世界で一番バリエーション豊かなりんごを食べてる国、日本

gazou 031
食味も生産量も日本一のりんご「ふじ」。おしりまでしっかりと充実した、
横から見て四角い形をしてるのが、正しいふじの形です。時々変形してるのは
受粉がうまくいかなくてタネが一部入ってないものなのでした。



ブログのタイトルは景品表示法にはひっかからないので、
でかいタイトルつけちゃいました。うふ。

10月下旬から、スーパーに早生ふじが並び始めた。

もうじきほんとうのふじが出てくる。
これが出るとりんごの品種も終盤だなと思うから不思議だ。

これから2カ月間は熟度の高い蜜入りのふじが出回る。
それ以降は貯蔵になるからね。ふじの旬ってこの2カ月なの。
蜜が入ってて糖度が高くてあまーいふじを楽しみましょう。

さて、貯蔵性が高く、食味が良く、赤くて蜜の入るりんご「ふじ」。
これを超える品種はいまだに見つかっていない。

今のところ虎視眈々とその座を狙っているのはシナノゴールドだが、
貯蔵技術がまだ確立されていないことと、黄色い色がネックで、
日本一にはなれずにいる。たぶんなれないんじゃないかな。
やっぱ、黄色いりんごへの偏見はまだまだあるからね。

お歳暮の箱を開けた瞬間、まっかなふじがきっちり並んでるのを見ると、
いつも感動してしまう。「おいしいわたしを食べて!」って声が聞こえる。
これがまっきっきではありがたみが薄れようというものだ。

日本人って赤いりんごが好きなんだよね、ほんと。

ヒモ
着色系のつがる。こんなにきれいな色になるつがるってあんまりないのは
皆早採りしてるからだね。これはホルモン剤使わず作ってるので、
真っ赤になるまで木におけるのです。元同僚・廣瀬さんのつがる。味は抜群。
写真提供・廣瀬祥寿氏



さて、昨今早生品種から中生種まで、スーパーで見かけるりんごに
けっこう新しい顔ぶれが増えて来た。最近の新品種の特徴は「黄色」だ。
昔は黄色いりんごなど売れないと言われてた(だから「むつ」に着色してるの)。
そう考えるとすごい進歩なのだった。

わたくしが幼いころに食べていたりんごと言えば、まず国光。
そして、スターキング、ゴールデンデリシャス、印度などだ。
どういうわけか地位が復活した紅玉以外、売ってるのすら見たことない。

そしていずれその仲間になってしまうだろう、くらーい足音が聞こえてる品種が
千秋・陽光・北斗あたり。作りにくくて正品率が低くシンカビ病にかかるので
りんごの木を植え換える際に切られっぱなしになる確率が高い。

おいしいんだけどね。商品性がないって言われるとそれまでなのね。

つがる、むつ、ジョナゴールド、王林は相変わらずのメジャーどころだが、
これに最近、以下のような品種が加わって、にぎやかになって来た。


早生品種(9月~9月下旬出荷)

さんさ
そう言えば最近売ってるの見ないなあ。やっぱ作りにくいのかしら。
小玉しかできないので難しいって言ってる人がいたけど、どうかな。
つがるを作ってる人にはさんさは作れないのかもしれないなあ。

IMG_0360.jpg
丸かじり用に開発されたちっちゃい品種「シナノピッコロ」。
小さいだけで味的にはへーって感じ。でも小さいりんごの需要は確実があるから、
りんごも小玉傾向になっていくのでしょうね。

RIMG0062.jpg
秋映。遠くからこのりんごの畑を見るとびっくりします。その色合い。
紅色から黒いような紫色に変わっていくとっても美しいりんご。
まずその色で驚き、味でもびっくりします。最近よく売ってるよね。



シナノドルチェ
黄色いりんごシナノゴールドと親が全く同じで、
味もよく似てるけど、9月中旬から出荷される。
味の薄い早生品種のなかでは味の濃さ、甘さともに優れた品種。
初めて食べたときにはおいしさに感動した。まだあまり作られてない。
しかし長野県、ネーミングセンスいいよねえ、ドルチェだって。すばらしい。

とき
ときっていう名前なのに黄色いのは、土岐さんが作った品種だから。
普通朱鷺色を思い浮かべるので要注意。甘くってね、いくらでも食べられるの。
でも正品率が悪いんだって。だから知り合いの農家は切っちゃいました(泣)。
甘くて繊維もやわらかく、大変とてもおいしい品種です。

中生品種(10月~11月出荷)

