グラスフェッドビーフってなんなんだというギモンその1 乳牛

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ジャージーちゃんを放牧しているキープ協会取材の風景。
牛は好奇心が旺盛なので知らない人が来ると必ず見物します。
カメラマンに興味津々。わたくしもさんざん鼻面を押し付けられました。


「グラスフェッドビーフ」って言葉を昨今やたらとあちこちで耳にするが、
みなさまご存知でしょうか?
カンタンに言うと「草を食べて育った牛」という意味であります。

「グラスフェッド」に対して「グレインフェッド」というのがあり、
これは「穀物を食って育った牛」のことであります。

日本の和牛・国産牛・乳牛のほとんど及び米国の肉牛はグレインフェッドで、
オーストラリアやニュージーランドの肉牛がグラスフェッドである。しかし、
オーストラリアではすべてグラスフェッド、でもなく
穀物を食わせてるのもあったりいろいろということは最近知った。

くらいの感じでわたくし「グラスフェッド」を受け止めていたのだが、
昨今なにか大変とても優位性があるかのように言われ始めており、
それについて大きな疑問符がわたくしの頭に浮かんだ。

「グラスフェッドビーフってなんなんだ?」
つーことで考えてみました。

「グラスフェッド」にでかい疑問符がついたきっかけは
ソフト部の部活で食べた中洞牧場のソフトクリームである。
中洞牧場の直営店でチョー高額の「グラスフェッドバター」が売っており、
そのバターを使ったバターコーヒーも販売されていた。

バターコーヒーはシリコンバレーのナントカとかいう人が朝食代わりに飲むと
なんかこう生産性が上がるんだか痩せるんだがとしばらく前に話題になったもので、
グラスフェッドバターじゃないとダメ! みたいな記事もわたくしは読んでいた。

日本にグラスフェッドバターなんてないよなー。と思っていたので、
中洞牧場のグラスフェッドバター表示にはすげービックリした。
そしてその表示を見たソフト部部長が一言つぶやいた。

「グラスフェッドってなんのことなんですかねー」

部長は元畜産関係者、わたくしは畜産関係にミョーに詳しいライター、
畜産について知らなくてもいいことをあれこれ知っている。なのでこれは
単に「草を食ってる牛」という意味ではなく、実際にどれぐらい草を食えば
「グラスフェッド」といえるのか。という意味のつぶやきである。

「おやつどうなんですかねー」「食べてないのかもねー」と会話は続いた。
※おやつについては後述します。

さてここで、乳牛の飼料について考えてみます。
牛一頭買うのに必要な草地は約1ヘクタールと言われております。

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木次乳業の育成牛用の放牧地。ものすごい傾斜ですが牛は平気です。
しかし、牛舎につながれっぱなしだった牛は放牧されても傾斜地を登れないとかで
子牛のころから足腰を鍛えないとダメなんだって話を中洞さんの本で読みました。
ところで中洞牧場は今はジャージー牛みたいです。



平地はほとんど畑と田んぼになっている日本に牛を放牧する草地などない。
ということで、日本の牛は基本的には放牧はされておらず、
牛舎で穀物と粗飼料(草とか)を食べて肉になったり牛乳を出したりする。

穀物と粗飼料の割合は、乳牛の場合4:6、あるいは5:5であり、
肉牛になると7:3、あるいは8:2くらいになる。
乳・肉牛ともにほとんどの牛の主たる飼料は穀物、ということである。

しかしそもそも草が主食の牛に穀物を食わせるのはどうなのか。
ヒトが食べられない草を食べて資源にしてくれるのが牛ではないか。
平地がないなら山にあげて山を放牧地にしちゃえばいいじゃんか!!
ってことで提唱されたのが日本型の酪農「山地酪農」である。

前述の中洞牧場とか木次乳業とか山地酪農の実践者は全国に数軒あり
山で好き勝手に草をはんだりしてる牛は大変とても幸せそうである。

実は牛乳のCMでよく見かける広大な牧場に草を食んでるホルスタイン
というのは幻想で、だいたい牛舎か運動場を行ったり来たりしていて
なかには人生のほぼすべてをつながれたままで終える牛もいる。
山地酪農以外で放牧されている牛はそんなにいないと言っていい。

幻想のもとの「牧場に放されている牛」はいることはいるが、
乳を出すまで、肉になるまでの育成中の若い牛&繁殖用の牛のことが多い。
搾乳期間中は食べるものは全部牛乳になって欲しいし
肥育期間中は食べるものは全部肉になって欲しいから放牧などはしない。

そして牛乳の量を増やす&肉の味を乗せるのは草ではなく穀物である。
だから乳牛・肉牛の主たる飼料は穀物で、草は主たる飼料にはなり得ない。

ということで、山地酪農の牛は主たる飼料が草というまれな牛とも言える。
のだが、ここに「搾乳時のおやつ」という問題が立ちふさがる。

日中山で草を食べてのんびりしていた山地酪農の牛は
夕方になると搾乳のため山から下りてくる。
木次乳業では夜は牛舎に入れて朝また山に上げるが、
搾乳されたらすぐに山に戻るとかで、牛舎がないところもあるようだ。

牛は搾乳時におやつをもらう。このおやつが「穀物」なのである。

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放牧されている育成牛。オスの場合もあるけどメスの場合でも
おっぱいが小さいので育成牛だとすぐわかります。
放牧された牛を見たらおっぱいに注目してみましょう。



