うまみ調味料について初めて考えてみた

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魚のおいしい山陰出身者は白身魚、イカ、タコの味に非常に
うるさいと言われておりますが、なぜこれに「さしみ醤油」という
砂糖とか調味料(アミノ酸等)の入った醤油を使うのか理解不能。
醤油だけは東京の醤油のほうがおいしいと思っております。



おこちゃまの頃、子守をしてもらってたおばさまのお家で
おひたしに味の素を振りかけるのがわたくしの役目だった。

細長い味の素の結晶がパラパラとおひたしの上に積もる光景を
わたくしはまだ覚えている。

当時、味の素を食べると頭が良くなると言われていたが、
別に積極的に食べた記憶もないが結果はどうだったのだろう。
でもパンも牛乳もそう言われてたよなあ(遠い目)。
うまく機能しなかったのだろうか。残念なことである。

6年生の夏休み、友人の祖母の家に1周間ほど遊びに行き、
毎日ポップコーンを作って食べた。

ある日、友人が油と塩に味の素を少し入れて作ったらとてもおいしくて、
翌日さらにおいしくしようと味の素だけで作ったら
変な味のするポップコーンができて怒られた。

味の素だけ入れてもおいしくはならないことを学習した。

当時は誰の家の食卓にも赤いキャップの味の素が置いてあり、
漬物やおひたしにふりかけて食べていたような気がする。
しかしふと気がついたら全く見かけなくなっていた。

頭が良くなると言われた味の素は「悪」と言われて久しい。
今では化学調味料ではなくうまみ調味料と呼ばれている。

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広尾の有機居酒屋「山藤」で食べた大根。
だしも大根もうまかったー。材料が厳選されてるからご家庭ではムリだけど、
外で食べて経験値を上げることは可能だ。主婦はおいしいもの食べないと。



おうちの食卓に「味の素」のビンを見つけるのは難しくなったが、
その他のエキスを色々加え用途別に特化したうまみ調味料である
「コンソメの素」とか「中華だし」はご家庭で便利に利用されている。

なんと味噌にも「だし入り」とかで最初からうまみ調味料が入ってたりするのだ。

『きょうの料理』や『3分クッキング』を見ていると
「ここでコンソメの素を小さじ一杯入れます」なんてよく聞くが
講師の先生は「旬の素材の味を活かして」等とおっしゃってたりして、
でも味を決めるのはコンソメの素なんだなーと見るたびに感慨深い。

日本人の食卓から「味の素」はなくなったが、
「ナントカの素」は台所に常備してあり、
日本人の胃袋を「いつもと同じおいしい味」で満たしている。

さてわたくしたちが感じる「うまみ」の素はアミノ酸だ。

旨味成分のアミノ酸にはイノシン酸とかグルタミン酸とか種類があるが、
それを化学的に合成して作ったのが「うまみ」関連の調味料である。

食品添加物である調味料(アミノ酸等)は一括表記上の表現で、
物質名はLーアスパラギン酸ナトリウムとかDL-アラニンとかさまざまで、
アミノ酸系と核酸系とに分かれているがそれはまあどうでもいいか。

一般人には物質名が書かれていても何のことかちんぷんかんぷんだから
ひとくくりにして「調味料(アミノ酸等)」で表記してOKなのだった。

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フレンチのシェフ直伝レシピをアレンジして完成したという絶品ポテサラ。
作者は料理研究家のステキなおばさま。ポテサラっておいしいの作るの
すごーく難しいんだよね。これ食べるとつくづく思います。



このアミノ酸の原料はでんぷんのことが多く、
原料作物には遺伝子組み換えトウモロコシが使われている。

『いでんしくみかえさくもつのないせいかつ』でGM原料を調べた際
ほとんどのメーカーのお客様相談室のおねえさんに
「アミノ酸は遺伝子組み換え不分別のトウモロコシが原料です」と言われた。

食品添加物の原料にGM作物が使われているものは意外と多いのだった。

その調味料(アミノ酸等)は加工食品には必ず入っているが、
ここ数年で、さらによく見かけるようになったのが「たんぱく加水分解物」である。

たんぱく加水分解物は食品添加物ではなく食品に分類されているが、
生成する過程で生まれる「クロロプロパノール」という物質が
「人に対して発がん性があるかもしれないランク」に評価されている。

