いい土ってどんな土のこと?

土zou 029
猫に気を取られて大根と春菊を同じところにまいてしまいましたが、
週末に発芽しておりました。なんか調子良く発芽した今回。
ひょっとしてわたくし「緑の指」を入手したのかも。



自然食品の流通が出してる冊子を読むと必ず、「健康な土」「土づくり」、
「ふかふかの土」から生まれる健康な野菜とか書いてあります。

ま、当然ですが、自分もそういうことを商品コピーに書いていました。

流通のスタッフの中には、土を食べてみたりする人がいます。
握りしめてばらっとこぼれるのがいいと言う人もいます。
また、ミミズがいっぱいいる土は良くない土とかいい土とか言います。

この言葉に消費者は思いっきり振り回されてます。
「なんとなく」よさそうというイメージを闇雲に信じてたりします。
時々真剣な目をして「ミミズがいるとダメらしい」とか言われます。

そういうこともあり、わたくしは誰にでもわかる
科学的、客観的なアプローチが大切だと考えております。

それが土壌分析と土壌三相分布なのでございます。

komenuka.jpg
埼玉県の瀬山明さんの畑が、生の資材をどれ位の早さで分解しているかというデータ。
米ぬかを投入後、チッソ分が急激に放出されている日数が21日め。7日後~14日まで
一度下がっていますが、ここが微生物がチッソをエネルギーとして消化してる部分。
米ぬかを生で入れて2週間はチッソ飢餓になっていると考えられるのでした。
ここで発芽が当たると生育が悪くなるので、逆算して種まきの日を考えます。


どちらも客観的に数値で見られるのがメリット。
算数の苦手なわたくしに理解できるのですから、たぶん誰にでもわかります。

三相を測り分析もしてみたほんたべ農園の例を挙げてみます。

わたくしが粛々とやっている区民農園の前作は慣行栽培でした。
慣行栽培の方は通常化学肥料を使用しております。
堆肥が入ってる可能性は、近隣の人の話を聞いた限りではないようでした。

ちなみに、堆肥=肥料分と思っている方が多いのですが、
どちらかと言うと、堆肥は土壌改良材。つまり腐植の補充です。

堆肥に含まれているチッソ分はほぼアンモニア態チッソで、しかも、
ガス化して空気中に飛んでるものが多いので、肥料として期待するには
ちょっと難しい気がします。
※成分分析をしてチッソ分が多ければ肥料としてOK。多すぎてもNG。
C/N比が15以下と低い堆肥はよした方がいいと思いますです。

seibun056.jpg
その米ぬかの成分分析。一般的な米ぬかの数値とそれほど変わりません。
自分の使っている資材の成分を知っていることが、科学的な農業の第一歩です。
瀬山さんが使っているボカシも、もちろん成分分析してあるのでした。

tushi 060
で、これは本庄市の山の土。そもそもの本庄の土の成分の目安です。
土地によって性質が違うものですが、自分の畑の土がどういう成分だったのかを知るために
分析してもらったそうでございます。恐るべし、瀬山さんの好奇心。



腐植分があれば微生物はそれらを分解し、時折休眠し、
畑の中で世代交代を繰り返して繁殖し続け、団粒構造を作ってくれます。
腐植分がないと微生物の居場所がなくなり、その数は減ってしまいます。

ということから、ほんたべ農園には微生物がそんなにいないと
考えたわけでございます。もちろん団粒構造なんてできていません。
分析結果も腐植分の少ない、軽くて水はけの悪い土でした。

そこで春先にモミガラと微生物資材を入れたのでございます。

モミガラが分解されるのには約8カ月ほどかかると言われます。
この間、微生物は継続していろいろなものを分解しており、
食べものがなくなるとモミガラで休眠する等のことを繰り返しております

区民農園をスタートして半年。最近お隣の区画と比較して、
表層部分のみですが、目に見えて土が変わっていることに気付きました。

土026
お隣の区画の畑では、水はけが悪そうなべったりとした感じに固まっております。
土u 028
粗大有機物がゴロゴロしているほんたべ農園。なんかもう表層が乾いております。
梅雨時は雨が降ると締まる感じでしたが、今ではそういう感じではなくなってきました。



もう一度分析してみないと何とも言えませんが、
半年で目に見える成果があれば、3年も続ければそれなりでしょう。
つまり粗大有機物と微生物の投入で、土は変えられるってことですね。

本庄市の瀬山さんの畑のように、過去何十年も有機物を入れ続けた畑なら、
すでに微生物がたくさんいるので、あれこれ足す必要はありません。

土壌分析してアンモニア態チッソの値が低くても、
分析で出てこないアミノ酸という形でのチッソ分があり、
植物はそれを利用しているから何の問題もありません。

今年瀬山さんが無肥料で栽培しているのは、
こういった理由で、肥料をやる必要がないからなのでした。

野菜の味の良しあしはざっくり言うとチッソで決まります。

硝酸態チッソを含む野菜はおいしくなく、光合成をじゅうぶんに行い、
チッソ分が炭水化物とタンパク質に代わっているとおいしいのです。

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瀬山さんちの薪ストーブから出てくる木灰の成分分析。
微量要素が大量に含まれております。まさに「花咲かじいさんの灰」(by瀬山さん)



何度かご紹介している通り、
「チッソ分を硝酸態チッソではなくアミノ酸で吸う=野菜の味がよくなる」
ですから、瀬山さんの野菜がおいしいのは当然のことなのでした。

いい土は一日にして成らず。

しかし、知識とやる気があれば3年でできるんじゃないかと
大雨後のほんたべ農園を見て、つくづく思ったわたくし。
西出先生のおかげでございます。

いい土とは「腐植」と「微生物層」がキイワードでなのでございますね。
ミミズは腐植がある指針にはなれど、条件ではない気がするのでございます。

※科学的なアプローチを実現している瀬山さんの野菜をコースで食べる「日曜倶楽部」。
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手島奈緒
おいしい食べものをつくる人を紹介したり応援したりしております。ブログをまとめた著書『いでんしくみかえさくもつのないせいかつ』(雷鳥社)『まだまだあった! 知らずに食べてる体を壊す食品』(アスコム)『儲かる「西出式」農法』(さくら舎)など。現在ハンター修行中。

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