ふだん草を食ってる牛たちにとって高カロリーな穀物はとてもおいしいらしい。
もしかしたら牛たちはおっぱいが張るから山から下りてくるのではなく
おやつを食べに戻ってくるのかもと思うほどウキウキと搾乳に下りてくる。

有機JASを牛乳で取得しようとした乳業メーカーの社長に聞いた話では
「おやつの割合調べてみたらびっくりするぐらい多くてさ、
ほっといたらおいしいから牛がすげー食べちゃうのよ」だそうで、
部長の「グラスフェッドってどんな牛なんですかねー」というギモンは、
この「おやつ」の割合のことを言っていたのだった。

しかしまあよく考えてみるとおやつが飼料の40%になることはないだろう。
さらにもしかしたら中洞牧場の牛はおやつをもらっていないのかもしれない。
であればグラスフェッドと表示をしてもぜんぜんOKなのである。

そしてその他の山地酪農の牛乳も「グラスフェッド」でいいのかもしれないが、
現時点ではそのような打ち出しをしているメーカーはないようだ。

さて、穀物を主に食べている牛の一年間の平均乳量は10000リットルである。
放牧とか山地酪農とかにすると5000リットル以下(ホルスタインの場合)で
これがジャージー牛だと4000リットル、悪くすると3000リットル。
粗飼料食べてるからチョー少ないのよねプンプン!! って感じだ。

ヒトが利用できない食べもの(草)を資源(牛乳)に変えてくれるだけで
牛は貴重な存在だと思うが、乳価もそんなに上がらないなかではやはり
経済効率が優先される。そのため牛は乳量で評価されることになる。

一般の乳牛は5産くらいで乳量が落ちて廃牛にされることが多いが、
山地酪農や放牧主体の牧場では年寄り牛も現役で活躍していたりする。
わたくしが山地酪農の牛乳が好きなのはそういう理由もある。

経済動物なのだから搾取はある程度は仕方ないとは思っても、
一方的な搾取は気がふさぐではありませんか。

え? ふさがない? そーですか。

つーことで、牛乳のグラスフェッドについてはこんな感じです。
では、肉のグラスフェッドについてはどうかな? 
昨今いろいろと問題が多そうですが、次回に続きます。


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ビオセボンの売り場を見て思った大きなお世話

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昨今さまざまなところでマルシェが開催されておりますが、
加工品はともかく単価の安い青果物で利益が出るのかしら、と
以前から疑問に思っております。交通費とか考えると、
やっぱ補助金が出てる人は強いよね。


なんかこうビオセボンのことばっか書いてて申し訳ないのですが、
ビオセボンの売り場を見てわたくしはひとつ思い出したことがありまして、
大きなお世話だと思うけどちょっと書いてみます。

それは、小田急OXに大地を守る会の野菜売り場ができたときのことであります。

「大地を守る会」元社員としては悲しい話なのだが、
大地を守る会という名前は一般の方々にほとんど知られていない。
有機関係者と話すと知っている人が多いので勘違いしがちだが、
一般人で知っている人は20人にひとりくらいって感じだ。

つーことで小田急OXで「大地を守る会の野菜」と称して売っても、
地元の人々はほとんど知らなかったのではないかと思う。
当時は社員だったのでそんなことは全く思いもせず、単純に
一般のスーパーに大地の野菜が売られるのはスゴイ! と思った。

しかし当時の「売り場のウリ」は大地を守る会ではなく「有機農産物」であった。

成城学園前店だけかもしれないが、当時は隣の売り場に
「ポラン広場の会」で仕入れた有機農産物が売られていた。
大地を守る会の野菜は有機だけじゃないからね。

なので、ポランと大地、共通の農家のものが別々のタグで売られてる
なんてこともあり、ほほえましいというか複雑な心境だったりしたが、
現在ではポランのものはなくなってるように思うがどうだろうか。
まあ、いいか。

売り場の面積がけっこう広かったのでわたくしはいつ縮小するかとビビったが、
とくに狭くもならず、いまではその売り場にまっすぐ進む人をよく見かける。
そこに行けば大地を守る会の野菜が買えるとみんなが知ってるということだ。

これは小田急OXの売り場で大地を守る会がブランドになったということだろう。

ほとんど知られていなかった大地を守る会ブランドが定着した理由は不明だ。
ただ、最初の1年ほど、大地を守る会の営業がよく売り場に立っていた。
自らが説明しながら販売するのに加え、時々は農家に来てもらい
農家が説明しながら、また試食もしてもらいながら店頭販売をするのだ。
※こういうの「マネキン販売」といいます

交通費などはいっさい支払わなかったので来てくれない人も多かったが、
わたくしの担当していたりんご農家の母ちゃんなどは喜んで来てくれた。

朴訥な農家のかあちゃんがわあわあにぎやかに販売してくれると
買う人もうれしくなるのだろうとわたくしは思う。
実際によく売れる。試食してもらうとさらに売れる。

マネキンは「にこやかに笑う農家のおじさまの写真」効果に似ているが、
写真よりも「生きて話す農家」のほうが信頼感の醸成につながる。
話をすれば「売り場の向こうにちゃんと農家がいる」ことが実感できる。

その積み重ねが「なんとなく良さそう」から「良い」に変わるのだろう。

マネキンとあわせて売り場には生産者写真や情報もふんだんに貼り、
わたくしが撮影した写真などもときどき見かけうひーと思ったりしたが
最近はそういうのはいっさいやっていないようだ。