食品中に含まれるクロロプロパノール類
http://www.maff.go.jp/j/syouan/seisaku/c_propanol/food.html
(農水省WEBサイト「食品中のクロロプロパノールに関する情報」より)
http://www.maff.go.jp/j/syouan/seisaku/c_propanol/index.html

んー。調味料(アミノ酸等)よりもたんぱく加水分解物の方が
なんとなく剣呑な物質のような気がするがどうなってるのだろう。
素朴な疑問がわくわたくし。

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鯖の船場汁(だしは昆布)。「うまみ」=アミノ酸だから、おいしいだしは
からだにしみじみとしみ込む気がしてとてもしあわせになれるんだけど、
かつおほんだしだとなんかあまりしあわせになれないのはなぜ。



ちなみに、某D社の加工品には調味料(アミノ酸等)はもちろん、
たんぱく加水分解物も使ってはいけないのだった。

そうなるとうまみ原料は天然の物質、つまりかつお節とかで味を決めるから
時間もお金もたいへんかかって最終製品が割高になる。

割高な分べらぼうにおいしいかというとそんなことはなくて
なんとなーくうすらぼやけたパンチの効いてない味になることが多く、
価格と味を比較して「買わなくていいか!」なんて思われちゃって
すごーくがんばって商品開発してもちょっと残念な感じのものが多いのだった。

最大公約数的な味、みんなが大好きな味、いつもと変わらない味を
天然の物質で出すのはとても難しい。

ご家庭ではOKでも売り物にはならないのだ。

これら化学的に生成されている「うまみ」関連の物質は
なんとなく良くないと思っている人はとてもたくさんいるんだが、
実は入ってないと物足りないと思ってしまうのだった。

とくにこのパンチのあるうまさは子どもには刺激が非常に強いらしく、
一度食べさせると取り憑かれたように食べると友人が嘆いていた。

砂糖と脂肪同様「クッキリしたうまみ」にも常習性があるのかもしれない。

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娘のころは酢の物を作るのが苦手だったんだが、ある日
「いい酢、おいしい酢を使えばOK!」なことを学習したです。
基礎的な調味料にいいものを使えばどんなものでもそこそこおいしくなるです。



「発がん性の疑い」というほんのりとした危険度よりも
実はこの「取り憑かれ度」の方が危険かもしれない。
市販の加工品は基本的にパンチのある濃い味で作られている。
この味になれると薄味のしみじみした味わいがわからなくなる。

結果として、塩分&糖分取り過ぎ→肥満→メタボ→糖尿・高血圧、
成人病まっしぐら!!ってな可能性がある。

ううう、これ、おじさんたちにもお子ちゃまたちにも危険じゃないですか?

とは言え、今や日本人はとても忙しく、一からだしを取るなんて
とてもやってられないという人の方が多いだろうから、
うまみ関連の調味料が無くなることはないだろう(断言)。

世界に冠たる日本の伝統「UMAMI」がそのうち
化学合成されたものばかりになる、なんてことにならないよう
祈るばかりである。

※2月、某D社のイベントで「だし」について講演する予定です。
当日は料理研究家のステキなおばさまがおいしいだしを取って
お雑煮を作ってくださるのです。ご興味ある方はぜひ。


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No title

こんばんわ~&メリークリスマス!

今年も、例の鹿肉でオリジナルレシピを作りました。
鹿は、焼くと淡白で、ややパサ付くので
ベーコンを巻いて焼く、トルネードステーキがいいなと思い
それなら…と、鹿肉自体も巻いてみました。

美味しくて、見た目も「派手」ですから、
クリスマス、お正月、誕生日などのパーティー料理に最適です。
なんなら、あの鹿肉屋さんにレシピ提供しますので
必要なら、詳しいレシピを書くよ…と、機会があればお伝えください。

