糸島市の「晴耕雨読」さんを訪ねてきた

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晴耕雨読・山口章さん。ブログ読んでる間はなんとなく一重まぶたの色白な人を
想像してたわたくし。実際は全然違ってたわー。なんで一重まぶたと思ってたのか。
人間って不思議だねー。



ほんたべ日記を始めて、かれこれ4年である。

時折、新規就農者の方が見に来てくださっているらしく、
コメントをいただくことがある。
その後、なんとなくコメントのやりとりをしたりもする。

そういう時、自分はWEB上にある架空の「村」の住民なのだなと思う。
同じような興味を持っている人がゆるーくつながっている。
境界線はなく、住民もかなりの頻度で入れ替わる、
町ではない。あくまでも村である。

その村で知り合った住民に会いに行くこともある。
愛知県ののんのんファームさんや、北海道の大作農園さん、
熊本県の錦自然農園さんなどである。

会ってみると想像していた感じと必ず違っていておもしろい。
人って不思議だ。初めて会うのにそういう気もしないからおもしろい。
そして、わたくしはどう思われたのだろうと思ったりする。

さて今回、福岡県糸島市で農業を営んでいる晴耕雨読さんに行ってきた。

最初に晴耕雨読さんのブログを訪問したのは4年位前だった。
園主の山口章さんは今ではFacebookのお友だちである。

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きれいな人参ができておりました。今年は出来がいいらしいです。
しかしこの人参、びっくりですよ。包丁がすっと入って柔らかくて、
あまーくてポリポリといくらでも食べられちゃいますよ。
無肥料ってすげーなーと感動したですよ。とにかく包丁入れた時の感触が
全然違うんす。バリッともメリッとも言わず、すーっと入るんす。



ブログを読み始めたときは自然栽培をしてるっぽくて、
経営というか栽培的にはあまりうまく行ってなさそうであった。

311の後しばらく、関東の野菜を食べたくない人が
WEBで見つけた西日本の農家の野菜を買っていた時期があった。
この時、西日本の新規就農者に注文がかなりあったようで、
ブログを見てると山口さんの野菜も売れているようだった。

おお、良かったなあと思った記憶がある。
これを機会にバンバン売るのだ! と密かに応援していたわたくし。
聞いてみたら野菜セットを作ってなかったのでバンバン売れなかったらしい。

ううう。残念無念。

さて、糸島市は、博多から電車で40分程度のところにある。
海があり、山もあり、風景は日本海側っぽく、なんとなく鳥取に似ている。
住宅街から少し車を走らせると田園風景が広がる。
車でも電車でも博多まで余裕で通える便利なところである。

山口さんが農業に興味をもったのは、10年前のことだ。

埼玉県で舞台照明の仕事をしていた山口さんは、ある日、
この仕事で、このままでいいのだろうかと考え、自転車で日本一周に出かけた。
そのとき、農業は人の命をつなぐやりがいのある仕事だと考えた。

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人参を栽培している畑は砂地で、掘ると砂が出てくる。
新規就農者って条件のいい畑を借りるのはなかなか難しいんだよね。
借りられる畑がどんな畑かで、作りやすさや収量が全然変わってくるから、
基礎的な知識は絶対に持っておいたほうがいいのだ。
木材チップと廃菌床で腐植と微生物を増やそうと挑戦中。



そして自然農法の川口由一さんが開催している「赤目自然農塾」に通う。

赤目自然農塾の講習は家庭菜園向けのものだったため、
このやり方では食べていくのは難しいと考え、糸島で研修することになった。

糸島の研修先も自然農の農家だった。半年間の研修後、1.5反畑を借りて
自分も自然農をやってみた。しかし数年たっても生産性は上がらず、
「自然農で食べていくのは難しい」と気づく。

29歳で結婚し、33歳で本格的に農業を始めた。
現在は5反の畑を借りているが、稼働しているのは3反である。
今は人参と生姜を出荷している。

売り先は個人販売と、近所のめっちゃ売れてる「伊都菜彩」という直売所、
自然食レストランや自然食品店である。
農業だけではまだ食べていけないので時折アルバイトもしている。

「無施肥無農薬栽培や自然農では食べていけない」と山口さんは言う。
無施肥と言いながら米ぬかを与えるのは少し変だと思うから、
無施肥にこだわらないことにした。でも農薬はまきたくはないから、
無農薬で栽培することは決めている。

最近、粗大有機物を畑に入れて廃菌床を肥料代わりにする農法に出会い、
それを試してみた。今までになく人参の収量が良くなったため、
少しの間これを試してみようと思っている。

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生姜シロップも作って販売中。ひとり六次化、なんちて。
しかしこれもおいしかった。んー、なんでこんなにおいしいのだろうって感じ。
本人はそう言いたくないらしいけど、無肥料だからってことなのかしら。
ちょっとだけ無肥料を見なおしてみているわたくし。



おつれ合いはお仕事をされており、農業従事者は山口さんだけだ。
1人でやるのはいろいろと大変なのだろうなあと思ったが、
糸島市は新規就農者のネットワークがあるらしく、
この日、山口さんとともに何名かの就農者にお会いした。

廃菌床を使う農法を実践している人の勉強会に一緒に行ったり
畑の手伝いをしたりと仲間同士で助けあっている。
これがあるのと無いのとでは全然違うだろう。いいよねえ、こういうの。

自然農にあこがれて農業を目指す新規就農者は多い。
山口さんもそういう新規就農者の1人だった。

肥料分はほとんど入れていないから、山口さんの作る人参はおいしい。
甘くて素直な味がする。無肥料の野菜はおいしい、
わたくしは、これは事実だと思う。

しかし農業とはお仕事である。
いつも同じように人参ができなければ仕事としては成り立たない。

畑作では作物が持ち出す分は必ず入れてやる必要がある。
入れなくてもいいのは微生物がたくさんいる場合のみである。
慣行栽培をしていた畑には微生物はいないから、
いきなり無肥料で栽培しても失敗することのほうが多い。

自然農法は思想としては美しいし、誰もが一度は憧れる。
しかし、経営的に成り立たせるのは難しい。

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何人かの地元の仲間の方たちともお話させていただいたですよ。
なんか、元気のいい人が多いなあと思った糸島でしたよ。若いしね。
日本の農業はこういう人たちの双肩にかかってるのかもしれませんよ。



山口さんはこれから、土壌分析なども試してみたいと考えている。
粗大有機物と廃菌床を入れ続ければ、畑の土ができてくるはずだ。
そのときは、無肥料栽培が可能になるかもしれない。

何年か後、また糸島に行って山口さんの畑を見てみたいなあと思う。
彼がどんなふうに変わるのか、またどんな野菜を作るようになるのか。
新規就農者を訪問していると、そういう楽しみもあるのだった。

新鮮野菜netでは山口さんの人参と生姜を販売しております。
ぜひご注文くださいませ。そりゃもうおいしい人参ですよ。
山口さんのブログからもご注文が可能です。→晴耕雨読


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プロフィール

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Author:ほんたべ
手島奈緒
おいしい食べものをつくる人を紹介したり応援したりしております。ブログをまとめた著書『いでんしくみかえさくもつのないせいかつ』(雷鳥社)『まだまだあった! 知らずに食べてる体を壊す食品』(アスコム)『儲かる「西出式」農法』(さくら舎)など。現在ハンター修行中。

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