「エシカル」でいいんじゃないの?「オーガニック」

gazou 025
うちにあるエシカル的なものの写真を探したけど無かったので、
イメージ写真ってことで載せてみました。本文とは全く関係ありません。ペコリ



わたくしが「エシカル」と言う言葉を初めて聞いたのは2010年のことである。

【エシカル】
エシカル(ethical)とは、「倫理的」「道徳上」という意味の形容詞である。
近年は、英語圏を中心に倫理的活動を「エシカル(ethical)○○○○」と表現し、
エシカル「倫理的=環境保全や社会貢献」という意味合いが強くなっている[1]。
身近な倫理的活動としては、主にエシカルコンシューマリズムが挙げられる。
(ウィキペディア・エシカルより)

最初聞いたとき、ロハスのようなよくわからない言葉かしらんと思ったが、
現在でもエシカルという言葉はまだイキが良く、古臭くもなっていない。

昨今ロハスとか言った日にゃ「あんた何言ってんの?」的な
80年代に流行ったビッグウエーブ的前髪をした人を見るような目で
見つめられそうだが、エシカルはまだ「よくわかんなーい」って人も多いから、
今後数年はイケそうである。どころか普遍性を獲得するかもしれない。

某D社時代、農家のおっちゃんたちと飲んだくれてたおかげで
血液に土が混じっているわたくしは、こういう横文字にめっぽう弱い。
日本語でいいじゃんかよう! というおっさん的感情もあり、
有機農産物のことすら「オーガニック」となかなか言えずにいる(告白)。

有機農業界にもそういう人が多いと思っていたが、
最近ではいまひとつぱっとしない有機農業の理念を理解してもらうためか、
「オーガニック」をすっ飛ばし一足飛びに「アグロエコロジー」と言い始めた。

「有機農業運動」について若い人たちにくどくど説明しても
思想臭いし(思想なんだけど)、押し付けがましいし、やってる人たちの
頭が硬くて硬直化してたりする部分もあるから、なんかめんどくさい。

その点「アグロエコロジー」という新しいよその国の言葉には
運動的手垢がついてなくてしかもシンプルで伝わりやすい。
先人たちがこねくりまわした「こうあるべき論」もついてないから
いいんじゃない? 理解してもらうことが必要だもの。

画像 050
むかーし「オーガニック」を安全性だけで評価すると、
国産ものより海外のオーガニックを購入する人が増えるよねと
元上司が言っていたが、現在その予言通りになっております。



さて、そのアグロエコロジー的な思想で栽培された
有機農産物(オーガニック)は、有機JAS認定を取得しないと
有機農産物として表示して売ってはいけない。

有機JASには細かな決まり事がたくさんある。
肥料や資材についても、製造過程で環境負荷の高い工程を取られているものは
使用できないものがある。製造時に出る排水を海に投棄してたりするとダメとかね。

つまり、有機農産物=環境負荷が低い農産物とも言える。
(C/N比の低い堆肥をドカーンと入れて流亡した硝酸態窒素が
地下水を汚染してたりするから、そのあたり一概には言えなかったりするけど
でもこの細かいところはちょっと棚に上げておきますすんません)

しかし現在、有機農産物(以降オーガニック)にそういった側面があることは
それほど評価されていないのではと最近わたくしは気がついた

オーガニックには「持続可能であること」「客観的な安全性」という
ふたつの面があるが、評価されているのは主に「安全」である。
しかし「安全」という評価がメインになると、
それを選択する人は基本的に「我が身の安全が大事」な人が多くなる。

利己的な理由でオーガニックを選択する人が多いのだ。

我が身が安全であればいいという人は、安全性に執着することが多い。
オーガニックに農薬が使えると聞くと「安全じゃない」と考える。
オーガニックが割高なのは安全性が担保されているからだとも考える。

このような顧客が増えることは、国産オーガニックの推進にはつながらない。
とわたくしは考える。なぜならそういう人は
「安全であるのなら海外のものでもいい」と考えるだろうと思うからだ。

そもそも有機農業は「運動」であり、産消提携などで消費者を巻き込み
単に「作るだけ」「買うだけ」ではなく、持続可能な農業を、
環境負荷のできるだけない農業をともに推進していこうという思想があった。

わたくしの有機農業観はこの「有機農業運動」がベースになっている。
自分の選択が世の中を変えられる、お買いもので世界が変わるという理想は
現在のオーガニックの中には見つけるのは困難だ。

