JA全中(全国農業協同組合中央会)改革について議員さんに聞いてみた

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鈴木憲和さん。2005年農林水産省入省。2012年農林水産省を退職後、
第46回衆議院議員総選挙で山形2区に自民党から出馬し当選。
2014年12月、第47回衆議院議員総選挙で山形2区で再選。
農水省時代に一度お会いしたツテでお話を聞かせてもらいました。



「全国約700の地域農協の競争と創意工夫を促す政府の農協改革は、
全国農業協同組合中央会(JA全中)の制度を廃止することで決着する見通しとなった。
地域農協を束ねるJA全中の監査・指導権をなくし、一般社団法人に転換する。
1954年に始まった中央会制度をほぼ60年ぶりに見直し、
地域農協の自立につなげる。JA全中は受け入れる方向だ。」
http://www.nikkei.com/article/DGXLASFS06H79_W5A200C1MM8000/
(日本経済新聞電子版2月7日)

もう一度。で? 

前回農家の方々に聞いてみたがいまいちわからないので、
衆議院議員の鈴木憲和さんに聞いてみた。
なにぶんよくわかっていないので、質問が稚拙なことをお許しください。

-JA全中改革で農家にはどのような影響がありますか?
 小規模農家つぶしという声も聞かれますが。

「農家には直接の影響はほとんどありません。
小規模農家つぶしという話は、改革案が出た際にメディアが
“農協つぶし”とセンセーショナルに報じた影響だと思います。
ものすごく簡単に言うと、今回の改革は今まで中央会が行っていた
“会計監査”と“業務監査”をやめますよ、
それには農協法を変えなくてはならないので、法律も変えますよ。
そして全中は一般社団法人になりますよ、という話です。」

-会計監査のほかに業務監査も行っていたのですね。
それは具体的にはどういったものですか?
聞いた感じでは、上からの縛りというか重石がなくなりそうです。
地域農協はのびのびできてかえっていいような気がしますが。

「実際には縛りなんてのはそんなにないんですよ。
例えば会計については、従来、公認会計士ではなく
中央会から人を派遣して監査してそれで良しとしていました。
それを今後は公認会計士に監査してもらってくださいねってことです。
内部監査だからズルしたりなんてことはないのですが、
透明性を確保しましょうってことです。

業務監査は“こういう具合にやったらどうですか”というアドバイスのようなもので
ああしろこうしろと指示や命令をされるわけじゃありませんから、
別に重石でも縛りでもなんでもないと思います。
すでに地域農協の中には独自にいろいろやってるところがありますよね。
中央会が何か命令してさせているという図式ではないんです。

市町村合併と同様、小さなJAが合併をしてきた結果、
従業員数が数百人規模というかなり大きい農協もあるんですが、
例えばそれが数百人規模の企業だと考えてみてください。
業務のアドバイスを別の組織から受けたり、
公認会計士を使わないなんてのは、なんか変な話じゃないですかねえ。
だから自分たちでやりましょうって話なんですよ」

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何が変わるのか質問されることが多いのかなーと思ったです。
何が変わるのかわかりやすく書いた図をいただきました。



-そうなると何が変わりますか?
地域農協が立ちいかなくなると農家もつぶれると不安がっている人もいます。

「先日視察に行ったんですが、熊本県のあるJAでは
農産加工品を作る工場を作って、柑橘類のゼリーを作っています。
このJAはセブン-イレブンも自分たちで経営しています。
JAが六次化産業を推進しているといういい事例だと思います。

加工場を作ると一年中工場を稼働させないと儲かりませんよね。
個人でやるのはすごく大変な話ですが、JAならどうでしょう。
柑橘がなくなる季節に全く稼働しないのでは意味がありませんが、
このJAでは東根のJAと提携し、名産のさくらんぼをゼリーに加工しています
一年中何かしら作ることになれば、地域に雇用が発生しますよね。

また、セブン-イレブンも経営してますからゼリーも売れます。
セブン-イレブンに営業もしているみたいですよ。こういった例のように、
地域の農業を活性化して雇用を発生させられるような事業を
今後はやってくださいね、というのが今回の改革の主な部分なんです」

