骨密度が低いと言われたらすべき5つのこと

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魚の中でダントツにカルシウム量が多い鮎(100gあたり480mg)。
もうこれはわたくしに鮎を食べまくれ!! という神様の指令ではあるまいか。
今年はまだ食べてないのだ。骨量のために早く食べなくちゃ!!



人間ドックに行ってきた。

友人のお医者様に「閉経前に骨密度はかっといたほうがいい」と言われ
そんなんどこに行ったらはかってもらえるんだよう! と思っていたら
人間ドックの項目の中に「骨密度」と書いてあったのだ。

人間ドックは10年ほど前に一度行ったきりだったので、
久しぶりの人間ドックはいろいろと発見があり楽しかったが、
さて、骨密度である。

ななな、なんと。わたくしの骨密度は「要注意」だったのだ(泣)。
ちなみに人間ドックの骨密度の検査はかかとの超音波検査である。

グラフを見せてもらったら確かにかなり低く
60過ぎたら骨粗しょう症になってもおかしくないよね的レベル。
背中が丸くなっている自分を想像し気分がふさいだが、
栄養士さんは明るく「大丈夫! 増えますから!」と言った。

ええー? 増えるんだー、骨。

というのもなんとなく新たな驚きだったが、あれこれ調べてみたところ
カルシウム及び骨の形成などについて、自分が知っていたことが
かなり間違っていた、というか知識がほとんどなかったことがわかった。

そもそも骨量がバンバン増えていくのは20代までで、
その後は一定量を保ち閉経後にはグワーッと減る。
そのまま何もせずに60過ぎたら転んで骨折→寝たきり、とか
圧迫骨折で背中が曲がる→歩けなくなる→寝たきり、とかになる。

若いうちにムリなダイエットをしたり偏食したりしていると
もともとの骨量が増えないので閉経後は注意しなくてはならない。
わたくしはこの部分の知識だけ持っており、
ダイエットしてなかったから大丈夫! とやみくもに考えていた。

ダイエットはしていなかったものの20代後半まで牛乳も肉もキライ、
酒は飲まないがタバコは吸ってたし、身長163.5cm体重は48kgで、
母に「アウシュビッツから出てきた人」とよく言われた。もしかして低栄養?
今調べてみたらなんとBMIは18.1で「低体重」である。マジですか!!

その後もとくにカルシウム摂取を積極的にするわけでもなく
タバコはやめたが大酒を飲み始め骨量が増えることは何もしていなかった。
ということに今さらながら気がついたわたくし。

少なくて当然ですね、えへ。って感じだ。

さてしかし。過ぎたことをくよくよ後悔してもどうしようもないので、
これからできることを考えなくてはならない。
つーことで、骨密度が低いと言われたらすべきことを書いてみましたよ。

ちなみに閉経後女性の一日のカルシウム推奨量は662mg、
骨粗しょう症予備軍の人の場合はよぶんに100mg取りましょうってことだ。
日本食品成分表(七訂)によると上限は2500mg。
つまり、食品からならどんだけとっても大丈夫って数値です。

1.一日200g牛乳を飲む

カルシウムの含有量がダントツで多く、さらに吸収量が高いのは
なんと言っても牛乳である。200gで200mg含まれており、
吸収率はだいたい50%、つまり100mgほどである。

食品に含まれているカルシウムの全てが吸収されるわけではないから、
骨密度が低い人は主として吸収率の高いものを選ぶべきだろう。

例えば小松菜や大根葉のカルシウム含有量が高いと言われているが、
野菜を食べた場合のカルシウムの吸収率は17%である。
100mg吸収しようとしたら小松菜を800g食べなくてはならない。

全体のバランスを考えた場合野菜も摂取すべきだが、
野菜単体で一日のカルシウム推奨量662mgを獲得するのは難しい。

なお乳製品全般カルシウム量は多いのだが、
チーズなどを食べ過ぎるとLDLコレステロールが増える可能性があり、
どっちかっていったら小魚食べてねと栄養士さんがおっしゃっていた。
チーズは大好きなんだけどなあ。ちぇっ。

2.鮎を食べる

っつか、ほんとは煮干しなど骨ごと食べられる小魚を食べる。なんだが、
なぜか鮎のカルシウム量ってめっちゃ高くて100gあたり480mgもある。
そしてわたくしは鮎が大好きなのだった。養殖鮎は苦手だが、
骨粗しょう症予防に天然鮎を食べまくるってどうですか? うふふ。
お金がかかっても健康のためならしょうがないのだ!!! 

