無肥料栽培の秘密は植物ホルモン ― 道法正徳さん

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道法正徳さん。切り上げ剪定の講習中。果実連勤務時代に土壌分析などは
何十回もやってみたけど、どうしても解決できないことがあったという道法さん。
で、ある日無肥料栽培のヒントを自分のみかん畑で見つけました。
土壌分析をやったけど解決できなかったってあたりに説得力があります。



西出式微生物農法…っていうか、西出式科学的農業を
常日頃実践しているわたくし。ま、草を取らない下農ですけどね。
それはそれとして、師匠は西出先生お一人と心に決めております。

あれこれ浮気すると何してるかわかんなくなるからです。

西出先生の教えを実践すれば、有機農業初心者でも
それなりにできるかもしれないってことで、頑なにひたすら実験中。

ま、草を取らない下農なんですけどね。

そういうわたくしなのですが、この人の話を聞くと、
「あああ、ひょっとしてすんごくすんばらしいのでは!」と
浮気しそうになってしまう人がいます。

それほどインパクトの強い、道法正徳さんの
収量があり、ちゃんと稼げる「無肥料・無農薬栽培理論」。

gazou 058
通常無農薬栽培のレモンには、ソウカ病、カイヨウ病などの病害が出て
基本的には肌が汚くなりがちです。「無農薬だから許してね、しょうがないのよね」と消費者に
告知するわけですが、こんなにきれいなのばっかりなってると「うーん」と思っちゃうですよ。



ちなみに収量の低い無肥料栽培(っていうか自然農法)は、
技術というより思想ですから、わたくし的にはいまいち興味が薄く、
とりあえずきちんと勉強しておりません。

福岡正信先生の本を最初の20Pほど読んだところです。

さて、昨年のちょうど今頃、広島での勉強会で道法さんの講義を聞き、
理屈はわかるけど、科学的にはどういうことなんだろう…と
迷いながらも、ご紹介させていただきましたです。
■道法さんの記事→無肥料無農薬でみかんを作る人→道法正徳さん

もう一回ちゃんと話を聞きたいなあと思っていたところ、
先日お会いする機会があり、詳しくお話を聞くにつけ、
何と言うか、「うーん、やってみたいかも…。すげえ面白そう!」
とか思っちゃったわけでございます。

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例えばりんごの樹の作り方ですが、勢いがいい枝には実がつきにくいので、
枝を下向きに誘引します。これで植物ホルモンの流れが変わり着果しやすい枝ができます。
道法さんは誘引しないで全部上向きに剪定するっておっしゃるのですよ。
「ええ~?」って思っちゃうでしょう? 果樹類の剪定の常識と真逆なんですよ。

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左の方に真上に向かって何本か枝が出てますが、これが徒長枝と言って
肥料が多かったり樹の勢いが良いと出てきてしまう枝。夏の間に切ったりしますが、
徒長枝を出して切る位ならその分の肥料はいらないんじゃないかと言う考え方もあります。
道法さんはこれを伸ばして横になってる枝を全部切るという剪定なんですよ。



道法さんの考え方は、NPKなどの肥料分は必要なく、
植物ホルモンを適正な形で植物が出せる状況に置くことにより、
高品質で多収、しかも病気に強い作物が栽培できるというもの。

ほんとにNPK必要ないのかなあと思いつつ見たレモン畑では
カイヨウ病にもソウカ病にもかかっていない、さらに虫ひとつついてない、
大玉のレモンがビシバシなってました。

これが植物ホルモンを活性化させるだけでできるとは…
昨年、そのレモン畑で非常に感銘を受けたわけでございます。

でもね。落葉果樹類に適用するとか、野菜作りに適用するとか、
その方法がいまいちわからなかったわけ。だって柑橘類と落葉果樹では
植物生理が違うからね。野菜は永年作物じゃないしさ。

なんて思ってたら。

野菜作りの指導もされているというではありませんか。
で、わたくしの畑のナスの樹の作り方がダメと言われてしまったのでした。

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道法さんのお話を聞いていて、台風でダメになったナスのことを思い出していたわたくし。
枝豆に挟まれててほとんど無肥料だったのに大量に実が着いてたのですよ。
枝豆に押されてる間、全部枝が上向きになってたのですよ。で、支柱を立てて
ナナメに誘引したら、花の付きが悪くなったのです。うーむ…って感じでしょ?



