西出会・総会に参加してきた

IMG_7679.jpg
総会の幹事の皆さま。新規就農者も2組いらっしゃり、
それぞれに実績をあげつつあります。皆さま、総会の運営、お疲れ様でした。



わたくしの師匠・西出隆一さんの技術を勉強する「西出会」。

年に一回総会があり、会員の親睦と知識を深めるのだが、
今年は11月20日~21日、和歌山で開催された。

総会は今年で15回目。西出先生への質問あれこれの座学と、
翌日に会員の圃場見学をして「あーためになったね」と言って
帰る途中にあれこれ自分の畑と比較したりして話が盛り上がる、
大変楽しい会である。

そして、やっぱり今年も楽しかった。

たくさんの農家が集まって何時間も農業技術や売り先や、
日々の作業の効率化や肥料の話をし、積極的に情報交換をする会。
楽しくないはずがないのだった。

そんな西出会もなんとなく転換期を迎えているようで、
昨年開催された千葉での総会以降、急に若い会員が増えてきた。

彼らは西出さんの科学的な農業を忠実に再現しており
品質UPのための最短距離を進み、高品質・多収という結果を出し始めている。
すごいなあ、再現性のある技術ってこういうことを言うんだね。

IMG_7647.jpg
こういう風景、某D社の生産者会議では慣れっこなんだけど、
普通はなかなか研修会や情報交換なんて経験できないって話も聞くし、
横のつながりがあるって、とっても大事なことなんだよね。

IMG_7661.jpg
畑を見てて参加者からあれこれ質問が出るのも西出会の特徴。
「勉強しに来てる」って意識が高く、何かを得て帰るつもりで皆参加してるから。
「お付き合いで」的な要素はそこには全くないってのが好き。



今回の主催者はグループではないのだが、
同地域で西出さんの教えを受けている方々であった。

西出会に入会以前、鶏糞入れ放題の畑で、
カルシウム・リン酸過剰、しかも
「ええっ! 塩基飽和度200%? マジ?」的な
三重苦の畑もあったらしい。

化学性のバランスが悪く、カルシウム過剰。
日本のほとんどの農地が抱えている問題である。

露地栽培で塩基飽和度200%っつったらもう、病気も虫も出まくりのはず。
それを抑えられているのは、西出さんの技術によるものだ。

これは具体的に言うと、腐植・微生物・物理性の改善の結果だ。
科学的な農業である西出さんの技術は再現性が可能なことが特徴である。
誰にでもできるのだ。基本的な知識と観察力さえあれば。

さて、主催者の一人、井上達也さんは農業後継者である。
いちごと露地の一般的な野菜を栽培している。

いちごは昨年反当たり4トンの収量を得ることができた。
今年の目標は6トン。6トン採りのための土づくりに余念はない。

その他の野菜類もかなりいい状態だった。

IMG_7651.jpg
ミニ白菜。殺虫剤は2回、殺菌剤はまいてない。塩基飽和度が高いのに、
病気が出ないってのはスゴイこと。土づくりで病気が抑えられるっていういい例。
唯一の失敗は3条植えにしたこと。そういうのは経験が必要なんだよね。

IMG_7658.jpg
某D社の規格製品ちょうどのサイズのブロッコリーだけど、直売所に置くには小さい。
むう、そういうものか。定植遅れで脇芽が出ちゃったのが失敗。
定植は本葉5枚以内じゃないと脇芽が出てきて頂花の生育が悪くなるらしい。
そういったちょっとした知識が次々に出てくる、西出さんの知識の深さに驚く。



塩基飽和度が高い露地畑の白菜やブロッコリーは
殺虫剤の使用はせざるを得ないが、殺菌剤は一度も使わない。
散布回数は慣行栽培に比べると大変とても少ないのだった。

一から土づくりをやり直し、栽培された彼らの作物を、
辛口で有名な西出さんが珍しくべたぼめしていた。
「すばらしいものができとるよ。皆に見てもらいたい」

「新規就農者や若い世代に自分の技術を伝えるのは楽しい」
最近西出さんはよくそう言う。
「若い子は疑問を持たずに言われた通りにするから結果が出るのが早い」
教えがいがあるということだろう。