さて、鳥取にも、国産大豆と小麦、塩だけで作った
旨い醤油があったと思いましたが、ご存知ありませんか?
以前、僕の会社に鳥取出身の子がいて、貰った覚えがあります。

それから、関西…和歌山とか、赤穂、竜野辺りにも、
地元中心の美味しい醤油はあれこれあります。

「蕎麦打ち」などという厄介な趣味の為、返しを作る必要性から
醤油と出汁には、ちょいと「うるさく」なりましたが
醸造用アルコールとか、科学調味料の入った醤油や
訳bの解からない「妙な加工」をしている醤油は
煮返すと、いっぺんに素性がばれて、恐ろしくマズイモノですね(笑)

煮返しても、味の崩れない醤油は、
「生」でも本当に美味しいものだと思っています。

また、僕らは、蕎麦汁用に「パンチの効いた出汁」を取る必要がありますが
化学調味料などという「野暮なモノ」は使いません。

良い出汁=かつお節…という訳ではなく
荒節、相田節、鯖節なんてのを、荒削りで入れて
1~2時間ほど煮出して、臭み尾をに切って飛ばします。
(プロの言う、カツオの出汁をサッと…なんで、表向きの大ウソです)

お客さんの眼の前で、かつお節をどっさり入れて出汁を取るお店。
あれ、かつお節でなくて、相田節などのミックスです。

また、関西の醤油は「昆布出汁」に合うように作られていますから
かつお出汁(魚出汁)中心の関東の人には美味しくないかも?

それから、いりこ出汁、あご出汁、いしる、しょっつる、などなど、
日本の出汁も一様ではありません。

書かれている事は、確かに「正論」ではありますし
化学物質を使い放題の市販品にも大いに問題なんですが

化学調味料に十二分に対抗できる「パンチの利いた出汁」は
食事療法の僕でも、作れますから
批判だけではなく、どうしたら美味しくっ作れるか?など
そうした知恵の入手とノウハウの提供も、
それなりに重要ではないかと思います。

また、ややこしい事言って、ごめんなさい。

Re: No title

癌ダムさん、こんにちはー。

>
> 今年も、例の鹿肉でオリジナルレシピを作りました。
> 鹿は、焼くと淡白で、ややパサ付くので
> ベーコンを巻いて焼く、トルネードステーキがいいなと思い
> それなら…と、鹿肉自体も巻いてみました。


ブログ拝見しましたよー。
ウマそうです。
知床ジャニーさんに伝えときます。

というより、わたしも理事になっている「全日本ジビエ協会」の
レシピ紹介コーナーに載っけさせて頂いていいでしょうか?
現在WEBサイト作成中です。
ご検討くださいませ。

>
> さて、鳥取にも、国産大豆と小麦、塩だけで作った
> 旨い醤油があったと思いましたが、ご存知ありませんか?
> 以前、僕の会社に鳥取出身の子がいて、貰った覚えがあります。


ありますよー、おいしい醤油。
でも刺し身には刺し身醤油が一般的なのです。
九州などでも同じですが、醤油が3種類あるんですよね。
広島もそうですよね。

濃い口、薄口、刺身醤油。
刺身醤油は関東で言うところの「再仕込み醤油」だと思うのですが、
どういうわけだか糖類とかアミノ酸添加のものが多いのです。

再仕込み醤油は醤油で仕込む醤油のことですが、
松本にあるお醤油屋さんの「甘露醤油」がとてもおいしいです。

ここのメーカーの「紫大尽」という薄口醤油は
煮物の味が変わるほどおいしいのですが、
小売店をものすごく選ぶのでほとんど売られていなくて、
直接注文しないとゲットできません。

甘露醤油は成城の成城石井で売ってるけど、
720mlで1,500円します。

いいお醤油を使うだけで料理の味が変わりますもんね。

刺身醤油は濃い口よりもさらに濃いけど
最仕込みなんかにすると通常の醤油の2倍しちゃうから、
添加物が多めなのかもしれませんねえ。


> 書かれている事は、確かに「正論」ではありますし
> 化学物質を使い放題の市販品にも大いに問題なんですが
>
> 化学調味料に十二分に対抗できる「パンチの利いた出汁」は
> 食事療法の僕でも、作れますから
> 批判だけではなく、どうしたら美味しくっ作れるか?など
> そうした知恵の入手とノウハウの提供も、
> それなりに重要ではないかと思います。


