機能性食品表示で何が変わるんだろうという疑問

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以前やってみた遺伝子検査の会社からいろいろ情報提供があり、
「認知症予防には」「がんには」的な海外の研究論文が大量に配信されるが、
例えばコーヒーでも研究者によって予防になったり促進になったりするわけで、
そういうテキトーな感じでも機能性表示のエビデンスになるのかしら。



食品表示法が新しくなり4月に施行されたです。
新聞やニュースで一部分がけっこう報じられております。

その「一部分」とは「機能性表示」のことだが、
これはかなりでかい話で食品メーカー大喜び案件のせいか、
その他の変更部分はあまり話題にされていない。

今回の食品表示基準の変更部分は以下のようなものだ。

1.加工食品と生鮮食品の区分の統一
2.製造者固有記号の使用に係わるルールの改善
3.アレルギー表示に係わるルールの改善
4.栄養表示の義務化
5.栄養強調表示に係わるルールの改善
6.原材料名表示等に係わるルールの改善
7.販売の用に供する添加物の表示に係わるルールの改善
8.現行の表示基準に係わる通知等を一部基準に規定する
9.表示レイアウトの改善

経過措置期間は加工食品及び添加物の全ての表示について5年、
生鮮食品の表示については1年6ヶ月である。
また従業員20名以下の中小企業、消費税を納める義務が免除される事業者
については、当面の間は表示の省略が認められるようだ。

わたくしたちに大いに関係あるのは、2から4まで。
製造者固有記号の変更や栄養表示の義務化って
食品製造業者にとってはけっこう大きな変更で「わあたいへん!」だけど
消費者にとっては単純にかなりのメリットだよね、とくに栄養表示。

その他の変更はとくになく現行の表示からの後退はなかった。
なんてこともあり話題性がないらしく、表示の変更部分については
メディアではチラッと伝えられた程度であった。

だってもっとすごい新しい制度がデビューしたんだもん。
なんと食べもの(生鮮品含む)に「機能性」を表示することができるのだ!
すごいじゃないか!

しかも審査無し・届け出制という見方によればザル的な制度で、
メディアで話題になってるのはこっちだ。なるだろう、そりゃ。

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生鮮品に表示可能ってことは、赤身の肉なんかにも
エビデンスさえあれば表示できると言うことである。
Lカルニチンが豊富で体脂肪にどうとか! みたいな表示が
短角牛にできるといいのになーっつか研究論文がないか。



今までこういう機能的なものを表示できるしくみは
めんどうな特定保健食品(トクホ)と栄養機能食品の2種類しかなかったのに
届け出るだけ的なザルな制度ができたらメーカーさん大喜びである。

トクホは国にがっつり審査され認可されるまでに時間もかかり、
さらに金も大変かかるという(だからこそバリューがあるんだが)、
非常に取りにくい(だからこそ。。以下同文)ものである。

栄養機能食品は12種類のビタミンと5種類のミネラルについて
栄養表示基準に基づいて機能性を表示することができる。
具体的には以下のようなものだ。

特定保健用食品(トクホ)
健康の維持増進に役立つことが科学的根拠に基づいて認められ、
「コレステロールの吸収を抑える」などの表示が許可されている食品です。
表示されている効果や安全性については国が審査を行い、
食品ごとに消費者庁長官が許可しています。

栄養機能食品
一日に必要な栄養成分(ビタミン、ミネラルなど)が不足しがちな場合、
その補給・補完のために利用できる食品です。すでに科学的根拠が
確認された栄養成分を一定の基準量含む食品であれば、
特に届出などをしなくても、国が定めた表現によって
機能性を表示することができます。』
(以上消費者庁のWEBサイトより抜粋
http://www.caa.go.jp/foods/pdf/150402_1.pdf

このふたつに今回の「機能性表示」が加わることになった。
ちなみにこの場合の機能とは体調調節機能(3次機能)のことを指す。

機能性表示食品
事業者の責任において、科学的根拠に基づいた機能性を表示した食品です。
販売前に安全性及び機能性の根拠に関する情報などが
消費者庁長官へ届け出られたものです。ただし、特定保健用食品とは異なり、
消費者庁長官の個別の許可を受けたものではありません。』
(以上消費者庁のWEBサイトより抜粋)

国じゃなくてメーカーの責任だからねとしつこく言ってるのが
なんとなく「責任とらんもんね」という姿勢を感じてほほえましい。

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チョコレートにも「ポリフェノールがどうとか!」的な
機能が表示できるんじゃないのかなー。研究論文があるかどうか
不明だけど、きっとあるに違いない。あ、機能性表示は
アルコールは対象になっていないようです。だからワインはダメ。



