ゲノム編集による明るい未来への期待とザワッとする感覚

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現在結核・エイズと並んでヒトを殺しまくっている感染症マラリア。
媒介するのはハマダラカという蚊なのですが、ゲノム編集で
マラリアを媒介させない蚊を開発したそうです。しかし放飼には
さまざまな問題が指摘されております。当然だよねえ。



侵略的外来魚と言えばブラックバスが有名ですね。

バスはまだ釣り師に喜ばれるからいいとして、
ブルーギルという食べないし釣らないし釣り師も嫌う魚がいる。

今年の2月、ゲノム編集で不妊化させたブルーギルが開発された、
というニュースが新聞にちまっと載っていた。
http://www.sankei.com/life/news/170215/lif1702150021-n1.html

そんなものがいきなり放流されたら大ごとだが、もし
全国各地の河川に放流されれば日本からブルーギルが根絶できる。
スゴイじゃん! 厄介者がいなくなるなんて! 
大変とてもすんばらしいことのようにわたくしには思えた。

「不妊化による根絶」の他の例としては、南西諸島で
植物防疫上の指定昆虫であったウリミバエが
放射線照射によって不妊化されたウリミバエの放飼により根絶されている。

「外来生物」の根絶という意味ではこのブルーギルも同じだが、
ミバエは放射線で変異を起こしたものであり、ブルーギルは
「ゲノム編集」で生まれたという部分が大きく違う。

「ゲノム編集」とは、簡単に言うと生物の特定のゲノムを操作する技術のことだ。
遺伝子組み換えと決定的に違うのは、遺伝子組み換え技術では
ゲノムを特定することができない&外部の遺伝子を使う、という部分である。

大変とてもわかりやすい記事を見つけました。↓
時事公論 「ゲノム編集 どこまで認められるか」NHK解説アーカイブス
http://www.nhk.or.jp/kaisetsu-blog/100/238427.html

遺伝子組み換え技術では改変された部分の痕跡が残るが、
ゲノム編集では痕跡が残らないというところも大きく違う。

わたくしはこのブルーギルのニュースを見たとき
根絶できればすんばらしいと思いながらも少しザワッとした。
これは生命をヒトがいじることへの情緒的な拒否反応だが、
感傷的過ぎるかも。と思うのは医療分野での期待が大きいからだ。

昨今ゲノム編集はガンや様々な難病の治療が可能になるかも、
つーことで、研究がビシバシ進んでいるのだ。

そうなると当然だが自分の欲しい性質を持った子どもをつくるなどの
デザイナーベビーの問題も浮上するため、厚生労働省では
ヒトの受精卵に使用することを禁止する方向のようである。

医療関係が先行し倫理的な指針をつくる必要性が高いせいか、
ゲノム編集でつくられる食べものについての指針はまだない。
他の生物の遺伝子を組み換えるわけじゃないから
遺伝子はいじってるけど遺伝子組み換えじゃない、という認識もある。

というか、そもそもどんなものがつくられてるのか、
わたくしは知らないし現状どうなってるのかも全然知らないのだった。
ということで、たねと食とひと@フォーラム主催の
「ゲノム編集で食と農はどうなるのか」に参加してきた。

すでにゲノム編集で開発された作物はいつくかあり、
昔遺伝子組み換えでもつくられた褐変を抑制したじゃがいもが
同じ企業によって開発されているらしい。

このじゃがいもはスライスして時間が経っても褐変しない。
以前遺伝子組み換えでつくったときにマクドナルド社に提案したが
遺伝子組み換えはヤだと却下されたため日の目は見なかった。

再び提案するつもりで開発したんだろうなー。
遺伝子組み換えと同じものがゲノム編集でもできる。
ここんとこにわたくしはグッと来てしまった。

遺伝子組み換えでランダムにやってなんとなくできたものの一部は、
ゲノム編集では確実に、しかも低コストでできるのだ。
ランダムにしなくていい&開発期間が短くて済むからである。

BT毒素を他の生物から入れたトウモロコシなどはむずかしいだろうが、
除草剤耐性は植物のゲノムを改変すれば可能である。ということは今後、
遺伝子組み換えよりも効率がいいゲノム編集に変わっていくのではないか。

そしてゲノム編集は、今後の方針によっては
表示の規制がなくなる可能性があるのだった。

なんとなくザワザワするじゃありませんか?

米国食品医薬品局(FDA)は、ゲノム編集技術を利用した
植物性及び動物性食品の規制に関するガイダンスを発表し、
意見を募集しているところのようだ。どうなるかは不明だ。

日本では「遺伝子組み換え表示制度に関する検討会」で
ゲノム編集も議題に上がっている(消費者庁 2017年4月~)。
米国も日本も「何も決まってなくてこれから決まる」のである。

医療分野でのゲノム編集はすんばらしいものに思える。
しかしブルーギルの根絶はちょっとザワッとする。

遺伝子組み換えでつくられた蚊の放飼はどうかと思ったが、
ゲノム編集でマラリアに抵抗性を持つ蚊がつくられたと聞くと
なんとなくすんばらしいことのように思える。
※ブルーギルも蚊もまだ開発段階でとくに蚊については問題山積らしいです。

自分自身どこに立っているかよくわかっていないことの現れだが、
首の後ろのあたりの産毛がザワッとするのはなぜだろう。
やっぱ生命をいじることについての情緒的な拒否反応なのかしら。

そしてわたくしたちはどこに向かっているのかしら。
なんてことをしみじみ考えているのであります。


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プロフィール

ほんたべ

Author:ほんたべ
手島奈緒
おいしい食べものをつくる人を紹介したり応援したりしております。ブログをまとめた著書『いでんしくみかえさくもつのないせいかつ』(雷鳥社)『まだまだあった! 知らずに食べてる体を壊す食品』(アスコム)『儲かる「西出式」農法』(さくら舎)など。現在ハンター修行中。

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