新規就農者の野菜を食べながら話を聞いた夜

ポトフ
メインのお皿は「ポトフ」って名前でしたが、詳しく聞くと「温野菜」で、
正式名称は「温野菜のブイヨンソース、落とし卵とチーズを添えて」でした。
「どうやって説明したらいいかわかんなくて」と鈴木さん。シンプルだけどんまかった!
内容はキャベツ、人参、かぶ、山東、チンゲン菜、じゃがいもと卵、リコッタチーズ、鶏肉。



1月29日日曜日、ほんものの食べものくらぶ【日曜倶楽部】
「新規就農者の話を聞きながら野菜を食べよう」
下北沢のオーガニックカフェ・オルガン堂にて開催いたしました。

2009年に茨城県に新規就農したさちこさんの野菜を食べ、
デザートとコーヒーをいただきながら、あれこれ話を聞いたです。

野菜を料理してくださったのは、元「THE WAKO」の総料理長・鈴木康太郎さん。
いつものように野菜をうまさをいかしたお料理を作ってくださいました。

さて、わたくしの言う新規就農者とは、今まで全く基盤のなかったところに
土地や住まうところを自分で見つけて、農業を始める人のことを言います。

農水省的には「新規参入者」と呼ばれているようです。

さちこさんが参入した年には、新規参入者は全国で620人。
いつも訪問させていただいている「大作農園日誌」さん
奇遇にも2009年の参入。ってことで、わたくしの身の回りに
おふたりの2009年参入者がいらっしゃいました。

ブイヨン
チキンブイヨンが煮込まれてます。鈴木さんが自宅から持ってきたブイヨン。
鶏のだし~っ!って感じのにおいがしてました。鶏肉は某D社の北浦シャモ肉。
やっぱおいしい野菜を食べるんだから、他の食材・調味料も気を抜いてませんですよ!



ところで、以前ご紹介した「のんのんファーム」さんも2009年参入?
参入した年=農業委員会に土地を借りる申請をした年なので、
その確率が高いんじゃないでしょうか。

ってことは、620人のうちの3人を知ってるってこと?! すごいじゃん自分!
てなことは置いといて。

さちこさんの参入した地域では、世帯者(結婚してる人たち)について
一年にひと組の援助を行っています。

さちこさんは単身者だったため、この恩恵にはあずかっていませんが、
月16万円、研修半分農業半分くらいの感じでお金をもらえるこのしくみ。
新規参入者にはかなり魅力的な補助制度です。

昨今日本中の自治体・JAで、こういった制度が準備されていますが、
困るのが長続きしない人たちが時々いること。

何年か前、新規就農者を積極的に受け入れている方々に
「だいたいさあ、一人で農業始めると朝起きてこないのよね」
「草取らないし。なんかだんだん働かなくなるのよね」
「農業って根性がいるんだよ…あまいんだよね~」といったような
「新規就農者の一部の人々の真実」をお聞きしたことがありました。

みほさん
オルガン堂シェフ、佐々木美保さんが遊びに来てお手伝いしてくださいました。
美保さん、ありがとうございます。テキパキと鈴木シェフのサポートをしてくださり、
無事にイベントの料理を次々に出すことができましたです。後ろ姿ですんません。



人間とは弱いものなのですね。

個人事業主になるということは、自立と自律が必要なのですが、
決意がないのかどうなのか、上記のような人がたくさんいて、
新規就農者の支援も大変なのだそうです。

そういったこともあり、世帯者であればその地域に定住し、
農業を継続する確率が高いということなのでしょう。

さてしかし、単身で参入したさちこさん。
農業の経験も全くなく、すべて一から始めたのでした。

どんな仕事でもそうですが、経験=力・知識になるものです。
農業とは、その経験が年に二回か一回しかないという特殊なお仕事。

「なぜ長いこと農家やってるのに毎回今年が初めてみたいなことを言うのだ」と
以前りんご農家に大変失礼な直球を投げた際、困った顔した彼に
「まだりんご7回(7年)しか作ったことないもん」と言われ、愕然としたわたくし。

サラダ
順序的に逆ですが、一品目のサラダ「さちこさんの冬野菜のサラダ」。
赤大根のピンクが美しく、ベビーリーフやパンチの効いたワサビ菜の香りが素敵でした。



都市生活をしていると、今日の経験が即明日に役立つもんです。
それが一年に一回。

今日の振り返りは一年後ってこと?