しかし情報がなくても人々は大地の野菜を買っているから、
とくにもう必要がないのかもしれない。たぶん定着したのだ。
今考えると営業の努力のたまものである。

つーことで、ビオセボン。

売り場には特定の農家の名前が印刷してある袋がたくさんあった。
農家直送の仕入れなら、もしかしたら市販のものより鮮度がいい可能性がある、
のだが、その鮮度を落としてしまってどうするんだと思うがそれは置いといて。。

フツーのスーパーでは個人農家のものはほとんど見かけないのだから、
その取引農家を軸に「個人農家との取引」が強調できるし、
農家に来てもらって売れば前述のような信頼感の醸成も可能だ。

麻布のおばさま方も農家が来て直接売ると言えば必ず来るだろう。
明治屋やナショナル麻布マーケットではそんなのやってないし、
彼女たちは「いいもの」には敏感である。いいものであれば高くても買う。

せっかくなんだから農家の写真や情報をふんだんに出せばいいと思うのだが、
全く出ていなかった。売り場の方針なのだろうか。

「あそこに行くといいものが売ってる」と定着するには努力が必要である。
「そもそも有機なんだからいい」だけでは麻布のおばさまは買ってくれない。
ビオセボンは売り場も広くていろんな売り方が可能なのに何もやってないのだ。

もー、すげーもったいない!! と思うわたくし(大きなお世話)。

「希少価値が伝わりにくい」大きな売り場の一部よりも
小さいから、個人の取引だからこそできることがたくさんある。
せっかくマルシェ風の売り場を演出しているのだから、
ほんとのマルシェにしてしまえばいいのに。日曜限定とかで。

なんて思いつつ、大地を守る会の営業ってエラかったのだなあと
いまさらながら彼の顔を思い出しているわたくしでありました。



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オーガニックはどれぐらいあたりまえなのか

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今年も区民農園があたりましたよわーいわーいうれしいな!!!
自分的には有機で環境保全型農業を営む予定です。さて、
統計上有機JAS認証取得以外の「有機農業」が0.2%くらいあるわけですが、
どういう枠で誰が判断しているのかよくわかりません。なんの数字なのだろう。



前回「オーガニックがあたりまえに売られている」ことに気づいたわたくし。
では栽培の場面ではオーガニックがどれくらいあたりまえなのかな?
っつーことで、久しぶりにデータを見てみました。

「オーガニック・エコ事業の拡大に向けて」(農水省)によると、
エコ農業(特別栽培農産物のこと)の取り組み面積は3%、
オーガニック農業(有機農業のこと)は0.4%だそうである。
http://www.maff.go.jp/j/supply/hozyo/seisan/pdf/06_sankou_160201_1_1.pdf

ひー、めっちゃ少ないじゃん!!!

特別栽培農産物(以後特栽)というのはあまりメジャーではないのだが、
地域の防除暦の化学肥料(チッソ量)及び農薬成分数の50%以下というもので、
承認は国ではなく都道府県単位である。

「地域の基準」というのがキモなので、県によって農薬成分数や
チッソ量が違うけどわかりにくくてめんどくさいからおおまかに
「フツー栽培の農薬とチッソ量が半分以下のもの」と考えてください。

優位性が伝わりづらいせいか野菜売り場で見かけることはほとんどないが、
コメ売り場には「特栽米」がよく売ってるので見つけやすいと思います。
ちなみに山形県のブランド米「つや姫」は特栽で栽培されている、というか、
特栽じゃないと「つや姫」と表示できないという決まりがあります。

有機農業は「有機JAS認証を取得したもの」及び、
「有機農業推進法で有機と呼ばれる農業を行っているもの」の合算で、
有機JAS認証取得だけだと0.22%である(平成27年4月・農水省)
※特栽も有機もこの数字はどちらも圃場面積であります。

わたくしの一番古い記憶の有機JAS取得の数字は0.17%だった(2007年)。
その後は一年に0.01%ずつ増えていたが平成25年からはずっと0.22%である。
母数である日本の耕作面積は減りつつあるのだから、
有機圃場が増えれば割合は上がるはずなのに増えないのはなぜだろう。

農水省【平成27年耕地面積 (7月15日現在)】によると、
耕地面積は449万6,000haで前年に比べ0.5%減少。減り続けております。
http://www.maff.go.jp/j/tokei/kouhyou/sakumotu/menseki/pdf/menseki_kouti_15.pdf

もしかしたら有機圃場は増えていないのかも。

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以前とある流通が「有機JAS認証を取得したものしか取り扱わない」とかで、
取引先農家がみんな有機JAS取得した的な話がありましたが、
どうなったのかな? 小田急OXの大地の売り場の隣で売ってたけど、
そういや最近とんと見かけなくなりました。やっぱムリだったのでは。



あまりにも少ないせいか、一昨年からは有機JASは取得していないけど
有機だもんねという数字もプラスした「0.4%」が使われ始めた。
まあどっちにしてもチョーマイノリティであることは確かであろう。つーことで。