非常にまれなことで驚いたのだが、井上君のご両親は
西出さんのやり方を何も言わず受け入れてくれたそうだ。

新しいことをやろうとする息子とそれを許さない父親とのバトルは、
農業界では非常によく起きる悲しい事実であり、特徴でもあり、
技術の停滞やらいろいろな弊害が起きる原因でもある。

3年間やってみて、実際に効果が見えると考えを変える親も多いらしいが、
3年間の子どもたちの気苦労はいかばかりかとか思っちゃうわたくし。
まあ、サラリーマンの場合はこれが上司に当たるのだろうから、
どこも同じと言えば同じなのかもしれないなあ。

IMG_7673.jpg
若いもん同士でいろいろ情報交換できるのっていいよね。
しかも技術のベースが同じだから、共通の言語で語り合えるってのも魅力的。
それは西出会に入会してる人全員に共通してるメリット。



それはともかく。

西出さんの技術の基本は土づくりであり、
具体的には物理性・生物性・化学性の改善である。
地域や天候、土質が違っても、つまり誰がやっても再現性があるのが
西出さんの技術の特徴だ。

徹底的に土を改善するため、初期投資に経費がかかるが、
品質と収量は3年目には確実に上がる。だから、
回収するのにはそれほど時間がかからないと、会のメンバーは言う。

品質が上がれば付加価値商品となり、高値での販売が可能になる。
収量が上がれば一個当たりの単価が低くても、結果的に儲かる。

ハウスでは一坪1万円を目標に設定しろと西出さんは言う。
坪1万でも夢のような話だが、2万の売り上げを上げてる人もいる。
そういう技術は他では学ぶことができない。

西出さんの技術は日本の農業をもっと楽しくするはずだ。
儲かる農業が楽しくないはずがない。
必要なのは、土づくりと観察力だけ。
消える魔球もマーケティングもコンサルも必要ないのだ。

シンプルなところがいいじゃありませんか。ねえ。


★現在ブログランキング参加中です!
↓プキッとクリック、ご協力お願いいたします!



こちらもよろしくお願いいたします!
にほんブログ村 環境ブログ 有機・オーガニックへ
にほんブログ村
関連記事

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

こちらこそご参加ありがとうございました!また、大変お疲れさまでした。色んな壁がまだまだありますけども、ようやく周りの環境もあってか、落ち着いて物事、というより作物を見れる、考えれるようになってきてる気がします。ほんとシンプルなだけに奥が深いとしみじみです。
今作はまだどうなるか分かりませんが、良い結果報告を早く先生にしたいです。それが恩返しになると思ってますー!
ビバ西出会。

Re: タイトルなし

井上さん

今回はほんとうにお疲れ様でした。運営大変だったですね。でもとっても楽しい会でした。
皆さんお若いからまだまだこれから。なのに、すでに実績が上がっているのがすばらしいと思います。
これからもがんばってください。

塩基飽和度が高い石灰過剰の畑なのに、あれだけのものができているってことがすごいねと、
皆さんに聞こえないところで、何人かの会員が言ってました。
(どうせなら聞こえるところで言えばいいのにね)

自信を持って、がんばってくださいね~。またお会いしましょう!
プロフィール

ほんたべ

Author:ほんたべ
手島奈緒
おいしい食べものをつくる人を紹介したり応援したりしております。ブログをまとめた著書『いでんしくみかえさくもつのないせいかつ』(雷鳥社)『まだまだあった! 知らずに食べてる体を壊す食品』(アスコム)『儲かる「西出式」農法』(さくら舎)など。現在ハンター修行中。

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
カレンダー
02 | 2017/03 | 03
- - - 1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31 -
リンク
FC2ブログランキング
FC2ブログランキング参加中

FC2Blog Ranking

フリーエリア
検索フォーム
RSSリンクの表示
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR