安心して食べられるマッシュルーム 山形県舟形町 舟形マッシュルーム

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最近店頭でもよく見かけるブラウンマッシュルーム。
ホワイトよりも味が濃いけど、色が出るので色合いを気にする料理には向かないとか。


マッシュルームは「ツクリタケ」とも呼ばれ、世界で最も生産量の多いきのこ。
木材腐朽菌同様腐生菌の仲間で、17世紀のフランスで人工栽培が始まったという記録があります。

実はマッシュルームは木材腐朽菌ではないため、培地は木ではありません。

一度ダッシュ村で栽培にチャレンジしていたのを見ましたが、堆肥で栽培されています。
堆肥にマッシュルームの菌を植え付けて約80日後、
小さなマッシュルームがぽこぽこと顔を出し、収穫が始まります。

山形県舟形町にあるマッシュルーム屋さん「舟形マッシュルーム」では、
秘密の技で、この発生期間を短くしています。

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出荷前のマッシュルームたち。大きさをそろえてきれいに並んでいます。
まるでおまんじゅうが並んでいるみたいでかわいいですねえ。


菌床栽培をやっているきのこ屋さんが言うには「マッシュルーム栽培はすんごく難しい」のだそう。
でも一度発生してしまえば9日おきに合計3回収穫できるそうですから、
一度しか収穫できない菌床栽培のことを考えると、効率がよさそうです。

「堆肥栽培と言われるとイメージがちょっとよくないけど、
畜糞はそんなに必要ないんですよ」と代表の長沢光芳さんは言います。

舟形マッシュルームでは、サラブレッドが使った敷きワラを利用して培地の堆肥を作っています。
サラブレッドは大切に育てられているため、敷きワラの交換は一日おき。
搾乳用の牛の敷きワラのことを考えると、夢のような清潔さです。

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岩手県からやってきたワラ。すでに発酵開始。
発酵熱は約80度くらい。雑菌や虫の卵などは死んでしまいます。


「必要なのは、馬の腸内細菌なんですよね。この微生物がワラについてやってくる。
そのワラと、大豆の粉と、ジュース工場から出たコーヒー粕などを混ぜ合わせ発酵させ、
培地をつくっています。
マッシュルームに必要なチッソ分は、大豆やコーヒー粕で供給されます。
堆肥といってもほとんどニオイがないでしょ? それが自慢なんですよ」

taihi2.jpg
大豆粉などを混ぜて自動で切り返す堆肥作成のための機械。
この機械、金額はベンツと同じ。舟形マッシュルームさんしか持ってないとか。
発酵中なのにニオイはほとんどなく、ほんのりとした熱を感じます。
通常堆肥を作ってるところはものすごくニオイがするものです…動物性のものが少ないんですね。


マッシュルーム屋さんに何度も行ったことがある人に話を聞くと、
施設が近くなるにつれ悪臭が感じられ、施設内はかなりひどかったとか。

このにおいのもとは鶏糞粉だといいます。

培地に添加剤として鶏糞粉を利用すると、発生も早く収量も増えるのだそうです。
手っ取り早いチッソ分として利用しているのでしょうか。
きのこに鶏糞…なんかちょっとイヤなんですけど。

「うちは鶏糞粉は使いません。発生はいいけど臭うし、当然キノコバエ等の害虫も来る。
それに味があんまりよくない。なんだかぼやっとしたマッシュルームになってしまう。
やはりきちんとしまって、味の濃いもの、生で食べてもおいしいものをつくりたい。
安全であることも大切ですしね」

社長画像
舟形マッシュルーム代表の長澤光芳さん。
「できるだけ地域で循環できるマッシュルーム栽培を目指しています」
安心して食べられるマッシュルームの栽培、これからもがんばってください。


キノコバエはきのこの害虫。
堆肥栽培をするマッシュルームでは一番気をつけないといけない虫です。

私の知っているマッシュルーム屋さんは、施設内の壁に殺虫剤を塗りつけていました。
ハエ取り紙が施設にいくつもつるされているところもありました。

栽培前の施設は蒸気で完全に殺菌し、
栽培中は気圧の調整で虫が侵入できないしくみをつくっている舟形マッシュルームでは
キノコバエの心配もなく、安全なマッシュルームの栽培が可能なのです。

「殺菌の熱はバイオマスボイラーが熱源です。
これは、近隣の木材加工所から出るチップを燃やして発生させてます。

また使用済みの培地は堆肥として販売し、農家の方々に喜ばれています。
きのこは大量のエネルギーを使うものなので、ある程度はしようがないとは思うのですが、
やはりできるだけ環境に配慮し、地域循環のしくみをつくりたい。
これからもいろいろと考えていきたいと思っているんですよ」

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バイオマスボイラーの燃料チップ。ご近所の製材所からどんどん持ち込まれます。
一番いい状態のチップの形を試行錯誤し、現在の形になりました。
ただの木片みたいですが、効率よい形なのですね。



野菜と違い、個人農家ではもうきのこの栽培は対応できないでしょう。
必要な設備を整えるのに、個人レベルは超えています。
今後もきのこ栽培は次々に統合され、大きなきのこの会社が生き残っていくことでしょう。

そんななか、地域循環型という大きなビジョンを掲げて栽培をしている舟形マッシュルーム。
ぜひ応援したいですね。

市場には卸していないそうなのですが、大地を守る会の宅配で入手可能です。
興味のある方はぜひ。

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ほんたべさん、おはようございます。
紹介してくださってありがとうございます。ブラウンマッシュルーム・・・言われてみるとお饅頭みたいですね♪
こうして、ほんたべさんからの感想を読ませていただくと、自分たちもいろんなことをしているのだなぁと、実感しました。(中で仕事をしていると慣れてしまって。あはは。)

これからも、ほんたべさんから愛されるマッシュルームを育ててゆきたいと思います!

ありがとうございます

駆動さん

きのこ栽培はエネルギーを大量に使うものですが、そこんとこ理解して
地域の素材を使ったエネルギー利用を実現しているところが本当にスゴイと思います。

舟形マッシュルームさんは、地域循環のしくみも作っててさらに素晴らしいですよね。

お伺いしてから毎週マッシュルームを買っています。
やっぱ作っている人のところへ行って、生産現場をみて、
おいしい理由がわかると応援したくなります。

これからも毎週ブラウンマッシュを買わせていただきます!
がんばってくださいね!

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プロフィール

ほんたべ

Author:ほんたべ
手島奈緒
おいしい食べものをつくる人を紹介したり応援したりしております。ブログをまとめた著書『いでんしくみかえさくもつのないせいかつ』(雷鳥社)『まだまだあった! 知らずに食べてる体を壊す食品』(アスコム)『儲かる「西出式」農法』(さくら舎)など。現在ハンター修行中。

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