農業の現場ではオーガニックは全然あたりまえではない。

これではオリパラの食材をオーガニックで、なんてのははとてもムリ、
というのも明白な事実であるのだが、どうするんだろう農水省。

しかしよく考えてみると、スーパーの売り場での有機農産物面積の割合も
感覚的には一割以下だ。実際の数字に即した割合ということだろう。

2007年ごろ、大地を守る会の青果物の有機JAS率を調べたことがあるが、
確か30%くらいだったように思う。「さすが大地を守る会!」と喜ぶべきか
「意外と少なくてがっかり」すべきかどうしようか悩んだが、
今になってみると「さすが」と思える。

これは、ビオセボンに有機農産物がたくさんあるのを見て
「スゴイ!」と思ってしまうのと同じだ。絶対数が少ないと知っていれば
並々ならぬ努力をして揃えました!! ってことがわかるからだ。

有機農産物はまさに天然うなぎのような「特別で希少(※)なもの」とも言える。
※希少・少なくて珍しいこと。きわめてまれなこと。

しかしこれがスーパーに並んだ瞬間「数あるなかのひとつ」になり、
「希少さ」が伝わりにくくなる、というのは前回書いた。
マスになるってのはそういうことなのよね。ううううう。

だからと言ってオーガニック専門店に集めればいいのかというと、
自然食品店やビオセボンの野菜の品質を見ればわかるように
かえって良くないこともあるから一概にそうとも言えないようだ。

小さな店舗で青果物を扱うのは鮮度保持だけでも相当むずかしい。
スーパーで鮮度のいいものを見慣れている消費者は、
鮮度が悪そうというだけで手に取らない。
その結果売れ残り野菜はさらに古くなり、ますます買ってもらえなくなる。
さらに悪い評判が立ったりするとますます売れなくなって(以下同文)。

であれば、現状の「スーパーにちょこっと売ってる」のは
意外とすんばらしいことなのではないだろうか。
鮮度保持も温度管理もちゃんとしているでかい売り場のなかのひとつで
劣化も黄変もせずおいしいまま売ってもらえれば野菜もうれしいだろう。

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レタスの旬は春と秋で夏ではありません。夏場高原産地で農薬使わずに
レタスをつくるのは大変だと思います。でも夏場の有機レタスを
わたくしは買いません。旬のレタスの方がおいしいからであります。
わたくしは11~12月、あとは3月中旬のレタスが好きです。



つーことで、「あたりまえ」に売られてはいるが
数字的には0.22%と大変とても「希少」な有機農産物。であれば、
スーパーでの売り方は「天然うなぎくらい希少な野菜」でいいのかもしれない。

今まで「店頭では有機の優位性が伝わりづらい!!」とか
「有機がどんなもんだかわかりにくい!!」とか思っていたが、
「希少性」はなによりもすんばらしい優位性ではあるまいか。

意外とこの「希少性」だけで売れるんじゃないかと思いますが、
どうでしょうか。ダメでしょうか。

ダメかな。

ちなみに、取得圃場割合ではなく「有機格付」の数字もあって、
それは以下の通りであります。

・総生産量の有機格付の割合
野菜    0.37%
果実    0.09%
コメ     0.12%
麦     0.08%
大豆    0.48%
緑茶(荒茶)  2.78%
その他   1.25%
合計    0.25%
(平成26年度 認定事業者に係る格付実績)
http://www.maff.go.jp/j/jas/jas_kikaku/pdf/jiseki_h26_280425.pdf

いずれにしても希少であることに変わりはありませんでした。
自分的にはコメよりも野菜のほうが多いっつーのがなんかちょっと驚きでした。



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『外食女子のための太らない選択』出版しました

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外食チェーン店の栄養成分を調査するにあたりいろいろ電話しまして、
パンケーキ専門店などでは「公開してません」と断られましたが、
エネルギー量を公開することがメニュー選択のデメリットになることが
容易に想像できまして、当然だよなと思った次第です。



本日1月23日(月)わたくしの新刊
『毎日忙しい! 外食女子のための太らない選択』が発売されました。
ご興味がおありの方は近隣の書店にてご確認くださいませ。
もしかしたら平積みされてたりするかもしれません。うふ。

さて、この本は昨年の2月ごろに出版社からオファーが来たのだが、
当初のテーマはダイエットではなかった。
当初の企画は「外食チェーン店のどの店が一番いいか」だったが
調査すればするほど「どこもたいして変わらない」ことがわかった。

「すげー、ここ国産原料使ってるんだ!!!」的な
わたくし的にものすごーくすんばらしいと思えるところもあったが、
「国産」だけでは本としてエッジが立たないのだった。うううう。

というような経緯があり、企画から出版までに約一年かかり、
この過程がわたくし的には大変とても楽しかったのだが、それは
自分自身の経験と本の内容がミョーにシンクロしたからである。

昨年4月、わたくしは二度目の減量に成功し4kgほど体重を落としたが、
寄る年波のせいか前回よりもかなりからだに負荷がかかったらしく、
「ダイエット」に必要なのは「科学」であることを再認識した。

例えば「糖質制限」は効率よく体重を落とせるが極端なことをすると
摂取エネルギー量が足りなくなり、日常生活に支障が出る。とかね。

7月に人間ドックに行って骨粗鬆症予備軍であることを知り、
LDLコレステロール値が高くなっていることを知って以降は
今まで全く興味がなかった「栄養」についてがぜん興味が湧いてきた。

食べものにはいろいろな栄養素が含まれている。
ヒトはそれを食べ、自分の血や肉をつくりエネルギーに変えるが、
ふだんどの栄養素がどれぐらい必要で、なんてことはあまり考えない。

