おいしい野菜は八百屋で買おう

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店員さんがやたらと野菜のことを知ってるスーパーもあります。
成城石井の成城店とかすごいです。んでそういう人がいるお店は
鮮度的にもいいものが売ってる気がします。
そういやビオセボンって野菜の鮮度どうなったのかなー。



8月31日って野菜の日なんだって。知りませんでした。
んでその日農水省とか厚労省の後援でJAのイベントがありまして、
そうとは知らず八百屋さんの話を聞きに行きました。

八百屋さんはテレビによく出るチョー有名人のようでした。
地上波の放送はまったく見ないわたくしは知らない方でしたが、
お話が非常に興味深くおもしろく、なるほどと思えたので書いておきます。

八百屋さんは杉本晃章さん。足立区の八百屋・杉本青果店の代表です。
1985年のバブルまっただなかの時代に二代目になりました。

当時は「安い・甘い・新鮮」でなんでも売れたそうです。
1985年というと今から30年前です。周年栽培の野菜は今ほどなく、
野菜のことをよく知っているお客さんがまだいた時代でもありました。

現在きゅうりが一本100円で高い高いと騒いでいるけど、
50年前は10本で250円。10本買うのに1本100円じゃ困るけど、
そもそも今の人は1本しか買わないから1本100円で全然OK!! と
非常に理にかなったことをおっしゃって一気に好感度アップです。

野菜の品数が少ない当時は「少数大量販売時代」。
白菜は3つ縛って売られ各家庭で漬物をつくっていました。
大量に買うと安いのでやたらと保存食がつくられていました。

現在はカット野菜全盛の時代。白菜は半分カットで125円です。
保存食は自分でつくらずに買うものです。なんでもスーパーに売っています。
そして人々は、スーパーで無言でお買いものするようになりました。

知識がある消費者には便利でいい時代です。
スーパーに並んでいる野菜のなかから、おいしそうなものや
鮮度を見極める能力があれば、スーパーはとても便利なもの。しかし、
漫然と野菜を買う消費者にはおいしいものが選べない、とも言えます。

おいしいものを食べるためには努力が必要です。そういう時代です。
ということすら知らずに消費者は野菜を買っているのです。

さて、そこで八百屋の出番です。

「野菜の神様」と言われていた江澤正平さんという方がいます。
大地を守る会でも「野菜塾」を数度開催していただいており、
わたくしは一度だけ「枝豆」の回に参加しました。

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枝豆はそもそもが畦豆といって田んぼのはたにつくるものだった。
関東には醤油蔵がたくさんあったので、枝豆は昔から食べてきた。
関東では豆が太って味が乗ってからのほうが好き。東北は香り。
だから関東よりも少し若い豆が好き。地方によって好みが違う。by江澤正平。
今はそういう好みが平均化され、どの豆も似たような味の気がする。



その知識の深さに圧倒された記憶がありますが、
杉本さんも江澤正平さんと「野菜塾」を開催されていたそうです。

江澤正平さんは「野菜は情報とともに売るものだ。
食べ方も取材して伝えることだ。また野菜は刻々と味が変わるものだから、
きちんと食べて味の違いを知らなくてはならない。春のキャベツでも
3、4回は味が変わる。そういうことを知らない八百屋はダメだ」
とおっしゃっていたそうです。

勉強している八百屋からはおいしい野菜が買えるでしょう。
野菜の走り、旬などの違いも教えてもらえるに違いありません。
八百屋のメリットは会話できることにあります。
野菜のおいしさを伝えることがお金になるのです。

たとえば、お客さんが8月末に梨を買いに来た。5個手に取った。
杉本さんはそれを見ると「3個にしとけ」とアドバイスします。

「梨を5個も買うときょうびの梨はすぐ柔らかくなるから損をする。
今日明日なら3個でじゅうぶん。梨を買わないでこっちを買いな」と
桃でもトマトでも、2個の梨の代わりに差し出すのだといいます。

梨は売れなくても他のものが売れて八百屋的にはうれしいし、
客もおいしい梨と当初の予算内で桃が買えればうれしいでしょう。
スーパーではこういう売り方はできません。

というかスーパーでは梨は3つ入りのパックで売っているので
アドバイスされなくても大丈夫。とわたくしはふと考えましたが、
あることに気づいてゾーッとしてしまいました。

あまり知られていませんが、8月の梨は軸にジベレリンが塗布され、
生育を早めてあります。そういう梨はすぐに劣化して柔らかくなります。
昨今のつがるもそうですが、植調剤を使うと劣化が早くなるのです。

このことを知っていれば大量の梨は買いません。また、
なぜそういうつくり方をするのかという疑問も生じます。
そしてそういうのじゃない梨が食べたいと思うことができます。

しかし。スーパーでは最初から考えるきっかけを与えず
そこにあるものをただ買わせているのです。

目の前に出されたものをただ選ぶだけ。それはなんとなく、
ケージに入った鶏が目の前の餌をひたすら食べるのに似ています。
わたくしたちはスーパーが差し出したものしか食べない家畜。
とはいえないでしょうか。ぞぞぞぞぞぞ。

画一化された規格のものを粛々と売るのがスーパーですから
スーパーにおもしろい野菜が並ぶことはまずありません。

小口の農家の取り引きは昨今ではJAが嫌がることが多く、
大量生産で一定以上のロットのものが好まれます。ということは
ますますつまらない野菜しか売られないということでもあります。

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熊本の直売所に単に「きゅうり」と表示された半白きゅうりが売ってました。
説明しなくても地元の人にはわかる、っつか在来品種ってそういうものよね。
野菜のおもしろさや多様性は都会にいるとわかりづらいです。



日持ちする品種、並べやすい品種、大きさが一定になる品種、
つまりハイブリッド(F1)が主になるのはいかんともしがたいのです。
種の多様性はどこにいっちゃったんだ!! って感じです。

世に野菜はあまたあれど、スーパーに並ぶのはほんの一部。
棚ごとに売上目標があるでしょうから、置いても売れない
個性豊かな地方品種など見つかるはずがありません。

雑多な多様性はスーパーでは許されないとも言えます。

しかし、小回りの効く八百屋では、農家と直接取引ができますから、
変わった野菜、おもしろい野菜を並べることができます。
そういう野菜をお客さんが手に取れば、料理方法その他もろもろ
さまざまな周辺情報をきちんと伝えることができます。

小さな「八百屋」という業態にしかできないことがあるじゃないか。
八百屋おもしろい! というか、これからは八百屋がナイス!!
と、わたくしは考えました。

しかしウチの近所に八百屋さんはありません。
唯一成城石井がそれに近い感じです。ちぇっ! というかわたくし、
そもそもお店で野菜を買いませんでした。あわわわわ。

ともかく、おいしい野菜は八百屋に売っている。
と、今回の講演を聞いてわたくしは思いを新たにいたしました。

八百屋のみなさまにおかれましては、おもしろい品ぞろえと、
楽しくためになる情報提供のほど、よろしくお願い致します。

とりあえず、杉本青果店、行ってみたーい!!!


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プロフィール

ほんたべ

Author:ほんたべ
手島奈緒
おいしい食べものをつくる人を紹介したり応援したりしております。ブログをまとめた著書『いでんしくみかえさくもつのないせいかつ』(雷鳥社)『まだまだあった! 知らずに食べてる体を壊す食品』(アスコム)『儲かる「西出式」農法』(さくら舎)など。現在ハンター修行中。

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