農業とは全く違う時間の流れ方をしている職業だと
そのときにつくづく思ったのでございます。

ゼロから始めたさちこさんも、3作めでようやく、
自分が必要とする野菜の量と栽培のタイミングがわかったと言います。

3作目ってことは1.5年=約2年です。うーん…です。

地域ごとに作物の生育期間は違い、できるものも違います。
毎年天候は違うし、風は吹くし台風は来るし、雨も降ります。

いろんな経験を受けとめながら、楽しみながら農業を営んでる、
さちこさんの話からは、そんな印象を受けました。

R0013504.jpg
楽しんでるんだなあ…とつくづく感じるこの一枚「ベンジャミンくん」(さちこさん撮影)
今回さちこさんにいただいた写真を店内にいろいろと展示したのですが、撮り忘れました。
っていうか、デザートも撮影し忘れました。なんか焦ってたのでしょうね~。



いつもなら知ることのできない、お皿の向こう側にある畑の話、
作る人の話を聞けば、そのお料理がもっとおいしく身近に感じられるはず。
それぞれの野菜の物語、畑のようす、作り手の人柄を知り、
同じ時間を共有すれば、きっと何かが皆の心に残るだろう。

そんな風に思って始めた日曜倶楽部。

終了後、参加してくださった皆さんにメッセージをいろいろいただき、
「ちみっとしたイベントだけどやっててよかった!」と思ったのでございます。

ご参加いただいた皆さま、ありがとうございました。
雑な性格なので至らない点も多々あったと思いますが、
今後とも応援していただければ幸いでございます。

あ、ひとつだけ翌年のための連絡事項。

ヒートテックを着てサービスすると途中で頭痛が始まるので、
厳寒期でも絶対に着ないこと。


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No title

ご近所の町に1組の新規参入者(家族)をまちぐるみで応援して
年数覚えてませんが、え? という速さで出てった・・・
悲しいできごとがあったそうです
そのあとの町を被ったガッカリ空気と、その後の参入者への影響は想像してもしきれません

むずかしい問題ですよね

そういうこともあると受け入れる側が想定してればいい、
といえばすむことですが、
お金と心をぎりぎりいっぱいかけているだけに、それも難しい

お金かけてくれる自治体があって初めて農家になれる人もいる
と思うと解決策は第三者の仲介かな~

いっぱい新規参入してほしいです

No title

ほんたべさんこんばんは。

こんな味門外漢な自分をお招きいただき光栄でした。
(味にぜんぜんうるさくない自分が言っても説得力ないですが)ほんと、おいしかったです。「食べてるぞ」って実感がひしひしと湧いてくる食材の数々でした。あ、お野菜の味をまったく損ねない味付けもさすがでしたね。

まさに生産者さんのお顔を見ながら食べることができるなんて、贅沢な経験ですよね。和知さんのどこか飄々とした語りも素敵でした。技術的なことはちんぷんかんぷんでしたが、(農業にかぎらず)思い立ったら迷わずやってみな、って諭されたような感じがしましたです。

いっしょのテーブルに座ったお若い面々と楽しくお話できたのもうれしかったっす。また会いたいな。
つうことで「日曜倶楽部」、いろいろとご苦労もおありでしょうが、ぜひともコンスタントに、長~く続けていってほしいです。
そうそう、「オルガン堂」の雰囲気もとてもよかったですね。

