「愛」について考えてみた

ほんとうに表紙
7月下旬に発売予定。今、こんな本書いてます。
英文が変更になる予定です。気がついたらブログ更新一か月もサボってたです。
これから元に戻す予定です。今後ともよろしくお願いします。ペコリ



産地担当になってすぐ、山梨のすもも農家を訪問した。
何でそんな話になったのか記憶はないが「愛」の話になった。

「愛の写真を撮ろうと思うけど難しいじゃんね。
だから愛じゃないものの写真を撮ってみようかと思って。
愛じゃないものを並べたら、そこに写ってないのが愛でしょ」

「なーるほどー、すごくおもしろい!」と思ったわたくし。
しかし当時のカメラはフィルムである。さらに今のようにちっこくない。
カメラを常時持ち歩いてもいなかったため実現はしなくて、
日々の業務に追われ、そのうち忘れた。

時折この話を思い出し、やってみようかと思ったりする。
でもやらないことにした。
愛じゃないものの写真を撮ってもきっとおもしろくない。
しあわせな気分にはなれない気がする。

産地担当の引き継ぎで、産地担当のあり方について
前任者とあれこれ話していたとき、ふと思いついて聞いてみた。

「産地担当に必要なのはさあ、愛じゃないかなあ」
彼は少し考えて言った。「そうだね。愛かもね」

産地担当とは、なんべん説明しても理解しなかったり、
それを翌年には全て忘れてたり、出荷連絡や出荷時期を間違えたり、
日々小さな嘘をついたりする自由な農家のおじさまたちと付き合う仕事だ。
わたくしたち社会人の常識はあまり、というかほとんど通用しない。

ガミガミ言うことの方が多かったような気がするが、
全体的にわたくしは彼らのことを愛していたと思う。
夜叉とか呼ばれてたから、この愛が伝わっていたかどうかは不明だ。

農家のおじさまたちは自分独自の思想を持って、
自分の作る作物をとても愛しており、
それを食べた人が健康になってほしいと願っているようだった

わたくしは作物を通じて消費者に愛を届けていたのだと思う。

青山にあるフレンチレストランで、ディナーを食べたとき、
出てくる料理全てに感動して心が震えた。

どの料理にもとても細やかな心配りがされていて、
「この料理はどうだ!」とか「食べて驚け!」とかの押し付けや、
雑なところはいっさいなく、体にしみ込むようだった。

素材そのものの味を素直に、そしてじゅうぶんに表現しているのに、
見たことも想像したこともない料理の数々。

わたくしはお皿からシェフの愛を受け取っているのだと思った。
心が満たされてしあわせになる料理、
食べるだけで自分が豊かになる料理があるのだと初めて知った。

「愛」じゃないものの写真を撮って「愛」を確かめなくても、
食べもので「愛」を感じることができる。
最近そう思うようになった。

世の中にはそうじゃない食べものがたくさんある。
ていねいに、大切に作られているもの、おいしいものと、
化学物質を入れて大量生産して雑に作られているものとでは、
受け取るものがたぶん違う。であれば、愛を受け取った方がいい。

選択するのは自分だ。

わたしたちは日々食べものを通じて愛を受け取ることができる。そして、
作物をつくる人、料理をつくる人は、他者に愛を与えることができる。

そう思うとなんとなくしあわせじゃありませんか?
自分を愛でいっぱいにするのは意外に簡単なんじゃありませんか?


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Author:ほんたべ
手島奈緒
おいしい食べものをつくる人を紹介したり応援したりしております。ブログをまとめた著書『いでんしくみかえさくもつのないせいかつ』(雷鳥社)『まだまだあった! 知らずに食べてる体を壊す食品』(アスコム)『儲かる「西出式」農法』(さくら舎)など。現在ハンター修行中。

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