中学も高校も家庭科(の先生)が大嫌いだったわたくしはますますそうで
栄養価なんて1ミリも考えたことがなかった。

実家にいれば母が「カルシウムを食べなさい」とうるさく言ってくれるが、
一人で住み始めてからはカルシウムなんて一度も頭に浮かばなかったし、
昨今ではカルシウムと言えば「土壌に蓄積された過剰なもの」という認識で、
自分のからだでどのように使われているか、なんてことも知らなかった。

食べものがどのようにつくられているかとか、食品添加物とか
残留農薬とか農薬の名前とか遺伝子組み換えとかの知識は持っているが、
自分のからだを作っているのはたんぱく質や炭水化物など各種栄養素であり、
わたくしはそれらについて全く無知であった。

「それは片手落ちではあるまいか!」と思ったのが8月。
このころ、ちょうど本の企画が「栄養的なメリット」に変わった。

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サラダバーのサラダでどれぐらい食物繊維が摂取できるか、
ってのは以前から調査したいと思っておりまして、この本が
きっかけになって調査できました。楽しかったです。
その後コンビニのサラダなどもちょこちょこ調べておりますが、
それはまたいつかご報告できればと思います。



わたくしは日本人の食事摂取基準とか、食品成分表とかを購入し、
外食メニューの栄養成分や原材料などの公開情報を調査し
また非公開のメーカーには問い合わせして栄養的なメリットを考えた。

栄養に興味を持つとそういう内容の記事が目に留まるようになる。
ネットを検索するとものすごーくたくさんの「これを食べると◯◯にいい」
的な記事がヒットするが、根拠が希薄なものも多いことを知った。

「◯◯にはこの栄養素が多く含まれている」
と書いてある食材の栄養素を調べると微量だったり、とかね。
なんてことを知ると、ますます栄養学的知識が必要だと思えた。

しかしわたくしは素人である。
ってことで管理栄養士さんに監修に入っていただくことになった。

企画が「ダイエット」に変わってからは「糖質」について書くことが増え
「糖質」と言えば「血糖値」、「血糖値」と言えば「インスリン」だが
なんでインスリンが大量に分泌されると脂肪が増えるのかうまく説明できない。
つーことで、内分泌専門の臨床医に監修に入っていただき本は完成した。

なんかミョーに硬派なコラムとか入ってるのはわたくしとお医者様のせいです。

さてこの本のメリットのひとつは、ネットを検索しないと出てこない
栄養成分や公開されていない栄養成分が記載されていることである。
(エネルギーしかわからないものもありますけどすんません)

エネルギーよりも食塩量が気になる高血圧気味の人にはぜひ見て欲しい、
一食で一日の摂取推奨量をクリアしてしまうメニューもあったりしますから
外食女子だけでなく、外食男子にもお役に立てるかと思います。

あ、念のため言っておくと、外食産業で使用される原材料は
原産地表示義務はとくにないため、何が使われてるか全く不明である。
しかし家賃や人件費などを上乗せしてあの価格であることを考えれば、
すばらしい原材料が使ってあるとは考えづらい。

ので原材料がどーとかという部分は不問に付しております。

働く人たちにとって外食は必要なものである。という前提で、
食べるメニューを選択する際「こういうことも考えてはいかが?」と
わたくしはこの本で問いかけたい。

昨今の日本人は脂質・食塩をとり過ぎていると言われており、
無謀なダイエットでタンパク質不足になっている女子も多いらしい。

また過激な糖質制限で栄養失調になったり、逆に
炭水化物ばかり食べて糖尿病リスクが高くなったりと、
栄養的な知識がないことで健康リスクが高くなっている人もいる。

そういう人たちにぜひ読んでもらいたいとわたくしは思う。
じっくり見なくても、ちょこちょこ眺めるだけで、
なんとなく「栄養」についてわかってもらえるのではないかと。

この本は、外食女子のみならず外食好きなすべての人の役に立つ、
とわたくしは信じております。この本を書けて良かったな!!! 
今更ながらしみじみ思っているわたくしです。


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ビオセボンに行って考えたオーガニック需要のこと 後編

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白金在住のマダム的に「こういうちょこっとずつ入ってるセットがほしいのよ!」
ってことでしたが、重いので買いませんでした。「荷物が重い」というのは
高齢になるとかなり大きなファクターだと思います。配達してくれるのかな?


もしかしたらあの日だけ野菜があんなことだったのかもと思ったので、
もう一度シロガネーゼのマダムといっしょに行きましたよ、ビオセボン。

野菜は変わらず水菜も小松菜もしおれ、里芋は干からびていて、
「すげーたくさんある!」と思った加工品もよーく見るとそうでもなく、
「ここにしかないよね!!!」ってものはオーガニックチョコレートとか、
ラベルが外国語のくだもののピュレとかでやっぱり欲しくありませんでした。

加工品は成城石井と明治屋と小田急OXをくるっと回ればゲットできるし
大地を守る会で注文すればお家まで持ってきてくれます。
わたくしは二度とビオセボンに来ないだろうとしみじみ思いました。

「初めて来たわー」とおっしゃるマダムは大地を守る会の会員で、
広尾の明治屋やナショナル麻布マーケットでも食材を購入しています。
明治屋のいいところは「商品に間違いがないところ」らしく、
それが明治屋というブランドであろう、と、わたくしは思いました。