機能性が表示できるとは言っても「糖尿病が治ります」なんてのはダメで
「肝臓の機能を保つ」とか「骨の健康を保つ」とか大変あいまいで
うれしくもないし、そんなにアピール力はないのではと思うがどうだろう。

この制度は、規制緩和・市場の活性化の一環としてできた新しいもので
サプリ天国・米国のDS制度に似ており、問題を指摘されている。
消費者庁ではそのDS制度の問題点を踏まえ、
科学的根拠のレベル設定や消費者に対する情報公開を義務づけている。

審査はないと言いながら「事後審査はしますよ」的な雰囲気もあり、
事後審査で「これダメだよね」という商品は市場から回収なんてことも
可能性としては否定しませんと消費者庁の人が言っていた。

ひえー。回収おおごと。ダメージでかすぎるー。

表示された食品が販売されるのは来月くらいかららしい。
すでに届け出されたものは複数あり、消費者庁のサイトにUPされていた。
http://www.caa.go.jp/foods/todoke_1-100.html

上からふたつめの「食事の生茶」の内容を見てみたら、
「難消化性デキストリン」を添加した(だけの)お茶で
「おなかの調子を整える」とかの機能が表示されている。

えーと。そんだけ?

難消化性デキストリンっていろいろなものに添加されてるから、
それらの商品は全て「おなかの調子を整える」んじゃないのかという
素朴な疑問が頭の中をぐるぐる回るわたくし。

こういうのってネット民から科学的根拠となる論文へのツッコミ等が大量に発生し
ツイートされまくって企業大変みたいな事件が起きそうだがどうだろうか。

メディアでは「機能性表示に惑わされずに正しい判断を」とか言っているが、
猫も杓子も機能性を表示し始めたらメリットはなくなると思うし、
生鮮品に機能を表示するとニュースに出てた三ヶ日のみかんとか、
「んじゃみかん全部そうなんじゃん?」と思われたらどうするのか。

ということで、機能性の表示は果たして購入を促進するのか、
市場を活性化するのか、生鮮品に表示されるのは何か、
それはどんな機能が表示されるのか、エビデンスはどんなものか。

これからすげー楽しみなわたくしである。


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No title

こんにちは。

広告制作会社という仕事柄、いろんな仕事依頼がありまして
アトピーに効くとか、がん予防になるとか
効果の良く解からない健康食品などを扱ったことがあります。

大抵は「何とか博士の本」などが効果の証しとして
通販の「おまけ」でついてきたりするのですが
薬事法はクリアできないので「健康食品」扱いです。

プロポリスだったり、ポリフェノールだったり
何かの葉っぱとか、何とかエキスとか、酵素とか・・・
まぁ、これからはどんなのが流行るのか知りませんが

そういうのが、形を変えて、堂々と
店頭に並ぶのが目に見えるようですが
いずれにせよ
「これさえ摂れば病気にならない」なんて虫のいい話など
あるはずもないので

そういう「安易な姿勢」こそ「万病の素」なんだと
僕なんかは思う訳ですね。

まぁ、がん患者ですから大きなことは言えませんが(苦笑)

Re: No title

癌ダムさん、こんにちは。
>
> 広告制作会社という仕事柄、いろんな仕事依頼がありまして
> アトピーに効くとか、がん予防になるとか
> 効果の良く解からない健康食品などを扱ったことがあります。
>
> 大抵は「何とか博士の本」などが効果の証しとして
> 通販の「おまけ」でついてきたりするのですが
> 薬事法はクリアできないので「健康食品」扱いです。

薬事法・景品表示法などでばっちり固められてますから、
法律に触れない程度でアピールできる言葉を探すのがうまくなりますよね。

そういう意味では自分もずるいものの言い方を学習しています(^_^)


> そういうのが、形を変えて、堂々と
> 店頭に並ぶのが目に見えるようですが
> いずれにせよ
> 「これさえ摂れば病気にならない」なんて虫のいい話など
> あるはずもないので
>

その通りですが、コンビニの棚でなんとなく
黒烏龍茶とかヘルシア緑茶を選択してしまう人はいるわけで。

機能性表示というのはそこの層をばっちり狙ってるんだと思います。

少し考えたら「えーと」と思うはずなのですが、
思わない人の方が多いのかもしれません。
プロフィール

ほんたべ

Author:ほんたべ
手島奈緒
おいしい食べものをつくる人を紹介したり応援したりしております。ブログをまとめた著書『いでんしくみかえさくもつのないせいかつ』(雷鳥社)『まだまだあった! 知らずに食べてる体を壊す食品』(アスコム)『儲かる「西出式」農法』(さくら舎)など。現在ハンター修行中。

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