商品化はかなり難しそうな「花粉症治療米」

gazou 066
遺伝子組み換え米ができてもお米は自家受粉するから、
緩衝地帯をきちんと作れば交雑しないと参加者が言ってたがほんとかな。
あと、米の花粉を食べてる昆虫とかいないのかなと思うが、
ミツバチは米の花粉は集めないんだっけ? 花粉ってタンパク質だよね。



アルツハイマー予防米に引き続き、花粉症治療米の話。
さて、花粉症発症のしくみは以下の様なものであるらしい。

花粉が体内に侵入→異物と認識→IgE抗体を生成→抗体が肥満細胞にくっつく
ここまでが準備期間。IgE抗体が蓄積され一定量に達したあとに花粉が入ると、
IgE抗体が花粉のタンパク質に反応し、肥満細胞から化学物質が放出される。
化学物質とはヒスタミンとかである。これがアレルギー反応。

結果、鼻水が出たり目がかゆくなる「花粉症」になる。
症状は軽減されることもあるがなかなか治らない。

わたくしはかれこれ20年前に花粉症を発症したが、
スギ花粉がやたらと飛んでたはずの鳥取ではなく、
花粉症と相関性があると言われる排気ガスが蔓延している東京でなった。

当時働いていた千葉の某D社近辺は排気ガスがものすごく、
花粉症を発症する社員が相次いだ。わたくしの花粉症は某D社のせいである、
とわたくしは信じている。発症当時は抗ヒスタミン薬を飲むこともあったが
副作用でゾンビのようになるので最近は外に出ないことでやり過ごす。そして太る。

プロポリスとかシソジュースとかも試してそれなりに効いたが
糖分が含まれているため、さらに太る。ということでやめてしまった。

12月ごろから減感作の注射しに行くといいよと聞いていても、
毎年12月には忘れていて、2月に鼻水が出てから「あっ」と気づく。
この注射はアレルゲンタンパクを使用する減感作療法のひとつで、
現在、減感作療法には舌下免疫療法と皮下免疫療法などがある。

減感作療法は少量のアレルゲンを体内に入れてIgG抗体を作り、
IgE抗体の反応(先にIgGが肥満細胞にくっついているのでくっつけない)
を抑制するものらしい。これで花粉症の症状が緩和される。

デメリットとしては治療期間が長い、効果が弱いことに加え
量によっては失敗して花粉症の症状が出てしまう副反応などがある。

抗ヒスタミン剤でゾンビになるよりも楽だが、
長期間病院で注射されるのもめんどくさいし、
一日二度ほどエキスを垂らしたパンを舌下に二分置いておく、
とかもめんどくさい。また副反応が出るのも困る。

で、花粉症治療米の出番なのだった。

syuuseiIMG_9531.jpg
山奥の小さな耕作放棄田で契約栽培して地域おこし、なんてことは
すでに開発者も考えているらしく、自治体で講演する際に話すと
かなりの自治体が興味を持つらしい。儲かりそうだもんなあ。



花粉症治療米はスギ花粉の抗原の構造を変えたペプチドを作製し、
その遺伝子をイネに組み込んだものである。
アレルゲンタンパクそのものを使う減感作療法との違いはここである。

ペプチドはIgE抗体とは結合しないためアレルギー反応は出ない。
さらにアレルギー反応を抑えるT細胞を増殖させることができる。

通常、口から入ったタンパク質は胃液(酵素)で分解されてしまうが、
このペプチドはお米の胚乳にある「プロテインボディ」に発現するため、
腸に届いて免疫をつくる。

マウスや猿での実験後、まず平成24年度に健常人で臨床試験を行い、
25年には花粉症患者3名を対象に安全性試験。さらに30名で
プロセボ米も使った比較試験を行ったところ、すげー効いた。
さらに26年には低容量で再度試験を行い低容量で効果があることがわかった。

低容量=お米5gを毎日食べれば花粉症が緩和されるのだ。
5gで効くのだから減感作療法などと比較しても相当安価で花粉症が治る、
ということでもある。おお、なんてすばらしいんだ! 

ということで、花粉症治療米の未来は明るいようなのだが、
今回の講演では「スギ花粉症緩和米」という名前になっており、
どうも「医薬品」での商品化はかなり難しそうなのであった。

ちなみに遺伝子組み換え技術が使われている医薬品は144品あり、
代表的なものはインスリン、B型肝炎・HPVワクチン、インターフェロンなどだ。
花粉症緩和米がこの仲間に入るためには、さらなる治験や
製薬会社との連携も必要なため、その選択肢はなさそうである。

演者の斉藤三郎氏は「医療食品」という新しいカテゴリーを
作ってもらうのが一番いいだろうと再三おっしゃっていた。
果たしてそういうものができるのかどうか。道は遠そうである。

仮にできたとして、栽培場所、栽培農家などの選択も前途多難で、
このあたりで会場からは反対派への怨嗟の声が聞かれたが、それはそれとして、
農業法人などを作って契約栽培し、中山間地の耕作放棄地を借り上げて
大々的に栽培、などという夢が参加者から語られていた。

しかしなんとなく厚労省が今ひとつ乗り気でないらしく前に進まない。
いまだに「遺伝子組み換えにはなんとなく不安」という声が多く
積極的に推進するわけにはなかなかいかないということかもしれないね。

この技術の開発者は日本でタネも日本のものであるため、
特許とか権利とかで花粉症治療米にはお金のニオイがプンプンするのだが、
商品化はやっぱりかなり難しいのだろうと実感した。

花粉症治療米は花粉症の季節になるとメディアで必ず取り上げられるから、
関係各位はこれにより国民の理解が進むことを期待してるのかもしれない。
ビジネスになるのになあとがっかりしている人がたくさんいそうである。


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手島奈緒
おいしい食べものをつくる人を紹介したり応援したりしております。ブログをまとめた著書『いでんしくみかえさくもつのないせいかつ』(雷鳥社)『まだまだあった! 知らずに食べてる体を壊す食品』(アスコム)『儲かる「西出式」農法』(さくら舎)など。現在ハンター修行中。

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