お皿の上に乗っている「愛」の話

gazou 028
今まで食べた中で一番おいしかったフォアグラとブータンノアール。
フォアグラっておいしいよねえ。ちゃんとしてるおいしいヤツは。
ブータンノアールなんて日本人には絶対思いつかない料理。フレンチ恐るべし。



大量に食べられるわけではないのだが、食いしんぼうである。
しかし偏食だ。だから本当は食いしんぼうじゃないのかもしれない。
とりあえず、食いしんぼうは自己申告ということでお願いします。

「大統領の料理人」を見てきた。

フランスのミッテラン大統領の私的な食事を調理した
女性シェフの物語である。

フランスの郷土料理、伝統料理がこれでもかと出てくる。
日本の食材と全く違う、フランスの食材と調理法。
トリュフは想像がつくが「月桂樹の水で香りをつけたフロマージュ」?
なんですか、それ? 「尼さんのおなら」? なんですか、それ?

ストーリーは非常にシンプルで、フランス映画らしく淡々と進行する。
ってことで、おおむねそこに出てくる食べものばっかり見ていた。

「バベットの晩餐会」という映画を見たときも同じだ。
ストーリーはほとんど覚えてないが、料理に魅了された。
偏屈なじいさんやばあさんが変わってしまう料理ってどんな料理?
きっと幸福な味がするに違いない。食べたーい!!!!

「ショコラ」は、最初はストーリーが素晴らしいと思ったが、
何度か見ているうちに、ジュリエット・ビノシュが作るチョコレートと、
ジュディ・デンチのお誕生会の料理が気になってしょうがなくなった。

gazou 031
ポルチーニのスープ。上に乗っかってるのはトリュフ。
いまいちトリュフのおいしさがわからない鈍いわたくし。



鶏のローストにチョコレートソースをかけたもの?
ああ、一体どんな味なんだろう。食べたーい!!!!!
(ちなみにホットチョコレートにチリを入れて飲んでみたけど、
ジュディ・デンチみたいに情熱は沸き起こらなかったぞ。感性が鈍いのだろうか)

昔から映画で食べてるシーンを見るとその食べもののことを考える。
想像できないもの、自分の理解の範疇を超えているものが好きだ。
おいしそうなものはもっと好きだ。

さて、わたくしの住んでいる東京では、
さまざまな国の料理を食べることができる。
お金を出せばどんなものでも食べられる。

でも、感動するのは、いつもフレンチだ。
自分の家の台所では絶対に作ることができない料理が出てくる。

トマトのジュレ? マッシュルームのスープ? カリフラワーのムース?
えー、こんな料理、全然思いつきません。
しかも食べたことのない味がします。理解不能です。

それだけでもう、料理とシェフにひれ伏してしまう。
口に入れるたびに料理に翻弄され、夢中になってしまう。

そのうちに心がふるふるとふるえてくる。

しあわせでいっぱいになって自分が何かで満たされてくる。
何がいっぱいになるのだろう? なんだろう? カロリー?
この経験があるのとないのとでは、人生の輝きは絶対に違う。

gazou 032
レストランによってはケモノのニオイがすることもある鹿肉。
でもそれはあえてそういうものを仕入れてるのかも。もしかして通の味?



おいしい刺身を食べたときにもしあわせだなーとは思うが、
心がふるえない。その理由はそれが「素材」だからだ。

良い材料を使えばおいしいものができるのは当たり前だと、
以前シェフに聞いたことがある。自分たちの仕事はそれだけではダメ。
自分ならではの皿にしてお客様にお出しすることだと。

いい素材を、生で、焼くだけ、蒸すだけ、茹でるだけというのは
素材の味そのままだから、心は全くふるえない。

だから、最近よく見かける「焼いただけの野菜」にオリーブオイルと
塩をかけて出してくる店には、行く価値がないと思っている。
メニューにそれを見つけたら、その店には絶対に行かない。

だって、食べる直前に収穫した自分ちの野菜を焼いて、
自分の好きなオリーブオイルと塩かけたほうが絶対においしい。

農家から農協、市場、小売で収穫後中一日経っている
慣行栽培の野菜なんておいしいわけないじゃんか。

お金が取れる価値のある「料理」を作ってくださいよと言いたい。
閑話休題。食材原理主義者的発言でした。

gazou 035
ホロホロ鳥を生まれて初めて食べました。生きてる姿を見るとぐっときます。
秋だったのできのこがいろいろ乗っかってます。



レストランには、たんにお腹を満たすだけではなく、
心がふるえる体験をしに、しあわせになりに行くのだと思う。

何日も、何年も経ってから、その日のことを思い出し、
しあわせだったなあと反芻し、また豊かな気持ちになれる料理。
この経験ってなんとなくしあわせな恋の思い出に似ているね。

おお、そうか。
わたしはお皿に乗せられたシェフの愛を食べてるのかもしれない。
その瞬間、恋に落ちているのかもしれない。

人に食べものを作るときにはその人への愛が必要だもの。
愛の無い料理は、人をしあわせにはできないのだ。
そしてそういう料理を与えてくれる人をわたしたちは無条件に愛する。

ああ、誰かおなかいっぱいの「愛」をごちそうしてくれないかなあ。
(つまり15,000円くらいのコース料理食べに連れてってってことですね。えへ。)

※今回のお料理は代々木上原のシャントレルで食べたものです。



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Author:ほんたべ
手島奈緒
おいしい食べものをつくる人を紹介したり応援したりしております。ブログをまとめた著書『いでんしくみかえさくもつのないせいかつ』(雷鳥社)『まだまだあった! 知らずに食べてる体を壊す食品』(アスコム)『儲かる「西出式」農法』(さくら舎)など。現在ハンター修行中。

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