なんつー妄想は置いといて。

庶民的な煮干し10g(5匹)の場合、カルシウムは220mgで
鮎よりも断然少ないが現実的である。そして魚の場合の吸収率は30%。
鮎一尾と牛乳で一日分のカルシウム量クリアだがまあ煮干し食べるか、ちぇっ!

3.歩く

「適度な運動」だからサイクリングでいいかと思ったら、
サイクリングでは効率よく骨量が増えないらしい(泣)。
骨量を増やすには、骨に一定程度の負荷がかからなくてはならない。
負荷とは体重である。だから歩くしかない。

わたくしが一番苦手なのは目的のない散歩とかウオーキングで、
くそう! 困ったなと思っていたらポケモンGOの配信が始まった。
骨粗しょう症予防のためにポケモンGO! ナイスポケモンGO!!
なんてすばらしいんだポケモンGO! 配信後4日でまだレベル7(泣)

4.日光にあたる


ただカルシウムを取るだけでは骨にならない。ビタミンDがないと。
ってことで、太陽光に当たらなくてはならないのだった。まるで光合成だ。
わたくしはこれから光合成で骨をつくるのだ。がんばるぞ!!!

5.大酒を飲まない

骨量を減らすリスクとして挙げられる生活習慣は
喫煙、飲酒、加工品(食品添加物としてのリン)、コーヒーである。
喫煙、アルコール、カフェイン、リンは腸からのカルシウム吸収を阻害するのだ。

もう年も取ったことだし記憶がなくなるほど酒を呑むなんてのは
大人としてどうかと思うから、とりあえずビールビールビール!!!
みたいなのはやめて、適度に優雅な飲酒生活を開始だ。
できるかどうかは不明だ。

なんつー感じで、上記5つの骨密度増量計画で、
来年の人間ドックまでに骨量を増やそうとわたくしは思っているのです。
増えたらご報告いたします。

千里の道も一歩から。がんばるぞ! 

そうそう、もうひとつ。
骨密度をはかったことのない45歳以上の女性の方は
一度はかってみることをオススメいたします。

喫煙経験者、大酒飲み、インスタントラーメン好きの方はとくに。えへ。


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売れればいいのか、売れればなんでもいいのか

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熊本の有機晩柑類をつくってる方のところに行ってきました。
柑橘類のことをいろいろ教えてもらいました。いやー面白かった!
次回書こうと思います。マジでおもしろかった!!!



10年ほど前の話でございます。
とある著名な有機農家の畑に、某D社の生産者とともに見学に行きました。

その方は研修生をたくさん受け入れており作業は主に研修生が行っています。
見学した畑の隅っこにバカでかくなった白菜がありました。
しかし白菜の姿形とは少し違っています。知り合いの農家が言いました。

取り遅れのミニ白菜だね。こんなに大きくなったのどうするの?」

著名な有機農家は以下のように答えました。

普通の白菜で売りますよ

僕のお客さんは400円で買ってくれます。
研修生にもそう言ってるんですよ。有機なら売れると」

作業しながらそれを聞いていた研修生は深くふかーくうなづいていました。

この話を聞いてあなたはどのように思いますか?
以下の中から自分の気持を選んでください。

1.売れるんなら400円ではなく500円で売ってもいい。

2.ミニ白菜と白菜は違うものだからでかいミニ白菜と正直に言って、
  できたら少し安くして300円くらいで売るべき。

3.取り遅れのミニ白菜はおいしくないと思うから、
  白菜と言って売るのは生産者としてどーなの? それでいいわけ? 

