愛しすぎる女は農業に向かない

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今年花がたくさん咲き、今までにないほど木が大きくなり、実もついて
「やったあ!」と思ったら、豆が太らないのよね。やっぱ肥料が足りなかったか。
春先につくアブラムシが全くつかなかったのでチッソ分が足りなかったのだろう。
味はいいんですけどね、味は。いや、ほんと。ああ、がっかり。



生来の熱しやすく冷めやすい性格に加えて、
何かスイッチが入ると「too much」な愛情が燃え上がるタイプ。

20年ほど前に「愛しすぎる女たち」という本を読み
「あ、アタシのことだ」と思ったのだが、現在では愛しすぎる対象は主に
「小動物・植物」に向けられており、人さまに迷惑はかけていない。

植物と言えばサボテン・メセン類など多肉植物が大好きで、
一時期よく買っては枯れるということを繰り返していた。
冷静に考えると「愛しすぎること」が原因で、
めんどうを見すぎる…というか、加減がわからない。

いつも見ていたいので室内に置くのはまだいいとして、
おひさまの当たるところがいいだろうとあちこち場所を移動したり、
「忘れるくらいでいい」水やりを頻繁にしたり、
ほんとに忘れちゃって水やりし過ぎたりを繰り返していると枯れる。

買っては枯れる。この切なさ。
なのでもう買っていない。

不思議なもので「愛しすぎている」間は自分の愛に全く気づかない。
何かほかのことに興味の対象が移り、少し飽きたころに気づく。
しかしすでに対象は被害を被っており、取り返しがつかないのだ。

っていうのが去年のほんたべ農園の果菜類。

トマト、なす、きゅうりに対してかけられた過剰な愛が災いして
当初の期待通りにできたものはきゅうりだけ。

生育途中の方がめんどうの見がいがあるためだと思うが、
収穫だけになって来るとなんとなくつまらなくなり、何もしなくなる。
そして、ちょうどそのころ生育初期を迎えていた何もしなかった
オクラ・モロヘイヤ、ツルムラサキ、トウガラシ、バジル類は
ものすごく収量が良かった(オクラは台風までだけどね)。

無施肥でテキトーに植えたとなりのじいさまにもらったツルムラサキなど
11月まで収穫できたりして、自給生活に大変役立ったのだ。

てなことを考えて反省したわけではないのだが、
今年の果菜類は多少放任気味に育っており、生育が良いのである。

果菜類定植後、貧血のために集中力が低下して、
ほとんどめんどうを見なかったことと、
マメ類の収穫が最盛期なのでそっちに気を取られてしまったこと、
適当に雨が降ったので水やりの必要がなかったことなどが理由だ。

「行くと何かしたくなり、してしまったことが実は余分だった」というのが
なんつーかもう、へなちょこって気がするのだが、
今年はそういうことをいっさいしなかった。

そしてふと見ると、生育初期にはちょっと「うーん」と思ったものが、
ちゃんとフツーに戻っており、フツーに生育しているのだ。

「うーん」と思ったときに何もしなくて良かったなあ!

こういうのって、植物が自分で生育する力とかさあ、
なんかそういう「自然の力を信じて」的なことを言いたくなりそうだけど、
実際はそうじゃなくてたぶん「たまたま」なのだろう。

昨年は、たぶんチッソ飢餓を起こしていたところに定植し、
チッソ分が奪われて生育不良になったのが初期生育不良の原因。
今年は前作の残さとカルスをすきこむ際に、チッソ分は添加しなかったが、
前作がまだ青々としていたので適当な量のチッソがあったのだろう。

あとは苗の購入先が変わったことが大きいかもしれない。
今年は苗やが大量生産したものではなく、農家が作ってる苗を買った。
苗半作ってのは真実なのだね。

ああ、でも苗なんか自分でつくると「愛しすぎる女」が全開になってしまう。
ほどほどの愛情は必要だが、植物に過剰な愛は必要ないのだ。

こういう性格は、たぶん畑作には向いてない気がする。
ひょっとしたら果樹栽培に向いてるかもしれない。

わたくしの知っている果樹農家は愛のあふれる人が多かった。
さらに果樹類は永年作物なので、コントロールしようとしても
生育を3年とかのスパンで見なくてはならないから影響力も低い気がする。

なんつって。
どこで果樹作るんだって話。

さあ、今週末は豆類を片づけて夏作の準備をするのだ。
今年はもう「愛しすぎる女」は卒業したのだ。

人にも植物にも小動物にも、必要なのは「ほどほどの愛」なのよ。


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愛しいほんたべさんへ、大島トマトのお話を

「愛しすぎる女」=あいしすぎる女…は
<いとしすぎる女>とも読める訳で(笑)

「あ、アタシのことだ」と思ったのだが、…という部分などから
う~ん、ほんたべさんも「凄い美人」なんだなぁ、
…と思ってみたりした訳ですが

それは、ある意味当たってるとして…

水をやらない方が糖度が上がって美味しくなる「緑研トマト」の育成に
はじめて成功した「大島トマト」の担当者の話を思い出しました。

大島トマトというのは、長崎県の大島造船所の
造船不況によるリストラ策から生まれた副業の産物で

その方のおっしゃるには
普通の農家の人というのは「しおれて可哀想なトマト」を見て
ついつい水をやってしまうのだけれど
僕たちは、造船所の社員の副業だから、そんなことはお構いなしで
マニュアル通りにきちんとやっただけ。

植物の事が全く分からない「ど素人」だから出来たんでしょうね
ということで、楽しく記事にさせていただいた事がありました。

20年前の当時、阪神百貨店で1個600円で売っていた
ビックリするほど美味しいトマトでしたよ。(笑)

Re: 愛しいほんたべさんへ、大島トマトのお話を

癌ダムさん こんにちは。

いとしすぎる女かあ・・・思いもしなかったです~。

> 「あ、アタシのことだ」と思ったのだが、…という部分などから

それじゃ、ナルちゃんじゃないっすか!
ダメ男を愛しすぎるあまりに不幸から抜け出せない女の本なのですよ!
(本人は大変満足で幸せなのが特徴)

太宰治を愛して次々に不幸になった女たちなんかは愛しすぎる女なんですよ~。

> 普通の農家の人というのは「しおれて可哀想なトマト」を見て
> ついつい水をやってしまうのだけれど
> 僕たちは、造船所の社員の副業だから、そんなことはお構いなしで
> マニュアル通りにきちんとやっただけ。

ははは。これ、いいですね!
いいなあ~、この話。

> 植物の事が全く分からない「ど素人」だから出来たんでしょうね


ド素人の方が強いなあと思うことは多いですよねえ、こと、農業に関しては。
先入観がないというのが逆に強みになるみたいな。
私の知ってる成功してる有機農家や、おいしいものを作る果樹農家は
元サラリーマンだった人が多くて、いろんな視点から農業を見ることができる人ばかりです。

だからこそ、人のやらないことをやって成功するんだと思います。
でもま、ほどほどの人がうまくできるんでしょうけど・・・。


> 20年前の当時、阪神百貨店で1個600円で売っていた
> ビックリするほど美味しいトマトでしたよ。(笑)


緑健トマト、一時期話題でしたよね!今もあるのかな。
OISIXとかで売ってそうですね。

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プロフィール

ほんたべ

Author:ほんたべ
手島奈緒
おいしい食べものをつくる人を紹介したり応援したりしております。ブログをまとめた著書『いでんしくみかえさくもつのないせいかつ』(雷鳥社)『まだまだあった! 知らずに食べてる体を壊す食品』(アスコム)『儲かる「西出式」農法』(さくら舎)など。現在ハンター修行中。

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