西出隆一さんの農法は新規就農者にぴったり。西出会の話。

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一日目は座学。二日目は圃場見学という総会のスケジュール。
新潟のいちご畑見ました。西出会にはいちごのプロがいらっしゃるのですが、
話聞くと難しいっす。水管理、温度管理、病気対策。
これらをきちんとできる人が儲かるわけで。むずかしー。施設園芸。



西出会総会に参加してきた。

西出会とは、石川県でトマトを栽培している西出隆一さんの
非常に科学的な農業技術をお勉強するまじめな農家の会である。

入会金は10,000円。年会費は24,000円。
月に一度西出さんの農業技術について伝える会報が送られ、
年に一度会員持ち回りで総会という名のお勉強会を開催する。

わたくし、総会に参加して今年でもう、えーと、6年くらいだろうか。
西出会にはなぜか毎年若い会員が増えており、若者がたくさん来る。
それを見ていると、日本の農業の未来は明るいのではあるまいか!
なんちて思ってしまうのである。

そして、すごいのは、皆がほんとうに熱心にお勉強することである。

某D社でも研修会は毎年幾度となく開かれていたが、
西出会のような熱心さはあんまりなく、わたくし、
西出会総会に初めて参加した際に、そのレベルの高さに大変驚き、
どんな質問にもやすやすと答える西出さんの知識にも圧倒されたのだった。

どんな障害にもきちんと原因があり対策がある。その知識がすごいのだった。
今まで誰も教えてくれなかった疑問の答えを、わたくしは西出さんにもらったのだった。
師匠と呼びたくなるのも当然なのだった。

さて、今年の幹事は新潟県のトマト農家だった。

021.jpg
今回の幹事の方々。トマト・きゅうり・いちご・米など栽培する作物はそれぞれ。
両端のお二人が新規就農でトマトを栽培しています。何でトマトを?と聞きましたら
研修先がトマトだったし、なんかトマトってことで、みたいなお返事。
新規就農でハウス作る人って珍しいと思ったけど、そうでもないのかな?



西出さんの指導を受けてきたこの農家、山岸協慈さんは、新規就農者であった。
研修に入った農家が西出会の会員だったため、
就農時から西出さんの指導を受け、長年トマトを栽培してきた。

実は彼は現代農業の10月号に掲載されてて、
次の次のページにわたくしが撮影した西出さんの写真も載っているのだ。
(だからなんだって話なんですけど、ちょっと言ってみた)

山岸さんの畑は、能登の西出さんの畑同様粘土質である。
就農時に地主の許可を得て、土壌分析と三相分布を調べたらしい。
その後十数年にわたって土作りをしてきた結果、粘土質の厄介な土は
西出さんの畑と同じ、スカッと支柱の入る豊かな土に変貌した。

雨が降ると長靴にべっとりと泥がつき、足あとがくっきり残るハウスの外と
ハウスの中のふかふかの土の違いに驚くばかりのわたくし。
と同時に、土は作ることができると実感するのだった。

これは魔法でも何でも無く、ただ土壌の三相分布をはかり、
土壌分析を行い、土のバランスを整えながら粗大有機物と
微生物資材を加えて、手作りのボカシで栽培してきた結果だ。

それで師匠と同じような畑ができるなんて。すごくない?

019.jpg
師匠はお元気そうでした。いつまでもお元気じゃないと困るです。
これからもわかんないことをビシバシ教えていただかないと。です。



誰にでも同じようにできること。これを再現性という。
西出さんの技術は、誰でも同じように作物を作ることができる。
地域や天候の差はあまり関係ない。すべての基本は土である。バランスである。
だからわたくしでもある程度同じようにできるのだ。おお、すばらしい。

精神論や根性論を振りかざすこともなく、もちろん我慢もしなくていい。
虫だらけで全滅した畑を見て「我慢です」なんて言うのは
かっこいいかもしれないが、技術がないだけなのかもしれないのだ。

西出さんの農法は、数値を根拠にやるべきことをするだけである。
シンプルでわかりやすい。その知識を一度獲得してしまえば、
誰にでもできる。なんと心強いことではありませんか。

わたくしはずいぶん以前から、この技術、西出さんのやり方は、
新規就農者にこそ必要な技術だと思っていた。

土質も調べずに畑を借りて、土壌分析もしないで肥料を入れて、
初年度からうまくできるはずなんてない。何がどうなのかわからないのだから。

西出さんは「地主に許可を取って土壌分析と三相をはかるといい」と言う。
その結果がひどければ借りることはない。あとで苦労するだけだからだ。
何年も借りて土を作っていくのなら、条件のいいところを借りたほうがいい。

最初から「土作り」を前提で畑を借りるべきだと西出さんは言うのだった。

062.jpg
「わしならこれを下げて、まだまだ稼ぐ。もったいない」と西出さん。
管理さえきちんとしとけばもっと稼げるのにとキビシーイアドバイス。
25段取りの技術はダテじゃないってことですなあ。いやはや。