よろしければまたお誘いください。
ではでは、またまた v-22

Re: No title

uchinunoさん

こんばんは。

> ご近所の町に1組の新規参入者(家族)をまちぐるみで応援して
> 年数覚えてませんが、え? という速さで出てった・・・
> 悲しいできごとがあったそうです

あああ、悲しい話ですね。
何があったんでしょう…。
そういうことがあると次に来る人にも影響するし、
そのことが次に来た人の心をむしばんだりすると、悲しいですよねえ。

>
> お金かけてくれる自治体があって初めて農家になれる人もいる
> と思うと解決策は第三者の仲介かな~

先日2年間の準備期間を経て最長7年間、毎年150万円ずつ
新規就農者支援の補助金が出たと報道されてましたですね。
「新規就農者支援事業」で検索すると出てきます(45歳以下という条件付き)

昔は新規就農するなら夫婦で1000万貯めましょうと言われてました。
Kトラ買ったりする経費と1年食べていけるだけのお金。

最近は補助金があって楽になるかと思ったら、長続きしない人もいたりして、
いろいろと難しいですね~。

研修生募集したらへなちょこな人ばっか来てほんとに困ったとか聞いたこともあり、
ほんとに難しいと思います。

>
> いっぱい新規参入してほしいです

Re: No title

Fuさん

ご参加いただきありがとうございました!

> (味にぜんぜんうるさくない自分が言っても説得力ないですが)ほんと、おいしかったです。「食べてるぞ」って実感がひしひしと湧いてくる食材の数々でした。あ、お野菜の味をまったく損ねない味付けもさすがでしたね。

うまかったと言っていただけることがヨロコビでございます。

>
> まさに生産者さんのお顔を見ながら食べることができるなんて、贅沢な経験ですよね。

彼女も楽しかったみたいです。
同じ時間と野菜を共有する体験ができてよかった!とおっしゃってました。
なかなかそういう機会ってないですもんね。

> いっしょのテーブルに座ったお若い面々と楽しくお話できたのもうれしかったっす。また会いたいな。

4名様でスマホ見ながら何してらっしゃるのかしら?と思ってましたが、
facebookのお友達になってたってことがあとでわかりました(笑)
そういうつながり、すっごくおもしろいなあと思ったです。

夏場に援農ツアーとか考えてますので、またお誘いいたしますです。
今度ともよろしくお願いします~。

こんばんは

只今ご紹介にあずかりました大作農園です(笑)

今回の記事、大変共感しながら読んでいました。
特に↓

> どんな仕事でもそうですが、経験=力・知識になるものです。
> 農業とは、その経験が年に二回か一回しかないという特殊なお仕事。

僕もこの思いがあったので、できるだけ早く農業がしたくて…
でも就農当時24歳で、周りからは反対意見が多かったんですが強行突入!
最初は苦労しましたが、やってよかったと思っています。

Re: こんばんは

大作農園さん

こんばんは~。

> 今回の記事、大変共感しながら読んでいました。
> 特に↓
>
> > どんな仕事でもそうですが、経験=力・知識になるものです。
> > 農業とは、その経験が年に二回か一回しかないという特殊なお仕事。
>
> 僕もこの思いがあったので、できるだけ早く農業がしたくて…
> でも就農当時24歳で、周りからは反対意見が多かったんですが強行突入!


北海道も一年一回ですもんね。
15年やっても15回ですもんね。
大変だと思います。

大作農園さんは土壌三相はかったり分析したり、
科学的なアプローチをされてるので、すごいなあと思ってます。

何人かの後継者には「分析数値はオヤジとけんかする武器!」と聞きました。
経験を武器に命令する父親に、数値で対抗するそうです(笑)

4年目、がんばってください!

あ、最近「百姓貴族」というマンガを発見し、大笑いして読みました。
ご存じでしょうか?


プロフィール

ほんたべ

Author:ほんたべ
手島奈緒
おいしい食べものをつくる人を紹介したり応援したりしております。ブログをまとめた著書『いでんしくみかえさくもつのないせいかつ』(雷鳥社)『まだまだあった! 知らずに食べてる体を壊す食品』(アスコム)『儲かる「西出式」農法』(さくら舎)など。現在ハンター修行中。

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