-そういうことができるJAとできないJAがあるように思います。

「それはもうがんばってもらうしかありませんよね。
僕の選挙区は山形県ですが、資源はものすごくたくさんあります。
果物や温泉、おコメ、山菜とか。首都圏にはないものです。
どんな地域にも同様にたくさんの資源があります。
その資源をうまく活用して仕事を作れば、農業だけではなくて
地域もを活性化します。そういう役割を農協に担ってもらいたいんです

現在、JAでお金を生み出す仕事は金融ですから、金融に力を入れがちです。
融資でも預金の獲得でもお金が生まれますからね。そのぶん他のところが薄くなる。
だから例えば、首都圏に自分たちの作物の営業に行くとか、販売のプロになるとか、
金融以外のいろんな取り組みができるはずだしやってもらいたい。
少なくとも一般の企業ではそういう努力をしているのですから。

また、農業資材についても今やホームセンターのほうが安いものもあり、
競争力がないとも言われますが、そういうこともちゃんとしましょうと。
農家に選ばれる農協になってくださいということです。

とこあれ、まず法律を改正して、その後5年間ほど様子を見ながら
いろいろな改革を行っていくことになっています。
改革と言ってもすぐに変わるわけじゃありません。
地域農協は、これからとても重大な役割を担うことになります。
厳しいとは思いますが、がんばってもらいたいですよね」

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30分って約束だったのに、45分くらい質問に答えてくださいました。
話したのは今までたった2回だけといううすーい縁なのに、
時間を取っていただいてすんません。
お忙しいなかありがとうございました。ペコリ



なるほど。なんとなくわかりました。

農協でどのような人が働いているのかわたくしは知らないが、
新しい仕事を生み出すのはとても大変なことだろうとは思う。

わたくしは日本一儲かっていると評判だった地域活性のNPO法人で
10ヶ月ほど働いたことがある。当時、代表の曽根原久司さんがよく言っていた。
「地方にはモノはあるが、カネとヒト、情報がないんだよね」。
お金は補助金を取れば生まれるが、情報と人は如何ともしがたい。

あまりある資源に気づいていない場合も多い。
だからまず、地域活性を行う際には資源の洗い出しを行い、
自分たちの地域を全く違う視点で見て、資源となり得るものを見つける。
その資源にどのような価値を与え、ブランド化するのか。
そういう仕事はできる人とできない人がいる。

地方からわざわざ曽根原さんの話を聞きに来た人に上記の説明を何度かしたが、
「どうやったらいいんでしょうかねえ」とよく質問された。

当時「どうやったら」を考えるのがあなたたちの仕事でしょと考えていたが、
「地元のイオンモールがその町で一番オシャレって人がすごく多いの。
びっくりするよね。でも、ほんとにそう言う人が多いのよ」と先日ある人に聞き、
わからなくてもしょうがないのかもと思った。

街を歩くだけで良くも悪くも刺激がどんどん入ってくる東京と地方は違う。
でも東京の真似をするのではなく、資源は活かせるはずだ。
スタバがないことを逆手に取って知事の自慢、「すなばカフェ」を作った鳥取県のように
自虐ネタで売り出すことだって可能だ。いや、スタバ、できるんですけどね。

販売のプロになったりブランディングを画策したりするのは、
かなりお勉強しないと難しいが、日本の農業のために頑張って欲しいなあ。
だって資源はたくさんあるんだから。しかも取り扱うのは食べものだ。
付加価値なんてつけ放題だと思うけどなあ。

集荷場にモノを運べばまとめて送れる物流網とかもすばらしい資源なのだ。
それだけでもすげー価値があると思うんだが、違うだろうか。


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ほんたべ

Author:ほんたべ
手島奈緒
おいしい食べものをつくる人を紹介したり応援したりしております。ブログをまとめた著書『いでんしくみかえさくもつのないせいかつ』(雷鳥社)『まだまだあった! 知らずに食べてる体を壊す食品』(アスコム)『儲かる「西出式」農法』(さくら舎)など。現在ハンター修行中。

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