ハンターは「森の番人」-おばあさんは山へ鹿撃ちに その2
この写真でカルガモをしっかりと記憶しましたよ。
今回全ての写真提供者:高取寛さん※禁無断転載です、よろぴく。
猟友会の狩猟免許講習に申し込むともらえる『狩猟読本』がおもしろい。
日本に生息していると考えられている鳥類が約550種、
獣類は約80種いる、なんてことをわたくしは知らなかった。
モグラやネズミ、海棲哺乳類を含むと約160種もいるのだ。
このなかで狩猟鳥獣は、鳥類で28種類、獣類で20種類である。
獣類にはニホンジカとかイノシシとかのおなじみの名前が連なっているが、
(ヌートリアとかミンクとかはちょびっとビックリしたが)
鳥類は見たことも聞いたこともないものがたくさんいる。
キ、キンクロハジロってなんですか?
バンって荷物積む車じゃなくて? てな感じ。
そのへんでホーホホッホホーとよく鳴いてるキジバトは狩猟鳥獣だが、
公園にいるドバト(カワラバト)は獲ってはいけないのだった。あらー。
そしてカモ類の多さと言ったら。辟易してしまうわたくし。
近所の川を泳いでいるのがマガモだとはわかるがそれはオスのみで、
茶色っぽくてなんかまだら模様のやつは、マガモのメスなのか
カルガモのオスなのかメスなのかなんてことはさっぱりわからない。
全部マガモ(オス・メス)だと思っていたがそうではなさそうだ。
これで鳥撃ちになれるのか。不安は広がる。
冬になると庭にやってくるヒヨドリは狩猟鳥類だが、
かわゆいメジロは獲ってはいけない。ことは知っていた。
しかししょっちゅう見かけるシジュウカラもダメなのだった。
どこにでもいるムクドリは狩猟鳥類。何度か食べたけど、
はっきりと味を覚えていない。でも簡単に獲れそうな気がして好き。
冬になるとウチの庭に来てギョエーギョエーとうるさいヒヨドリ。
すげーおいしいらしい。食べたのに全く覚えてないわたくし。
あんなにたくさんいるのになあ、なんてことを思ってはいけないのだ。
そういうことを簡単に覚えられるよう、読本にはこう書いてある。
「握りこぶし程度の大きさの小鳥はスズメ以外は獲ってはいけない」。
なるほどねー。よくわかりました。あともうひとつ。
「白い鳥は獲ってはいけないものが多い」ってのもある。
白い鳥というと、ハクチョウとかシロフクロウとかタンチョウとか、
見るからに「食べちゃダメだかんね!」というやんごとない方たちが多いが、
アヒルってどうなのかなーとふと思うわたくし。
家禽だからかなー。英語ではカモもアヒルも合鴨もduckである。
合鴨も家禽だよなー。そう言えばガチョウはどうなのかなー。
なんてことを考えたら先に進まないから考えるのをやめた。
産地担当をしてたころ、担当農家に小鳥を獲って食べる人が数名いて、
「昔はカスミ網で一網打尽で、へっへっへ」なんて話をよく聞いたが、
現在はカスミ網での狩猟は禁止である。
「トリモチでメジロを獲って小鳥屋に売って小遣い稼いだ」って人もいたが、
現在はトリモチもメジロも禁止だ。
あのおじさま方は危ない橋をわたっていたのではあるまいか。
なんちて考えるとおもしろすぎてさらに先に進めない。
「1987年から2008年までの約20年間にスズメの個体数は6割減少した」
公益財団法人 山階鳥類研究所WEBサイト2013年7月4日掲載記事より。
そのうち御禁制の品になるかも、スズメ。
メジロの捕獲は食用ではなく愛玩目的で、捕まえると
小鳥屋さんに売れてたらしい。by昭和30年くらいの農村部の少年談。
見ててあきないもんね。色キレイだし。
そんなふうにヘラヘラと読んでいる『狩猟読本』だが、それはたぶんわたくしだけで、
基本的に全てにおいて大変とてもマジメにいろいろ書いてある。
冒頭には「ハンターの役割」など非常にマジメなことが書いてあり感動したが、
環境省によると「狩猟の主な意義や役割」が4つあるらしい。
1.自然のなかで自ら食べものを得るという趣味としての楽しみ。
2.自然資源の持続的利用による自然環境の保全。
3.科学的・計画的な鳥獣管理による農林水産業被害の予防
4.外来種の狩猟による日本の在来種の保護
1と2はそうだよねって感じだが、3と4は最近付け加えたのかしら。
なにしろ野生動物の農林水産業被害は200億円を超えるからね。
そして1から4まで全てを行うハンターは「森の番人」である。らしい。
すごいぞ、ハンター。
つーことで上記を踏まえ、わたくし的役割について考えてみた。
飼育されている牛豚鶏などの産業動物と違い、野生動物は
山や森の自然資源を食べて生きている(生ごみ食べるヤツもいるけど)。
自然界では弱いものは淘汰され能力のあるものが生き残るため、
生きて動いているものは基本的に健康な個体であると考えられる。
そういう野生動物が肥え太る秋に狩り、自然と野生のエネルギーを
積極的にヒトのからだに取り入れるのが「ジビエ」である。
ハトっていろんな羽の色があるけど、基本それはドバトで
キジバトはこういう模様のハトってことを今回初めて知る。
世の中には知らないことがたくさんあるのよね。
わたくしモズが大好きで時々畑で見かけるとウキウキするけど
非狩猟鳥類でした。益鳥だからかな。いや、かわゆいからかも。
「食べものは自分のからだをつくるもの」だが、
わたくしたちは基本的に栽培されたもの・養殖されたものを食べており、
昨今では天然の魚すら見つけるのが難しいほどだ。
そんな食事情のなかで狩猟鳥獣の肉は非常に稀有な「天然の肉」と言える。
環境負荷を与えることなく得られる持続可能な資源である肉。
おお、なんて有機的なんだ。オーガニックと言ってもいいのではないか。
有機農業と狩猟はとくに違和感なくつながるのではなかろうか。
将来わたくしはハンターになる(と思う)が、わたくしは法律をきちんと守り、
野生動物の保護・管理者の一員として、自分だけが楽しむのではなく、
狩猟への一般ピープルの理解を深め、野生動物という天然資源の有効活用や
ジビエについての普及啓発活動等々を通じて、
ハンターの社会的責務を果たそうとここに決意するものである!!!!
なんちて宣言してみた。
神様、そのような事情もあり、ハンターになりたいと思います。
事後承諾ですんませんが(まだなってないけど)、よろしくお願いします。
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