秋映
長野県の個人農家が育種した品種。色が濃くてバリンとした食感、
果汁も多く、酸味もあって、インパクトのあるりんご。
10月中旬になって色が真っ黒についてくると玉伸びして、
気が抜けたような味になる。色づきによって味が違う不思議なりんご。

りんご1
こうたろう。イタリアンレッドな色合いがすごくきれいで、
しかも芳香があり、果肉が緻密でずっしりと重いおいしいりんご。木が若いうちは
いまいちって思ってたけど、成熟するにつれすばらしい味になったです。
果樹類の評価は軽々にしてはいけないことをわからせてくれたりんご。



シナノスイート
甘くて繊維が柔らかく、しゃりしゃりといくらでも食べられる、
酸味が苦手なおこちゃま味覚の方におすすめのりんご。
青いうちから鳥がつつくらしいから、相当おいしいんでしょう。

色づきが小汚いからメジャーになるかねって言ってたけど、
りんご業界ではすでに注目株。どうも色よりもおいしさが勝ったらしい。
葉摘みして赤くすれば完璧なのだね。

どういうわけだか、玉がでかくなる傾向があり、
木が若いからとか関係ないみたい。でかくても一人一個食べられるけど。
硬くなくて甘いから、ひとつ食べても全然苦にならないのだね。

シナノゴールド
ドルチェとスイート、ゴールドでシナノ3兄弟って呼ばれてる。
早生品種でいまいちふるわない「シナノレッド」の存在は忘れられたらしい。

貯蔵性が高く、年明けに蜜が褐変するふじに換わるりんごとして
りんご界で注目されてたけど、CA貯蔵でもちょっといまいち貯蔵が難しそう。
完熟直前のゴールドは、その名の通りほんとに美しい黄金色で、
果肉もバターみたいな黄色っぽい色なのが特徴。おいしくって大好き。

gazou 006
夕方のお日様に照らされるとほんとに黄金色に見えるシナノゴールド。
そこまで熟すとお尻にワレが入るので、少し早採りしないといけなくて、
ほんとにほんとにもったいないのでした。これこそ産直で食べたいりんごです。

IMG_7403.jpg
ええー?これがシナノスイートなの?ってくらい色がきれい。
標高が高いとこんな色になるんだって。元同僚・廣瀬さんちのシナノスイート。
ほんとにスイートな赤色でした。しかもおいしいし。やっぱり注目株。



ぐんま名月
この名前のセンスどうよ、群馬県。全然おいしそうじゃなくない?
でも、シナノスイートのように甘くていくらでも食べられて、貯蔵性もいい。
でも黄色い。あと黄色のつき方が小汚い。でもおいしい。ので注目株。

自分的には「激甘3品種」の一つ(他は「とき」と「シナノスイート」)。

グラニースミス
某D社の宅配でしか扱ってないかもだけど、
緑色で紅玉よりも酸味のパンチが効いてて驚く。生食もおいしい。

農家にとっては葉摘みも玉まわしもしなくていいから省力化できるし、
今のところメジャーじゃなくて希少性があるしでいいと思うんだけど。
摘果しないでならせるだけならして安く売るってのがいいんじゃないかと。

あああ、気がついたらこんなに文字数が多くなってた。

その他、オーストラリアからやってきた「ピンクレディ」なんてのもあるけど、
パテント料が高いので、高級果物店にしか置いてないかもしれない。
きれいなピンク色がとってもかわいらしくって、味は紅玉に似てるけど、
ジュース分が少なくて食感がもっさりしてるから、好みが分かれるところだ。

gazou 044
どうでしょう、グラニースミスのこの果実の付き方。
摘果しないと枝が折れそう。摘果すると玉が大きくなるから、貯蔵性考えると
これでOK。海外ではメジャーな品種。日本では商品性がないといわれてた品種。
紅玉のように不死鳥のようによみがえるかもしんない。



売られているりんごは、実際にはさまざまな農家が作ったものなので、
食味や食感について、全てが一律ではない。
農家の技術、採り時、地域によって、もちろんのことだが味が違う。

さらに、何年か前に気づいたんだが、樹の大きさによって味が変わる。。
樹の成熟度合いによって、どんどん味が変わっていく。
幼いころはそれほどでもなかったのに、成熟してくると香りが出たりする。
果樹類の品種は長い目で見なくちゃいけないってことだね。

さて、おいしいりんごを継続して食べようと思ったら、
おいしいりんごを作る農家を見つけなければらならないのだった。
そして農家から直接買うのが一番いいのだった。

ほんとうにおいしいものはお店では買えないの。
ほとんどの消費者が気づいていないが、悲しい事実なのだった。


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おいしいリンゴ食べたくなっちゃった。
っちゅーか、小汚い小汚いて…

