遺伝子組み換え作物で誰が幸せになるのか考えてみた

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よく考えてみたら、いつ頃から日本国民は遺伝子組み換え作物を
「なんとなくヤだ」と思い始めたのでしょうねえ。最初は表示すら
されていなかったことを思えば、隔世の感を禁じ得ませんなあ。


遺伝子組み換え作物が登場したのは1996年。

最近知ったのだが、日本には当初遺伝子組み換え食品の表示はなかった。
日本で表示制度が整備されたのはなんと2001年4月から(JAS法)。
加工品(食品衛生法)などは2002年4月からである。

これ、消費者運動や県単位の議会での陳情・請願で採択され、
ようやく国が動いて表示されるようになったって知ってました?
このがんばりがなければ、今日本は米国と同様、
無表示の国だったのかもしれないのだ。

今から考えると大変なことになるところだったのよね。

「今」はわたくしも遺伝子組み換え食品の表示のことは知っている。
できることをやんなくちゃなあって思ったりするのである。

さて、遺伝子組み換え作物が登場した当時、いくつかのメリット、
夢のような素晴らしい話がよくメディアで紹介されていた。

除草剤をまいても枯れないトウモロコシ、大豆は
手作業の除草などできない大規模農業を営む人々にとって
魅力的だったかもしれない。

体内に殺虫成分を持っている作物なんて夢のようだ。

農薬を買わなくて済む。除草剤はラウンドアップだけ使えばいい。
すんげえ便利! すばらしい! 

さらに、遺伝子組み換え作物は世界の飢餓を救うとも言われていた。
わたくしは、遺伝子組み換えによって収量が増えるから、
貧しい国々の人に穀物が行きわたるのだとなんとなく想像していた。

この幼稚な想像。

いったい誰が貧しい国の人々に穀物を送るのかという視点が
ごっそりと抜け落ちている。しかし当時のわたくしは世間知らずであった。
漠然と「いいことがいっぱいだな~」とのほほんとしていた。

さて、17年経って今起こっていることについて考えてみる。

まず、除草剤耐性のスーパー雑草が登場した。
同じ農薬ばかりまいてると抵抗性がつくものが必ず現れる。
除草剤が効かない雑草が生まれるのは予想できたはずだ。

結局、農薬の回数は減らず、かえって除草剤は増えたとも言われている。
農家は自家採種ができないから毎年タネを買わなくてはならなくなった。
今まで必要のなかった経費が増えた。はたして儲かってるのだろうか。

そして貧しい国の人々の飢餓は相変わらず継続中だ。
貧しい国の人々は遺伝子組み換えタネや除草剤は買えないし、
お金持ちの誰かがGM穀物を無償で提供なんてこともしていない。

遺伝子組み換え作物が天候に左右されず収量がいいというのは幻想だったらしい。
このところの穀物価格の高騰は、アメリカのトウモロコシや大豆が不作だからだ。
遺伝子組み換え作物は普通の作物と同じだ。水がないと枯れてしまうのだ。

結局、遺伝子組み換え作物で幸せになったのは誰なのだろう。

17年間全く表示なしで遺伝子組み換え食品を食べているアメリカの人々?
世界で一番遺伝子組み換え作物を輸入し、
なんとなく遺伝子組み換え食品は不安だなあと思いながら、
食べてることを知らず、安い肉や卵、牛乳を喜んでいる日本人?

ともあれ、遺伝子組み換え作物のタネを売ってる会社、
農薬を売ってる会社は幸せそうだ。株主も幸せだろう。
お金がザクザク入って来れば皆幸せだ。
しかし、その他の人はどうかな? とくに、作る人は。

作る人と食べる人が幸福になれない食べものって変な気がする。
食べものは人を幸せにする力があるとわたしは信じているからだ。

遺伝子組み換え技術は日々進歩しており植物の次には動物が控えている。
機能性を高めた遺伝子組み換え豚、成長が早い遺伝子組み換え鮭などだ。
鮭はどうも昨年の12月に、米国のFDAで「安全だ」と言われたことから、
もうじき米国の食卓に上りそうな勢いである。

なんかさあ、それはほんとに、ちょっと遠慮したいんだけど。

4倍の速さで成長しなくても鮭はフツーに大きくなればいいし、
ビタミンBの多い機能性を高めた豚肉も別に食べたくない。
フツーでいいんです、フツーで。食べものには保守的なのが一番。