野菜売り場でほうれんそうを手に取ったマダムは、
「ほうれんそうが安いじゃない、いいわねー」とおっしゃいましたが、
買いませんでした。「だって荷物になるじゃないの」

ビオセボンのあとナショナル麻布マーケットに行くのですから、
荷物は少ないほうがいいのです。当然です。

マダムはその後近所のブティックに立ち寄られ、ついでにわたくし
そのブティックのマダムにビオセボンについて聞いてみました。

「ビオセボンがオープンするって聞いて、このあたりの人たちは
みんな何ヶ月も前からそりゃあ楽しみにしてたのよー。
オープン当日はみんな行ったわよ。ものすごく賑わっててもう満員。
でもねえ。二日目に行ってみたらもうダメだったのよ。野菜が。
最近はもう誰も行ってないわねえ」ううううううう。やっぱり。

さらにマダムは非常に示唆に富むことをおっしゃいました。

「ばんごはんのお買いものするのにスーパーのハシゴなんてしないでしょう。
主婦は忙しいんだから一か所ですべての材料が揃わないと。
ビオセボンじゃ揃わないわよねえ」

ナショナル麻布マーケットと明治屋に行ったわたくしは、
ビオセボン、というかオーガニック専門スーパーの弱点に気づきました。
専門であるがゆえのいかんともしがたい弱点。それは2点ありました。

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トマトの売り場って色がキレイでウキっとしますよねえ。
バラ売りってのもいいのですが、でもまあ麻布十番でとくに
買わなくてもいいかもとかちらりと思ったらもうダメです。
近所の人ならいいかもしれませんが。



1.オーガニック=説明商品 であること

何が違うのか、何がいいのか、説明しないと理解しづらい。それがオーガニック。
一般の商品よりも割高なのですから消費者は納得する必要があります。

例えば有機牛肉。何がいいのかよくわかりません。
なのにフツーのお肉の2倍もします。有機牛乳も同じです。
2倍の対価を払って2倍健康になれるのかというとそうではなく、
自分に何が獲得できるのか考えてもピンと来ません。

野菜の場合はオーガニックの前にまず「鮮度」という価値があります。
しおしおにしおれた野菜を有機だからと喜んで買う人はいないでしょう。
そのほかに「おいしい」という価値もあるので野菜は大変です。
一度買ってダメだったら消費者は買ってくれませんよ。ううううう。

ただし、加工品はこの限りではありません。

加工品には一括表示という原材料の記載欄があり、
価値が客観的に理解しやすい、という特徴があります。

例えば、有機味噌の表示は「有機大豆、有機麹、食塩」です。
食品添加物も入っていないし原料も有機であることがひとめでわかります。
説明がなくても原材料表示が説明してくれているようなもので、
何がいいのかはっきりわからなくても「なんとなくいい」と思えます。

そう考えると、オーガニックだからと無条件で手に取ってもらえるのは
加工品のみ、とも言えます。その他の商品は実は説明が必要なのです。

わたくしはビオセボンで木次乳業の「山地酪農の牛乳」を見て
しみじみと感動しましたが「山地酪農」という言葉を知っている人が
日本中に何人いるでしょう。全く知らない人の方が圧倒的に多いでしょう。
一頭買いの短角牛も、グラスフェッドのタスマニアビーフも同じです。

説明商品を説明抜きで販売するなら無条件で「いい」と思えなくてはなりません。
それが明治屋のような「ブランド」ということでしょう。
ビオセボンはブランドになれているでしょうか? 今のところは厳しそうです。

2.「オーガニック=特別」ではなくなっていること

成城石井ではフツーの商品の隣にオーガニックの野菜や加工品が並んでいます。
小田急OXや、サミット、OKストアなどでも同じです。
仕入れる=売れているということですから、買う人がいるのでしょう。

一昔前はオーガニックをフツーのスーパーで見つけるのは大変でした。
だからこそ大地を守る会が必要だったのですが、今は違います。
オーガニックはたくさんある食材のなかの選択肢のひとつとして
都市部の消費者のみかもしれませんが、すでに認識されているのでしょう。

わたくしはビオセボンに行くまでそれに気づいていませんでした。
ちょこちょこオーガニックが売っていて買う人がいるのは知ってるけど、
それでは全然足りないと思い込んでいました。

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「山地酪農」とは平地が少ない日本で乳牛をフツーの山に放牧するという
日本に向いた酪農方法です。牛舎につながれて穀物食ってるのが一般的ですが、
山地酪農では牛舎に戻るのは夜だけ。日がな一日山で草食ってます。
穀物飼料が少ないので牛乳はあっさりしててとてもおいしいのです。
木次乳業が好きなので、ビオセボンの代理で説明しております。



もっともっとオーガニックがあたりまえにならなくては!!

ちょこちょこ売ってる=すでにあたりまえになっているのですが、
わたくしは有機農業運動で頭がいっぱいで気づいていなかったのです。
うううううう。なんてニブイんだ。
 
そういう人にとって「オーガニック専門スーパー」は快挙です。
なにしろ専門店です。フツーのスーパーと競合できるのです!!
ビオセボン訪問記的な記事ををいくつか読みましたが、まず
「よくオーガニック食品をこれだけ集めた」と評価されていました。

この賞賛の声にわたくしは違和感を感じました。だってさあ、
客から見れば「商売なんだから揃えるのはあたりまえ」でしょう。
そして、悲しいかなそれだけ揃えても、オーガニック食品だけでは
ばんごはんのおかずにならないと言われてしまっているのです。

この悲しい事実。

すき焼きに赤身のタスマニアのグラスフェッドビーフは使わないでしょうが
明治屋に行けば有機醤油や有機豆腐とあわせて和牛が買えます。
であればビオセボンに行く必要はありません。というか、
オーガニック専門スーパーにはいつ行けばいいのでしょうか?