「枝は全て勢いよく上に伸ばす」というかんきつ類の剪定そのままに、
ナスの枝を全部上向きにして支柱を立てることで、
植物ホルモンが活性化し、花が良く咲き実もよくつくとのこと。

「あ、でもね。出す枝は2つか4つ。果菜類の枝を奇数にすると
必ずひとつの枝が弱くなっちゃうからね。偶数で伸ばして。
2本で強すぎるようなら4本で」…わたくし奇数にしておりましたよ。

真上に枝が向くようにするには、ハウスだと誘引するひもの感覚を狭く、
露地だと枝を上に向けてしばってやればいいと道法さん。

「これは、ピーマンも同じようにすればいい。
今年実践した農家は無肥料で収量が2倍だったって。
しかも全部外側に実がなるから、作業性も上がって喜んでた」

gazsou 015
この樹の仕立てを見て「ああ、間違ってる~」って思ったとおっしゃる道法さん。
っていうか、ブログを見ていただいてありがとうござります。



ほほほ、ほんとですか!!!っていうか、

見せていただいた写真にはピーマンがたわわに生ってるし!
なんつーか、ナスとピーマンが無肥料で生り放題なんつーのは

ドリーム、ほんたべドリーム~(すでに妄想の世界)

さて、今回のお話で新たにわかったことがありました。
植物ホルモンはアミノ酸から作られるため、NHOがあればOK。
Nは空気中のチッソから、Cは二酸化炭素から、Hは水ですから、
肥料いらない。これがNPK必要ないという理論です。

しかし。やっぱり疑問が……。

今年施肥に苦労した思い出がフラッシュバックするわたくし。
やってみないとわかんないけど、菜っ葉はどうしたらいいんだろう?

gazou 019
種無ぶどうを作るジベレリンは植物の中にそもそも存在する植物ホルモンで、
枝を切り過ぎると実や花をつきづらくします。なので、ジベレリンを活性化させないよう、
枝は切らない。肥料をやると病害虫を予防するエチレンが弱くなるので
肥料はやらない。という理屈。エチレンに病虫害予防効果があるとは知りませんでした。
あああ、植物ホルモンの働きをもっとちゃんと勉強しないとダメだわ~。



考え始めるとまたさらにわからなくなりました。
でもできてる人がいるってことですから、事実ってことですよ。

一回ちゃんと話を聞きたいなあ…講演してもらおうかな。
誰か一緒に聞いてくれる人いませんか?
ご要望があれば、講演会設定します。


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No title

ほんたべさんおはようございます。
はっきりしないお天気が続いてますね。

「上農は草を見ずして草を取り、中農は草を見て草を取り、下農は草を見ても草を取らず」
上農・中農・下農って言葉、初めて知りました。
草を見ても草を取らず、むしろ上等じゃないですか。
ってか来たるべき農業のあり方ってやつですよ(ほんとかな)。

無肥料・無農薬栽培って、世の中のめんどくさがり屋さんたちにとって蠱惑的で危険な香りのするコトバですね~。

いわゆる自然農法ではよく土とかまわりの環境とかのお話がメインのような気がするですが、植物ホルモンが重要なんですか。
なるほど。
すごく説得力ありますね。

確かにこの方法で病気もない、収量も上がるとなると、いいことづくめぢゃないですか。

ちなみに小さなお庭の一部で無施肥・無農薬、無機質土壌(しかもほとんど無日照)による園芸を実践しておる身といたしましては、とても参考になるお話でした。

ただ、有機栽培とこの無肥料・無施肥栽培ってどう折り合いをつければいいんでしょうか。ほんたべさんの今後の「落とし前のつけ方」に注目しておりますです。
来年以降の「ほんたべドリーム」は果たして・・・(ってちょっと意地が悪いすネ)。