春に山菜食べて毒出して、夏に果菜類食べて身体冷やして、
冬はイモや肉食って脂肪を貯めて太ればいいんです。



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No title

この記事を読んで、ふと思ったけど
人類って、遺伝子の「組み換え」はできるようになったけど
新しい「遺伝子を創る」事は、夢のまた夢、出来ませんよね。

ということは、たとえば、4倍成長の速い鮭…というのは
成長の速い生物の遺伝子を、他から捜してきて組み込んだか
鮭の中に元々あった、成長を制御する遺伝子を切り取ったか、
たぶん、どちらかでしょうね。

その新しい遺伝子が「暴走」したら
「がん」も4倍のスピードで増殖するのかな?
そんなDNAを持った「食べ物」なんて、
間違っても口に入れたくないかも???

そしたら、病原菌に強い作物って、ひょっとしたら
その病気に関する「免疫システム」を働かなくなるようにした作物?

僕の知る限り、生き物と言うのは
過去の性質を全部受け継いだ上で、新しい性質を獲得する
(人間だって、胎児の時には魚の時代も通過しますよね)けれど
遺伝子組み換えの場合は、
「獲得」ではなく「喪失」だとしたら…
そして、それが主に「免疫システムの改ざん」だとしたら

その暴走するDNAを、どうやって止める事が出来るのでしょう?

このような「想像」が、当らないように
・・・とは思うんですけどね(笑)

Re: No title

癌ダムさん、こんばんは。

> 人類って、遺伝子の「組み換え」はできるようになったけど
> 新しい「遺伝子を創る」事は、夢のまた夢、出来ませんよね。

そうなんですよね~。

> 成長の速い生物の遺伝子を、他から捜してきて組み込んだか
> 鮭の中に元々あった、成長を制御する遺伝子を切り取ったか、


オオカミウオの遺伝子を組み換えてるらしいです。
寒さに強いとかどうとか。忘れちゃいましたが。


> その新しい遺伝子が「暴走」したら
> 「がん」も4倍のスピードで増殖するのかな?

遺伝子はたんぱく質なので、可能性としては
アレルギーが一番考えやすいみたいです。

> そしたら、病原菌に強い作物って、ひょっとしたら
> その病気に関する「免疫システム」を働かなくなるようにした作物?

土壌菌に抵抗性のついてる作物は
遺伝子組み換えではなく交配で作られてますが、
まあ、だいたい、おいしくないのが不思議ですよね~。
そういうのはだいたいおいしくないのです。

>
> 僕の知る限り、生き物と言うのは
> 過去の性質を全部受け継いだ上で、新しい性質を獲得する
> (人間だって、胎児の時には魚の時代も通過しますよね)けれど
> 遺伝子組み換えの場合は、
> 「獲得」ではなく「喪失」だとしたら…
> そして、それが主に「免疫システムの改ざん」だとしたら
>
> その暴走するDNAを、どうやって止める事が出来るのでしょう?
>

何が起こるのかわからないですが、現在の我々が
人体実験して、後の世代に「結果」を残すしかないような気がします。
農薬しかり、添加物しかり、です。

悲しいですね~(泣)

大変じゃないかい

面白い記事でした!遺伝子組み換え作物、良いこともあるのか、ないのか、映画や本を読む限りでは良いことはない!幸せにはなれない感じです、まだまだ安全性に対しての基準が緩くて人体に対しての影響がわからない!なんていってるし、今後TPPやらなんやらで輸入食品が入ってくるけど、自分の身は自分で守るが一番か

Re: 大変じゃないかい

ひろさん

こんにちは。コメントありがとうございます。

> 面白い記事でした!

ありがとうございます~。

>映画や本を読む限りでは良いことはない!幸せにはなれない感じです

全然幸せになれない感じですよねえ。
幸せになってる人は本当にいるのでしょうかしら?

>今後TPPやらなんやらで輸入食品が入ってくるけど、自分の身は自分で守るが一番か

自分の身は自分で守るしかないと思うです。
今後ともよろしくお願い致します。
プロフィール

ほんたべ

Author:ほんたべ
手島奈緒
おいしい食べものをつくる人を紹介したり応援したりしております。ブログをまとめた著書『いでんしくみかえさくもつのないせいかつ』(雷鳥社)『まだまだあった! 知らずに食べてる体を壊す食品』(アスコム)『儲かる「西出式」農法』(さくら舎)など。現在ハンター修行中。

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