リンゴたん達がかわいそうですぜ(・ω・)

Re: タイトルなし

白玉さん

すんません・・・。
小汚いっていうか、まだらで変な色合いっていうか。
どっちにしてもきれいじゃないっすね~。むう。

摘花&摘果が一切不要な品種

グラニースミスという品種は摘花しなくていいんですか?
前回のりんご記事の際に調べて知ったんですが、
りんごの木って1カ所に5-6つの花がつくんですね。
小玉にするにしても摘花&摘果が必要らしかったので、
1カ所の花芽の数が少なくて摘花&摘果が一切不要な品種を作り出せれば、
かなりの省力化になりそうと思ったのですが、
ずばりグラニースミスはそういう品種なんでしょうか?

Re: 摘花&摘果が一切不要な品種

H2さん

遅レスですみません!

> グラニースミスという品種は摘花しなくていいんですか?

摘花はする必要はあると思います。

> 前回のりんご記事の際に調べて知ったんですが、
> りんごの木って1カ所に5-6つの花がつくんですね。

一か所に5つつくんです。
真ん中の花が中心花って言って、たいがいはここに着果します。
なぜならこの花が一番最初に咲くからです。

りんご農家はこの花が咲いたあとに摘花のための農薬をまいて、
側花(残りの4つ)のめしべを焼いたりします。手で摘む人もいるみたいです。

しかし遅霜が来て中心花がダメになることがあって、
そういう場合は側花を残しますから、早めの摘花で失敗、
みたいなこともあるらしいですけど。

> 小玉にするにしても摘花&摘果が必要らしかったので、

摘花はりんごの生理上必要なことなので、
ここの省力化は現在では「やらない」ではなくって、
「摘花のために農薬をまく」ことだけです。

摘果も同じです。
摘果剤という用途で農薬散布して落とすことが可能で、
側花に着果したものを一気に落としてしまいます。

> ずばりグラニースミスはそういう品種なんでしょうか?

りんごの場合、摘花は生理上必要なことなので
農薬か手作業かは別として、グラニースミスでもしなくてはならないと思います。
最初の摘果も側花についたものを落とすために必要です。

グラニースミスでいいところは、この後6月~7月ごろにかけて行う、
二回目の摘果や三回目の摘果、仕上げ摘果をある程度省力化できることです。

りんご農家の夏の作業は、ほとんど摘果なんですよ。
(農薬散布や草刈、葉摘み、玉回しもありますが)。

ざっくりいうと、一本の枝に100個くらい花が付き、最後に残るのは果実1個。
99個を5回くらいに分けて取り除いているんですねえ。

現時点では一切不要な品種ってのはないと言ってもいいと思います。

りんご

りんごにはいろんな品種があり、それぞれに特徴があるのですね。
西日本在住の者として、栽培されてる方が皆無のため生産情報がありませんので、りんごを購入する時は大変参考になります。

Re: りんご

豊田さん

はじめまして。コメントありがとうございます。

> りんごにはいろんな品種があり、それぞれに特徴があるのですね。

全部味が違うので、食べ比べると楽しいです。

> 西日本在住の者として、栽培されてる方が皆無のため生産情報がありませんので、

わたくしも西日本出身ですので、西日本のりんご事情は理解しております。
珍しい品種ってそれほど売られていないかもしれないですね。
もし見かけたら、食べてみてくださいね。

西日本でのりんご栽培

ほんたべさん、ありがとうございます。
なるほど、よくわかりました。

とすると、もしももしも、
花芽が少ないとか先に着果したもの以外は勝手に落ちて、
摘花も摘果も一切不要な品種ができたら、
劇的に省力化されますね。

ところで、西日本でのりんご栽培ですが、
山口県の旧阿東町徳佐地区(現山口市阿東徳佐)がローカルには有名です。
島根との県境で、やや高地で冷涼な気候です。
ある程度の生産者がいる地域としては、日本のりんご栽培の最南端とか。
が、調べたら宮崎県でりんご作ってる方もいました。
中でも都城市の方が本当の最南端みたいです。
プロフィール

ほんたべ

Author:ほんたべ
手島奈緒
おいしい食べものをつくる人を紹介したり応援したりしております。ブログをまとめた著書『いでんしくみかえさくもつのないせいかつ』(雷鳥社)『まだまだあった! 知らずに食べてる体を壊す食品』(アスコム)『儲かる「西出式」農法』(さくら舎)など。現在ハンター修行中。

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