我が身の安全が大事な人に持続可能な農業を守ろうという気持ちはあるだろうか。
利己的な理由でオーガニックを選択する人は、あまりそう思わないのでは。
とわたくしは考える。

農薬出荷量 1

単純に農薬の出荷量を見ただけでも、環境中に放出される
毒物・劇物・普通物(これ農薬に書いてあるのね)量を考えると
使わない選択をする農家は素晴らしいと思うが、そういう評価はあまり与えられず
人はただ「農薬を使わない=安全」とのみ評価するのはなぜ。



「有機=安全じゃない」という不毛な議論が何度も繰り返されるのは
有機を「安全」と言う面でしか評価していない証拠でもある。
安全性以外の部分、環境に対する負荷の削減や
持続可能な農業(経営的な側面も含む)等は顧みられてはいないようだ。

「オーガニック=安全」に執着している限り、大きな広がりは望むべくもない。

オーガニックの評価には、環境に与える影響や農業の持続性、
国内の農業の活性化などの様々な側面がある。そう考えると、
「オーガニックを選択する=倫理的な選択」であるとも言える。

つまりオーガニックは「エシカル」に含まれると言えないだろうか。

自分の選択で世の中が変わると真剣に考える人たちはたくさんいる。
オーガニックが「安全」という評価だけをアピールしている間は、
この「自分は何かの役に立つ」と考えているステキな人たちに訴求できない。

美しい未来をつくるための倫理的選択という評価軸が
今現在オーガニックに求められていることではなかろうか。
そもそもあった評価軸を再度オーガニックに与えるのだ。

オーガニックがエシカルの仲間入りをして、
アグロエコロジーと呼ばれ、イキのいい柔軟な世代に訴求できれば、
オーガニックを選択する理由は「我が身の安全」という利己的な理由から
「環境や農業の持続性を支援する」という利他的な理由に変わるのではないか。

そうなったら素敵だ。
有機農業界の上部にいるおじさまたち、意識を変えてください。


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てじまさん
ブログ、いつも読ませて頂いてます!

今年、神奈川で就農した者です。
有機で栽培してます。
実際販売してみると、今回の記事にあったように有機=安全安心というような認識で消費者に浸透してるというコトがよくわかりました。

買うことっ農地や環境に配慮するという概念を広めたいと思ってます。

エシカル、いいですね!
勉強になりましたm(_ _)m

Re: タイトルなし

おいたてさん、こんにちは。
コメントありがとうございます。

> 今年、神奈川で就農した者です。
> 有機で栽培してます。

おお、神奈川はどちらですか?
がんばってください!


> 実際販売してみると、今回の記事にあったように有機=安全安心というような認識で消費者に浸透してるというコトがよくわかりました。

そうなんですよねー。
そりゃそうだよねって思いますが、有機農業界にいる人間には
安全と持続可能であることはわりと当たり前なので、
そこのみに偏ってるのかも! ってのに気づくのがちょっと遅かったです。

たとえば農薬についても、農薬はまいてる農家が一番危険だし、
そのことによってとりあえずその場にいる生きものにも影響は確実にあります。

しかし生き物や農家のことはとりあえず置いといてってことなのか、
消費者は農薬をかけた作物のことしか評価していないようです。

なぜもう少し総体的に考えられないのかと思っていましたが、
安全性を大きく評価されているのなら、そうなるよねーと気づいたのです。

>
> 買うことっ農地や環境に配慮するという概念を広めたいと思ってます。
>
がんばってください!


> エシカル、いいですね!
> 勉強になりましたm(_ _)m


エシカルは日本ではファッション業界から来た言葉なので、
ファッションに敏感な人たちに訴求しています。

そういう人たちは環境や生態系などにも興味がある人が多く、
そもそもの有機農業の顧客層だった人たちにつながるものがあると考えました。

我が身が安全な人たちに訴求するのはわかりやすくていいのですが、
有機が頭打ちになってるように感じるのは、
この層への訴求は限界があるのだろうと感じます。
プロフィール

ほんたべ

Author:ほんたべ
手島奈緒
おいしい食べものをつくる人を紹介したり応援したりしております。ブログをまとめた著書『いでんしくみかえさくもつのないせいかつ』(雷鳥社)『まだまだあった! 知らずに食べてる体を壊す食品』(アスコム)『儲かる「西出式」農法』(さくら舎)など。現在ハンター修行中。

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