わたしは料理家ではないので、おいしい出汁の作り方等は
他のお料理の得意なブロガーの方におまかせしたいと思っております。

ってことで、癌ダムさん、いつかやってください(笑

市販の加工品に食品添加物がてんこ盛りなのは
安価で作る必要があるからで、加工品を買う限り、
化学調味料を始めとする食品添加物は食べ放題なのですが、
「毒性」のみに焦点を当てると、化学調味料よりも
たんぱく加水分解物の方が安全性に「?」がつくんですよね。

ってことを今回再認識しました。
だし、うまみ調味料は意外と難しいテーマでした。

削り粉が便利です

人間が口にするものって、なんでも精製されすぎて純度が高くなると身体にはよくないような気がしますね。

自分は削り粉と切り出し昆布をよく使いますよ。ダシというか、そのまま食べちゃいますけど。
特に削り粉は安いし、魚の配合によって味が違ってくるので、使い分けもいいです。

ところで、日本産かつお節をEUが輸入禁止にしている件のニュースが先日もありましたが、
これについてはどのような見解をお持ちでしょうか。
いぶし工程で発生するタールや焦げの部分に発がん性物質「ベンゾピレン」が含まれ、
これがEUの基準を超えるからということと、カビ毒への懸念があるからという指摘もあるようで。
(日本政府がやる気なしというのもあって、日本産以外で基準をクリアしたものが入ってはいるとか)

そもそも、癌になるのはそんなに悪いことなのか、という視点もありますが、
(高齢になってから癌で死ぬのは認知症になって長生きするよりずっと幸せかと)
ベンゾピレン自体は強い発癌性があるようですね。

Re: 削り粉が便利です

H2さん、こんにちは。

> 人間が口にするものって、なんでも精製されすぎて純度が高くなると身体にはよくないような気がしますね。

そうですよねー。そんな気がします。

>
> ところで、日本産かつお節をEUが輸入禁止にしている件のニュースが先日もありましたが、
> これについてはどのような見解をお持ちでしょうか。


日本人が長年食べてきてとくに問題ないものなので、
あまり考えたことありませんでした。
ヨーロッパの人は無理して食べなくていいかもしれません。

先日昆布で中毒症状起こした人がいましたよね。
スウエーデンの人だったかな?

昆布に含まれるヨウ素を分解する酵素を持っていないとかで、
日本人があたりまえに食べられるものを欧米の人は食べられないようです。


> ベンゾピレン自体は強い発癌性があるようですね。

自然界で強い発がん性を持つ物質っていくつもあって、
焦げの部分を食べないようにという指導は厚労省の何かで見たことあります。

あとピーナツ・ピスタチオにくっついてるアフラトキシンとか
小麦の赤かび病とかいろいろ怖いものありますが、
基準値が決まってて指導されてたりしますよね。

カビ毒については怖いけど市場には出回っていないはず、という
楽観的な気持ちでいます。

かつお節

>ヨーロッパの人は無理して食べなくていいかもしれません。

今ヨーロッパでは和食が人気らしいですよ。
でもかつお節が手に入りにくくて(少ないし高くて)、化学調味料を使っていると。
ほんたべさんの論だと、日本人はバターじゃなくてもマーガリンでいいよね、ってことに。

>昆布に含まれるヨウ素を分解する酵素を持っていないとかで、

人種だったり個人だったりで、分解酵素を持たないというのもいろいろありますね。
牛乳やアルコールが有名ですけど、まだ明らかになってないものも結構ありそうな気がします。

>カビ毒については怖いけど市場には出回っていないはず、という
>楽観的な気持ちでいます。

小麦・ライ麦とかの麦角菌、現在は技術の進歩で製粉段階で除去できるそうですが、
どの程度小さい機械まで対応できるのかがよく分からず、
また農家直販では粒のまま売られることもあるので怖い気もしますけど、どうですかね。
プロフィール

ほんたべ

Author:ほんたべ
手島奈緒
おいしい食べものをつくる人を紹介したり応援したりしております。ブログをまとめた著書『いでんしくみかえさくもつのないせいかつ』(雷鳥社)『まだまだあった! 知らずに食べてる体を壊す食品』(アスコム)『儲かる「西出式」農法』(さくら舎)など。現在ハンター修行中。

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