が疑われてるけど法律上は食品添加物。
ううう。食べないほうがいいと思うです。



ポストハーベスト農薬にも残留基準値がある。
残留基準値をクリアしているとかどうとか言われても
収穫後作物に直接散布されるものなので、消費者的には拒否感が強い。

わたくし、この話を初めて聞いたのは28歳くらいのときだったが、
それ以来、輸入小麦、柑橘類は買わないと心に決めた。
外食するときやパン屋さんのパンは気にしないが、
買うときには国産小麦や柑橘類を買う。

国産レモンの需要が高まったのもこの頃からである。
理由は前述の防カビ剤、ポストハーベスト農薬だ。
紅茶に入れると防カビ剤が溶け出るとか思うとヤでしょ。

だからレモンティーも飲まなくなった。
今よりも食材原理主義度が高かったわたくし。

最近ではポストハーベスト農薬がどうたらというより、
何を作るにしても国産小麦のほうがおいしいし、
国内の農家をを応援するという意味もあり「国産」を選択している。

というか、輸入小麦・柑橘は視野に入らない。ってことは
以前よりも「食材原理主義度」が上がってるってことか。あれれー。

しかしふと考えた。最近めっきり話題になっていないということは、
ポストハーベスト農薬のことを知らない人のほうが多いのかもしれない。
穀物といえば遺伝子組み換え作物だが、収穫後農薬もあるのよね。

ポストハーベスト農薬についてもう少し意識したほうがいいかもね。


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鳥取の「小豆雑煮」は「ぜんざい」でも「汁粉」でもないという主張

010_2014010411023449e.jpg
厳密に言うと餅は丸餅、しかも茹でてるのでこうではないが、
見栄えとか丸餅が入手できないとかでこうなりましたです。
まあぜんざいに似ているといえば似てるかもね。絶対に雑煮だけど。



あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願い致します。

さてお正月。

関東ではお雑煮需要で小松菜の相場が上がり、葉物農家がうれしいお正月。
全国的には煮しめに使うれんこんに高値がつくお正月。
そしてわたくしが生まれも育ちも鳥取であることを強烈に認識させられるお正月。

その最たるものがお雑煮である。

今年、Facebookで鳥取の小豆雑煮を紹介したら、
「汁粉とぜんざいとこの雑煮の違いを述べよ」と質問されたので調べてみた。

まず雑煮とは、大晦日にその土地で採れたものを神様にお供えし、
そのお下がりを食べるものらしい。いつから食べられていたかははっきりしない。
江戸時代ではないかという説が多いようだ。

すまし仕立てと味噌仕立てについてはWEB検索では出てこない。
ので、今回はパスである。

次は餅の形だ。自分的に最大の謎である。

かれこれ20年ほど前、東京に越してきた翌年のことだ。
某D社の注文書に「板餅」という商品が載っていた。 

鳥取には餅を平べったく切った「かき餅」というおやつが存在する。
てっきりそれだと思った。んで注文した。そして翌週届いたその商品は、
べったりとした一枚のずっしりと重い板状の餅であった。

「なななななな、なんじゃこれ? ぶ、武器???」 

包丁で切るのにめちゃくちゃ苦労し「二度と買うか!」と心に誓った。
無駄なことが嫌いなわたくし、この手間が許せなかった。
餅をなぜわざわざ板状にし、後日それを切り分けるのか理解できない。

餅は取り粉にとって粛々と丸めるのがヒトとして自然な行為ではないか。
わざわざ板状にのして冷めてから切り分けるなどいかにも無駄で非効率である。
トータルで考えたら2時間程度の無駄が発生するはずだ。
しかもつきたての餅をつまみ食いできないじゃないか!