余談ですが道法さん、川田健次さんってどっちがペンネームじゃって話ですね~

ではではv-22

Re: No title

Fuさん

こんにちは。

> 草を見ても草を取らず、むしろ上等じゃないですか。
> ってか来たるべき農業のあり方ってやつですよ(ほんとかな)。

下農の言い訳として「草生栽培」ってのがあります。
きちんと草生栽培している方に申し訳ないけど、時々使います(笑)

>
> 無肥料・無農薬栽培って、世の中のめんどくさがり屋さんたちにとって蠱惑的で危険な香りのするコトバですね~。

収量を求めなければ割とできるもののようですが、
これで収量上げて儲けるって思ってるとムリみたいです。
危険な香りがプンプンするですよ。

> いわゆる自然農法ではよく土とかまわりの環境とかのお話がメインのような気がするですが、植物ホルモンが重要なんですか。

植物ホルモンってあまり話題になりませんが、栄養週期をやってる人なんかは大変よくご存じです。
とくに果樹栽培をしている人は良く知っています。

ボカシを作るのも、微生物が有機物を分解する過程で植物ホルモンを生成するので
それが利用できるからと西出先生がおっしゃっていました。
初期生育を良くしたりというような効果があるようです。


> ただ、有機栽培とこの無肥料・無施肥栽培ってどう折り合いをつければいいんでしょうか。ほんたべさんの今後の「落とし前のつけ方」に注目しておりますです。

うーん。つくんだろうか…。
とりあえず、来年やってみてからですね!

> 余談ですが道法さん、川田健次さんってどっちがペンネームじゃって話ですね~

なぜペンネームを使ったんでしょうね~。
今度聞いてみよう。
今では道法正徳の方が通りがいいと思うのですが。

比較

1つの畑を4分割とかして、4つの農法・栽培技術を並行して試すことって難しいですかねぇ。土づくりを含めると徐々に違う畑になっていきますが、他の条件を揃えて見極めてみたいなぁって思います。あらかじめそれぞれの農法・栽培技術をよく理解してないと、ぐちゃぐちゃになっちゃいそうですけど。

それと、道法正徳さんのペンネーム、「川田 建次」ですね。人偏要りません。検索して見つからないのでと思ったら。

Re: 比較

H2さん

こんばんは。

> 1つの畑を4分割とかして、4つの農法・栽培技術を並行して試すことって難しいですかねぇ。

面積が広ければいいかしらと思いますが、区民農園ではムリですかねえ…。
1反位の畑があれば、できそうですが…。

> それと、道法正徳さんのペンネーム、「川田 建次」ですね。

あれ! そうでしたか。
ありがとうございます。

っていうか、全然認識してませんでした…(笑)。

でも、ほんたべ日記にその検索キイワードで訪問される方がいらっしゃいますから、
ペンネームも有名なのですね、道法さん。

No title

ほんたべさん、こんばんわー。僕も以前、道法氏の講演を聞いて、目からビーム・・・・ではなく、うろこが出る思いでした。すごく斬新でしかも、結果が出ている。きのこに応用できないものかと思いましたが、いかんせん、葉っぱが出ないもので。

それにしても、ナスの写真。うーん。やはり間違っていましたか。来年は、道法氏によくやったと褒めてもらえるような畑にしたいものですねー。

Re: No title

駆動さん

こんにちは~。
駆動さんも道法さんの講演を聞いたのですか!
目からウロコっていうかビームが出てるのは道法さん…そんな感じですよねえ。確かに。

きのこは菌なので生理が全く違いますもんね。
家庭菜園では役立つかもしれませんよ~。

> それにしても、ナスの写真。うーん。やはり間違っていましたか。

家庭菜園の本読むと3本仕立てって書いてあるんですよねえ。
でも奇数にすると一本が必ず弱るってのは、確かにそうかも。
(っていうか自分的には3本にもできなかったんだけど)

ナス農家の仕立てを見ると、2本か4本なんですよ。
家庭菜園の本、ウソ書いてるのかな~?

