ヒトスジシマカとデング熱について調べてみた

gazou 012
ヒトスジシマカのオスは花蜜などを食べて暮らしている。
メスは産卵の前に人(動物)の血を吸い、それをエネルギーに産卵する。
どうでもいいが、畑のオクラの木の側に行くと必ず蚊に食われる。
ヒトスジシマカはオクラが好きなんだろうなーと思ってるわたくし。



幼いころ、夏になると日本脳炎の予防注射をされた。
幼いながらに「ニホンノーエン」という音が大変恐ろしく、
「ニホンノーエン」とはどのようなものかと百科事典を調べてみた。

わたくしはどういうわけか疫病恐怖症で、ペストとか天然痘とか
なぜそのような疫病の名前を知ったのか全然思い出せないのだが、
とにかくそれらを百科事典で調べまくる変な子どもだった。

疫病マニアと言ってもいいかもしれない。

百科事典には「日本脳炎はコガタアカイエカが媒介する
ウイルス性の感染症であり、豚からヒトに伝染する」と書いてあった。
よく覚えてるなー、子どもの頃の記憶ってすげーなーと感心。

しかし、コガタアカイエカは主に西日本に生息しているため
東日本では日本脳炎の流行はないと記憶していたが、
今調べてみたらコガタアカイエカは日本全国にいるらしい。

あれー。そうでもなかったか。ううう。

その後わたくしは疫病マニアのまま大人になったが、
日本脳炎のことはすっかり忘れていた。
今、どれぐらい感染者がいるのかな? 

「日本では、1966 年の2,017人をピークに減少し、
1992年以降発生数は毎年10人以下であり、そのほとんどが高齢者であった」
国立感染症研究所HPより
http://www.nih.go.jp/niid/ja/kansennohanashi/449-je-intro.html)

予防接種している人は抗体を持っているため罹患することはないから、
年に数人という感染者で収まっているようだ。良かったね。

023_20140913110228c27.jpg
日本脳炎を媒介するコガタアカイエカは水田や湖など
水がたーくさんあるところで繁殖するらしい。アカイエカはヒトスジシマカと同じ。
夜行性でちっこくで赤い蚊だが、最近ほとんど見かけなくなった。
人間の生息域で繁殖するヒトスジシマカに駆逐されたのかもしれない。



さて、感染症と蚊といえば、昨今話題のデング熱である。
デング熱について調べてみた。

この病気は日本脳炎と同じく「四類感染症」に分類される。
感染症には五類まであり、一類にはペストとかエボラとかマールブルグとか
名前を聞くだけで熱が出そうな剣呑な伝染病の名前が並んでいる。

四類には野口英世先生と関わりの深い「黄熱」とか「西ナイル熱」とか、
「炭疽」とかが分類されている。ええー、デング熱これと同じなの?
四類の定義は「動物又はその死体、飲食物、衣類、寝具その他の物件を介して
人に感染し、国民の健康に影響を与えるおそれのある感染症」である。へー。

医師は、これらの四類感染症の患者が発生した場合、
最寄りの保健所に届け出ることが義務付けられている。
だから患者数が日々のニュースにちゃんと出てくるのだね。

デング熱の初期症状は風邪に似ていて、高熱・吐き気・食欲不振
その後身体に発疹ができる。軽い症状のまま気づかない人もいる。
感染しても発症しない人もいる。

しかし、二度目にかかるとデング出血熱に移行することがあり、
こうなると致死率10%という、割合と重篤な伝染病になる。
ちなみに致死率10%ってどれぐらいかというと、黄熱病と同じだ。ひいー。

戦後は南方から帰ってきた人が多かったため、
散発的に国内で流行があったが、ここ数十年国内での発生はなかった。

デング熱は海外、とくに熱帯アジアでは頻繁に流行しており、
何十万人という患者が出ている感染症である。
主な媒介者はネッタイシマカだ。

090.jpg
俗に「ヤブ蚊」と呼ばれるヒトスジシマカは、空き缶や古タイヤにたまった
ちょびっとの水で繁殖する。最近では、ご家庭の雨水マスで繁殖してるらしい。
だからうちの庭に大量にいるのだね。くそう。どうやって駆除すればいいのか!



デング熱、黄熱を媒介するネッタイシマカは現在、
撲滅を目的に遺伝子組み換えネッタイシマカが開発されている。
すでに一部地域では放飼もされているらしい。
今後ブラジルにするとか言ってたけどもう放飼したのかな。

なぜ遺伝子組み換えまでしてネッタイシマカを絶滅させたいのかというと、
蚊は殺虫剤では根絶させることができないからである。
殺虫剤DDTと蚊との戦いは、蚊の「抵抗性獲得」によりDDTの惨敗に終わった。

現在も、世界で一番ヒトを殺しているのは蚊である。

しかし、わたくしも含め日本人は蚊に食われることをそれほど気にしない。
「痒くないなら食われてもいいけどね」とか言っちゃったりする。
認識を改める必要があるんじゃないのかな?

