1反15俵採りの技術! 西出隆一さん

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120万の除草機を運転してもらいました。「有機栽培は草との戦い」と皆が口を揃えて言います。
安全なお米には手間暇がかかっているのです。



大地を守る会のお米生産者が一堂に会する「米生産社会議」に参加しました。
今回の講師は、石川県穴水町の西出隆一さん。

科学的なアプローチによる土づくりと微生物の利用で、
露地ならば1反あたり90万円、ハウスなら600万円を目標とし、
収量UPの技術を農民に伝えている、私の師匠です。

米作りは日本全国で行われていて、
農家ごとの多少の栽培方法の違いはあるにせよ、
生育の過程でしなければならないことがほぼ同じという、まれな作物。

共通言語が多いと言ったらいいのか…九州と北海道の農家が
普通に自分の栽培方法について話せる作物でもあります。

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これは手押しの除草機。先のワイヤーに草がひっかかり除草できます。
重くもなくよく取れるそうです。比較的安価で、効果が期待できそうでした。

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こんな具合に草がひっかかるわけですね。


無農薬栽培で1反あたり9俵(1俵は60kg)取れれば恩の字という農家が多いなか、
15俵もとれる技術とはいったい…? キーワードは「ケイ酸」と「土づくり」でした。

米を100kg採るのに窒素分は2kg、ケイ酸は20kg必要と西出さんは言います。

以前は田んぼにはケイ酸を入れることを普及所その他でも指導していたそうです。
「そう言えば最近言わなくなったよね。昔は入れろって言われてた」
西出さんの話を聞いた後、何人かの米農家が言っていました。

ケイ酸は、土壌中にどれだけ入っていても過剰にならず、作物に影響を及ぼさない物質。
また、肥料分を吸収する緩衝材ともなり、肥効が穏やかになります。

イネの場合では、葉が強くしっかりするため、イモチ病にかかりにくくなる効果もあるようです。
最近では、ウリ科作物のうどんこ病予防効果もあることがわかっています。

忘れられた大切な資材…ケイ酸はそういう要素なのかもしれません。

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写真中央が田んぼの前で講評する西出隆一さん。写真右は幹事の笠原農園・笠原勝彦さん。
資材屋さんや普及所の机上の指導とは違う、実践と観察力に基づいた知識は、
農民の目からウロコを落としてくれる、まさに「革命」です。



さて、15俵採るためには…その計算を西出さんがしてくれました。
米を作ったことのない私にはよくわかりませんが、米農家にはわかる数字です。

西出さんの方法は、ひと坪40株植え(苗の本葉は4.5葉~5葉)。
それぞれの苗が25本分けつすれば、穂の数は1000本。
穂ひとつに150粒米がつけば、穂が1000本なので15万粒。
15万粒を米一升ぶん(7.5万粒)で割ると二升になります。

ひと坪二升、一反分300坪で掛けると、6石=15俵。
会場からは「無理~」という小さな声があちこちから聞こえました。

ただ15俵どりをするには、その他いくつかしなくてはならないことがあります。

まず土壌分析。たいがいの田んぼは腐植不足でCECの値が低いはず。
しかし米価が下がっている昨今、高い資材を投入するのは割に合いません。
モミガラや完熟堆肥と合わせ、微生物資材を入れて腐植分を高める努力をする必要があります。
※CECと腐植については以下のWEBサイトに詳しく書いてありますので、そちらをご確認ください。
http://www.hontabe.com/

微生物がたくさんいる田んぼは、水が濁っているので自分の田んぼを見ればすぐにわかります。
水が透き通っていたら、微生物が少ないと判断して間違いありません。

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豊かな実りとともに生きもののゆりかごにもなる有機栽培の田んぼ。
生きものがたくさん住む田んぼのお米は、きっと幸せな味がすると思います。



また、何人かの米農家の圃場の分析値を見ましたが、ほとんどの農家がカリ欠乏でした。
カリの役割は「運搬」。
葉が光合成して生み出す糖分を、種に移動してくれるのがカリ。
カリ欠乏は、米粒の重さに影響します。

例えば、千粒重が22gだった場合。
じゅうぶんなカリがあると1gくらい増えるのだそうです。
仮に千粒重で1g増えると、一反では1俵増になる…魅力的な数字ではありませんか。

米価が下落し、現在のニッポンの米農家は大規模化することで生き残りをかけています。
小規模の複合経営では立ち行かなくなっていると言ってもいいでしょう。

昨年の米価はブランド産地ではない一般的な価格で12000円(1俵)程度だと聞きました。
このうち経費が10000円程度とも。それでは本当に立ち行きません。
一反当たりの手間は同じですから、収量が増えれば単純に収入が増えることになります。

「収量に限界はない」が西出さんの農業に対する考え方。
食味がよくて、安全で、しかも収量が多ければ、消費者もうれしいし、農家ももっとうれしいはず。

西出さんの技術なら、ニッポンの農業が明るくなるのに!と実感した会議でした。


※西出さんの技術を学びたい方は「西出会」にご入会ください。
以下のWEBサイトの問い合わせフォームにて「西出会入会希望」と書いてお問い合せください。
いただいたメールアドレスに入会方法を返信いたします。
http://www.hontabe.com/


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ほんたべさん、こんにちは。お米作りは確かに北海道から沖縄まで共通していることが多いですね。そして苦労するのも同じところ・・・雑草退治もまた全国共通ですねー。

>土壌分析。
ほんたべさんのホームページやBlogを読んで、自分の家の土にどんな成分が入っているのか興味を持ちました。
いい野菜を作るには、こういう基本中の基本が大切なんだなぁと思っています。ほんたべさんに出会えてよかったです!

こんばんは~

> お米作りは確かに北海道から沖縄まで共通していることが多いですね。

そうなんですよね~。
出る害虫は違うことがあるみたいですけど。

それと、米作りって、最初から最後まで何かを数える作物なんですって。
茎数とか穂の数とか…面白いですよね。

> いい野菜を作るには、こういう基本中の基本が大切なんだなぁと思っています。ほんたべさんに出会えてよかったです!

そう言っていただけるとうれしいです! ありがとうございます!
ほんと、土壌分析診断って面白いです。いろんなことがわかります。
一度その数値を元に考え始めると、
分析せずに施肥設計をどうしてるんだろうと不思議に思うようになりますよ~。


プロフィール

ほんたべ

Author:ほんたべ
手島奈緒
おいしい食べものをつくる人を紹介したり応援したりしております。ブログをまとめた著書『いでんしくみかえさくもつのないせいかつ』(雷鳥社)『まだまだあった! 知らずに食べてる体を壊す食品』(アスコム)『儲かる「西出式」農法』(さくら舎)など。現在ハンター修行中。

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