ハレの日? スーパーとは日常的に行くものではありませんか? 

オーガニックはすでに食材購入の際の選択肢のひとつになっていて、
特別なものではなくなっていることに、もしかしたら
オーガニック業界全体が気づいていないのかも。

だからこそ「これだけ集めた」ことを評価してしまっているのでは、と、
わたくしはしみじみ思ってしまったのでした。

ビオセボンのオープンとともに、オーガニック=特別な商品という認識が
わたくしのなかで終焉を迎えたというのもなんとなく皮肉に感じますが、
オーガニックは知らない間に一般的なものになっていたという事実を寿ぎ、
そして、噛み締めたいと思います。

今後はスーパーにおける「ちょこちょこ」が「半分ぐらい」になれば
オーガニックは「よりあたりまえ」になるでしょう。
すでに売っているのですから、努力もちょびっとで済みそうです。

そういう意味で今年を「オーガニック元年」と呼びたいわたくしです。
やれ、めでたい。気づかせてくれてありがとう、ビオセボン。


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ビオセボンに行って考えたオーガニック需要のこと 前編

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冷蔵ケース内の野菜はパックに入ってますが、水菜が一株で売ってます。
ことさらにしおれがちな水菜をなぜパックに入れないのかが謎。
しかしこれを見て野菜をパックに入れる意味がしみじみとわかりました。
過剰包装と言われても軟弱野菜は基本的にパックに入れるべきでは。



わたくしは大地を守る会にいた18年の間、産地担当を約6年、
商品情報誌及び機関誌の取材・デザイン・編集を12年担当しておりました。
その間学習したいろいろなことを前提に自分自身が食材を選択する場合、
以下のような事柄を基準に考えております。

・野菜・くだものの場合
つくった人のことを知っている&その人を尊敬してる・好きなこと。
それ以外の場合、まず国産、次が有機か減農薬、その次が世田谷区のもの。
海外産の場合はオーガニックかフェアトレードのもの

・加工品の場合
まず国産。次がおいしいこと、というか自分の口に合うこと。というか
加工品は知ってるメーカーのものしか買わないと言ったほうがいいかも。
海外産の場合はオーガニックよりもフェアトレードが優先。

というような偏ったわたくしの感想であることをまずお知らせしておきます。
そんな感じでビオセボンに行ってきました。

ビオセボンはわたくしが一年に一度行くことがあるかどうかという
麻布十番という町にあります。

麻布十番の7番出口を出たら目の前に「塩や」という塩の専門店があり、
ソフト部のわたくしはそこで塩ソフトを食べてしまいましたが、
ビオセボンはその横の道を2分ほどまっすぐ歩いたところにありました。

平日の夕方という時間帯、ビオセボンには10名ほどのお客様がいましたが
塩しか売ってない塩やに7~8名のお客様がいらっさったことを考えると
うすらさみしい気がしましたがなぜこんなに客がいないのかは不明です。

お店に入ってまず目を引いたのは、
オーガニックドライフルーツ及びナッツの量り売りでした。
ドライフルーツ及びナッツが大好きなわたくしは少しウキウキし、
マンゴーにオーガニックがあるんだーとか感動してしまいました。

野菜はオサレな木の棚にオサレな感じでディスプレイされていて(常温)、
ここでもわたくしはウキっとしました。
「マルシェ」的なディスプレイがさらに期待をあおります。

なぜか野菜の袋に小さな水滴がついているのが目に止まりましたが、
その場ではスルーしました。期待が大きかったからかもしれません。

加工品の棚で一緒に行ったお友だちが「ダシ切らしてたから助かったー」と
わが町の自然食品店にもある創健社のだしパックを手に取りました。
加工品の充実度はハンパありませんでしたが、もともと買うものが
決まっているわたくしはスルーしてしまいましたすんません。

そして野菜の冷蔵ケース前で。
野菜をつくって出荷していた経験を持つ友人がしみじみと言いました。

「防曇袋使ってないんでしょーかねー」

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野菜は収穫後も生きております。なので野菜販売の際は
畑にあったときのままのカッコで売るという基本があります。
横にすると起き上がろうとしてエネルギーを使うから劣化が進むのです。
菜っ葉やネギが縦置きで売られてるのはそういう理由です。



冷蔵ケースの野菜のパックのほとんどのものが汗をかいていました。
野菜の袋は防曇袋と呼ばれるもので基本的に汗はかきません。
汗をかくのは物流途中の温度管理がまずかった証拠です。

ビオセボンはイオンの経営だと聞き及んでおりまして、
だからこそ皆がコーフンして喜んでいるのだと思っておりましたから、
野菜の売り場担当は何をしているんだ! とわたくしは驚きました。

何かの間違いかもとその他の商品(常温)を見てわたくしはさらに驚きました。
前回自然食品店のことをあーだこーだ言いましたが、それと同等、
あるいは以下、という品質のものがあるではありませんか。