4.研修生が「有機なら400円で売れる」という言葉をうのみにして、
  就農後自分も取り遅れのミニ白菜が400円で売れると思っちゃうと困るなー。

5.こういうことを言うヒトのものは食べたくない


このちょっとした事件のあとの某D社の農家の反応は、主に4であった。
彼らは研修生を受け入れて日々指導している人たちだったためか、
「あそこで研修を受けた人たちは大丈夫なのかな」と心配していた。

「でかい取り遅れのミニ白菜を喜んで買う人なんていないよ。
彼はカリスマだから売れるのであって有機だからじゃないんだよ。
勘違いして実際に農業を始めた時に困らないかなー、あの子たち」

3の人もいた。

「やっぱりミニ白菜はミニ白菜でしかないよね、
しかも取り遅れででかくなってるものでしょう? 
そもそもミニ白菜自体そんなにおいしいもんじゃないし
白菜って言っちゃダメ」

わたくしは「これでいい」と考えて買う人がいるのなら売ればいいと思ったが、
わたくし自身はこういうことを言う人のものは食べたくない。
またこの人とはお友だちにもなりたくないし取材もしたくないと思った。

このように考える人は似たような状況であれば常に同じように振るまうだろう。
そのふるまいはいつか肥大して何か大きなイヤなものになる気がする。
いんや、絶対になる。イヤなものに。

そういう有機農業の人はけっこういるのだ。わたくしは苦手である。

わたくしの師匠・西出隆一さんは、野菜には野菜なりの適正価格があると言う。
売れるからと言ってべらぼうな値をつけるのは農家としてどうかと思うし、
おいしいもの、食べて健康になれるものを売る(つくる)のが農家ではないか。
高く売れるのはいいけど常識の範囲内の値付けは必要だと。

取り遅れのミニ白菜はおいしいだろうか。
おいしくないとわたくしは思う。

作物には正しい形と大きさがある。
野菜は完成形に近いものが必ずおいしい。
有機だろうが有機じゃなかろうが関係ないのだ。

しかしわたくしは栽培を生業にしているわけではないし、
売れればなんでもいいと思う人がいるのも当然だと思うし、
それで喜んで買う人がいれば全然OKだとも思うんだが、
(そこいらは個々人の自由ですから需要があればいいんです)
わたくしはそういう人のことを大変とてもヤだと思っているのです。

このところ野菜の品質についてあれこれ考えてて、
みんなどう考えるのかなーと思ったので書いてみました。



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なぜ人は売り場で野菜やくだものを触ってしまうのか考えてみた

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先日近所のスーパーで片っ端から桃を押しているおばあさまを見かけました。
ただ押すことを楽しんでらっしゃる感じで心が病んでるのかしらと、
チキンハートのわたくしは注意できなかったす。激しく反省中。



近所のスーパーがリニューアルオープンした際に聞いた話。

米国のスーパーを視察に行ってディスプレイが美しいのに感銘を受け、
くだもの売り場のディスプレイを米国式にした。

一般的に日本ではくだものはトレイに入れてラップでくるまれることが多い。
それは過剰包装だし何よりも見た目がステキにならない。
というので、裸のくだもの(変な表現だね)をそのまま並べることにした。

日本ではどういうわけか客は売ってるものをやたらと触る。
くだものはとくに顕著だ。3~5回触っては棚に戻し手に持ってあれこれ考える。

りんごも桃もなりもとやお尻の色を見ないと熟度はわかんないし、
そこはだいたいトレイに隠されているから絶対見えないと思うんだが、
あれこれ触って何かを確かめ、触って選んで気が済むとひとつカゴに入れる。
たぶん自己満足だと思うが、本人はいいものを選んだ気でいる。

スーパーで何もかもがトレイに入っているのは客が触るからだ。
触ることで劣化するデリケートな、例えば桃なんかはスーパーとしては
絶対に触ってほしくない。が、みんな触ってしまう。

つーことでこのスーパーでもそこが一番懸念されていた。

りんごがうず高く積まれているとして下から抜かれるとどうなるか。
りんごがガラガラと崩れてしまうのではないか。
それよりも触られまくったりんごの劣化が心配だ、等々。

社内でずいぶん議論されたようだがとくに大きなトラブルはなかったらしい。
昨日行ってみたらりんごがうず高く積まれていたが、
客は上から順番に取っていた。その売り方が定着したのだろう。

スーパーで一日にどれぐらい青果物を仕入れているのかは不明だが、
軟弱野菜はだいたい当日か前日入荷ではないか(収穫はその前日か前々日)。
棚持ちするくだものは数日前に入荷している可能性もあるが、
早取りされているためそもそも熟度は変わらない。つまりほぼ一緒。

