トマトの脇芽の話

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なぜかあぜから発芽している枝豆くん。そんなとこからなぜ?
しかも鳩にも食われずに大きくなってるし。
ちゃんとうねにまいたヤツはちっとも芽が出ないのになあ(ため息)。



種まきして5日目。

水やりにも行かず天水(雨)だけで勝負することにした今年、
久しぶりにほんたべ農園に行ってみて、ちょっとがっかり。

なんかね。芽が出てないの。ちょびっとしか。

昨年はけっこうあれこれ発芽率がよく、
いつの間に「みどりのゆび」を入手したのかしらとうきうきしたが、
実はやっぱり入手してなかった。というか、以前よりも良くない。

ガックシしてじっと手を見てみたら緑色に染まっていたので、
おお!と思ったらトマトの脇芽をかいたせいだった。

さて、トマトの脇芽とは。

トマトってね、各葉っぱの付け根からかならず脇芽が出てくるの。
これをね、できるだけ小さいうちに切り取ってやらないといけないの。
家庭菜園では伸ばし放題に伸ばしてる人の方が多いけどね。

なぜかというと、この脇芽を全部伸ばしていると
脇芽ごとに全部花が咲き、ほっとくと全部着果するのだ。

そうするとひとつひとつの実が大きくならなくなったり、
枝が混んでくるから病気も発生しやすくなる。
管理もめんどうになるし、大きくなってから脇芽をかくと
それはそれでまた病気の原因になる。

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350円した接ぎ木のミディトマトの生育が非常によく
またでかい脇芽が生えてたので挿し木しましたよ。しかしこういう場合、
接ぎ木じゃなくて自根って言えるのかしら? クローンには違いないけど。

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大玉の2段目。ちゃんと着果しております。もう一本の大玉は
20センチ級の脇芽が出まくってて2段目は全部飛んでました(泣)。
やっぱ脇芽のせいなのかしら。おそるべし、脇芽。



植物の生理的には、道法正徳さんがおっしゃるように、
上に伸びることで植物ホルモンが正しく働きバランスもよくなる。
これが脇芽方向にも伸び始めると植物ホルモンが正しく流れなくなり
たぶん生育が悪くなるのだろうと想像するわたくし。

栄養周期的に考えると、栄養成長と生殖成長のバランスも悪くなるはずだ。
トマトなどの果菜類は栄養成長と生殖成長をくり返す
「らせん型」の作物だと言われている。脇芽が全部伸びちゃうと
正しいらせん型にならなくなっちゃうのであろう(あくまで想像)。

だから、トマトの脇芽かきは晴天の日の午前中に行い(農薬みたいね)、
傷口をできるだけ早く乾かしてやることが肝要なのである。
そしてもちろんかくのは小さければ小さいほどいい。
でかくなってくるとトマトの樹がショックを受けちゃうからだ。

切り取る脇芽の大きさのショック度としては、小指の先のケガと、
腕を切り落とされる位の違いがあると師匠・西出隆一氏は言う。

なんてことで、月曜日に小さなトマトの脇芽を全部かいて、
「今年は完璧だ! トマトの生育はバッチリだ!」と思っていたのに、
行ってみたら死ぬほど脇芽が出ててしかも20センチくらいになってんの。

焦りまくるわたくし。あわてて全部切り取るわたくし。夕方だったけど。

んで、もったいないから挿し木にしました。
15センチ以上の脇芽は挿し木するとすぐに根がつき、
苗を買わなくても増殖するからトマトってリーズナブルなのである。

IMG_8813.jpg
毎年5月下旬に種まきして花が咲き始めたら梅雨が明け、
猛暑がやってきて着果しなくなるいんげん。今年は苗を買いました。
猛暑の前にちゃんと収穫ができるはずだ。ふっふっふ。

IMG_8829.jpg
「コンパニオンプランツ」を教科書通りにやってます!的な区画発見。
全ての果菜類の根元にナスタチウムかマリーゴールドが植わってるのだ。
すげえなあ。でもトマトの樹形がチッソ多そう。
施肥設計もちゃんとすればいいのに。

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ほんたべ農園15平方メートル全景こんな感じ。なんとなく、今回初めて、
きちんと何をどこに植えるか考えて作付た感が漂っています。
例年は泥縄式で「あ、ここあいてるからこれ植えちゃえ!」的な作付してました(反省)。
整然としていて美しいのう。このまま夏まで行けるのかしら?



