JA全中(全国農業協同組合中央会)改革について農家に聞いてみた

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昨日農水省で行われた「有機農業全国推進会議」に参加してみた。
2006年12月「有機農業推進法」施行され、補助金もたくさん出たし、
有機農業の推進は何かすんばらしく変わったのだろうと思っていたが、
2006年当時より有機JAS認定割合が0.05%上がった。だけ? まさか。



「全国約700の地域農協の競争と創意工夫を促す政府の農協改革は、
全国農業協同組合中央会(JA全中)の制度を廃止することで決着する見通しとなった。
地域農協を束ねるJA全中の監査・指導権をなくし、一般社団法人に転換する。
1954年に始まった中央会制度をほぼ60年ぶりに見直し、
地域農協の自立につなげる。JA全中は受け入れる方向だ。」

http://www.nikkei.com/article/DGXLASFS06H79_W5A200C1MM8000/
(日本経済新聞電子版2月7日)

で? JA全中って何してるところ? 

これが一般人の認識であろう。
何がどう変わるのか、わたくしにはピンと来ないしわからない。
ということで、知り合いの農家の人々に聞いてみた。


北海道 有機農家

「全中を改革して何が起きるかって言えば、そりゃ小規模農家つぶしでしょう。
なんだかんだ言って地域農協に依存している農家はすごく多いの。
自分で売り先見つけてる人、大規模な農家は関係ないかもしれないけど、
今の日本の農業は小さな農家が支えてるって言ってもいい。
大規模農家がたくさんあるように言われてるけどね。

上納金が無くなったからって言っても農家からの手数料が無くなるわけじゃないし、
それをどのように使うのかが問われることになると思うよ。
でもうまく使えるのかどうか。きちんとお金を生み出せるかどうか。

地域農協が立ち行かなくなれば小さな農家も厳しくなる。
改革という名前だけど実際は日本の農業を駄目にすることになると思うよ」


新潟県 コメ農家

「地元ではほとんど関心がないように感じます。
そこが変わっても肝心な地元の農協の意識が変化しなければ、
実質的な末端の農家には影響がないですよね。

上納金がなくなる分、資金についてはある程度余裕が出てくるのかもしれませんが、
それをどこに、どのようにこれから有効に使っていくのか?
農家は結構見てますよ、たぶん。
資材、農薬、肥料、農機具、農機具修理に関しては、
一般民間企業と比べるとかなり劣る印象です。
金融、保険など利用価値がある部門もあります。

なんだかんだで、一部ないし全量農協を利用している人は
かなりの農家数いると思いますので、がんばってもらいたいですね。
ウチはコメの出荷に関しては全く利用していませんが、
これから次第で利用できるところは利用しようかと思っています。
これから次第ですけどね」


秋田県 コメ農家

「全中はJAの指導監督が主体なので、農産物販売の全農と、
元の個々の農協(単協)とは関係ないんですよね。
だから、安倍さんが叫ぶ「強い農業を作る」ことと
「農協改革(と言いつつJA全中改革だけ)」と言うのが、
まったく関係ないだろ、っていうのが、そもそも農家最大の疑問として
最近はあるんじゃないかと。

有機農家という観点だと、昔こそJAと色々ともめてた人もいるだろうけど、
今となってはいい感じにすみ分けて、なんなら資材は地元JAから購入
(有機資材以外の道具とか)と言う人もいるんじゃないかと思います。
生活面でもAコープ(スーパー)やスタンドなど、葬祭事業でお世話になったり。

と言うことで、全中は遠い存在で無関係だけど、
地元JAとはお付き合いをしている中でのその上部組織の全中叩きなので、
嫌がってる人もいるのかな。

有機農家は大規模・大農業法人化でもないので、一部では、
JAと農業法人が競合したり意見対立したりするような場面でも、
JAと利害が対立しないから、JA改革にはあまり興味がない、
むしろ現状維持を望む、ということだと思います」


茨城県 有機農家

「正直、どうなるのかわかりません。郵政と同じような感じなのでしょうか。
ウチの地域の農協の感じで言えば、有機に積極的に取り組んだ
進んだ農協というイメージですが、それは極少数の実行力のある職員が
売り先である生協と手を組んでやれることをどんどんと進めていったからこそ
今があるのであって、組織が柔軟であったわけではありません。

今も有機がメジャーなわけでもありません。
組織は今も昔ながらの感じで、有能な農協職員は定年まで全うすることなく
独立して農業法人などを立ち上げたりしています。

農協の看板は営農課ですが、お金はほとんど生み出しません。
1億売り上げてもせいぜい3%の手数料しか入らず一人の職員の給料さえ出るのか。
稼ぎの大半は金融保険で、ここに外部監査が入れば影響は大きいでしょうね。
今の保険契約などは足しげく農家を回ってるから維持できてるのもあるので、
この部分は改革になったからと言って変わらないと思われます。
というか稼ぎ頭にはかえって手をつけないでしょう。

変わるとしたら金にならない営農指導の部分。
当然、儲かる農業へとシフトしていくでしょう。
しかし、そこで零細農家が切り捨てられるというイメージはなく、
実際零細農家はもうホームセンターなどで資材を買ってるし、
直売所でモノを売ったりしてるので現実は大きな変化はないかも。

農協改革といっても郵政と同じで農協が握ってる金のとりあいの話だろうから
直接的には組合員には影響ないと思うけど、
営農の現場で選択肢が狭くなってゆくのは間違いないだろうから
それはマイナスですね。いいアイディアをもつ職員が活かせないという意味で。
まとまんないけどそんな感じです」


北海道 穀物農家

「単協の力が問われるだろうなと感じてます。
農協から抜けるのでは無く、農協の機能や規模を
うまく利用して行けば良いかな? と感じてます。
一組合員の息子としては、全中や中央会の存在も、
手数料だけ巻き上げる組織としか認識してませんので。

ホクレンが有るから、肥料を安定的に使えるのはありがたいですが、
肥料も直輸入して使う様になりつつ有るので、
商社が生き残っていっちゃう気がしないでも・・・・。
JA改革反対を騒いでるのは、JA関連組織の上部だけって思ってます。
改革案も出せない肩書付いただけの農家のおっさんですからね。
すぐに雰囲気に流されるんでしょう。
僕はかなり無関心な部類なのでこんな感じです」


さて、どうでしょうか。ますますわからない感じです。

基本的に個人農家の受け止めは「農家には関係ない」だが、
わたくしの知り合いの人々は地元JAには出荷をしていない人が多いため、
聞き取った農家の偏りはあるかもしれない。依存度の違いとかありそうだ。

「小規模農家つぶし」と言っている人は数人いたのだが
彼らは長年農政に関わってきて、有機農業運動もしてきた人々である。
JA全中改革という事象から今後を推測してそのように言われているのだろうが、
それと全中改革の内容とが、わたくしのなかでうまくつながらない。

んー。どういうことなのだろう。混乱するわたくし。
ってことで自民党の議員さんに話を聞きに行ってみましたよ。

ってことで、それは次回また。


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手島奈緒
おいしい食べものをつくる人を紹介したり応援したりしております。ブログをまとめた著書『いでんしくみかえさくもつのないせいかつ』(雷鳥社)『まだまだあった! 知らずに食べてる体を壊す食品』(アスコム)『儲かる「西出式」農法』(さくら舎)など。現在ハンター修行中。

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