実際に畑を借りる際にそれができるのかどうかわたくしは知らない。
しかし条件の悪い畑を借りて困っている新規就農者は何人か知っている。
彼らは就農後、地域の信頼を得てようやく条件のいい畑を借りられたりもする。

それにはだいたい3年かかるのだった。

助成金は手厚くなったが、耕作地の貸し借りや売り先の確保などで
日本の農業界及び農村は新規就農者にそれほどやさしくない。

最初の3年を棒に振ることなくきちんと土が作れたら。
研修先で土壌分析など経験したことがない新規就農者はたくさんいる。
研修先の農家と同じように非科学的な農業をやってもうまくいかない。
それでいきなり農業を始めるよりは、知識は持っておいたほうがいい。

基礎知識を持って農業を始めるのとそうでないのとでは
ぜんぜん違うだろう。区民農園借りててもそう思うのだから、
ビジネスならなおさらである。

しかし、土作りに金をかけるべし!というのが西出式である。
そこんとこが難しいかもしれない。基盤ができるまでは。
高品質で多収で味がいいから、軌道に乗れば3年で回収できるとは言っても、
売り先がなければ厳しい。

ううう。早く新規就農者支援のための野菜販売サイトを立ち上げねば。

新規就農者や有機を目指してる農家の野菜を売るサイト。
味はよくて安心して食べられて、そして作り手の顔がちゃんと見えるサイト。

楽しいじゃありませんか。


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本はまだかなぁ

まだ本は出そうにないですか。ぜひお元気なうちに。
農業人にとって、意識のブレイクスルーが起きる本になり得ると思うんですが。
そこからの勉強は各々必要なのは当然として。

Re: 本はまだかなぁ

> まだ本は出そうにないですか。ぜひお元気なうちに。

H2さん、本って農業の本のことですか?
それはまだ企画が通ってないんですよー。

企画書をどのように書こうかを思案中です。
わたしは科学者でも農業者でもないですしねえ・・・・。

ところでこのブログの内容(農業技術以外)については
もうじき初校です。3月くらいには出版できるのでは。

西出隆一さんの本

>H2さん、本って農業の本のことですか?

西出隆一さんの農業理論の本です。
通常はご本人の銘で出されると思いますが、
西出会で計画はしているとか伺ったような。
ほんたべさんが編集される予定になっているのですか?

お元気なうちにご自分の目を通して纏められないと、
亡くなられた後にお弟子さんが纏めたのでは細部の解釈が広がり、
そのうちバラバラな勝手な理論になっていくこと必然ですから。
科学的農業を標榜されるのであれば、
人類の共有知識としてきちっとまとめあげて残す作業がぜひとも必要と思います。
そこらの抽象的な農業本を葬り去るようなものを。

ほんたべさんの2冊目ももう間もなくなんですね。
ちょこちょこと積み重ねていくのがこつですかね。

Re: 西出隆一さんの本

H2さん、こんにちは。

承認と返信が遅れてすみません。
2ヶ月ぶりの貧血で・・・ただ息をしてるだけって状態です(笑)。

> 西出隆一さんの農業理論の本です。
> 通常はご本人の銘で出されると思いますが、
> 西出会で計画はしているとか伺ったような。


西出さんが出版されるのではないでしょうかねえ。
計画というか、最近作物別にまとめられた会報が送られてきているので、
どこかの出版社がまとめれば本になると思うのですが。

西出さんの理論は科学的なものなので、
細部の解釈が違うってことはないので大丈夫ですよー。
あと会報として文字が残ってますから、そこでもブレることはないと思います。

通常「先生」と呼ばれる方々の理論は、口伝で伝わって解釈しまくり、
みたいなことで失われるものですが、西出会の場合は文章が残ってるので、
平気でしょう。

作物の見方とか、そういうのですかね。でもま、欠乏症なんかは
WEB検索でも出てくるし。

要は、西出さんがいつ本にする気になるかって感じだと思います。
何時頃かなー。

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Re: はじめまして 教えて下さい

鍵コメ様

コメントありがとうございます。
新潟のイチゴ農家さん、残念ながらお名前を存じ上げない、というか失念してしまいました。
このときの幹事の農家さんはFacebookなどで親しくさせて頂いているのですが、
いちご農家の方とはそういう関係でもないので、少しお願いしにくい感じです。

先方もわたしのことは覚えていないと思うのです。
ということでお役に立てず申し訳ありません。

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プロフィール

ほんたべ

Author:ほんたべ
手島奈緒
おいしい食べものをつくる人を紹介したり応援したりしております。ブログをまとめた著書『いでんしくみかえさくもつのないせいかつ』(雷鳥社)『まだまだあった! 知らずに食べてる体を壊す食品』(アスコム)『儲かる「西出式」農法』(さくら舎)など。現在ハンター修行中。

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