残りの脇芽は糖度を測ってみた。脇芽の糖度が5度あれば
トマトの生育は順調で正しく生育していると師匠・西出隆一氏は言う。

ちなみにきゅうりのまきひげも同じである。

今までのほんたべ農園の中では今回一番状態のいい大玉トマト。
脇芽の糖度はなんと4.5度であった。
おお! やはりきちんと生育しているじゃないか!
見た目だけじゃなかったのね。ふっふっふ。

そしていまいち生育がはかばかしくない変な樹形のミディトマトは
2.5度だった・・・・やっぱりな、何が悪いかわかんないけど、
正しく生育していないのだ。きっと苗のせいに違いない。

ミディトマトがチョロイからって3本も買うんじゃなかったなあ。
こんなことなら大玉トマトを大量に作るんだった。なんちて、
目先の欲に振り回されるのもなんとなく農家っぽくていい感じだ。

苦節5年目にして、ようやく「うまく行ってる感」を味わっている今年。
いつもならほったらかしにするちいちゃい雑草も抜きました。

これで今年は「下農(※)」から「中農(※2)」にレベルアップだ!!!

※・下農 草を見ても草を取らないので畑が草ぼうぼうになる人のこと
※2・中農 草を見てから草を取るので畑に草があんまり生えない人のこと
この上に「上農」という人たちがいて、草を見ないで草を取るらしい。
下農のわたくしには彼らがいったい何をしているのか想像もできない。


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トマトの樹形タイプ

ご存知かもしれませんが、トマトには大きく分けて、
・普通型/Cordon/Indeterminate
・芯止まり型/Bush/Determinate
の2種類があります。正確には中間タイプもあるよう。
花芽の付き方と樹形が違います。

ミニやミディの市販されているものの中には芯止まり型が結構あります。
加工用のトマトも支柱が要らない(手がかからない)芯止まり型が多いとか。
このタイプで脇芽を全部摘んでいっちゃうとほとんど収穫できなくなりますよ。

Re: トマトの樹形タイプ

H2さん

いつもながら知識の豊富さに圧倒されております(笑)。

> ミニやミディの市販されているものの中には芯止まり型が結構あります。
> 加工用のトマトも支柱が要らない(手がかからない)芯止まり型が多いとか。
> このタイプで脇芽を全部摘んでいっちゃうとほとんど収穫できなくなりますよ。


ミニやミディにはそういうのがあるみたいですね。

大玉にあるとは知りませんでしたが、最近では
脇芽を伸ばして主枝を切ってしまう仕立てで収量UPってのもあって、
いちがいに脇芽かき!ってわけでもないようです。

加工用トマトは支柱すら立てないものもあって、
地面に伸び放題に伸びてるのを長野県なんかで昔よく見かけました。

考えてみると脇芽をキチキチと摘んでまっすぐに仕立てて、
20段越えても糖度を高くなんて手間かかることしてるの
日本人だけかもしれませんね~。

外国では

>いつもながら知識の豊富さに圧倒されております(笑)。

変わった品種や品目への興味からかじりはじめたので、意識がそういう方向に向いてるだけだと思いますよ。
また、イギリスの種メーカーのサイトやカタログ見てると、そういう違いが品種ごとにちゃんと書いてあるんですよね。
もちろん日本の農書でも、ちょっと専門的な本には解説してありますけど。