昨今野菜はコールドチェーンが徹底されているため、
鮮度も品質もそんなに大きく変わらないと思うのだが、
みんな野菜を手に取り、ためつすがめつして戻し、また手に取る。なぜだ。

客はいつからこのように触りまくるようになったのか。
つーことで、触りたくなる理由について考えてみた。

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このつがる、スーパーに置いてあってもわたくしは買いません。
緑色が抜けていない=粉っぽくておいしくないからです。
しかしそもそもりんごの熟度は色ではなくお尻で確認するため、
トレイに隠されてて見えません。だから触っても何もわからないの。



わたくしが幼いころはまだ、近所に数軒八百屋があった。
八百屋の店先でベタベタと野菜を触る人はあまりいなかった気がする。
触るとおっちゃんに怒られるし、触るほど品数も多くなかった。

近所のおばちゃんが「今日は何がいい?」とか聞くと
八百屋のおっちゃんが手にとって「これがオススメ!」などと言う。
毎日何かいいものがちゃんとあるのが不思議だがどういうわけだったのか。
そしておばちゃんは手渡しされたものをそのまま買うのだった。

良くないものを売ればすぐに噂が広まって客は来なくなるという
シビアさもちゃんとあって、そのあたりは今よりも厳しかったが、
(実際近所の八百屋に母はよほどのことがない限り行かなかった)
お気に入りの八百屋のおやじが選ぶものは基本的にはいいものという認識だった

また、食べものを買う「場」には常に会話が存在していた。

お肉屋さんも魚屋さんも基本的に毎日「いいもの」がありそれを勧めてくれる。
時々おまけしてくれたりもする。客と店の間は非常に近くて、
信頼関係が自然と生まれた。子ども同士が小学校の同級生だったりするしね。

さて、現在はどうだろう。

スーパーマーケットにこのようなコミュニケーションは存在しない。
野菜売り場の品出ししているおばちゃんに商品のことを聞いても
はかばかしい答えは返ってこないだろう。

客はただ並べてあるものを自力で選ばなくてはならない。しかし不安だ。
だから騙されないよう、よくわからなくても儀式として触ってしまう。
いくつか触ると心が落ち着きいいものを選んだ気になる。
のではなかろうか。

店と客の間は非常に遠くなってしまっており、客は店を信頼していない。
だから触って「あなたを信頼してないわよ」とアピールしているのだ。
ギスギスした話じゃありませんか? やーね、ほんとに、もう。

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マルシェって出店側はあんまり儲からない気がするけど、
買う側は楽しいよね。新しい八百屋の形態ってことかな。
そういえばマルシェで商品をベタベタ触る人、あんまりいないかも。


しかし現在でも触らない・選ばない買い方を選択している人たちはいる。
某D社とかR社とかO社とかで野菜を宅配で購入している人たち、
農家から産地直送で買っている人たちである。

彼らは触らず、選ばずとも平気で、届いたものを粛々と受け入れている。
なぜだろう?

例えば某D社でわたくしはりんごの担当を長いことしていたが、
りんごの色に関するクレームを一度も受けたことがなかった。

某D社ではりんごの葉摘み(色づきを良くするために葉っぱを積む作業)を
最低限しかしない産地もあったから、りんごはまっかっかではなかった。
スーパーではりんごはまっかっかでないと売れないが、
某D社の消費者はまっかでなくても全然問題だと思っていないようだった。

もちろんそういった情報つきで販売しているということはあるし
宅配なんだから選べないし色など確認できないのはあたりまえなのだが
これに気づいたときわたくしはちょっと心底驚いた。

その「もの」の品質を見ているのかもしれないし、某D社、あるいは
作ってる農家を信頼しているということかもしれなかった。
ここでひとつの結論が出る。スーパーは信頼できなくても直送はOKなのだ。

これはつまり、買う側と売る側のコミュニケーションがあるかどうか
ということなのではないか。

作っている人のことを知れば疑心暗鬼にはならないものだ。
知り合いの八百屋のおやじが変なものを売るはずはない、
というような闇雲な安心感、信頼感が直送にはある。

生産側もいいものを送らないと直接クレームに繋がるから、
いいものを送ってくれるし時々はおまけもついてきたりする。
それがまたさらにうれしかったりするのだ。

こういった昔ながらのコミュニケーションがある「場」には、
いろいろな可能性があるのではないだろうか。
なんか産消提携とか過去の有機農業運動的な感じでうへえって気もするが、
最近ではそれがいいのではないかしら、なんて思ったりしているのです。