マルシェ的なディスプレイを優先するあまり、また
過剰包装を避けるあまりの暴挙、というと言い過ぎでしょうか。

鮮度保持にチョー気を使う劣化の激しいいんげんが常温量り売りで(黄変済み)、
縦置きすべきネギが横置き、乾燥するとしおしおになる里芋が
裸のまま常温で置かれカピカピに干からびているなど、
元産地担当のわたくしと元農家の友人はふたりして卒倒しそうになりました。

大変とても残念なのは、有機里芋の産地が知り合いの有機産地だったことです。
その里芋は規格外の孫芋、いわゆる「きぬかつぎ」でしたが
孫芋のはずなのに芋のついたあとが残ってるような出荷してはダメダメ品もあり、
わたくしは以下のような想像をしてしまった次第です。

「安い有機里芋がほしいんだけど」「規格外の小芋ならありますけど」
「それでお願いします」的なやり取り→規格外で売ると思ってるから
とりあえず産地としては小さな里芋を出荷→売る側は「有機だし
安いからいいか」的な感じでそのまま販売→カピカピになった。

考えすぎかなー。でもありがちだなー。

この里芋のおかげでこの産地の評価は地に落ちるとわたくしは思いました。
もしかして里芋の鮮度がわからない人が客ということなのでしょうか。
つまりそれは有機JASならなんでもいいということなのでしょうか。
というか売る前に品質のチェックをしないのでしょうか。

ドライフルーツでウキウキした気持ちが野菜売り場でダダ下がり、
肉の売り場に行きましたら、スタッフの方が話しかけてくれました。

わたくし=元産地担当&ライター、友人=元畜産担当&元農家です。
肉の産地及び飼育方法・品種について知らなくてもいいことを知っています。
品種や飼育方法のPOPを見ただけでだいたいどういうものかわかるため、
わたくしたちにとっての話題性は「北海道に短角牛いたんだねー」でした。

スタッフの方は抗生物質不使用とか、子牛の時期に放牧で草を食べている、
というような説明をしてくださいましたが、なんと「グラスフェッドの牛」
とおっしゃるではありませんか。ありー。

最近「グラスフェッド」とやたらと言う人が多いのですが、
厳密に言うと日本には「グラスフェッドの肉牛」はいません。

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木次乳業の「山地酪農牛乳」という商品を初めて見ました。
「山地酪農」って何のことなのか、という説明無しで売られてるのが
スゴイなーと思うのですが、知ってる人が買うのでしょうか。
今度行ったら買おうっと。



子牛の時期=育成期間中に放牧されて草を食ってたとしても、
その後の肥育期間(一年ほど)で穀物を食わせて肉質を整えなくては、
売れる肉にはなりません。草ばっか食ってる牛の肉は硬いからです。

優位性を先走りすぎたのかなー。でも畜産の情報とはむずかしいものです。
生温かい目で見守ることにしました。
しかし言うのは良くてもPOPに書いたら優良誤認になるので要注意です。

あとで友人が「短角売り場の写真の牛、ホルスタインでしたねー」と
短角牛売り場のPOPについて言っていました。ううううう。
開店間もないための混乱なのでしょう。そう思いましょう。

しかしすんばらしいことがひとつありました。
ビオセボンはこの北海道の短角牛を一頭買いしているのです。

一般的にお肉の発注は部位ごとに欲しい部位だけを発注するものですが、
一頭買いするということは欲しくない部位含めすべて仕入れるということです。
部位調整の問題もありなかなかできることではありません。しかししかししかし。
この優位性及びすばらしさは一般の消費者には伝わりにくいでしょう。

一頭買いだからか、短角牛の肉はすべて真空パックで販売されておりまして、
空気に触れない肉は、深い紅色、というか悪くいうとドス黒く見えます。

牛肉は切り口が酸素に触れることで赤く発色しますから、真空パックされた肉は
真紅にはなりません。そのことを知らない人には劣化しているように見えます。
一般の赤く美しいスライス肉に慣れた消費者は購入しにくいかもしれません。

一頭買いだから一般的なスライス&パックができないのでしょうが、
その理由も一般の消費者には伝わりにくいでしょう。残念なことです。
それでも「欲しい」と思わせるためにはメリットが必要です。

それが(間違ってるけど)グラスフェッドとか抗生物質不使用なのでしょうが、
POPに書いてあるだけで訴求できるかどうか、はなはだ不安です。
短角牛産地のためにも、わたくしは息を呑んで見守りたいと思います。

ところで牛乳売り場には知っているメーカーのものが並んでいました。
というかそのメーカーをことさらに選んで置いたことに感銘を受けました。
わかってるじゃん!!! ビオセボン! 

その後オーガニックチョコレートを見て再びウキっとしましたが、
欲しいものは何もなかったので何も買いませんでしたすんません。

さて、このように楽しい経験をしてしまい、家に帰ってしみじみと
オーガニックの需要ってなんなんだとか考えてしまったわたくしです。

ってことで長くなったので後編に続きます。



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プロフィール

ほんたべ

Author:ほんたべ
手島奈緒
おいしい食べものをつくる人を紹介したり応援したりしております。ブログをまとめた著書『いでんしくみかえさくもつのないせいかつ』(雷鳥社)『まだまだあった! 知らずに食べてる体を壊す食品』(アスコム)『儲かる「西出式」農法』(さくら舎)など。現在ハンター修行中。

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