とりあえず来年は無肥料区を作ってナスピーマンを栽培してみます。
2本ほど。

No title

こんばんは。
目に見えない物たちの働きに注目している私としては、興味津々の記事ですね。
植物ホルモンについて勉強したくなりましたね。

来年の果菜類の挑戦課題が色々見つかりました。考えているだけで楽しくなってきますよね。

Re: No title

スナフキンさん

こんばんは。

> 植物ホルモンについて勉強したくなりましたね。

栄養週期やってる人とこの話をしましたが「そういうことあるんじゃないかなあ」と言ってました。
果樹類だと考えやすいです。永年作物だし。体力あるし。

青森県の木村さんの無農薬栽培ができたのは、樹自体に体力がある「きょうぼく栽培」
だったからだよねとりんご農家がよく言います。
あれがワイ性台だとすぐに枯れちゃったんじゃないのって言います。

みかんも同じなんだろうと思うんだけど、みかんも永年作物ですから。
でも、一年生のもの(野菜)で本当にできるのかな? 興味津々です。

> 来年の果菜類の挑戦課題が色々見つかりました。考えているだけで楽しくなってきますよね。

そうなんですよ~。
やってみようと思ってます。楽しいですよね!

有機農業歴30年ですが

上のURLでブログを書いています。

詳しくは、「とりのさと」で検索していただくと、ホームページが上位に出ると思います。

Re: 有機農業歴30年ですが

とりのさとさん

こんばんは。
ご訪問ありがとうございます。

道法さんにご興味があるのですか?
愛知県では渥美半島で知り合いが有機農業を営んでいます。
新規就農者で取材したまいさんは岡崎市でした。

知多半島って確か渥美半島の反対側ですよね~?
今後ともよろしくお願いいたします。

No title

はじめまして、まだ2年目のナス農家(慣行栽培)です

農業とは奥が深いですね
いろいろな意見、やり方があるもんですが、逆にそれによって頭の中が混乱してしまうことがあります


ナスの仕立て方はU字型がいいものと思っていました
なぜなら、それによって株の内部に日があたりやすくなるからです

枝を上向きにすると、植物ホルモンが出やすくなって収量も上がるとは興味深いですね

1本仕立てなら上向きにしやすいのですが・・・

いずれにしても興味深い話です
来作は試験的に一部やってみようかなあと思います

Re: No title

isaoさん、はじめまして。
コメントありがとうございます。

> 農業とは奥が深いですね
> いろいろな意見、やり方があるもんですが、逆にそれによって頭の中が混乱してしまうことがあります

そうですねー。同じようにできるとは限らないもんで。
星の数ほどある技術の中から自分にぴったりのものを選ぶのも
大変なことだと思います。

>
> 枝を上向きにすると、植物ホルモンが出やすくなって収量も上がるとは興味深いですね

わたしは家庭菜園レベルでしか試していませんが、
去年はとてもよくできました。

ナスの仕立てでは毎回なんかピンときていなかったのですが、
上向きにすると樹勢がよくなるため、ダニはつきにくかったです。
樹が元気だとつかないんだなーと思いました。

>
> 1本仕立てなら上向きにしやすいのですが・・・
>
道法さんがおっしゃるには、ナスの枝は偶数でないと木が弱るそうなのです。
家庭菜園の本には3本仕立てとよく書いてあります。

強い枝を2本残して上向きにしました。
次々に脇芽が出てくるのですが、そこあたりの処理方法がいまいち不明です。

大分県でハウスのナスを道法さんの指導で栽培している方がいらっしゃるそうですが、
2本仕立でやってるらしいですよ。


プロフィール

ほんたべ

Author:ほんたべ
手島奈緒
おいしい食べものをつくる人を紹介したり応援したりしております。ブログをまとめた著書『いでんしくみかえさくもつのないせいかつ』(雷鳥社)『まだまだあった! 知らずに食べてる体を壊す食品』(アスコム)『儲かる「西出式」農法』(さくら舎)など。現在ハンター修行中。

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