しかしこれもはっきりとした理由はWEB検索では出てこない。
ので今回はパス。パスが多くてすみません。

というような基本的な部分はおいといて、今回のテーマは鳥取のお雑煮である。

鳥取の雑煮は、甘く煮た小豆汁にゆでた丸餅が入っている。
昔、大阪の友人に「それ、ぜんざいちゃうん?」と言われたことを思い出す。
しかしこれは鳥取市民にとって、まぎれもなく雑煮である。

わたくしの母は生まれも育ちも鳥取で、先祖代々
鳥取市立川町に住んでおり、鳥取の原住民と言っていいと思うが、
むかーしから「小豆雑煮」を食べている。ということでこれは鳥取の伝統である。

実はこの「小豆雑煮」を食べる地域は全国に点々とある。

まず出雲地方、あと新潟の下越地方の一部、佐渡ヶ島(伝聞)である。
共通点は見つからない。殿様の転封はなく人々の交流もなかったはずだ。

もしかして北前船?

010_201401041102364b9.jpg
わたくしの父は鳥取の人ではなかったので雑煮は小豆ではなかったと思うが、
母はいっさい作らなかったので、どんなものだったのか知る由もない。
わたくしは一応夫用に見よう見まねの雑煮を作っております。
最近おいしいと思えるようになってきたかなー。やっぱ、慣れだよね~。



現在では太平洋側と比較して繁栄していないと考えられており、
十把一絡げに「裏日本」と呼ばれる日本海側の地域は、
昔は北前船で交易を行い非常に繁栄していた一大文化圏であった。
北海道で採れる昆布が西日本に伝わったのは北前船のおかげである。
でも京都までだよな。鳥取には来なかったはずだ。

出雲はそもそもぜんざい発祥の地だと最近言われている。
11月の神在月に食べたので「神在」→「じんざい」→「ぜんざい」。

ダジャレ?

神へのお供えという強烈なハレ食だから、ハレの正月に食べるのは理解できる。
しかし鳥取にこれが伝わったというのは考えづらい。
出雲は方言から何から全く違う文化圏の地域だからだ(『砂の器』参照)。

雑煮が生まれたのは江戸時代と仮定してみる。
因幡の国は、関ヶ原後、池田家が廃藩置県まで治めていた。
岡山からやってきた池田家の家臣が小豆雑煮を食べていたのかな?
しかし岡山の雑煮は小豆ではない。うーん。

そしてひとつ思いついた。大変悲しい推測である。

鳥取の冬はかなりの大雪が降るので農産物は収穫できない。
海産物は豊富だが、冬の日本海は荒れて漁ができない事が多かっただろう。

ということで手っ取り早い「ハレ」の食材「小豆」を使ったのではないだろうか。
そもそもの味付けは貴重品の砂糖ではなく塩だ。砂糖はかけて食べていたらしい。
小豆と砂糖と餅と言えば、日本における「ハレ食」のベスト10に入る食材である。
これお雑煮にすればいいんじゃん? 甘いしおいしいしごちそうだよねみたいな感じ。

なんちて、鳥取市民に怒られるかな?

鳥取の郷土史等々文献を調査しないとほんとのところはわからないのだった。
ということで、これはわたくしの妄想でございます。

ちなみにぜんざいとしるこの違いは以下。

「しるこ・小豆のあんを溶かした甘い汁の中に餅などを入れた食べもの。
ぜんざい・関西で潰しあん入りのしるこ、田舎じるこ」
『角川必携国語辞典(第十二版) 平成25年版』

「しるこ・あんを溶かした汁のなかに餅などを入れた食品
ぜんざい・つぶしあんをまぶした餅。しるこのようにお椀に入れて食べる。田舎汁粉」
『新明解(第三版)昭和59年版』

鳥取の小豆雑煮は形状・味付けともに関西でいうところの「ぜんざい」、
関東で言うところの「田舎汁粉」に酷似しているが、雑煮である。

「ぜんざいちゃうんか」と言った大阪の友人よ、違うのだよ。食べて驚け。


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プロフィール

ほんたべ

Author:ほんたべ
手島奈緒
おいしい食べものをつくる人を紹介したり応援したりしております。ブログをまとめた著書『いでんしくみかえさくもつのないせいかつ』(雷鳥社)『まだまだあった! 知らずに食べてる体を壊す食品』(アスコム)『儲かる「西出式」農法』(さくら舎)など。現在ハンター修行中。

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