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作物の持つポテンシャルを引き出す人と出せない人がいる

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佐藤善博さんのさくらんぼ。感動しました。
栄養週期をちゃんとお勉強しようかしらと思うほど。
果樹栽培って楽しそうだなー。つくるなら果樹がいいなー。



巨峰を育種した大井上康さんが提唱した栄養週期という技術がある。

作物の生育ステージで必要なものを提供し、そのことにより
作物の生育をコントロールするという技術である。
必要なものは単肥で与えるため有機JASを取得した人には向かない。

有機農業&巨峰黎明期にこのお勉強をした人はたくさんいて、
某D社の生産者にも多く、学習会なども行われていた。
栄養週期、略して「栄週」。お聞きになったことありますか?

たまたま、というか今では運命だったのではないかと思えるが、
わたくしが担当していた生産者に栄週の先生と呼ばれる人がいて、
栄週を実践している人もかなりいた。

これを書くので思い返してみたら、某D社で栄週をやってる人は
ほぼわたくしが担当していた。出張のたびに話を聞いていたから
とりあえず「栄週とはこんなもの」と説明はできるようになった。

しかし。

聞きかじったことはいくつもあるが、他人には全く説明できない。
つまり全く理解していないということである。

むかーし聞いた栄週の先生だった担当産地の生産者が言ってた
「菜っ葉の7枚目の葉が出たら栄養成長から生殖成長に変わる交代期」を
他の栄週の人に言ったら「んー。ちょっと違うなー」と言われた。

聞きかじりの知識を披露してはいけないとわたくしはしみじみ思った。

このように、栄養週期は作物を栽培していないとちんぷんかんぷんで、
家庭菜園の本も出ていてわかりやすいんだがわたくしにはいまいちわからず、
大井上先生の本は読んだらすぐに眠くなってしまって読めない。

わたくしは「聞きかじり」のまま生産者と話をし、
「聞きかじり」のまま今まで生きてきたが、別にそれで良かった。
栄週をやってる人はおいしいものをつくる人が多い。
そのことがわかっていれば良かったからだ。

さてその栄養週期の世界で名前をちらほら聞く人がいた。
山形県天童市の果樹農家、佐藤善博さんという方である。

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佐藤善博さん。さくらんぼ、巨峰などを栽培されております。
栄養週期は現在実践している人が非常に少なくなっていて、
後継者もあんまりいなくて技術としては先細りになっております。
悲しい。


今年、有機農業参入協議会のお勉強会で山形県天童市に行った際、
佐藤善博さんと知り合う機会があった。これもたまたまであった。

佐藤さんは栄養週期の技術を大井上さんに直接教わった数少ない一人で、
ぶどう畑には巨峰の原木が植わっているらしい。すごいのだ!!!
わかんないかもしれないけどわたくし的にめっちゃすごいのだ!!!!!!

お勉強会の翌日、さくらんぼ畑を見せていただき、
素人のわたくしに剪定した木の形などわかるはずもなかったが、
花芽が非常に充実していることはわかった。一応果樹担当だったからね。

その時聞いた話は剪定の話より枝がねじれると葉芽がどうなるとかの
細かいことばかりだったが、佐藤さんは変わったことをおっしゃった。

さくらんぼは通常一か所にたくさんの花をつける。
ほっとくと全部実になるため5個から6個くらいに調整する。
これを摘果という。ならせすぎると味が落ちるため必須の作業である。

佐藤さんはこの5個から6個つけるところに2個しかつけないと言うのだ。
5~6個つくのに2個。な、なぜ? 少なすぎない? 
しかし、葉っぱが光合成をした養分は5個のところ2個に集中するから、
おいしいものができるはずである。この理屈は素人でもわかる。

だいたいひとつの果物に必要な葉っぱの数は40~70枚と言われる。
少なすぎると味はよくない。しかし果実が少なすぎても良くない。
果実に行くはずだった養分が余ると木の生育に回ってしまうからだ。
そうなると変なところから枝が出たり果実の味も悪くなってしまう。