さて、今回日本でデング熱を媒介しているのはヒトスジシマカである。

生息適温が高いため宮城県以北には分布してないと言われていたが、
昨今の温暖化で青森県や盛岡市でコロニーが確認されたらしい。
本州では11月には休眠に入り、卵で越冬する。

ネッタイシマカでは血を吸わないオスの体内で
デング熱ウイルスが確認された例があるが、
ヒトスジシマカでそういう事例は報告されていない、
だから来年までウイルスを持ち越すことはないと言われている。

さて、しかし。ヒトスジシマカが通年生息している地域はないのかな?
南の島とか? 平均気温の高い地域とか?

調べてみたけどわからなかった。ヒトスジシマカは
日の長さを認識して休眠期に入るらしいから、
日本では通年で活動しないのかもしれない。

104.jpg
春先にはいないのに収穫間際になるとなぜ果樹園に蚊がいるのか。
とくにぶどう畑でよく蚊に食われるのはなぜなのか。いまだに謎。
落っこちたぶどうにたかるオス目当てでメスが来てるのかなー。



デング熱の拡大を防止しようと蚊の密度を減らすために殺虫剤をまき、
生息場所を閉鎖したが、すでに千葉や北海道、その他の地域で
渡航歴のない患者が発生している。

このあと蚊の休眠に伴って流行は収束して行くのだろうが、
また来年、国内感染者が出ないとは言い切れない。

さらに、デング熱をもっと流行させる能力のあるネッタイシマカが
南の国から飛行機に乗ってやって来る可能性がある。
実際に熊本ではネッタイシマカの生息がしばらく確認されていた。

なんてことを考えると、蚊には食われないほうがいいのだ。
軽いから大丈夫と言われているデング熱だが、高熱が出ればしんどい。
疫病にはかからないほうがいいに決まってるのだ。

世界はとても狭くなり、地球の裏側にも簡単に行けるようになった。
しかしそれは逆に言うと、浮かれた観光客とともに、
入国許可証を持たないもの言わぬ殺人者たちもやって来るということだ。

なんてことをデング熱騒動でしみじみ考えたわたくし。
とりあえずスキンガード買いました。ふっふっふっふっふ。

追記・一部WEBで「今の患者数は去年より少ない」と言われているが、
渡航歴のある人の罹患数は115件(8月31日まで)、
渡航歴のない国内感染者は114件(昨日まで)、合計229件で、
このまま行けば過去最大のデング熱患者発生数となると予測されております。

参考資料
侵入生物データベースhttp://www.nies.go.jp/biodiversity/invasive/DB/toc6_insects.html
茨城感染症情報センター
http://www.pref.ibaraki.jp/bukyoku/hoken/yobo/kansen/idwr/index.html
厚生労働省WEBサイト
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou11/01.html
吉田製薬 8 感染症法の類別における微生物
http://www.yoshida-pharm.com/2012/text04_08_05/


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No title

こんにちは。
おひさしぶりですね。…あれこれとお忙しかったのかな?

さて、デング熱…パンでミックの臭いがぷんぷんして
なんとなく、いや~な感じですよね。

ご指摘の「越冬できる環境」なら
東京都心に山のように有ると思います。

地下街、空中庭園、ガラス張りのマンションのテラス
小さな水たまりなら、星の数ほどあるでしょうね。
しかも、年中空調が完備していて、人にも蚊にも快適な空間。

そのうち、たぶん「エボラ熱」も、広まるでしょうから
ホント、「う~む…」な世の中ですよね。

どちらも、確固たる治療法も薬もなく
もっぱら栄養を付けて「自己免疫力」に頼る…ということですから
案外と、僕がやってる「食事療法」が効くのかも知れません。

軽々しく、非科学的な事も言えませんが
なかなかに複雑な心境ですね(苦笑)

Re: No title

癌ダムさん、こんにちは。お久しぶりです。

あっという間に夏が終わりましたねー。
っていうかまた8月に何してたか覚えてないのですが、
これまた貧血のせいだと思います。

デング熱、イヤですねー。

今日本で流行ってるのは1型で、4型まであるらしいのです。
一度罹患すると抗体ができるのですが、4つあるので4回はかかる可能性があり、
そのなかでデング出血熱に移行して東南アジアでは年間2万人ほど死者が出てるという。

けっこう剣呑な病気なんですよねー。やだやだ。

蚊が媒介する病気は怖いですよねー。

まだ国内発生の報告はないのですが、チクングニア熱というのが
ヒトスジシマカが媒介する、やっぱり熱帯の感染症で(分類は四類)、
これもいつ来るかって感じです。

しかしデング熱でこんなに大騒ぎになってるってことは、
(大阪はどうですか? 東京は毎日患者数報告されてます)
エボラの患者が出たらどうなるんだか。まず東京から出るでしょうから。

癌ダムさんの仰る通りで、自己免疫力を高めるしかないかもですね。
あとは地震対策と同じで、飲料水と非常食の準備も必要そうです。
プロフィール

ほんたべ

Author:ほんたべ
手島奈緒
おいしい食べものをつくる人を紹介したり応援したりしております。ブログをまとめた著書『いでんしくみかえさくもつのないせいかつ』(雷鳥社)『まだまだあった! 知らずに食べてる体を壊す食品』(アスコム)『儲かる「西出式」農法』(さくら舎)など。現在ハンター修行中。

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