>考えてみると脇芽をキチキチと摘んでまっすぐに仕立てて、
>20段越えても糖度を高くなんて手間かかることしてるの
>日本人だけかもしれませんね~。

トマト以外も含めて、諸外国の農家さんがどんな感じに栽培されてるか、ちょっと興味ありますね。日本の農家さんは確かに手をよくかけて高品質だとは思うんですが、もしかしたらガラパゴスかもしれないですね。そこまで手をかけなくても、そこそこで安い方が望まれるかもしれない。ただし、素材の味を生かすものが多い日本の料理と、調味料でしっかり味を付けるものが多い外国の料理との違いもあるので、単純に外国のやり方を真似てもダメかもしれません。ただ、視野を広げるという意味で外国でのやり方も知りたいところです。

No title

わらもしいてもらって、お野菜がとっても気持ちよさそうですね~。
我が家は下農からなかなか抜け出せません(笑)

でも、トマトだけは気合が入ってまして、シルバーマルチを下にしいて屋根もつけて大玉トマトの収穫に向けてがんばってます。

お互いトマト、たくさん採れるといいですね~。

ところで、いまごろという感じなのですが、ほんたべさんのブログ、
リンクさせていただいていいでしょうか~?

Re: 外国では

H2さん、遅レスですんません!
>
> 変わった品種や品目への興味からかじりはじめたので、意識がそういう方向に向いてるだけだと思いますよ。
> また、イギリスの種メーカーのサイトやカタログ見てると、そういう違いが品種ごとにちゃんと書いてあるんですよね。

いずれにしてもマメな方だと思っております。
いろいろ教えてください。
>

> そこまで手をかけなくても、そこそこで安い方が望まれるかもしれない。ただし、素材の味を生かすものが多い日本の料理と、調味料でしっかり味を付けるものが多い外国の料理との違いもあるので、単純に外国のやり方を真似てもダメかもしれません。

とあるすもも農家が、安価で安全なすももの方がいいんじゃないかって考えて、
手間のかかることをやめようとしてたことがありましたが、
結局おいしいものができなくて評判を下げましたよね。

日本は「そのまま食べておいしいもの」じゃないと通用しない気がします。
とくに果樹・トマト類。

農家は大変だあ。

Re: No title

よもぎさん、コメントありがとうございます。
体調崩してて遅レスで申し訳ありませんです。


> 我が家は下農からなかなか抜け出せません(笑)

おお、お仲間ですね~。
広げよう! 下農の輪!(師匠に怒られそう)

>
> でも、トマトだけは気合が入ってまして、シルバーマルチを下にしいて屋根もつけて大玉トマトの収穫に向けてがんばってます。
>
> お互いトマト、たくさん採れるといいですね~。
>
おおっ! すごいですね!
お互いがんばりましょう!!

> ところで、いまごろという感じなのですが、ほんたべさんのブログ、
> リンクさせていただいていいでしょうか~?

了解です!
こちらもリンクをはらせていただきます~。

今後ともよろしくです!

No title

ほんたべさん、
体調をくずされていたとのことですが、
今はお加減大丈夫ですか?
しんどい時は無理をなさらず、
お返事などいつでも大丈夫ですので。

ところでリンクの件、ありがとうございます!
さっそくリンクさせていただいて帰ります(^^)
しょっちゅうまたのぞかせていただきますね。

Re: No title

よもぎさん、こんばんは。

体調不良で1週間ほどぼんやりしておりました。
また遅レスですんませんです。

ようやく今日あたりから復活しました。
真面目にブログ更新していこうと思います。

あ、リンクの件、ありがとうございます~。
今後ともよろしくお願いいたします!
プロフィール

ほんたべ

Author:ほんたべ
手島奈緒
おいしい食べものをつくる人を紹介したり応援したりしております。ブログをまとめた著書『いでんしくみかえさくもつのないせいかつ』(雷鳥社)『まだまだあった! 知らずに食べてる体を壊す食品』(アスコム)『儲かる「西出式」農法』(さくら舎)など。現在ハンター修行中。

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