5個つくとこに2個しかつけないんじゃ木は暴れないのかな? と
栄養週期をやってた元担当産地のすもも農家、古郡さんに聞いたら
「それをコントロールするのが栄週。暴れるわけないじゃん」と言われた。

おお、そうだった。栄週とはそういった技術なのだった。
すげーなー、栄週。とやっぱりしみじみ思った。

さて、このように栄週のことをくどくど書いたのには理由がある。
先日佐藤さんからさくらんぼが送られてきて、
そのさくらんぼがすごかったのだ。わたくしは驚愕した。

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山梨県で栄週をやっていた古郡正さんのすもも。現在は自然農法。
わたくしは最近古郡さんの自然農法のすももしか食べてないので、
一般的なすももの味がわからなくなっておりますが、これもたぶん
木の力を最大限に引き出した、そういうすももになっていると思います。



わたくしの考えるすげーおいしい砂糖錦の味は、
東根市の奥山博さんが栽培している佐藤錦が基本である。
ちなみに奥山さんも栄養週期の人だ。栄週=うまいものなのだ。

佐藤さんの佐藤錦は実を言うと佐藤錦っぽくなかった。何かが違った。

自分の頭のなかにある佐藤錦の味は、ぷちんと皮を噛むと
最初にロウっぽい香りがふわっとしてその後に少し酸味が来て
甘みがどっと押し寄せ後味はひたすら甘く、せきが出るほど甘いこともある。

しかし、佐藤錦は紅秀峰のように甘いだけではなく、ほんのりした酸味と
独特の香り(ロウとか言ってすんません)がありそこが魅力的なのだ。

「今から佐藤錦を食べるぞ!」と集中し準備したわたくしの脳は
佐藤さんの佐藤錦を一口食べて困惑した。あれ? これなに?
佐藤さんの佐藤錦は酸味も甘みも強くものすごーくおいしかったが、
色合いも軸の形も佐藤錦なのに佐藤錦っぽくないのだった。

ほんのりふんわりした佐藤錦をクッキリ際立たせたパンチのある味。
そんな感じだ。さて、これはどういうことかな? 

わかっているのは作り方が違うことだ。しかし作り方と一言でいうが、
果樹の場合、剪定、土づくり、木の仕立て、摘蕾・摘果のタイミング、
施肥管理と生育ステージ上にさまざまなやり方・技術がある。

生育期間が半年から一年で終了し毎年更新する畑作と違い
果樹は永年作物だから今年だけではなく長年の蓄積が果実の味を決める。
佐藤さんの佐藤錦の味は佐藤さんが今まで蓄積した結果によるものだ。
それがこのような独特の味をつくっているのだ。

佐藤錦っぽくないけどすげーパンチがあっておいしい佐藤錦。
木の持っている力と佐藤さんの技術が結晶したものである。

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なんかでかい花芽だったなー。次に行った人の畑の花芽が
とても貧弱で弱々しく、そういう花芽はいい花がつかないから、
やっぱりこういうのって技術だよねとしみじみしみじみ思いました。



わたくしはスーパーのくだものが仕組み的においしいものを販売しづらい
と知っているため、果樹担当になってから一度も買ったことがない。
生産者に送ってもらったおいしいものしか食べていないのだが、
それでも作り方でこんなに味が変わるのかと感動してしまった。

しかも「甘い」ということでのみ評価されがちな佐藤錦で、
目からウロコが落ちるような味のものができるとは。
佐藤錦にそういった潜在能力があるということだろう。

作物の持つポテンシャルを引き出せる人とそうでない人がいる.。
そしてそうでない人の方が圧倒的に多いのだ。

同じ品種だから一律同じ味なんてことは思い込みにすぎないと
某D社を辞めて5年経ってしみじみ思った佐藤さんのさくらんぼでした。


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プロフィール

ほんたべ

Author:ほんたべ
手島奈緒
おいしい食べものをつくる人を紹介したり応援したりしております。ブログをまとめた著書『いでんしくみかえさくもつのないせいかつ』(雷鳥社)『まだまだあった! 知らずに食べてる体を壊す食品』(アスコム)『儲かる「西出式」農法』(さくら舎)など。現在ハンター修行中。

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